ワルキューレ『TVアニメーション「マクロスΔ」ボーカルアルバム Walküre Attack!』レビュー

『マクロスΔ』の歌姫たち“ワルキューレ”の1stアルバムが登場。華麗な歌とダイナミックなサウンドの猛攻を受け止めて!

2016年4月より放送が開始した『マクロス』シリーズの最新作となるTVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』。今作では可変戦闘機部隊“Δ小隊”とともに、戦術音楽ユニット“ワルキューレ”(美雲ΔJUNNA、フレイアΔ鈴木みのり、カナメΔ安野希世乃、マキナΔ西田望見、レイナΔ東山奈央)が戦いにおいて重要な役割を担っている。歌を武器にして戦う彼女たちの大ヒット・デビューシングル『一度だけの恋なら / ルンがピカッと光ったら』に続く、1stアルバムが早くも登場。シングル曲の「一度だけの恋なら」、またアルバム・ヴァージョンの「ルンがピカッと光ったら」「いけないボーダーライン」、そして「僕らの戦場」「GIRAFFE BLUES」「Walküre Attack!」など、『マクロスΔ』の劇中を飾った名曲を12つ収めている。「“Attack!”って、そっちなの!?」と思わずつっこまずにはいられないコミカルなジャケットとは裏腹に、戦場を駆ける乙女たちの銀河系最強の歌声が星の彼方にこだまする。

「恋! ハレイション THE WAR~without Freyja~」

管制塔からの交信のようなSEから、空のステージへと離陸するワルキューレの姿をイメージさせる、アルバムのオープニングを飾るナンバー。作曲・編曲は、80’sUKエレポップを思い出させるキュートな「ジリティック♡BEGINNER」、『マクロス』シリーズならではの、80年代風コズミック・アイドル歌謡の伝統を引き継ぐ1曲「不確定性☆COSMIC MOVEMENT」も今作に収められている姉田ウ夢ヤ。スフィア「Sticking Places」、茅原実里「FOOL THE WORLD」などの作曲・編曲、また「SUNNY DAY SONG」「Shangri-La Shower」など『ラブライブ!』作品にも楽曲を提供している倉内達矢が、姉田ウ夢ヤによる今楽曲のストリングス・アレンジを全て手がけている。

ぐっと広がった空間に、はじけるアルペジオのシーケンスと、準備万端といった楽器の音色が待ち兼ねるように入り混じり、雄大に響き渡る“Welcome to Walküre World”のコーラスを迎え入れるイントロでは、解像感が鮮やかに音を解き放ち、これから始まる、その高まる期待をさらに加速させ、第4話「衝撃 デビューステージ」の登場シーンが再現されるかのよう。CDよりも低域の量感やストリングスの厚みが増しており、サウンドを一段とパワフルに、この楽曲の持ち味であるダイナミックな爽快感をさらに引き出している。

ヴォーカルは複雑に交差するメンバー各々の歌声を清々しく描き出し、美しい声が重なるサビ部分の一体感がいっそう強まる。華麗さのみならずエネルギッシュさを湛えた歌声は何処までも伸び上がり、中天を突き抜けて銀河までへと飛翔する“めくるめく”昂揚感に酔いしれる。

アルバムのラストには、フレイア加入後のヴァージョン「恋! ハレイション THE WAR~album version~」も収録されており、そのフォーメーションの変化を聴き比べることができる。

「AXIA~ダイスキでダイキライ~」

第10話「閃光のAXIA」のクライマックスにてカナメ・バッカニア(CV:安野希世乃)が絶唱した、哀愁が漂う80年代歌謡風のメロディとその後の運命を予感させる歌詞があまりにも切ない挿入歌。作詞は『プリキュア』シリーズでもおなじみの六ツ見純代、作曲は中島美嘉「雪の華」、RUI(柴咲コウ)「月のしずく」などで知られる松本良喜、そして幅広いジャンルで数々のヒット曲を手がけてきた鈴木Daichi秀行がアレンジを務めている。

