She is Legendとトゲナシトゲアリ、歌で想いを爆発させる2組が魂をぶつけ合った“She is Legend×トゲナシトゲアリ 「SOUL & CRY」”の様子を振り返る

シーレジェ×トゲトゲが代表曲でコラボ歌唱　対照的なステージングを振り返る

アンコールでは、誰もが期待したであろうシーレジェとトゲトゲによる共演が実現。まずはトゲトゲ「雑踏、僕らの街」で、“変わらないはずはないよ手を伸ばして”や“やり残した鼓動がこの夜を覆って”など、楽曲のフックとなるフレーズを鈴木このみ、XAIが順に乗りこなしていった。

続くシーレジェの「Burn My Soul」では鈴木このみとXAIの2人に挟まれる形で理名が歌唱に参加。彼女の歌声の驚くべき“伸び”はシーレジェ曲でも存在感を放つことが証明される時間となったわけだが、ふとした瞬間、理名の後ろで前述の火柱が再び上がり、かつ横ではスクリームが奏でられている光景を冷静になって目をやると「（理名が演じる）井芹仁菜だったら思考がショートしていそうだな」なんて思わずくすりとしてしまった。

今回の対バンがお互いにとってどんな刺激となったのだろうか。シーレジェの楽曲はとにかく物語的で、1曲のなかでもビートチェンジ的にメロディが大きく変わったり、感情を入れるところでは曲調がゆったりとなったり。対するトゲトゲは、1曲ごとの尺がやや短く、とにかく高速で畳み掛ける攻撃的スタイルである。目まぐるしい展開作りは、次々と映像が切り替わる演出にも反映されていて、いかにも現代的なステージセットだった。

そのうえで、約1時間のショーケースを、どのような抑揚のバランス配分で走り切るかが両者にとってかなり刺激になったのではないだろうか。もちろんお互いに言えることだが、たとえば理名が突如としてスクリームを活用した路線に走ることもないし、シーレジェがバンド体制になる姿も想像し難い。ともあれメタ的な話でいえば、こうしたライブでのインスピレーションを、作家陣が楽曲に反映するという話は、そう少なくもない。そんな勝手な期待感すら抱いてしまうほど、両バンドにますますのめり込む、まさしく魂のぶつかり合いだった。

＜セットリスト＞

She is Legend
01. 春眠旅団
02. Thank you for playing～あなたに出会えてよかった～
03. Come on baby!
04. 白の呪文
05. 闇夜のKomachi Vampire
06. 起死廻生
07. Goodbye Innocence
08. Perfect Goodbye
09. ありふれたBattle Song～いつも戦闘は面倒だ～
10. Long Long Spell

トゲナシトゲアリ
01. 渇く、憂う
02. 闇に溶けてく
03. 運命の華
04. 声なき魚
05. 空白とカタルシス
06. 雑踏、僕らの街
07. 空の箱
08. 視界の隅朽ちる音
09. ダレモ
10. 臆病な白夜
11. 傷つき傷つけ痛くて辛い
12. サヨナラサヨナラサヨナラ
13. 名もなき何もかも
14. 爆ぜて咲く

She is Legend×トゲナシトゲアリ
01. 雑踏、僕らの街
02. Burn My Soul