TVアニメ『艦これ』EDテーマ「吹雪」、『学戦都市アスタリスク』OPテーマ「Brand-new World」「The Asterisk War」、映画『劇場版艦これ』主題歌『帰還』を収録した待望の1stアルバムが完成。

2015年2月、TVアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』のエンディングテーマ「吹雪」でデビューを果たした西沢幸奏。TVアニメ『学戦都市アスタリスク』と『ARIA The AVVENIRE』の主題歌を収録した『Brand-new World／ピアチェーレ』、『学戦都市アスタリスク』の新オープニングテーマとなる『The Asterisk War』、映画『劇場版艦これ』の主題歌となる『帰還』と、これまでに4枚のシングルをリリースしている。そして、デビューから約2年、1stアルバム『Break Your Fate』がついに完成。今作には4枚のシングル表題曲（5曲）に、新曲6曲を加えた全12曲を収録。アルバム全体をダイナミックなロックとヴォーカルで彩り、西沢幸奏の躍動する今の姿を捉えた、勢いのある内容となっている。

「Break your fate」

オンライン・アクションRPG『アラド戦記』のタイアップソングとなるアルバムのリード曲。作曲・編曲は、「吹雪」を始め、「Brand-new World」「The Asterisk War」「帰還」など西沢幸奏のシングル曲およびそのカップリング曲の多くに携わっているWEST GROUND。最近では、TVアニメ『風夏』のオープニングテーマ、沼倉愛美「Climber’s High!」の作曲や、そのエンディングテーマ、中島愛「ワタシノセカイ」のアレンジを手がけている。

「Brand-new World」「The Asterisk War」と同じく楽曲に作品世界を投影しつつ、前へと突き進む自身の姿も重ね合わせ、アグレッシヴなサウンドを展開させる、西沢幸奏らしいナンバー。ラウドロックを基調にしながら、4つ打ちの連打などクラブ的な手法も忍ばせる、WEST GROUNDのアレンジも刺激的で、イントロでは警報のような効果音が煽るように鳴り響き、この曲への、またここから始まるアルバムへの期待を否応なしに高める。

走り出した激しいサウンドが一瞬立ち止まり、想いを巡らすかのようにストリングスが穏やかに奏でられるのも束の間、再びサビへと向かいテンションをあげながら昇りつめる、緩急のついた構成もドラマチックに楽曲をいっそう盛り上げる。そして、ダイナミックなのはサウンドだけでなく、西沢幸奏のヴォーカルもまたそう。エモーショナルな歌声は、サウンドの勢いに身をまかせるのではなく、むしろ牽引するかのように力強く、自らの手で運命を切り開く世界観をエネルギッシュに表現。その堂々とした風格を放つ歌力に圧倒される。

「ピアチェーレ」

「ピアチェーレ」は、TVアニメ10周年記念プロジェクトとして2015年より公開された『ARIA』シリーズの新作『ARIA The AVVENIRE』の主題歌。『ARIA』といえば窪田ミナが作曲・編曲を手がけ、牧野由依が歌唱したオープニング主題歌の印象も強いが、「ピアチェーレ」は『ARIA』主題歌のイメージをそのままに引き継ぎ、アニメファンからも愛される1曲としてシリーズに加わっている。

作曲・編曲は『緋弾のアリアAA』『魔法少女育成計画』、またWEST GROUNDとともにTVアニメ『風夏』の劇伴を手がけている伊賀拓郎。『風夏』のオープニングテーマ、沼倉愛美「Climber’s High!」では、“『風夏』スペシャルバンド”（ギター：MY FIRST STORYのSHO、ベース：The BONEZ、Pay money To my PainのT$UYO$HI?、ドラム：ELLEGARDEN、THE PREDATORSの高橋宏貴）のメンバーとして演奏に参加している。

「Break your fate」「Shark」「Gemini」「Goodbye Graffiti」と、息もつかせぬ怒涛のロックナンバーが続く中、リスナーの緊張感を一旦解くように並んでいる「ピアチェーレ」。ワルツのように優雅な旋律を奏でるストリングスやアコースティック楽器、温かな雰囲気と包まれるようなサビの至福感……ネオ・ヴェネツィアの風景がすぐに思い浮かぶ、まさに『ARIA』そのものといったサウンドで、出会いと別れを繰り返しながら、未来へと向かって“漕いでゆく”灯里たちの姿をゆったりとしたテンポで描き出している。何気ない幸せを少しずつ積み重ねて生まれる物語の世界を優しく見つめるように、歌声は可憐に柔らかなニュアンスで、寂しさをほのかににじませながらも、希望が照らす明日へとそっと導く、深い慈しみに満ちた表情も美しい。

“お友だちの輪っかってそんなに大事なものか？”と鋭い牙をむく「Shark」や、心の叫びを激しく叩きつける「Gemini」など、序盤のたたみかけるような展開からスリル満点。辛口でハードな楽曲が疾走を続ける今作『Break Your Fate』。情熱をたぎらせるタフなヴォーカルは激しさや力強さだけではなく、「ピアチェーレ」や壮大なバラード・ナンバー「帰還」のように、その表現力は柔軟で実に豊か。シングルを経たアルバムの新曲でも、歌声はさらに成長を遂げており、西沢幸奏の今後の活躍がますます楽しみだ。

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