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REPORT

2026.05.26

アーティスト活動10周年イヤーを迎えた伊藤美来。その幕開けを飾った、自身初となるオーケストラコンサートの模様をお届け!

アーティスト活動10周年イヤーを迎えた伊藤美来。その幕開けを飾った、自身初となるオーケストラコンサートの模様をお届け!

2016年10月にシングル「泡とベルベーヌ」をリリースし、アーティストデビューを果たした伊藤美来。今年、アーティスト活動10周年イヤーを迎えるにあたって、これまでリリースしてきた楽曲たちを、オーケストラ用にアレンジして届ける、初のオーケストラコンサートを開催した。その昼公演の模様をレポート!

PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな
TEXT BY 塚越淳一

オーケストラアレンジで生まれ変わった楽曲たち
言葉を大事に紡いでいったコンサート

伊藤美来の10周年イヤーの始まりを祝福するようなオーケストラコンサートが行われた。2017年にリリースした1stアルバム『水彩 ~aquaveil~』から、2ndアルバム『PopSkip』(2019年)、3rdアルバム『Rhythmic Flavor』(2020年)、4thアルバム『This One’s for You』(2023年)、そして最新シングル「Now On Air」まで、これまでの歩みをたどるようにセレクトされた楽曲たちをオーケストラアレンジで届けた、スペシャルなライブとなった。

グランドフィル ハーモニック東京の団員が、それぞれの配置につき、チューニングが始まる。オーケストラコンサートでは必ずあるプロセスだが、音が合わさっていくように、聞き手の気持ちも整っていく感じがする。その後、今回演奏する楽曲のすべてを、オーケストラ用にアレンジした音楽監督であり、ピアノ奏者であるマエストロ・大嵜慶子とコーラス・SAK.が登場すると、大きな拍手が起こる。

コンサートの幕開けは「Overture ~Invitation to the aquaveil~」から。1stアルバムのオープニングナンバーだが、「ワタシイロ」の旋律が優しく心に染みこんでくる。演奏が終わると、青いドレスを纏った伊藤美来がステージに登場、再び大きな拍手が起こる。そして、1stアルバムと同じ流れで「ミラクル」へ。新たに加えられたイントロが鳴り響くと、少し緊張した面持ちで伊藤が歌い始める。リリースした頃とは違う、大人になった歌声。でも、切なさを帯びた唯一無二の声質は何ら変わらない。右手を前に差し出し、胸にスッと引き寄せる……そんな所作を入れながら、心を込めて大切に歌っていく。ラスサビに向け、音の圧がグッと増していくのは、オーケストラならではだろう。

「泡とベルベーヌ」は伊藤の歌からスタート。青いペンライトが揺れる中、“あまずっぱい期待と夢を 風にのせて”と歌うところでは、指をほっぺに当て、“新しい帽子はやめて”では、頭に帽子があるような素振りを見せる。そんなふうに振りを交えながら歌い、間奏では微笑みを浮かべる。少しずつ緊張も解けてきたようで、ラストのフレーズは伸びやかに歌い上げ、フルートとピアノの音で、曲を締めくくった。

2ndアルバムからの「PEARL」はピアノと歌を軸に、ストリングスやブラスが、心地よい風を送り込む。失恋ソングで、“だから大丈夫 もう大丈夫”と前を向いていくドラマがある曲なのだが、そんな主人公の姿を、歌でしっかりと表現していたし、サウンドも、その心情に寄り添うよう、ポジティブに広がっていった。

最初のMCで「アーティストデビュー10周年の活動のプロローグになるようなライブを目指していきたいと思っています。なので皆さんは、10周年の始まりを見る人たちです」と挨拶。「3曲聴いていただいたんですけど、聴いていただいた通り、すごく緊張しています(笑)」と笑いを取り、どこか緊張感が漂っていた会場の空気を、和やかにする。

TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』のEDテーマ「守りたいもののために」は、ブラスサウンドが印象的な曲だが、オーケストラアレンジになってもブラスを印象的に聴かせていく。ドラムがしっかりビートを刻み、間奏ではストリングスが美しく響く。伊藤も、緊張をまったく感じない、真っ直ぐな歌を会場中に届けていた。「Moonlight」では、ピアノとハープの音色に、切ない歌声を乗せていく。悲しい心情にストリングスが寄り添い、間奏ではトロンボーンのソロが哀愁を漂わせる。色々な感情を込めた歌が素晴らしく、月が浮かぶ景色が見えるようだった。

