「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)で生徒たちが通う「初星学園」による文化祭、その名も「初星文化祭」。リアル脱出ゲームとのコラボや文化祭フェアなど様々な施策が実施され、その大詰めを飾るのが新たなライブイベント“学園アイドルマスター 初星音楽祭”だ。2月28日(土)、3月1日(日)の2日間にわたり、京王アリーナTOKYOにメンバー13人が集結して、ブラスバンド、ダンサー、生バンドと共に音楽を楽しむお祭りを繰り広げた。そんな2日間をじっくりとレポートする。
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晴天に恵まれた週末。“初星音楽祭”の全容は未知だったこともあり、会場はプロデューサー(「アイドルマスター」ファンの呼称)たちの期待の空気に包まれていた。そして、時間となり、スクリーンに初星学園の学園長・十王邦夫(CV:大塚明夫)とプロデューサー科担任・“あさり先生”こと根緒亜紗里(CV.古賀 葵)が登場し、今回の概要や諸注意などを話しつつ、「開演じゃ!(です!)」の声で“初星音楽祭”が幕を開ける。
ステージに明かりが灯され、まずステージに姿を見せたのはブラスバンドの3人<湯本淳希(tp)、石川智久(tb)、後藤天太(sax)>。彼らが奏でる軽快なオーバーチューンに乗せて出演メンバーが紹介されていく。学園長の「Hello everyone! It’s showtime!!」の掛け声で、「Campus mode!!」の衣装に身を包んで駆け出してくるメンバー。OPナンバーは“初星音楽祭”をテーマに作られた新曲「わかし・さわがし・スカパンク」だ。スカパンクのノリノリなメロディに、長月あおい(花海咲季役)、小鹿なお(月村手毬役)、飯田ヒカル(藤田ことね役)、七瀬つむぎ(有村麻央役)、花岩香奈(葛城リーリヤ役)、伊藤舞音(倉本千奈役)、湊みや(紫雲清夏役)、薄井友里(姫崎莉波役)、松田彩音(花海佑芽役)、春咲 暖(秦谷美鈴役)、陽高真白(十王星南役)、天音ゆかり(雨夜 燕役)が笑顔いっぱいに歌って踊れば、プロデューサーたちの歓声も一気にボリュームアップする。
DAY1は川村玲奈(篠澤 広役)が体調不良のため出番を制限しての出演となったが、彼女の気持ちと共に繰り広げられるステージは、まさにアイドルとプロデューサー、そして音楽がひとつとなって楽しさ満点。間奏でのブラスの音との掛け合いもはちゃめちゃに楽しいもので、のっけから会場が一体に。ちなみに、事前に公開されたMVでは「わかし・さわがし・スカパンク」を花海、秦谷、十王の3人が歌っていたこともあり、陽高がセンターに立ち、その下手側に春咲と松田が、逆側には長月、小鹿、飯田が並んでおり、ラストも陽高がその美声を響かせていた。
そのままステージに残った七瀬、薄井、天音が「みんな~!声出す準備できてるかな~?」などと叫び、続いては「古今東西ちょちょいのちょい」を披露。曲中にはアドリブ勝負として、3人がそれぞれ口にした音をブラスのメンバーが返すやり取りもあり、音楽祭ならではの楽しさはここでも満載。3人の組み合わせが作り出す音楽も魅力的で、みんなを巻き込んでいった。
3曲目は初星コミュで登場したユニット・Re;IRIS(長月、小鹿、飯田)による「雨上がりのアイリス」。ゲーム内のライブシーンと同様に、お互いに目や顔を合わせてにこやかに歌う姿は印象的で、ユニット結成した経緯を思えば胸が熱くなる。これまで大きなステージで披露してきた経験や各自の成長は確実にパフォーマンスの完成度を上げており、今回はブラスの演奏もアクセントとなってまた一段上の「雨上がりのアイリス」に昇華。ラスサビで転調し、更に晴れやかな表情で歌うのも心に響くものだった。
オープニングから3曲を歌い終え、最初のMCパートでは、それぞれが自己紹介をして意気込みを語る。湊や春咲は髪色をエクステなどでアレンジするなど演じるアイドルのイメージに近づけているメンバーもいて、細部にまで愛を感じられる。更に、今回の“初星音楽祭”では各ブロックにテーマが設けられていると話し、さっそく次のブロックへ。
このブロックのテーマは「ダンス」。先陣を切ったのは、「学マス」のソロ曲最多披露回数を誇り、作品を象徴する楽曲のひとつ「Fighting My Way」。コンサートライトによって真っ赤に染まった会場で、長月が強さやかっこ良さのなかにキュートさを垣間見せながら決めていく。キックアクションからカメラがのけぞる映像もライブ披露する過程で生まれた定番の演出だ。キレとしなやかさが増したダンスと共に披露していくと、曲の後半にはダンサー4人が登場し、ステージに華を添える。このブロックの特徴は、まさに“ダンサー”。これまでは個々のダンスで魅了してきたメンバーたちだが、ダンサーが加わることで更なる魅力と表現が加わり、“初星音楽祭”ならではのパフォーマンスとなっていた。
続いて、陽高がダンサー4人を引き連れ「Choo Choo Choo」をクールに披露。高身長でスタイル抜群の陽高はダンサーと並んでも存在感やオーラが半端なく、キレがありつつ腰のしなやかさなど、動きにも様々な表情をみせる。それがダンサーと合わさることでパフォーマンスから目を離せなくなるほどの魅力だ。髪を振り乱して汗ばんだ表情もダンスの激しさを物語っており、ラストで息をする表情まですべてがかっこ良かった。
