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2021.05.31

止まった時計のその先へ「行ってきます!」。“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 7thLIVE Q@MP FLYER!!! Reburn”DAY2レポート

「アイドルマスター ミリオンライブ!」のライブイベント“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 7thLIVE Q@MP FLYER!!! Reburn”DAY2が2021年5月23日、山梨県・富士急ハイランド コニファーフォレストにて開催された。

DAY2には山崎はるか(春日未来役)、Machico(伊吹 翼役)、稲川英里(大神 環役)、上田麗奈(高坂海美役)、角元明日香(島原エレナ役)、種田梨沙(田中琴葉役)、藤井ゆきよ(所 恵美役)、末柄里恵(豊川風花役)、伊藤美来(七尾百合子役)、髙橋ミナミ(馬場このみ役)、浜崎奈々(福田のり子役)、阿部里果(真壁瑞希役)、桐谷蝶々(宮尾美也役)、夏川椎菜(望月杏奈役)、山口立花子(百瀬莉緒役)、木戸衣吹(矢吹可奈役)、中村温姫(ロコ役)が出演した。

ライブ開演直前には舞浜歩がスクリーンに登場し、会場BGMとして歩の「Beat the World!!!」がソロバージョンで流された。ライブの0曲目とばかりにタオルを回す観客たちの姿から、熱い応援の気持ちが伝わってくる。ライブ諸注意は二階堂千鶴が担当し、今回キャストはライブに出演できなかったアイドルもライブ演出に取り入れることで、“ひとりも手放さない”という「ミリオンライブ!」のスタンスが感じられた。

キャンプらしい楽しいテイストのoverture(序曲)とともに、ステージには活動的な装いのダンサーたちが登場。ステージ上にキャンプセットを設営するような演出を行なった。続いてステージにアイドルたちが登場すると、山崎はるかの手には火がついたトーチが。メインステージ中央と両翼に設営されたキャンプファイアに火がくべられ、「Flyers!!!」の先頭に立った山崎がセンターステージのキャンプファイアにも火種を投げこんで、燃え盛る炎とともに“Q@MP FLYER!!! Reburn”DAY2はスタートした。

続くナンバーは出演者全員による「サンリズム・オーケストラ♪」。「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!!」DAY1のために制作された公演テーマ曲で、チーム「Sunshine Rhythm」のメンバーしか歌ったことがない楽曲だ。この曲を屋外の抜けるような青空の下で歌うことができる日が来るとは! 演者からは彼方の富士山がくっきりと見えていたようだ。もくもくと雲が立つ夏のような日差しの元で、ハッピーで楽しい曲調に乗せて全力でクラップを呼びこみ、叫ぶように煽りながら花道を駆けていくアイドルたち。その姿は燃えるように熱い最高のライブを予感させた。

開幕MCで山崎が「一年ごしに同じ会場で7thライブを開催することができました!」と報告すると、仲間たちの歓声と客席からの万雷の拍手が沸き起こった。キャンプ、再燃焼(reburn)というライブコンセプトと、ガールスカウトをモチーフとした新衣装を紹介して、いよいよライブは本編へ。

「遊びましょう!」の声とともに流れたのは「ジャングル☆パーティー」!盛り上がりが約束されたナンバーを歌うのは、稲川英里、髙橋ミナミ、木戸衣吹、中村温姫の4人だ。会場はかなり風が強く、木戸がストレートヘアを風になびかせながら軽快にステップを踏む姿は野外感満点!稲川は今回地毛のショートヘアだが、雨風があった場合にウィッグが崩れないようにと考えたというからプロ意識を感じる。弾けるような「ウンババ!」の掛け合いと共に花道からセンターステージへ。センターステージで歌う中村の満面の笑顔が、キャンプファイアーの炎の陽炎で揺れて見えた。アウトロの締めの「じゃーん!」に合わせてぐっとにぎって突き上げた4人の手からは、トップバッターを最高の形でやりきった充実感があふれていた。