ピアノのイントロからフルートが重なり始まった「いつかきっと」は、しっとりと優しく言葉を紡いでいく伊藤の歌声を軸に、様々な楽器が加わり、広がっていく。最後は会場中に光が散らばり、幻想的な景色を生み出していた。

「とっても久しぶりな3曲を聴いていただきました」と振り返ると、着ているドレスについて言及。「今日は姫です」と、どこか嬉しそう。大嵜から「回らなくていいんですか?」と言われ、グルっと回ってドレスを見せると、そこにピアノで素敵なBGMを付ける大嵜。それに対しても「魔法がかかったみたい!」と喜んでいた。

全体的にゆったりとしたムードだったが、オーケストラの音圧、迫力を見せつけたのは、激しいイントロから始まった「孤高の光 Lonely dark」だ。伊藤も、これまでの透き通る歌声とは違う、張ったボーカルを聴かせ、それにSAK.のコーラスが加わる。ティンパニやコントラバスといった楽器の低音も、ものすごく迫力があった。青い世界の中、ピアノとチェロのイントロから始まった「vivace」。Charaの作詞・作曲した楽曲なので、独特の浮遊感が魅力なのだが、オーケストラでも、その浮遊感は見事に再現されていた。

次に、ピンクに照らされたステージで、「hello new pink」を口ずさむように歌っていく。歌詞に合わせ、表情も変えていき、“ワンピース”と歌うところでは、ドレスのスカートを掴み、軽く裾を持ち上げ、“darling I love you”では、右手をほっぺの横に持ってきて、ハートを作る。そんなパフォーマンスもかわいらしかったし、この3曲は、コーラスを含めたボーカルワークが聴きどころになっていた。

「『孤高の光 Lonely dark』をオーケストラで聴いてみたいという思いがあったので、夢が叶っている!と思いました」と伝え、大嵜とオーケストラの楽器についてのトークを繰り広げる伊藤。楽器はどれも高価だという話になり、緊張するから(価格は)聞かないようにしようとおどける。そんなやり取りもあり、ファンも、徐々に空気に馴染んできたところではあったが、コンサートは、あっという間にラストのブロックとなる。

川本真琴が手掛けた「青100色」は、オーケストラアレンジによって、新たな魅力を見せる。パーカッションや、金管楽器、木管楽器、弦楽器と様々な音が会場中に広がる賑やかさがあったし、歌詞を畳み掛けるところでは、演奏もクレッシェンドしていく。そして、ピアノの美しいイントロから始まった最新曲「Now On Air」。原曲もピアノやストリングスが印象的だったが、そこを活かした、オーケストラならではの大きな抑揚が素晴らしく、彼女の歌をより一層際立たせていた。

ミラーボールが光を反射させ、背景が明るくなり、開けた雰囲気の中で届けた本編最後の曲は「トロイメライ・ミライ」。10周年が始まるプロローグという意味を込めたコンサートで、これからもみんなと一緒に歩いていこうという、未来への想いがこもった曲を、ここに持ってくるのが素晴らしいし、すごくポジティブなボーカルに、オーケストラの演奏が彩りを添えていた。すっかりコンサートを楽しんでいる伊藤の笑顔も柔らかく、とても素敵だった。

大きなアンコールの拍手に応え、再びステージに戻ってきた伊藤と大嵜。ここで、26年10月に迎える、伊藤美来アーティストデビュー10周年プロジェクトとしてリリースされる5thアルバムのタイトルが『39rpm』になったことを発表。さらにBESTアルバムの収録曲が決定したことを報告する。

最後に、一緒に参加してくださいとお願いをして歌ったのは「ワタシイロ」。大きなクラップから始まり、オーケストラによって色鮮やかに彩られていく様子は、多幸感に満ち溢れていた。“さぁ彩られる準備は”“OK”のコール&レスポンスもしっかり決め、最後に伊藤がオーケストラのほうを向き、手で音を止める。

全14曲、伊藤の歌声とオーケストラの演奏に浸った時間は、実に贅沢だった。これまでの歩みを振り返りながら、今の自分で、ファンのみんなと10年目以降も歩いていきたいという、彼女のメッセージも受け取れた気がした。緊張から始まったコンサートだったが、そこからすぐに立て直し、真っ直ぐな歌を届ける姿に成長を感じたし、その切なさを帯びた歌声の美しさ、そして彼女の表現力の高さを、改めて実感したコンサートだった。

