LiSA「Brave Freak Out(Special Edition)」レビュー

運命を切り開くダイナミックなロックが突き抜ける。TVアニメ『クオリディア・コード』のOPテーマを収めた10thシングル。

『デート・ア・ライブ』の橘 公司 、『変態王子と笑わない猫。』のさがら総、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の渡 航。この人気ライトノベル作家3人によるユニット“Speakeasy”。ひとつの世界観を共有しながら各作家が物語を作り上げる「シェア・ワールド」方式による小説シリーズを元にTVアニメ化された『クオリディア・コード』

2016年7月27日には1stEDテーマのClariS「Gravity」が、8月17日には2ndEDテーマ、GARNiDELiAの「約束-Promise code-」がリリース。そして、8月24日にOPテーマであるLiSAの「Brave Freak Out」がリリースされた。

「Brave Freak Out」のシングルには、田淵智也や高橋浩一郎、古屋 真、eba、江口 亮、小南泰葉、野間康介ら、LiSAの『Launcher』や『LUCKY Hi FiVE!』などに参加しているアーティストによる楽曲を収録している。
そしてハイレゾ版となる「Brave Freak Out(Special Edition)」には、3曲目にCDの初回生産限定盤・通常盤に収録されている「ツヨガリ・ファンファーレ」、4曲目にCDの期間生産限定盤に収録されている「シャッフル」を収録。ハイレゾユーザーにとってうれしい内容となっている。

「Brave Freak Out」

作曲は、LiSAでは「ID」や「オレンジサイダー」、『LUCKY Hi FiVE!』のラストナンバー「終わらない冒険」などを手がけているonetrapの高橋浩一郎そして今回は作詞のみ田淵智也という珍しいパターンになっている。これは『クオリディア・コード』の世界観を魅力的に描き出す歌詞を、ダイナミックに暴れ続けるサウンドを乗りこなす言葉を、求めたLiSAがこの人ならばと田淵智也に依頼したもので、デビュー5周年を迎えたLiSAのますます盛んな制作意欲とこのシングルに対する強い意気込みが感じられる。

ハイレゾでは音像の立体感が印象的だ。イントロでは自分がその只中にいるかのようにドラムが鳴り響き、一瞬にしてLiSAの“世界”へと引き込む強いインパクト。楽器の位置やそれらが奏でる音の動きがより明確に感じられ、サイドに配置されたギターや絞ったスネアが硬く響くドラムとの距離感など、音の重なり具合に留意された丁寧なミックスになっていることが理解できる。ベースの弦がはじける質感や歪んだギターの音色も実にリアルで、素をさらけ出したたくましい姿というロックの本質を突いた仕上がりとなっている。そして、CDに比べるとダイナミクスが広いこともあって、押しと引き、または伸びや止めといった音の抑揚もより強く感じられ、LiSAらしいスレンダーかつ瞬発力のあるサウンドがスリリングに突き抜ける。

“常識も正論も、関係なし” “毒をもって毒を撃つ ”など、痺れんばかりの言葉の連打はまさにLiSAならではの独擅場。運命に幾度となく見放され、頼るものは自分たちの力=“世界”のみという極限状態をくぐり抜けてきた『クオリディア・コード』の主人公たちの気持ちを代弁する“神様、ねえ僕を助けないで この確信に美しさは要らないよ ”の鋭い歌声には、そう言い切れる己を信じる圧倒的な強さがこめられており、何かを当てにしたりせず自らの手でまた仲間たちの支えによって長い道のりを進み続けてきたLiSAのイメージと重なるようにも思える。

「ツヨガリ・ファンファーレ 」

甘酸っぱい柑橘系のようなギターが奏でられる爽やかなサウンドに、暑い日差しがまだ強く照りつける中、終わってしまった恋を歌う声が明るく、そしてちょっと切なく響く、LiSA流ハートブレイク・ソング。作曲は田淵智也、編曲は、今作のカップリング曲「AxxxiS」で疾走感を漂わすストリングス・アレンジを聴かせてくれた江口 亮

パワーポップを感じさせるギターもいっそう鮮やかに、かきむしる演奏を右側の少し離れたところに、でも印象に残るように配置し、消えかかっている“ひりひりと”した心の痛みを演出。ギターからはジューシーといった表現が似つかわしい音色が濃厚ににじみつつも、取り囲む空気はからっとした空気で、夏の終わりに近づいたひとりきりのシーンを映し出している。CDよりもリズムやアクセントの強弱がなめらかに表現されており、曲線的な柔らかな躍動感ともいうべき、ガールズサイドな楽曲のテイストがより反映された仕上がりとなっている。

鋭く牙をむき出し切り裂くような「Brave Freak Out」とは対照的に、ヴォーカルはたおやかに言葉をリズムにはずませる溌剌な表情が感じられる。しかしさっぱりとした歌声で強がりながらも、“思い出が 綺麗すぎるノートが 開けないんだ ” “ちょっとくらい 思い出してよ 私だけじゃ辛いじゃない”と心が叫ぶ。高域が続くサビ部分では、フレーズの語尾に抑えている感情が張り上げているような抑揚が感じ取られ、明るい雰囲気の楽曲にエモーショナルな余韻が浮かび上がる。

160825-MW-225801LiSA
Brave Freak Out(Special Edition)

Aniplex Inc.
2016.08.24

FLAC 96kHz/24bit

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e-onkyo music
mora

 収録曲

 1.Brave Freak Out
   作詞:田淵智也 作曲:高橋浩一郎 編曲:高橋浩一郎

 2.AxxxiS
   作詞:古屋 真 作曲:eba 編曲:江口 亮

 3.ツヨガリ・ファンファーレ
   作詞:LiSA 作曲:田淵智也 編曲:江口 亮

 4.シャッフル
   作詞:古屋 真 作曲:小南泰葉 編曲:野間康介(agehasprings)

 5.Brave Freak Out -Instrumental-

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