ちょろゴンず「イシュカン・コミュニケーション」レビュー

2017.02.08

TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』のEDテーマは、トール(CV.桑原由気)、カンナ(CV.長縄まりあ)、エルマ(CV.高田憂希)、ルコア(CV.高橋未奈美)4人のドラゴン娘、“ちょろゴンず”が担当。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの松井洋平が作詞、fhánaの佐藤純一が作曲を手がけたポップなキャラクターソング。

2017年1月より放送されているTVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』。一人暮らしのOL・小林さんの元へ押しかけてきたドラゴンの女の子トール。メイド服を着た人間の美少女へと変身し、小林さんのお世話をするために奮闘する姿をコミカルに描くこの作品。クール教信者の人気コミックを原作としたTVアニメ版の制作は、『涼宮ハルヒの憂鬱』けいおん!』『響け!ユーフォニアム』などでおなじみの京都アニメーション。監督は『フルメタル・パニック!The Second Raid』『氷菓』『甘城ブリリアントパーク』などを手がけた武本康弘が務めている。

今作のEDテーマ「イシュカン・コミュニケーション」は、“ちょろゴンず”が担当。“ちょろゴンず”とは、劇中に登場するトールら4人(!?)のドラゴン娘たちのことで、ジャケットでは左から、ルコア(CV.高橋未奈美)、トール(CV.桑原由気)、カンナ(CV.長縄まりあ)、エルマ(CV.高田憂希)の順に並んでいる。シングルにはタイトル曲と、同じくちょろゴンずが歌う「A DAY IN THE DRAGON’S LIFE」の2曲を収録している。

「イシュカン・コミュニケーション」

作詞はTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの松井洋平、作曲はOPテーマ「青空のラプソディ」を担当しているfhánaの佐藤純一。編曲は、花澤香菜のシングル「あたらしいうた」ではストリングス・アレンジを手がけているシンガーソングライター、“rionos”。ChouChoのシングル『Asterism』にはポスト・クラシカルなテイストのナンバー「セフィロトの木」、2016年12月にリリースされた上田麗奈のデビュー・ミニ・アルバム『RefRain』には透明な音の海で泳いでいるようなアンビエント・ポップ「海の駅」を提供している。このように『RefRain』に参加したクリエイターにより制作されたとも言えるこの楽曲の、組み合わせの妙を感じさせる。

おおらかなビートとドラゴン基準のファットなシンセベースが闊歩するリズム・セクションに、「青空のラプソディ」と同様にハモンドオルガンとワウがかったギターが重なり、ミディアムなテンポとともにそれら楽器の音色の温かさが、のどやかで居心地のいい日常のシーンを演出。打鍵を強調したトイピアノも彼女たちの賑やかさを表現しているようで、また伊藤真澄や良原リエ、コトリンゴ、Babiからなるトイ楽器演奏ユニット“toi toy toi”も参加した『小林さんちのメイドラゴン』の音楽にもイメージをつないでいる。さらに煌びやかなウィンドチャイムや電子音を散りばめて、メロウさも交えたメロディとこのアレンジのほのかなコズミック感が、80年代のTVアニメのエンディングを思い出させるような、楽曲に何処か懐かしい雰囲気をもたらしている。ハイレゾでは音色の鮮やかさとまろやかな質感を程よくブレンドしたミックスがさらに心地好い。

人間とドラゴンとの種の違いを超えた「異種間」の交流と、エンディング映像のカットでも示されているようにドラゴン娘たちの慌ただしくも楽しい「一週間」を描くこのナンバー。そのキーワード、“イシュカン”では語頭にアクセントを強めに置いており、ヴォーカルの勢いでどちらの意味にも取れてしまうぐらいに、ドラゴンたちの表情が活き活きと伝わってくる。“パラパ パパラパ パラパッパラ パパラパ”のコーラスも華やかに、弾むように抑揚を転がせるキュートな歌声が空間にあふれる。殲滅したいのは人間界のルールや常識のようで、サビでは、“ここにいるコトが!ここにいるヒトが!大好き!!”と大声で宣言する彼女たち。この様子ならば人間世界はまだまだ安泰のようだ。

「A DAY IN THE DRAGON’S LIFE」

タイトルこそ作詞家の松井洋平が多大なる影響を受けたバンドの曲を想起させるも、トリップ感覚や壮大なストリングス、またリパプール感などは一切無し。「イシュカン・コミュニケーション」の和やかな雰囲気とは打って変わって、こちらはハードなギターが宙を切り裂き、ドラムが高らかに連打される、ロックなキャラソン。確かにドラゴンとメタルって相性良かったなと思い出しつつも、ファンタジー性やドラマチックな展開、仰々しいヘヴィネスといった要素は取りあえず神話の彼方に置いといて、つんのめるかのように生き急ぐかのようにビートが突っ走る、そのストレートなサウンドが爽快感を引き起こす。

そして歌詞はと聞いてみれば、お掃除だの学校だの人間世界での生活を満喫しているドラゴンたちの楽しそうな様子が元気な歌声から感じられる。どうやらドラゴンのうれしい日常感をBPMに表わすと人間よりもちょっと早いらしい。サビ部分では“Hey! Hey!”とお約束の合いの手を挟みつつ、毎日を懸命に生きている人間への想いを愛おしく語る、悠久の時を過ごすドラゴンたちの眼差しが優しい。

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イシュカン・コミュニケーション

Lantis
2016.02.08

FLAC・WAV 96kHz/24bit、WAV 96kHz/32bit

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 収録曲

 1.イシュカン・コミュニケーション
   作詞:松井洋平 作曲:佐藤純一(fhána) 編曲:rionos

 2.A DAY IN THE DRAGON’S LIFE
   作詞:松井洋平 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)

 3.イシュカン・コミュニケーション(off vocal)

 4.A DAY IN THE DRAGON’S LIFE(off vocal)

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