ChouCho「Asterism」レビュー

開放感溢れる歌が広がる、TVアニメ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』OPテーマ!!

『神様のメモ帳』『氷菓』『ガールズ & パンツァー』など、アニメ作品の主題歌を収めたデビュー5周年記念ベストアルバム『ChouCho ColleCtion “bouquet”』を2016年5月に発表したChouCho。続くリリースはTVアニメ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』OPテーマのシングル「Asterism」。ChouChoにとっては、第1期のOPテーマ「starlog」以来の同シリーズ主題歌となる。

「Asterism」

“星群”を意味するタイトルを持つこの曲の作曲・編曲は、数々のアニメ・ゲーム作品の作曲・アレンジ・Remix等を手がける関野元規と谷島シュンによる、サウンド・スペイシー・ユニットAstroNoteSが担当。

ハイレゾでは、音の重心は低めに、低域は量感をぐっと強めつつもキレよく、ストリングスの快活な演奏とともにさらなる疾走感が引き出されており、シリアスな局面を迎えた『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』のダイナミックな世界観を表わすかように、迫力を増したサウンドが空間に響き渡る。

アコースティックギターのセンチメンタルな音色や変わりゆく楽曲を飾る電子音の煌めき、幾重にも重なったコーラスが美しい。またたく星々になぞえられているキャラクターたちがどこにいてもお互いの存在を呼び合うように、音と音が奔流さながらのサウンドの中で呼応し合い、力強いアンサンブルを作り上げている。

緊張感を醸し出す序盤では何処か寂しげな歌声はやがて憂いのベールを少しづつ脱ぎ捨てて、サビでは明るい声質で開放感を生み出しており、高いキーが続くその抑揚も丁寧に、夜空をあまねくかけめぐる昂揚感をたおやかに映し出している。「もう自分の運命から逃げない」との誓いを英語で歌い上げる終盤では、揺るがない想いに支えられた声が放つ清冽な響きがさらに曲の印象を鮮やかにする。

「セフィロトの木」

寺嶋由芙へ楽曲提供を行い、2016年6月にリリースされた花澤香菜のシングル『あたらしいうた』ではストリングス・アレンジを手がけているシンガーソングライター・rionosによる作曲とアレンジ。「生命の樹」を意味するタイトルや、またrionos自身の作風にも通じるポスト・クラシカルなテイストを交えた曲調から、ストレートで幻想的な世界観と思いきや、ところどころに差し込まれる調和を許さぬ音の軋みや、ChouChoが綴るシンプルでいて鮮烈なメッセージが、美しいサウンドに拮抗しているのだ。このように今までのChouChoにはなかったアプローチが新鮮に感じられる。

ピアノの音色が深々と沈み込む、静けさをたたえる広い空間の片隅に、レコード針のノイズのような音や電子音が一瞬、現われてはたち消えて、世界に陰りを落とす。楽曲を構成する音要素は少なくともピアノや弦楽器のリアルな質感や音を描く階調の差が大きく、その存在感をいっそう強くしている。いつの間にかに空気が濃厚になるような音の重ね具合とリヴァーヴによる空間演出も効果的だ。

意味を確かめるようにひとつひとつ言葉を運ぶヴォーカルは、時には精霊ごとくたゆたう柔らかなコーラスと重なりながら、澄み切った歌声で祈りを捧げる。叙情さをつのらせるラストの、高域を絞り出すような繊細な歌唱もなお美しく光る。

ChouCho
Asterism

Lantis
2016.07.27

FLAC・WAV 96kHz/24bit WAV 96kHz/32bit

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 収録曲

 1.Asterism
   作詞:ChouCho 作曲・編曲:AstroNoteS

 2.セフィロトの木
   作詞:ChouCho 作曲・編曲:rionos

 3.Asterism(off vocal)

 4.セフィロトの木(off vocal)

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