INTERVIEW
2025.02.07
キャリア初のタイアップとなったTVアニメ『魔女と野獣』のOPテーマ「相聞詩」を皮切りに、その後デジタルシングルを3ヵ月連続リリース。2ndフルアルバム『開眼証明』を発表すると、さらにアルバムを引っ提げたワンマンツアー開催など、バンドとして勢いを加速させた2024年を経てさらなる高みへと至るそこに鳴る。彼らが2025年第一弾楽曲として発表したのは現在放送中のTVアニメ『FARMAGIA』のEDテーマ「miss-dystopia」。3月19日に同作の挿入歌「恵まれた悲劇を」をカップリングとしてパッケージしたシングルがリリースされる本楽曲は、ファンタジーをベースとした壮大な冒険譚でありながら、それだけに収まらない深い人間模様が描かれる『FARMAGIA』の魅力を、そこに鳴るが掲げる“エクストリームなJ-POP”で鳴らした一曲に仕上がっている。『FARMAGIA』とそこに鳴るの出会いから制作に至るまでをメンバーの鈴木重厚(vo、g)、藤原美咲(vo、b)、斎藤翔斗(vo、ds)に聞く。
INTERVIEW & TEXT BY逆井マリ
──2024年は怒涛の1年だったと思います。改めて振り返ってみるといかがですか。
斎藤翔斗 あっという間すぎてあまり鮮明には覚えていないくらいです。TVアニメ『魔女と野獣』で初タイアップを経験しただけでなく2年連続“VIVA LA ROCK”に出させてもらったり、リリースツアーも周らせてもらったり。自分で言うのも少し恥ずかしいですが、演奏しながら歌うスタイルがやっと板についたようにも思います。
藤原美咲 本当に充実した1年でした。2年連続でオリックス・バファローズのOP映像に自分たちの楽曲を使っていただけたのもすごく嬉しくて。3ヵ月連続リリースの際にはMVもたくさん発表できましたし……何かしら動いている状態が続いていて「本当にありがとうございます」という感じです。ただ、駆け抜けすぎたあまり体感としてはまだ2023年にいるような感覚もあって(笑)頭は過去に留まっているのに体だけがすでに2025年へと突き進んでいるような。それと同時に、色々な機会をいただきすぎてまだ信じられない感覚もあって、(インタビュー段階で)あと24時間ちょっとTVアニメ『FARMAGIA』がスタートしますけど、自分の目で見るまでは(タイアップとして自分たちの楽曲が使われることを)信じていないです(笑)。
鈴木重厚 何か特別変わった実感はないんですけども、今こうやって振り返ってみると色々な出来事があったのは確かですね。特にツアーが大きかったのかな。ただ、自分としては至らなさを感じることも多くて苦い気持ちがずっと引っかかっていた部分もありました。その一方で、好き勝手に曲を作らせてくれる仲間がいるという現実がすごく嬉しくて。改めて「バンドってこういうものなんだな」って実感していました。
──そうしたなかで、鈴木さん個人として10月に発売されたゲーム『FARMAGIA』(Nintendo Switch/PS5/Steam)のテーマソング 「dis-dystopia」の提供もありました。
鈴木 『FARMAGIA』の音楽プロデューサーの堤(健一郎)さんから連絡をいただいたのが(楽曲制作の)きっかけだったんです。あれは確か2年くらい前の話だったと思います。堤さんが僕のXでの「外の仕事も積極的にやっていこうかな」といった投稿を見て連絡をくれたんです。書いてみるもんですね、すごい魚がつれてしまったと(笑)。その時の打ち合わせは高級感のある英国風喫茶店のような場所で……その景色を妙に覚えています(笑)。
──今回の取材には堤音楽プロデューサーにも同席いただいていますが、当時のことは覚えていますか?
堤 健一郎 覚えていますね。以前から「すごいバンドがいるな」と思っていて鈴木さんのXのアカウントをフォローしていたんです。正直私にとっては若い世代のバンドという印象でしたが、だからこそ「世の中ここまで来ているのか」と驚かされましたし、類似するバンドがいないという点でも大きな魅力を感じました。また、私個人的に最近のアニソンがテンプレート化しつつあるように感じていて、そこに一石を投じるような楽曲を求めていたんです。とは言え当時はまだアニメ化に向けた話が具現化していない段階でしたので、まずは「いつか何かご一緒したいです」というお話をさせていただき、その後鈴木さんにゲーム版の楽曲提供をお願いしました。
──その後ゲーム『FARMAGIA』がアニメ化され、そこに鳴るとしてEDテーマを担当することになりました。鈴木さんとしては個人での楽曲提供とバンドとして楽曲提供、作品との向き合い方は違いましたか?
鈴木 ゲーム版に提供した 「dis-dystopia」は、アルシェ(CV:佐倉綾音)、チーカ(CV:水瀬いのり)の2人が歌うテーマソングだったので、そのキャラクターの目線を考えつつ作っているんです。だから普段の作り方とは少し違いました。逆に「miss-dystopia」はそこに鳴るとしての楽曲なので比較的自然体で作れたと思います。「原作を自分の中に落とし込んだうえで自分のフィルターを通して吐き出す」という感じでした。
──「miss-dystopia」の歌詞は贖罪をテーマにされたとのことですが、“たとえ君以外の全て全部敵に回したって 目指すそう誓った桃源郷”と、いつも以上に表現がストレートですよね。物語が進んでいくうちに、この曲の深みが増していくように感じました。
鈴木 僕がそういう話が進むにつれて深みが増していく曲が好きなんですよ。具体的な例を挙げるとBUMP OF CHICKENの「カルマ」(ゲームソフト『テイルズ オブ ジ アビス』主題歌/TVアニメ版OPテーマ)がすごく好きで。アニメが佳境に差し掛かった時に「(この曲の歌詞は)そういう意味だったのね」と気付かされた瞬間があり、その感じを本楽曲でも目指したいと思っていましたね。
──なるほど!『テイルズ オブ ジ アビス』はプレイされていたんでしょうか?
鈴木 『テイルズ 』シリーズは一時期結構やっていました。なんなら今もちょこちょこやっています。ただ、ゲームに割ける時間が今は少なくなってしまったので……。それでも情報だけは追ってますね。
SHARE