ここで早くもオリジナルメンバーの「Growing Storm!」を持ってくるのが、今日は一切手加減なしに嵐を巻き起こし続けるという宣言のようだ。「Growing Storm!」はユニット・乙女ストーム(山崎はるか、Machico、伊藤美来、阿部里果、夏川椎菜)の楽曲で、初めて名前のついたユニットの楽曲、ゲームのシナリオと連動した楽曲、そしてシアター組だけでのユニット歌唱と、2014年当時の新しい挑戦が詰まった楽曲だ。この曲で嵐を巻き起こした彼女たちは、やがてはじめての全国ツアーを牽引する存在になっていく。その5人が成長した姿で、待ちに待ったライブへの熱情を爆発させるのだからもはや無敵だ。花道を駆ける乙女たちが、ステージに嵐を巻き起こす!スクリーンでアップで見ると、阿部の前髪や後れ毛の遊ばせ方が瑞希っぽい。Machicoが衣装をアレンジして、出演者でただひとりおなかを見せているのがいかにも彼女ならではだし、翼らしくもある。「未来の風はいつだって~」の口上にも似たパートを気持ちよさそうに歌う山崎の姿は、まさに春日未来そのものだった。

「マイペース☆マイウェイ」は浜崎奈々のソロ曲で、今回は桐谷蝶々が加わったデュオバージョンで披露した。メインステージの両翼に立つ2人の個性は両極端。浜崎の力強さに対し、桐谷のふわりと自分のペースで道を行くのんびりしたマイペースさが加わった。間奏で駆け寄った2人が、一緒に仲良く観客に手を降る姿が微笑ましい。落ちサビの浜崎のロングソロに包みこむような柔らかなニュアンスがあって、ボーカルと表現の両面での成長を感じさせた。

「未来飛行」は山崎はるか(春日未来)にとって2曲目のソロ曲だ。「ミリオンライブ!」黎明期に数多く歌った「素敵なキセキ」をどう超えていくかを悩んだ結果、観客と一緒に歌い一緒に楽しむ楽曲として昇華されたイメージがある。今回はその曲を、ユニット・STAR ELEMENTSの面々(山崎はるか、種田梨沙、木戸衣吹)で歌うという趣向だ。スタエレでは劇中劇のアイドルを演じていることもあり、素の3人の共演はまた違う魅力がある。カチューシャをつけた種田の琴葉感がかなり強く、野外活動風のネッカチーフが活動的なイメージだ。「未来飛行」のソロパートを歩きながら高らかに歌う木戸の姿はとても新鮮!花道のセンターに立つのはもちろん山崎で、「外から内側にウェーブ行くよ!」と呼びかけると、両サイドにいた種田と木戸が屋外の開放的なウェーブを先導した。

伊藤美来と夏川椎菜は「成長Chu→LOVER!!」を披露。「LIVE THE@TER DREAMERS 02」に収録されたデュオ曲だが、個人的には当時のシアターアイドル37人で繋いだ“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!”を象徴する楽曲の1つという印象が濃い。それぐらい、仙台公演のリーダーコンビとしてこの曲を歌った2人の輝きは強かった。それから5年を経て、2人が放つ瑞々しいアイドルらしさは変わることなく、光を増すばかり。「もっともっと LOVEしたい!」のフレーズに合わせて、2人で1つの大きなハートを描くと、その指先をなぞるように、スクリーンにも星をあしらったハートが踊った。

「絶対的Performer」はユニット・miraclesonic☆expassionより上田麗奈、角元明日香、浜崎奈々が担当。会場のコールが是非ともほしい楽曲だが、「オン・ザ・ウェーブで手を上げてね!」「行くよ、せーの!!」と動きを煽って客席を巻き込んでいく。とにかくステージ上の3人のエネルギーがすごい!観客や参加できなかったユニットの仲間の分まで声を出して盛り上げる気迫と覚悟が素晴らしく、3人で声を揃える「オン・ザ・ウェーブ!」の圧倒的なパワーに全部持っていかれるようなステージだ。躍動感にあふれた動きはフィットネスMVのようで、上田の無敵の笑顔にも引き込まれるものがあった。この陽性のパフォーマンスを開放感のある日差しのもとで見ることができたのは、何物にも代えがたい経験だった。

