TVアニメ『フリップフラッパーズ』ED主題歌「FLIP FLAP FLIP FLAP」TO-MASインタビュー Vol.1

lis_flipflap_02TVアニメ『フリップフラッパーズ』の劇伴と、ED主題歌「FLIP FLAP FLIP FLAP」を担当するTO-MAS SOUNDSIGHT FLUORESCENT FOREST=“TO-MAS”は、伊藤真澄、ミト(クラムボン)、松井洋平(TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND)の3人からなるユニット。それぞれが個別にクリエイターとして活躍する彼らが、なぜ「劇伴作家ユニット」を結成するに至ったのだろうか?今回は、“TO-MAS”始まりのいきさつから、『フリップフラッパーズ』の音楽におけるプロフェッショナルな制作過程まで、メンバー3人にたっぷりと話を聞いてみた。

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Interview & Text by 青木佑磨(クリエンタ/学園祭学園)
at Lantis

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TO-MAS feat. Chima『FLIP FLAP FLIP FLAP』のレビューはこちら

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TO-MAS『TVアニメ『フリップフラッパーズ』オリジナルサウンドトラック Welcome to Pure Illusion』のレビューはこちら

連絡が「結成しました」でしたからね。過去形ですから

──まずはTO-MASというユニットについてお聞きしたいと思います。メンバーそれぞれのご活躍は皆さまご存知かと思いますが、どういった経緯でこの3人が共同で活動することになったのでしょうか?

松井洋平 ……この質問に、明確な答えを出せる人っているんですかね?

ミト むしろ、ちょっとした脚色をした方がいいですよね。

──特になければ、これを機に設定を詰めていきましょうか。

ミト 昨今、アメリカのEDMシーンでは……。

一同 (笑)

松井 まさかの入りだ(笑)。

ミト コライト(Co-Write/共作)という文化が流行っておりまして、いろいろな作曲家がパートごとに音楽を共作するような流れがあるんですが……そういうものに倣っているわけではなく(笑)。

──ではないんですね(笑)。

ミト ランティスの伊藤善之プロデューサーが突然、本社の会議室に我々3人を呼び出したんですよ。そこでいきなり「ユニット名を考えました」と言われました。

松井 僕は何も聞かされていない状態で、ある日伊藤プロデューサーからメールが来たんですよ。プレビューを見たら「伊藤真澄、ミト、松井洋平……」と書いてあって、以降の文章は省略されて読めなくて「何、この面子!?」と思って。

──「この3人になんの繋がりがあるんだ」と。

松井 そうなんですよ!それで、中身を見るのが怖かったんで一旦昼飯を食べて(笑)。そろそろ見るかと思ってメールを確認したら、「この3人でユニットを結成したので、名前を考えてください」と書いてあったんですよ。

──事後報告だったんですか!?

松井 完全に事後でしたね。「はあー、そうなんや! 結成しはったんや!」と他人ごとのように思いつつ、そのなかに僕もいるんですよ(笑)。

ミト いきなり特報が来たみたいな感じですよね。

松井 そうですね、「とうとう結成!」みたいな感じで。「こういうのって本人に知らせないもんやねんなー」と思いましたね。

ミト 世の中にはいろんなことがあるんだなあと思いますよね。

松井 それで試しに7階の会議室に行ってみたら、真澄さんがいて、ミトさんがいて。

──その時点で結成はされてしまっているんですよね。

松井 連絡が「結成しました」でしたからね。過去形ですから。

──初顔合わせがグループ名会議だった訳ですか?

伊藤真澄 いや、グループ名ももう決まってましたよね。

松井 グループ名はその場で僕が発表しました。「ミトさんと真澄さんがいて、間を僕がつないでいるのでTO-MASでいきます」と。

伊藤 ミトさんの「TO」と、真澄の「MAS」。

松井 ふたりの名前から松井の「MI」をマイナスしたから「TO-MAS」なんです。

伊藤 いきなりグループ名を発表されて、あのときはびっくりしましたよねえ。

ミト そうですねえ。しかも正式名称は長いのがあるんですよ。“TO-MAS SOUNDSIGHT FLUORESCENT FOREST”という。

伊藤 舌噛みそう(笑)。

松井 その長いやつは、のちにだんだんフェードアウトしていくんですけど(笑)。一応、サントラを担当したりする際には使うことになっているんですけどね。

──劇伴担当の際には正式名称で、今回のシングルリリースは「TO-MAS」ということになっていますね。ということでTO-MAS、結成してしまいましたね(笑)。

伊藤 知らないうちに……。

──まさか「経緯がない」とは思いませんでした。

松井 結成秘話たるものがないんですよね。あったらこっちが聞きたいくらいです(笑)。

ミト だってもう会った瞬間に、TO-MASで劇伴をやるアニメの企画書を渡されましたからね。

やばい、予測がつかないぞこのインタビュー(笑)

