REPORT
2025.08.20
『マクロスF』単独公演としては4年ぶりとなる大型ライブ“SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025”が2025年7月26日、27日の2日間にわたって神奈川・Kアリーナ横浜にて開催された。両日ともに「マクロス」シリーズ史上最大規模となる1万9000人の観客を集めた公演で、ステージに立つのはもちろん“銀河の妖精” シェリル・ノーム starring May’n、そして“超時空シンデレラ” ランカ・リー=中島愛の2人。ここでは、驚愕のスペシャルゲストも駆けつけたDAY2の模様をレポートする。
TEXT BY 仲上佳克
(レポートの最後にはDAY1、DAY2両日のセットリストも掲載します!)
May’n、そして中島愛という最強歌姫2人が揃い踏みする『マクロスF』単独ライブは2021年の“マクロスF ギャラクシーライブ 2021[リベンジ] ~まだまだふたりはこれから!私たちの歌を聴け!!~”以来、実に4年ぶり。4年前の公演は一度開催延期になった関係でライブタイトルに[リベンジ]の4文字が追加されたが、コロナ禍のさなかにあった当時は観客による公演中の発声が制限されており、それが解禁されてからの開催となる今回は真の意味での[リベンジ]を果たすライブといえる。しかも今回は、“ファイナル”という気になる文言もタイトルに含まれていて……。はたしてこの“ファイナル”が何を意味するのか? Kアリーナ横浜に集結した大勢のファンが固唾を飲んで見守るなか、ライブは静かに幕を開ける。
「マクロス」シリーズのライブといえば作品の世界観を色濃く反映していることに定評があるが、今回のライブでは物語の時間軸を2021年公開の『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』に合わせているのだろうか。シェリルが歌で命を燃やして長い眠りにつき、主人公・早乙女アルトも宇宙生命体バジュラとの激しい戦闘の末に姿を消した世界。静けさの中にそっと響き渡る水の音と共に、眠っているはずのシェリルの歌声がどこからか聴こえてくる。楽曲は「サクリファイス」だ。
歌声の主を観客が探すと、なんとアリーナ上方の上手側にあるバルコニーで歌うMay’nがそこにいた。その歌声に導かれるように中島が現れ、劇場短編に登場したプロトカルチャーの遺跡の映像を背景に「時の迷宮」を歌い始める。2人の美しい歌声を堪能できる感動的なオープニングとなったが、シェリルが眠ったままではこのライブは始まらない。すると、シェリルの復活を願う人々の想いが届いたのか、ステージ上で巨大なオブジェのように風化した姿で置かれていたアルトの愛機・YF-29 デュランダルが突如として光り輝きながら浮かび上がり、轟音と共にステージの上空へと飛んでいく。そのサプライズ演出に客席からは驚きの声が沸き起こり、息つく暇もなく爆音が鳴ると、完全復活したシェリルとランカがステージ中央に並び立つ! 歌う曲は「トライアングラー(fight on stage)」で、つまりこれは時の迷宮による何らかの力で時間が巻き戻されたということなのだろうか? いや、そんな考察をするのも野暮というものだろう。『マクロスF』TVシリーズの放送開始から数えると17年という長い時を経た今でも、2人がシェリルとランカとしてステージに立ってくれている奇跡に心から感謝しつつ、これから始まる最高の一夜に胸を躍らせずにはいられなかった。
2人での歌唱後、ソロでの前半ステージを務めたのはシェリルだった。トップを飾る「Welcome To My Fanclub’s Night!」から「What ‘bout my star?」、TVシリーズ後期エンディングテーマの「ノーザンクロス」と、圧倒的な歌唱力とパフォーマンスでその場を支配していくさまは、まさにシェリルそのもの。「Kアリーナ、私の歌を聴け!」と、おなじみのセリフで始まる「射手座☆午後九時Don’t be late」では、4年前のライブでは聴けなかった観客からの「持ってけ!」「飛んでけ!」の声も真っ直ぐに飛んできて、それをMay’nは満足そうに両手を広げて全身で浴びていた。
まだライブ序盤とは思えないほど最高潮に盛り上がったシェリルのターンが終わると、ランカはなんとアリーナの客席下手側から「アイモ~鳥のひと」で登場。アカペラから始まり、ゆっくりと歩きながら歌うその様子は慈愛の心に満ちあふれているようで、あれだけ熱狂していた空間を一気に癒しの空気へと変えていった。このランカパートは「ねこ日記」「アナタノオト」と癒しの楽曲が続き、先述したようにTVシリーズから時間が経っていてもランカの初々しさや瑞々しさをまったく失わない中島の表現力には驚かされるばかりだ。そして、ランカもシェリルに負けじと「みんな、抱きしめて! 銀河の果てまで!」の決めゼリフと共に代表曲「星間飛行」を繰り出す。「キラッ☆」で一緒に盛り上がった後は、ランカがシェリルの楽曲をカバーした「What ‘bout my star?@Formo」を披露。曲の後半からいわゆる“ご本人登場”のようなスタイルでMay’nが合流して一緒に歌い、再び2人がステージに揃う形となった。
この時点で開演から1時間近くが経過していたが、ようやく一息ついてMCの時間に。「こうやって時が経っても単独公演ができることを本当に幸せに思っています」(May’n)、「私たちも時を経て、みんなもそれぞれの歩みがあって、今この奇跡がみんなのおかげで生まれました」(中島)とこの日のライブを開催できたことに感謝を述べつつ、話題はライブ当日がアルトの誕生日(2042年7月27日生まれ)という件へ。ここ1年で、シェリルの誕生日である11月23日に「超時空ファンクラブ マクロス魂」のファンクラブイベントが開催されたり、ランカの誕生日である4月29日には「マクロスF オールタイムベストアルバム『娘々グレイテスト☆ヒッツ!』」の発売日&リリースイベントを迎えたりと、キャラクターの誕生日をファンと共に過ごせていることを喜びながら、会場の全員で「ハッピーバースデー、アルト(く~ん)!」と、アルトへのお祝いのメッセージを送った(「く~ん」の部分はアルトを“君”付けで呼ぶランカ役の中島と、観客が担当)。
ここからは、「娘々グレイテスト☆ヒッツ!」限定盤特典のCDに収録された、シェリルとランカがお互いの楽曲を歌い合うカバーソング企画「デカルチャー歌合戦」を生で披露するという特別なコーナーがスタート。ステージ上のモニターに映し出される映像もカラオケ風に歌詞のテロップが出るという凝った演出が見られた。「pink monsoon」をランカが背伸びしながら歌っているように見えるのも微笑ましいし、「CMソングメドレー」ではランカのCMソングメドレーを色気を纏いかっこよく歌うシェリルも面白い。「ニンジーン Loves you yeah!」で「シェリル!」とコールが入るのも、なかなかレアな光景だった。最後は「ギラギラサマー(^ω^)ノ」で会場全体がノリノリになって、上体を大きく後ろに反らす独特の敬礼ポーズで締めくくった。
次ページ:この“ファイナル”とは、来たるべき未来へのプロローグなのかもしれない
SHARE