ここでのMCは「遊びましたね!」というここまでのまとめから、「まだまだ明るいからもう少しみんなで運動を」というまだまだ休ませるつもりのない予告で締めた。

だがそんな身構えも、環(稲川)の「次は何して遊ぼうかな?」という心からウキウキの言葉が聞こえるとぶっとんでしまった。環がもっと遊ぼというなら仕方ない。「ホップ♪ステップ♪レインボウ♪」はソロ持ち歌の稲川英里と、種田梨沙、藤井ゆきよ、木戸衣吹という構成。種田の弾むようなハッピーな歌唱はかなり新鮮だ。環が大好きな仲間と一緒に遊んで歌う、という解釈を強く感じた楽曲で、虹色の照明の中遊び回った環の、心から満足した様子の「くふふっ」の笑い声の余韻が心に残った。

角元明日香の「ファンタジスタ・カーニバル」は桐谷蝶々とのCleaskyコンビが披露。裏テーマと思いきや、「エレナさん、今日はとってもきれいなクリアスカイですね!」「そうだね、すっごく気持ちいいよ☆」としっかり明言していた。まるで夏のように澄んだ高い空はまさにCleasky。間奏で、桐谷がサッカーのシュートをするように右足を大きく蹴り出すダンスがこの曲ならではで、ちょっと不慣れな感じがいかにも美也らしい。これで終わりかなというところで角元が「まだまだ行くよ!」と宣言すると、アウトロの最後のしっぽまで2人で軽やかに舞い踊っていた。

意外な組み合わせに感じたのが、山崎はるかと中村温姫の「ビッグバンズバリボー!!!!!」だ。同曲は投票企画から生まれた楽曲で、今日のメンバーにもCD歌唱のオリジナルメンバーがたくさんいたからだ。実は2人は新入生役とキング役の投票で僅差の2位に入っており、ドラマCDにも出演していた。そこにフォーカスするのは今までにない新しいアプローチ。ふたりは両翼に別れて掛け合いを交えながら、燃えるように熱い真夏のパフォーマンスを見せた。「わたしたちは……一心同体!」のフレーズで中村が「一心同体!?」みたいなリアクションをしているのが微笑ましい。花道を疾走りながら客席に強烈なスパイクを打ちこんだ2人はセンターで対峙。未来とロコのちょっとはみ出すぐらいにアッパーなテンションを楽曲が引き出している感じだった。

そして運動の時間と予告したならこの曲は外せないのが「ココロ☆エクササイズ」だ。上田麗奈、角元明日香、浜崎奈々のmiraclesonic☆expassion組が再び登場だ。活動的なイメージのアイドル3人による「腹筋背筋胸筋!」の大合唱が野外会場に響き渡る。声は出せないものの、観客たちもしっかり心と身体のエクササイズをしていることが伝わってくる。躍動する汗とともにある3人の笑顔は輝いていて、このブロックの主役はこの3人と言ってもいいぐらいのナイスエクササイズだった。

「Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ~」は先陣としてMachico、伊藤美来、桐谷蝶々、山口立花子が登場。前日に続いての披露だが、チュパカブラ人形を肩から下げるチュパホルダーが衣装に追加されている。あまりにも鷲づかみにされすぎのチュパカブラを気づかったのかもしれない。結局、途中から登場したミリオンスターズも含めて、前日以上にワイルドに扱われたチュパカブラたちだった。

「Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ~」という楽曲は前半でカオスな要素を全て消化し、終盤は正統アイドルソングに着地するという立てつけだと思っていたのだが、DAY2は桐谷の美也としては最大の声量(かつかわいい)の「私たちはチュパカブラです~!」の叫びや、アイドルとしてのキラキラ感にあふれた伊藤の「チュパカブラ!」など、前半からしっかりアイドルしていたような気がする。富士山を彼方に見ながら険しい崖を登りきったアイドルたちは、力いっぱいの「私たちはアイドルです!」の魂の叫びを響き渡らせていた。

MCコーナーではMachicoの衣装のアレンジや、会場で観客が着ているチュパカブラTシャツが話題になった。ネクストブロックへの煽りはMachicoの「もう少しはしゃぎたいと思います!では行くぞ!」だった。

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