空間の奥行きや定位、また各楽器の音量の差異がはっきりと表われてくることにより、緩急を付けるサウンド要素のそれぞれの役割がより明確になり、反語的な言葉“ダイスキでダイキライ”、また生と死、永遠と刹那の狭間に浮かぶ泡のような恋という、対になる関係を含んだこの曲のテーマを強くあぶり出す。電子音が絡むストリングスの重厚さや間奏で宙を切り裂くエレキギターの鋭さが増し、力強い躍動で旋律を情熱的に奏でる。対して2番目から流れてくるアコースティックギターはその存在感を現わしつつも、主旋律にそっと付き従う優しさで、落ち着いた歌声に秘められた心の機微をそっとなぞるかのように繊細にその音色を響かせる。ヴォーカルは毅然とした姿を保ちつつもたおやかさを失っておらず、“もう君を 想い出したりしない”のビブラートやラストの“ダイスキでダイキライ”のフレーズには、狂おしいほどの情感が宿る。

OPテーマ「一度だけの恋なら」を手がけた唐沢美帆加藤裕介コンビのエモーショナルなナンバー「僕らの戦場」、近年では渡部優衣や乃木坂46のアルバムに楽曲を提供している渡辺未来によるシンフォニックなロック「NEO STREAM」、坂本真綾作品でもおなじみh-wonder作曲の哀しみが声を浸すバラード「GIRAFFE BLUES」、Ceuiの作品のサウンド・プロデュースを手がける小高光太郎とミス・モノクローム「カラフル」でもコンビを組んだUiNAとの壮絶なラウドロック「Walküre Attack!」、細かなアレンジと豊潤なコーラスが加わった「ルンがピカッと光ったら~album version~」、2番目は美雲に代わりフレイアがリード・ヴォーカルを取る「いけないボーダーライン~album version~」と聴き処が満載の1stアルバム。『マクロス』の歌姫伝説を歴史にあらたに刻む彼女たちの快進撃は止まらない。

●ワルキューレの音楽がどのようにして生まれたのか、よくわかるインタビュー
ハイレゾで広がる『マクロスΔ』の音世界〜FlyingDog音楽プロデューサー・ 福田正夫インタビューこちら

ワルキューレ
TVアニメーション「マクロスΔ」ボーカルアルバム Walküre Attack!

FlyingDog
2016.07.06

FLAC・WAV 48kHz/24bit

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 収録曲

 1.恋! ハレイション THE WAR~without Freyja~
   作詞:深川琴美・姉田ウ夢ヤ 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ ストリングス編曲:倉内達矢

 2.一度だけの恋なら
   作詞:唐沢美帆・加藤裕介 作曲・編曲:加藤裕介

 3.ジリティック♡BEGINNER
   作詞:深川琴美 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ

 4.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
   作詞:深川琴美・六ツ見純代・渡邊亜希子・姉田ウ夢ヤ 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ
   ストリングス編曲:倉内達矢

 5.僕らの戦場
   作詞:唐沢美帆・加藤裕介 作曲・編曲:加藤裕介

 6.NEO STREAM
   作詞:西田恵美 作曲・編曲:渡辺未来 ストリングス編曲:倉内達矢

 7.AXIA~ダイスキでダイキライ~
   作詞:六ツ見純代 作曲:松本良喜 編曲:鈴木Daichi秀行

 8.GIRAFFE BLUES
   作詞:菜穂 作曲・編曲:h-wonder ストリングス編曲:加藤裕介

 9.Walküre Attack!
   作詞:UiNA 作曲:小高光太郎・UiNA 編曲:小高光太郎

10.ルンがピカッと光ったら~album version~
   作詞:西 直紀 作曲・編曲:コモリタミノル

11.いけないボーダーライン~album version~
   作詞:西 直紀 作曲・編曲:コモリタミノル

12.恋! ハレイション THE WAR~album version~
   作詞:深川琴美・姉田ウ夢ヤ 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ

©2015 ビックウエスト/マクロスデルタ製作委員会

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