──初対面の時点で最初のお仕事が決まっていたんですね。ちなみにその企画書というのは?

ミト TVアニメの『ももくり』ですね。

松井 「『ももくり』をします」でしたからね。「そうか、俺たちは『ももくり』をするのかあ」と(笑)。

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アニメ『ももくり』オリジナルサウンドトラック musique a la mode

ミト TO-MASをやることが決まって、それぞれの担当マネジメントと挨拶して、その場でTO-MASチームのA&Rの方が突然企画書を渡してきて「今回の説明をいたします」と(笑)。

──もう『電波少年』みたいですね(笑)。

ミト あ、そうかも!これ『電波少年』だ!(笑)。

松井 90年代リバイバルがここにも!なるほど、確かに目隠しされて連れて来られた感あるわ(笑)。

ミト もはやいきなり東大受験の世界ですよね。がんばってやりますよ、としか(笑)。

──ちなみにTO-MASを結成される以前の、皆さんの関係はどんなものだったのでしょうか?

ミト 知り合いです(笑)。

伊藤 あれ、私と松井さんとはあのときが初対面でしたよね!?

──えぇっ!?

ミト あれ、真澄さんと松井くんってそうだったんだっけ?

伊藤 そうなんですよ!初めましてだったんですよ!

松井 もちろんお名前は存じ上げていましたけど、お会いするのは初めてでしたよ。

ミト やばい、予測がつかないぞこのインタビュー(笑)。

──こちらとしても、想定していなかった回答ばかりが返ってきます(笑)。

松井 僕からすると、初めて会った人とユニットを組むことになったんです。

伊藤 でもなんか、自然だったんですよね。すごくスッとフィットしちゃって……あれ、私だけかな?(笑)。

ミト いやいやわかります。わかるんですけどね(笑)。動揺したりドギマギしたりする部分はあったのかもしれないですけど、お互いにやっぱり業界が長いので。「そういうものなんだ」というところもありました。

伊藤 そういう空気がありましたよね。

松井 なんせもうメンバーですから、フランクに行こうと(笑)。これが「こちらが伊藤真澄さんです」「どうも松井洋平です」という感じだったら違ったかもしれないですけど、会った時点でもうメンバーですからね。普通に「あ、真澄さんだー」って。

──前提として、メンバーであるところからのスタートな訳ですからね。ミトさんとおふたりは面識があったんですね。

ミト 真澄さんはレコーディングもライブも一緒にやりましたし、もっと言えば私は元から大ファンですから。真澄さんが音楽を手がけた(※七瀬 光名義)『宇宙海賊ミトの大冒険』という名作がありまして、その頃からずっと好きです。もちろんOranges & Lemonsも好きですし、真澄さんの数多の所業を知っている訳です(笑)。

伊藤 きゃー(笑)。

ミト 松井くんは松井くんで、私はTECHNOBOYSのライブを2~3年前に普通に見に行ってるんです。TECHNOBOYSでドラムを叩いている、よしうらけんじさんが高校のOBだったので……あれ、これ真澄さん知りませんでしたっけ?

伊藤 知りません。まだ知らないことがいっぱいありますね(笑)。

松井 だって、ミトさんとよしうらさんでユニットを組んでたんですもんね。

ミト よしうら先輩は高校のブラスバンドのOBなんですよ。

伊藤 いろんな伏線があるんですねえ。

ミト それで「バンドのサポートやってる」って言うから遊びに行ったら、それがTECHNOBOYSだったんです。まあ合縁奇縁と申しますか(笑)。

松井 伊藤プロデューサー、ひょっとしたらダーツ投げてメンバー選んでたんちゃうかな。「あー、松井かー!」とか言いながら(笑)

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