雰囲気が一転、春咲は「Superlative」で会場を美鈴の世界へと変えていく。美しい高音を響かせる彼女は不敵な目線でもプロデューサーたちを魅了。ゲームのライブシーンを再現するために覚えたという間奏のダンスも見事に決めると、ステージ左右にダンサー2人が登場。シルエットを活かしたライティング演出もあり、アウトロでの“相手”を感じさせる華麗なダンスなど、このブロックらしいダンスの魅力も満点なステージとなった。
そして、七瀬は「Feel Jewel Dream」をお洒落に歌い上げる。1つにまとめたロングヘアが大きくなびくのもステップのキレがあるからこそで、途中からはダンサー4人と共にノリノリで楽しむ七瀬。彼女は目力も抜群で、真っ直ぐ前を向くその大きな瞳は吸い込まれそうになる。間奏でダンスパフォーマンスを決める一方で、囁くようなパートには大きな歓声が上がり、まさにかっこ良さとかわいさのどちらも魅力的な麻央らしさをみせてくれた。
ダンスと言えば、やはり紫雲清夏は外せない。「Kira Kira」でイントロからダンサーと華麗なダンスを披露したのは湊。元々ダンスが得意でスタイルも抜群な彼女はダンサーとのシンクロ具合も素晴らしく、ダンサーと顔を合わせた時の楽しそうな様子は印象的だ。ダンスだけでなくラップパートもクールに決め、うっとりした表情や思いのこもった歌声でもプロデューサーたちを引き込んでいた。
このブロックラストは、先日の“学園アイドルマスター クラス対抗初星大運動会”のために制作されたクラス曲より、3年1組のクラス曲「ナイワ」。ダンサーと共に披露する七瀬、薄井、陽高、天音はダンスのキレはもちろん、並んで闊歩する姿も様になっており、ソロパートを歌うメンバーの横で3人がポーズを決めるのもかっこいい。プロデューサーたちも「ナイワ」と叫び、ステージを一緒に作り上げていく。MCで他のメンバーが「勝てるわけないわ」と笑っていたが、その言葉どおり上級生の貫禄をみせつけてくれた。
MCで披露した曲を振り返り、次のブロックへ。各ブロックのテーマは、基本的にそのブロック終了後のMCで明かしていたため、次のブロックで伊藤がアコースティックギターの伴奏で「憧れをいっぱい」を歌い始めると、驚きの声が上がる。「アコースティックブロック」として、先ほど演出面で“初星音楽祭”ならではのパフォーマンスだったのに対して、今度は歌唱面で新たな魅力をみせていく。アコースティックの伴奏で歌う伊藤は、その根底にある歌唱力が安定感を生んでいて、千奈らしいかわいさはもちろん、語尾の弾み方にはいつも以上の楽しさが感じられる。その多幸感いっぱいの弾むような歌声だけでなく、彼女は小柄ながらもステップや腕の動かし方などが大きく、気持ちを全身で表現するのも見ていて気持ちが良い。プロデューサーの「フレフレ」の声を受けて、「(憧れは)でっかーい!!」とライブならではの気持ちの入った声も響かせていた。
先ほどダンスで魅せた七瀬は、今度はアコースティック編成によるジャジーなミュージックに乗せて「Sweet Magic」を歌い上げる。お洒落な彼女の歌声が音楽にすごくマッチし、ジャズ喫茶でゆったりと味わいたくなるような雰囲気を醸し出していた。振付もクールかつキュート、さりげなく髪を耳にかけるのも素敵で、また違った表情をみせてくれた。
そして、優しいイントロから薄井が「歌声は君いろ」を披露。包み込むような温かい歌声がダイレクトに届けられ、プロデューサーたちは歌声に身を委ねていく。思いの溢れた歌声や表情は時に切なさも感じるもので、“一緒に踊りましょう”と手を伸ばす姿や、ラストの言葉と共にウインクをして笑顔を浮かべる姿もドキッとするものだった。
更に、暗転したステージで次の準備が行われると、どよめきが起こる。今度はアコースティックのメロディで歌うのではなく、実際にアコースティックギター奏者の生演奏と一緒に、椅子に腰掛けた小鹿が「Unhappy Light」を歌い上げていった。目を閉じギターの音色を感じながら歌う小鹿は、いつも以上に心の独白をそのまま紡いでいるようで、その姿と歌声にオーディエンスの目も耳も釘付けとなる。後半、演奏にも小鹿の表情にも明るさが増し、思いをこめたフェイクパートも見事。MCで話していたが、まったくクリックなどのない状態で息を合わせて歌ったそうで、テンポ変化する場面も生演奏ならではの呼吸感があり、ラストににっこり微笑みを浮かべると会場は歓声と拍手に包まれていた。
アコースティックブロックラストは、シーズンイベント楽曲であり桜の季節を目の前にタイミングもバッチリな「桜フォトグラフ」。オリジナル歌唱メンバーの長月、花岩、湊が優しさ溢れる温かな歌声を響かせる。“ずっと”や“きっと”と響かせる声は本当に美しく、ピアノとギターを中心とした伴奏が歌声を更に引き立ていた。表情もソロ曲とはまた違ったものであり、Dメロの転調からの湊の歌唱は更に心奪われるほどで、彼女がアウトロで左右を向いて長月や花岩と頷き合うのも素敵なシーンだった。
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