REPORT
2025.12.18
バンドによってここまで見せてきた4つの表情に因み、セットリストに盛り込まれなかった楽曲がメドレー形式で演奏されると、プリンセスを彷彿とさせる衣装で“人間・芹澤優”が登場。「ハイハイハイハハイテンション」からラストブロックのスタートだ。ドレッシーな衣装にもかかわらず、イントロからバンドメンバーと並んでエアギターを披露するなど、思い切り盛り上げにかかる芹澤。サビの冒頭では手を掲げてコールを呼び込み、2コーラス目の序盤でも手扇を先導。そこからは「“人間”としても、みんなと楽しみたい」というマインドが彼女の根底に流れていることが伝わってくる。それを高いヒールを履き、ドレスを着てこなせるのは、“人間”としてあらゆる場面で研鑽してきたからこそではないだろうか。その一方で、Dメロでは歌いながら床にごろんとして足をばたばたさせ、自らが書いた歌詞どおり「帰りたくない」という心情を表現。そして大サビ前のブレイクでは「みんな、まだやる気残ってるっしょ?もうこれで私のソロライブ、今年終わりだよ?何の後悔も残らないくらい、騒ぎ倒せー!」とシャウトしてさらにすさまじい盛り上がりをもたらし、それを推進力に「シンデレラストーリー」に突入。この衣装、そして“人間・芹澤優”としてのステージには、やはりこの曲は外せない。ここではファンとのコミュニケーションよりも楽曲に込められたものの表現に注力。それを通じて自らの姿勢やマインドを伝えていくかのようだった。サビの直前には美しくも鋭いスピンを決めて、そのままブレることない歌声を堂々とサビで響かせていく。そんな華麗で作り込まれたパフォーマンスの練度の高さこそ、歌詞の“誰よりも自分を信じる”原動力なのだろう。大サビでは歌声に感情をぐっと乗せて観客の心を引き込むと、「告白」の披露へ。
イントロ中に「ずっとみんなに歌いたくて、我慢してたの。だって、大事な時に歌いたいから! 私がみんなのことを思って作った曲、聴いてください!」とこの曲に込める想いを言葉で伝えたところで、笑顔と共に歌唱をスタート。サビでは歌詞に合わせて客席に手を伸ばせば、間奏では周囲を見回してステージ上の大事な人たちの存在も感じながら、大事に紡いだ思いを丁寧に届けていく。落ちサビに差し掛かったところで、感極まって声を詰まらせてしまう芹澤。しかしぐっとこらえて、溢れる想いを届けてみせる。その“ぐっとこらえる”というところも含めて、想いの大事さが伝わってくるようだ。そうして最後まで歌いきると、後奏では拳を突き上げて会場をもう一煽りし、大事な曲をしっかり完成させたのだった。
そしてピアノの演奏をバックに、改めていつも力をくれるファンへの感謝の気持ちを伝えると、「最後は私の大大大好きな“私のバースデーソング”、歌わせていただけたら」と告げ、ラストナンバー「Merry Birthday!」が始まる。温かなファンのクラップに包まれ、歌声には徐々にウキウキ感が増していき、1サビの「今日だけはあたしだけ見ててね」のフレーズではステージ前方に出て頬をつつくアピールまでみせて楽しむ。その後も客席を覗き込んだり投げキッスを送ったりと、ファンと一緒の温かな時間を味わっていく。Dメロ途中にはイヤモニを外し、会場中からの合唱という特大プレゼントを受け止め、この日一番の笑顔を輝かせる。そしてその“お返し”に「みんな大好きだー!」とシャウトして、笑顔で最後まで歌唱。会場中と手を振り合って、“人間”としてのステージを締めくくった。
ステージが暗転するとすかさずアンコールを求める声が場内に響き、それを受けて「EVERYBODY! EVERYBODY!」のイントロと共にステージに芹澤が駆け戻る。サビでは腕振りで客席のペンライトを左右に揺らしつつ大きなコールを呼び起こし、場内はまたもダンスフロアの様相を呈す。会場一体となっての10カウントから続いた大サビではそのボルテージはさらにUPするが、それを芹澤は力強く引っ張り、ラストは彼女のフェイクとコールが組み合わさって熱気渦巻く空間が生まれる。
