ClariS「Gravity」レビュー

2016.07.27

TVアニメ『クオリディア・コード』の1stEDテーマを収めた3曲入りの14thシングル。

『変態王子と笑わない猫。』のさがら総、『デート・ア・ライブ』の橘 公司 、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の渡 航。この人気ライトノベル作家3人によるユニット“Speakeasy”。ひとつの世界観を共有しながら各作家が物語を作り上げる「シェア・ワールド」方式による小説シリーズを元にTVアニメ化された『クオリディア・コード』

この1stEDテーマがClariSの「Gravity」。シングルはこの曲に、「アネモネ」などClariSの多数の楽曲を手がけているKOHによる、もどかしい恋模様を描く「Cloudy」、夏らしい爽快な「アワイ オモイ」と、クララとカレンの歌声がポップなサウンドに響き合う、3曲を収録している。

「Gravity」

コーライティング(共作)を楽曲制作のコンセプトとしている音楽クリエイター集団“CWF(Co-Writing Farm)”から、作詞・作曲、またアレンジを担当し『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』『がっこうぐらし!』などの作品に参加をしている武田城以と「チョコレート・トレイン」「眠り姫」などで知られるボカロP・思春期Pによる音楽ユニット“PENGUINS PROJECT”がコンビを組んで、この曲の作詞・作曲を手がけている。
重力を操る能力を持つ朱雀壱弥と、歌うことによって仲間の能力を活性化させることができる宇多良カナリア。『クオリディア・コード』の世界観、またふたりの関係ともリンクする歌詞が、やや影を落とした始まりから、希望を映すサビへと強く登り上げる楽曲と、結びつき華麗に展開されている。

音の重心がやや高く、定位の立体感が増したハイレゾでは、ピアノやシンセの音色に帯びたリヴァーヴが尾をひくような浮遊感が感じ取られ、量感を強めながらも音が軽やかに持ち上がっている、そんな印象を受ける。全体的に透明度が上がっているためついつい楽曲の清々しさに気が取られがちだが、サウンドを支えるバンド演奏の絡みがさらに密になっており、そのグルーヴが上昇する昂揚感を後押しするように力強い。
重なるハーモニーの豊かさがイントロの“二人 運命を 重ねる”から早速、伝わり、また直進するしなやかな抑揚と、二人の声が有する独特なピュアネスともいうべき、優しい高域と甘くてちょっと切ないような低域のブレンドが、すっきりとした輪郭で描写されている。重力を解き放つような清涼感をたたえながら、終盤ではお互いを引き寄せる引かれ合う力=引力をもイメージさせる厚みのある歌唱が印象的だ。

「アワイ オモイ」

ClariSらしい爽やかなサウンドに夏の風景が浮かぶカップリング・ナンバー。作詞・作曲は、北海道を拠点に活動中のシンガーソングライター“Watana Besta SOCIAL club”。アレンジは「border」「Prism」など、ClariSの多くの楽曲に作詞・作曲・編曲として参加をしている重永亮介が務めている。

CDでも青春のきらめきといった楽曲の特徴が表わされているが、ハイレゾでは音にさらにツヤを与え、広がった空間にあらためて配置し直したといったところだろうか。美しく輝くサウンドがメリハリ感を適度に保ちながら、低域は太く、でも膨らみすぎず、ダイナミックな躍動を奏でている。こちらも音が遠くに消えゆくリヴァーヴが効果的に、“遠ざかる思い出”の“あの夏の約束”を描き出しており、“君の影の幻”を追い続けている心を映すビートの鳴りもよりエモーショナルに、センチメンタルな雰囲気をいっそう色濃くする。

代わる代わるに情景を綴るクララとカレンの深みを増した歌声がさらに鮮やかに、そして切ない情感であふれ出す。差し込まれる言葉“「カナワナイ」”に思わずはっとさせられる、重なる声の存在感。二人の声の陰影まで微細に表現する、解像感の高さがしっかりと伝わってくる。

ClariS
Gravity

Sony Music Labels Inc.
2016.07.27

FLAC 96kHz/24bit

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mora

 収録曲

 1.Gravity
   作詞・作曲:武田城以(CWF)、PENGUINS PROJECT(CWF) 編曲:湯浅篤

 2.Cloudy
   作詞・作曲・編曲:KOH

 3.アワイ オモイ
   作詞・作曲:Watana Besta SOCIAL club 編曲: 重永亮介

 4.Gravity -Instrumental-

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