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2025.01.17

MyGO!!!!!初の野外単独公演で彼女たちが見せた固い絆――“MyGO!!!!! 7th LIVE「こたえなんてなくても」”の様子をレポート

MyGO!!!!!初の野外単独公演で彼女たちが見せた固い絆――“MyGO!!!!! 7th LIVE「こたえなんてなくても」”の様子をレポート

「BanG Dream!(バンドリ!)」発の“現実(リアル)”と“仮想(キャラクター)”が同期するバンド、MyGO!!!!!。2024年はアリーナ規模の会場での2DAYSライブを成功させたほか、初めてのライブツアーや海外公演の開催、ロックフェスへの出演も果たし、リアルバンドとしても大きな成長を遂げた1年だった。そのライブ納めを飾ったのが、12月22日に東京・日比谷公園大音楽堂で行われたワンマンライブ“MyGO!!!!! 7th LIVE「こたえなんてなくても」”。彼女たちにとっては初の野外単独公演、しかも会場は数々の伝説が生まれたロックの聖地・野音だ。バンドを志すものにとっての憧れの舞台で、彼女たちはまたも最高の景色を描き出してくれた。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ

初めての野音、冬の夜空にこだまする迷子たちの叫び

今回の公演には、MyGO!!!!!と同じく「バンドリ!」から誕生した“夢(バーチャル)と現実(リアル)を飛び越える運命共同体(バンド)”、夢限大みゅーたいぷがオープニングアクトとして出演。ステージにカラフルな衣装を纏ったメンバーたち――仲町あられ(Vo.)、宮永ののか(Gt.)、峰月 律(Gt.)、藤 都子(Key.)、千石ユノ(DJ&Mp.)――が登場すると、オーディエンスは歓声で迎える。彼女たちは「よろしくお願いします!」と礼儀正しくお辞儀すると、まずはデビュー曲「夢現妄想世界」を披露。ベースとドラムがいない代わりにDJ兼マニピュレーター担当メンバーがいるのがこのバンドの特色で、デジタル色の強いハイテンションなサウンドは、初見の人に対しても惹きは抜群だ。仲町の張りのあるボーカルだけでなく、DJの千石も途中からマイクを握ってステージ前方に出てきて、2人でお立ち台に上って歌って会場を盛り上げる。

続いては千石にフォーカスを当てて制作された楽曲「ビッグマウス」。先ほどまでの、なんだかよくわからなくても楽しいワチャワチャ感とはまた違う、刺々しさを孕んだアップテンポな曲調、千石の「ふざけんじゃねーよ!」という叫びやダークなラップを含め、苛立ちや怒りを発散させてくれるような快感がある。その後、メンバー1人ずつ挨拶すると、早くも最後の楽曲「コミュ着火Fire!」へ。仲町が「曲名にちなんで、会場にいる皆様の心を熱くして、MyGO!!!!!さんにお繋ぎできればと思います」と語っていた通り、意外な方向に展開しながら激しく駆け抜けていく楽曲に引っ張られるように、オーディエンスもペンライトを振って熱く盛り上がる。音楽性はMyGO!!!!!とまるで違うが、MyGO!!!!!ファンにも間違いなく爪痕を残したライブだったと思う。

転換タイムを挿み、いよいよMyGO!!!!!の出番。残念ながらそよ役のキャスト・小日向美香(Ba.)がインフルエンザにより出演キャンセルとなったため、この日は4人での出演となったが(ベース演奏および彼女の歌唱パートはレコーディングデータが用いられた)、そんな逆境をものともしないほど、今のMyGO!!!!!の絆は固い。まず立希(Dr./CV:林 鼓子)がステージに上がると、彼女が叩く力強いリズムを合図に、愛音(Gt./CV:立石 凛)と楽奈(Gt./CV:青木陽菜)も登場し、そのリズムにタイミングを合わせて2人が「砂寸奏」のギターリフを弾き始めると会場は一気に沸く。そして燈(Vo./CV:羊宮妃那)が「野音、準備いいですか!」と檄を飛ばし、重厚かつソリッドなロックチューン「砂寸奏」でライブをスタートさせる。サビでは観客も“Uh Wow wow”と声を合わせて大合唱、2番では燈と楽奈が向き合って歌と演奏をぶつけ合う場面もあり、いきなり熱気溢れるオープニングだ。本来そよがいるずのスペースには彼女の愛用のベースが置かれ、常にその存在を感じさせる状態になっているのも熱い。