曲明けにはここまでのステージを振り返っていくと、早速“芹澤優ちゃん総選挙”の開票結果が到着。その結果、2部で“当選”を決めたのは自身も驚きの“声優・芹澤優”!青いダルマに目を入れて、会場中のファンと当選を祝う万歳三唱が行われる。その結果を受けて、“声優”としてキャラソンをもう1曲、撮影OK曲として披露することに。その前に、まずは会場中のあらゆる場所へ向けて次々ポージングのサービス。ここではにわかに“アイドル”としての表情が覗く。そして「心の準備はよろしくて?」とのセリフを導入に、赤城あんなの「ヒロインズドラマ」の披露が始まる。ツインテールで登場していたという奇跡的なリンクもみせたこの曲でも、ダイナミックさがありつつ切れ味も抜群な圧倒感の強いパフォーマンスを展開。麗しさをベースにしつつ、見せどころ・聴かせどころ満載のステージは、まさに当選候補に相応しい。撮影するファンを通じてそのパフォーマンスの魅力がさらに広まっていくことを確信させられる圧巻の姿を見せてくれた。
曲明け、「もったいないね! 本当に」と披露されなかった他の曲を残念がる芹澤。するとファンもそれに同調し、その声を受けて急遽“i☆Ris・芹澤優”当選時に披露を予定していた「HERO」が“復活当選”を果たすことに。ここでの歌声は伸びやかかつ、この曲にマッチする爽やかさを伴わせたものとなっていた。大サビでは歌詞の通りに幸せそうな笑顔を咲かせると、ラストは“ヒーロー!”のフレーズをロングトーンしながら会場中を指差し。それはまるで、「ファンが私にとっての“HERO”だ」と伝えているかのようにも見えた。
歌唱後には「HERO」の好きなポイントを《誰ひとり君の代わりになんてなれないよ》のフレーズだと発表しつつ、ファンに「皆さまの代わりはいないことを忘れないでくださいね?」とはにかみながら伝える。そんなかけがえのないファンをバックに写真撮影……のタイミングで「HAPPY BIRTHDAY」の演奏と共にケーキのサプライズ! ケーキと共にファンをバックにして記念撮影を行ったら、いよいよ2025年のソロライブのラストナンバーへ。会場中を細かくブロック分けして改めてコールを起こさせてから始まった楽曲は、「パラレルスターズ」だ。イントロからステージ上で跳ねまくって、オーディエンスと共に最後まで楽しむ芹澤。1サビでは手を振りながらゆっくり身体を1周させ、バンドメンバーも含めて“みんな”と手を振り合っていけば、2コーラス目ではギターと背合わせではしゃいだりと、会場中で最もこの曲を楽しみ尽くす。後奏ではさらに何度も高々と跳ね、最後は一体となってのジャンプエンドでバースデーライブを締め括ったのだった。
ここ数年はツアーファイナルの東京公演が兼ねる形となっていた芹澤のバースデーライブ。だが今回は豊富なバリエーションの衣装を用いたり、投票というインタラクティブ要素を取り入れたりと、久々の1Day開催ならではの面白さを持った形で作り上げてみせた。それが満足度の高いものになったのは、13年間様々な取り組みを通じて、彼女が自身のキャリアを充実させてきたからこそだろう。2026年もこの日披露した新曲「TIMELESS POWER feat. MOTSU」のリリースに加え、アニメのメインキャスト担当やi☆Risとしてのツアーが決定していたりと、引き続きマルチな活動が続く芹澤優。そのなかでみせる輝きは、さらにまばゆさを増していくことだろう。この日ステージに立った5つの姿、その全てが放った魅力がそう感じさせてくれた。
“Yu Serizawa 31st Birthday Live ~Choose Me!~”2部
2025.12.07@Zepp DiverCity(TOKYO)
<セットリスト>
M01.最悪な日でもあなたが好き。
M02.まさか恋してる?
M03.デビきゅー
M04.YOU YOUYOU
M05.Voice for YOU!
M06.TRIal HEART ~恋の違反チケット~
M07.COMETIC SILHOUETTE
M08.ラブミーサイエンス
M09.TIMELESS POWER feat. MOTSU
M10.JUNGLE FIRE feat. MOTSU
M11.YY ViVace
M12.今夜も月がきれい
M13.§Rainbow
M14.ハートビート急上昇
M15.ハイハイハイハハイテンション
M16.シンデレラストーリー
M17.告白
M18.Merry Birthday!
EN1.EVERYBODY! EVERYBODY!
EN2.ヒロインズドラマ
EN3.HERO
EN4.パラレルスターズ
芹澤優「TIMELESS POWER feat. MOTSU / Horizon」
TVアニメ『MFゴースト 3rd Season』オープニングテーマ
2026年2月25日発売
芹澤優オフィシャルサイト
https://yu-serizawa.com/
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