伊藤美来 Orchestra Concert~Prologue to the 10th Anniversary~
2026年5月17日(日)昼公演@川口総合文化センター・リリア フカガワみらいホール(メインホール)
〈セットリスト〉
M01. Overture ~Invitation to the aquaveil~
M02. ミラクル
M03. 泡とベルベーヌ
M04. PEARL
M05. 守りたいもののために
M06. Moonlight
M07. いつかきっと
M08. 孤高の光 Lonely dark
M09. vivace
M10. hello new pink
M11. 青100色
M12. Now On Air
M13. トロイメライ・ミライ

EN. ワタシイロ


●リリース情報
5thアルバム
『39rpm』
〈収録内容〉
「点と線」(TVアニメ『星屑テレパス』OP主題歌)
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部剛
「空色ミサンガ」
作詞・作曲・編曲:今井亮太郎
「Now On Air」(TVアニメ『声優ラジオのウラオモテ』OPテーマ)
作詞:つむぎしゃち 作曲:夢見クジラ 編曲:大沢圭一、夢見クジラ
「らびちゅ」
作詞・作曲:佐野仁美 編曲:田中竜夫
「新曲(タイトル未定)」
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:睦月周平

BESTアルバム『(タイトル未定)』
選曲が決定し、2枚組に収録することが決定。
2026年秋以降にCD発売を予定。

Instrumental BESTアルバム『(タイトル未定)』
BEST Albumに選曲した楽曲のインストゥルメンタルを配信限定でリリースすることも決定。

〈BESTアルバム収録内容〉(曲順は決定前)
「泡とベルベーヌ」
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:持田裕輔
「Morning Coffee」
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
「Shocking Blue」
作詞:森由里子 作曲・編曲:園田健太郎
「ルージュバック」
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
「ミラクル」
作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲:増谷賢 編曲:池田健仁(TRYTONELABO)
「あお信号」
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
「No Color」
作詞・作曲:大西洋平 編曲:水口浩次
「ワタシイロ」
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部剛
「守りたいもののために」
作詞・作曲:金子麻友美 編曲:水口浩次
「あの日の夢」
作詞・作曲:金子麻友美 編曲:水口浩次
「恋はMovie」
作詞:Sally#Cinnamon 作曲:多保孝一 編曲:中塚武
「all yours」
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:睦月周平
「閃きハートビート」
作詞:林英樹 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
「TickTack Invitation」
作詞:RIRIKO 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
「PEARL」
作詞・作曲:高田みち子 編曲:水口浩次
「Pistachio」
作詞・作曲・編曲:hisakuni
「土曜のルール」
作詞・作曲:大西洋平 編曲:睦月周平
「君に話したいこと」
作詞・作曲:岸洋佑 編曲:村木数典、金沢祐介
「Plunderer」
作詞:許瑛子 作曲:大畑拓也 編曲:岸田勇気
「hello new pink」
作詞・作曲:ゆいにしお 編曲:水口浩次
「孤高の光 Lonely dark」
作詞:許瑛子 作曲:間瀬公司 編曲:中畑丈治
「Sweet Bitter Sweet Days」
作詞:大森祥子 作曲・編曲:川田瑠夏
「BEAM YOU」
作詞:竹内アンナ 作曲:多保孝一、UTA 編曲:UTA
「ガーベラ」
作詞:金子麻友美 作曲・編曲:松坂康司(SUPA LOVE)
「Born Fighter」
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
「one’s heart」
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:設楽哲也
「Good Song」
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
「No.6」
作詞・作曲:園田健太郎 編曲:千葉岳洋
「気づかない?気づきたくない?」
作詞・作曲:竹内アンナ 編曲:名村武
「パスタ」
作詞・作曲:伊藤美来 編曲:水口浩次
「傘の中でキスして」
作詞・作曲:栗山健太 編曲:田中ひなの
「青100色」
作詞:川本真琴、日吉円子 作曲:川本真琴 編曲:水口浩次
「La-Pa-Pa CreamPuff」
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
「Oh my heart」
作詞:柿沼雅美 作曲・編曲:白戸佑輔
「Gift」
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:千葉岳洋
「トロイメライ・ミライ」
作詞:花衣 作曲・編曲:佐藤厚仁

関連リンク

伊藤美来 公式サイト
https://columbia.jp/itomiku/

伊藤美来 公式X
https://x.com/InfoItomiku

伊藤美来 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC5jcW47_Svq9AFkhNLca4EA

伊藤美来 公式Instagram
https://www.instagram.com/itomiku_official/

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