メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」のなかでもストリングスを用いてエモーショナルなロックサウンドを鳴らしてきたMorfonica(以下、モニカ)が、2年ぶりとなるNew Album『Polyphony』をリリースした。2年前の2023年にリリースした前作『QUINTET』以降はミニAlbum『forte』を軸に、バンドのコンセプチュアルな側面をより強めた活動を展開してきた彼女たち。2年間を経てリリースされる新たな集大成となる『Polyphony』にどんな思いを感じているのか。
結成5年を経て新たな姿を見せようとしているバンドの現在を、直田姫奈(桐ヶ谷透子役)、mika(二葉つくし役)の2人に聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
――フルAlbumとしては2年ぶりとなる『Polyphony』ですが、改めてモニカとしてのこの2年間を振り返ってみていかがですか?
mika この2年間はあっという間でしたね。気づいたら『QUINTET』から2年経っているということにびっくりしています。
直田姫奈 うん、確かに。コロナ禍も経てのこの2年間で私たちのライブの仕様もすごく変わりました。声出しができるようになり、ライブ会場にもたくさんの人を呼べることになって。だからこそできる曲というのもお願いして作っていただいたりしたので、モニカの曲のカラーもまた一気に変わったのかなって思います。
――コロナ禍を経たことで活動に変化が訪れたと。
直田 そうですね。モニカとしての活動が始まった頃は、私たちのライブは物語を基調とした感じで、歓声がなくてもできるようなライブを中心にやっていたんですよね。対してこの2年間はお客さんとの対話ができるようなライブが増えて。“Morfonica Concept LIVE”と銘打ったとしても、お客さんが入ってきやすいようなライブにしないと逆にダメだよねと思って。
mika お客さんの声が出せるようになったのは大きいよね。
直田 そう。“Morfonica Concept LIVE”という形式でも、お客さんたちが自由にライブとして楽しめる作りにしないとというのは私たちの課題でもあったし、そこが新たなモニカの見せ方になるのかなと思ってこの2年間活動をしてきました。
mika それ以前はある意味舞台のような感じでやってきたので、逆にコミュニケーションが取れるようなライブをやった経験がなかったんですよ。
直田 なので「どうやったらお客さんが応えてくれるのかな?」からの始まりだった。でも蓋を開けてみると、自然と皆さんがすごく大きい声で応えてくださったんです。あれはすごく嬉しかったですね。
mika 「いつみんなで合わせてたの!?」っていうくらい(声が)揃っていて(笑)。
――そんな変化の時期を経てリリースされる『Polyphony』ですが、近年の楽曲から昔の楽曲まで収められているのは興味深いですよね。
直田 そうですね。数年前にリリースした「Sonorous」「Fateful…」「Secret Dawn」「One step at a time」がここに入ってくるのが私的には意外というか。すごく懐かしいんですけど、どの曲もこの5人のキャラクターたちにおいてとっても重要な成長に関する曲でもあるので。この2年間だけじゃなく結成して以来の5年間、モニカのみんなが少しずつ大人になっていく姿が記録されたAlbumだと思います。
――特に冒頭の「Polyphonyscape」には、これまでのモニカも感じさせつつ、皆さんの現在を映しているのかなと。
mika まさに5人揃ってスタートする感というか。活動が制限されたなかから1人1人が歩んできた道を1つにまとめるような。5人のそれぞれの音が重なって1つになるという、まさにモニカのこの5年間という感じがしていて。それを踏まえたうえで前向きに頑張っていけるような「Polyphonyscape」が1曲目に収録されていることに、覚悟を決めたモニカが反映されている気がします。
――まさに今のモニカを象徴するような、爆発力を感じさせるサウンドですよね。
mika イントロは結構繊細な感じで入ってくるんですけど、いきなりの疾走感がすごいですよね。
直田 駆け抜けていく感がありますよね。この煌びやかな感じは最近だと珍しい気もします。近作である「Tempest」や「両翼のBrilliance」をはじめ結構かっこいい路線の曲たちが続いてきたので、この曲を聴いた時にちょっと原点に帰ったような。それこそ「金色へのプレリュード」や「ブルームブルーム」「ハーモニー・デイ」の要素もありながらも、でもこの疾走感は今のモニカという。「色んなものを踏まえて辿り着いたんだね」って勝手に思っちゃって。
――なるほど。
直田 あの子たち5人が色んなことにぶつかりながらも、時には喧嘩して辿り着いたのはここだったんだねって思わせてくれるようなサウンドでもあるし。歌詞も煌びやかなだけじゃなく、過去にリリースされた楽曲たちの言葉が出てきたりもするので、この5年間色んなことをやってきたのは無駄じゃないんだということを(作中でこの曲を作詞している)倉田ましろちゃんなりの言葉で訴えかけてくれてるような気がして。すごく素敵な曲をいただけたなと思います。
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