2曲目は、前回のワンマン“MyGO!!!!! 6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」”でライブ初披露された「処救生」。2本のギターによる荒々しくも切れ味鋭いアンサンブル、立希のパワフルかつ安定感のあるドラミング、1つ1つの言葉を真っ直ぐに届ける燈のカリスマチックな歌声。そのどれもが気持ちを高ぶらせてくれる。その後のMCでは、愛音と立希がいつものようにいがみ合う微笑ましい場面もありつつ、燈の「そよちゃんの分も……ううん、そよちゃんも一緒に、みんなで頑張ろう」という言葉によって気持ちは1つに。そこから爽快なパンクロック「歌いましょう鳴らしましょう」で一気にギアを上げると、彼女たちのデビュー曲でもある「迷星叫」へ。夜空に星が瞬く野外のロケーションにもピッタリで、サビ終わりで燈が空を仰いでこぶしを握るアクションもいつも以上にグッとくる。天にも届かんばかりの“迷い星のうた”が野音にこだました。

燈の「この場所で鳴らされてきた、音、声、光。その一瞬一瞬と一緒に、ここで叫びたい!」という言葉に続いて、彼女たちらしいメロコアチューン「壱雫空」へ。熱狂する客席の反応を見て心から楽しそうな表情を浮かべるMyGO!!!!!の面々。間奏ではメンバー全員が輪になって互いの顔を確かめ合うように演奏し、ラストはオーディエンスと一緒に“na na na”と大合唱して1つになった。そして寒空の下、こたつの話でひとしきり盛り上がったMCを挿み、燈が「道しるべも、地図もなくても、この歩みは止めたくない」と告げると、楽奈がエフェクトを効かせたワイルドなギターソロを披露して「無路矢」に突入。燈の普段よりずっしりとした歌い口と楽奈のホイッスルボイス、バンドのタフな演奏が絡み合って狼煙のように夜空を駆け昇っていく。

暗いブルー系のライト演出が雨の景色を呼び寄せた「輪符雨」では、スマートフォン向けゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」のそよをフィーチャーしたイベントストーリーに合わせて生まれた楽曲ということもあってか、燈が本来そよがいるはずだった場所に向けて感情を込めて歌い上げる場面も。そして愛音がシューゲイズという言葉の意味通りのうつむき加減でギターをかき鳴らす姿も印象的だった「潜在表明」。燈はMCでの穏やかな雰囲気からは想像もできないほど激しいポエトリーリーディングで、言葉の雨を野音に降り注がせる。特にラスサビ前の心の叫びを解き放つようなパートは、毎回ライブで観るたびに心を揺り動かされるが、野音でも鬼気迫るパフォーマンスを見せてくれた。

続くMCで2024年の活動を振り返るMyGO!!!!!一同。Poppin’Partyとの合同ライブや初の海外公演などに触れて「まあ、結構楽しかったかも……」と照れ臭そうに語る立希。愛音はラジオ番組の公録イベント“MyGO!!!!!の「迷子集会」出張版 -奏字音という日常-”を振り返り、楽奈の「ネコ集会、楽しかった」という言葉に「そうだね」と返答。それに対して「ネコ集会?」「そうだね?」といちいちツッコミを入れる立希が面白かったし、場を丸く収めてくれるそよの存在が必要だということにも改めて気付かされた。そして燈はメンバーたちに向けて「これからもみんなと一緒に歩んでいきたいし、ずっと叫び続けたい」と、改めて“一生”を約束し合ったバンドへの想いを言葉にする。ライブのMCでもメンバーたちの関係性がしっかりと描かれるのは、MyGO!!!!!ならでは特色と言えるだろう。

次のページ:答えなんてなくても歩みを止めない、MyGO!!!!!の温かな歌

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