18人全員が主人公!「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演2DAYS【個人別】レポート(後編)

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『アイドルマスター ミリオンライブ!』初のライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演が3月12日~13日、オリックス劇場にて開催された。  

ミリオンツアーの折り返し地点となる大阪公演には、春日未来役の山崎はるか、最上静香役の田所あずさ、伊吹翼役のMachico、ジュリア役の愛美、箱崎星梨花役の麻倉もも、佐竹美奈子役の大関英里、望月杏奈役の夏川椎菜、所恵美役の藤井ゆきよ、百瀬莉緒役の山口立花子、横山奈緒役の渡部優衣が両日に参加。初日には高坂海美役の上田麗奈、島原エレナ役の角元明日香、高山紗代子役の駒形友梨、二階堂千鶴役の野村香菜子、2日目には野々原茜役の小笠原早紀、豊川風花役の末柄里恵、舞浜歩役の戸田めぐみ、松田亜利沙役の村川梨衣が出演した。リーダーは両日渡部優衣と藤井ゆきよの2人だ。

前回に続き、各メンバーの両日を通した印象をレポートしていく。今回取り上げるのは山崎、田所、大関、夏川、渡部、小笠原、末柄、戸田、村川の9人だ。

 

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●豊川風花役・末柄里恵  

初日の765プロカバーコーナーで「風花」が歌われたとき、少し意外な気がした。原 由実演じる四条貴音の「風花」は末柄が演じる豊川風花の名を冠した曲であること。大阪公演から2週間前に行なわれたリリースイベントで、そんなつながりがある原と末柄が一緒に歌えることを喜びあったこと。そして末柄の歌声の声質や空気感が原に近い何かを持っていること。それらを考えると、この曲を歌うのは(2日目のみ参加の)末柄しかない、と思っていたからだ。だが実は初日と2日目はカバー曲演目は共通で、歌い手を入れ替えたセットリストだったので、これは杞憂だった。  

2週間前のリリースイベントの際、原はミリオンメンバーの2ndライブ時の衣装を借りたことを「みんなの想いも一緒にステージに立っている」と表現した。そして、いつかはミリオンのメンバー全員でライブのステージに立ちたいとも。そんな彼女の楽曲を、末柄たちが原の故郷である大阪で歌ってくれたことはとても嬉しかった。  

そして末柄が「風花」を歌う姿を見て改めて実感したが、原と一緒に練習し、一緒に歌い、おそらく映像などでも原のステージングを見たであろうことは、末柄のパフォーマンスに明らかにプラスの影響を与えていた気がする。歌声だけでなく、佇まいから伝わってくる感情や、彼方を見つめる表情、指をたぐって胸元に寄せる所作の優美さなど、ひきこまれるようなステージだった。  

表現者としての末柄のポテンシャルが爆発したのが「bitter sweet」。透き通るような音楽的な歌声で、音階がとんと弾むときに少しだけ裏返る繊細な響きに聞き惚れてしまう。クライマックスに向けて楽曲が盛り上がっていくと、末柄の声とテンションもさらに高く、響きは壮大に。映像の世界観もあいまって圧倒されるステージだった。

 

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●舞浜 歩役・戸田めぐみ  

かっこいいアイドルはたくさんいるだろう。だが、かっこよさの分野で(765プロの)菊地 真の立ち位置をこなせる人間はそうはいないだろう。ライブ中盤、765プロカバーコーナーの「自転車」でステージに登場した戸田の歌唱は、愛美、田所と並んで歌ってなお、あ、この曲は戸田のためのものだ、と感じさせた。「自転車」はサビまで行けば勢いと会場の大合唱もあってなんとかなるのだが、サビまで登っていく苦しい坂で、戸田の「どんな道でだって負けないで進んでみせる」を聴くとやはり本来の音域での地力がものを言う。戸田の「自転車」に関しては歌い方にかなり菊地真リスペクトを感じたので、もう少し舞浜 歩らしさに寄せた歌唱も聴いてみたいなと欲張ってしまう、それぐらい素晴らしい歌唱だった。だからこそ、平田宏美と戸田めぐみの「Beat the World!!」をいつかライブで聴いてみたいと願わずにはいられないのだった。  

戸田の出番はかなり後半に偏っていたのだが、それもソロの「Get My Shinin’」を聴けば納得。戸田の歌声のパワーと存在感が強すぎて、序盤に置いたのではセットリストの流れに楔を打ちこみかねないのだ。「Get My Shinin’」のソウルフルかつ腹から声を振り絞る歌唱にみなぎる、生命力の強さたるや。ラップパートに合わせて天をまぶしげに見つめ、未来に手を伸ばすような仕草からの「照らすのはそう未来!」の叫びは思わずブロードウェイか!とツッコミそうになったほどだ。この曲に関しては戸田はボーカルと表現に徹して、ダンスは主にサポートダンサーたちに任せているのだが、最後のキメで首をくっと傾けるポーズでは戸田とダンサーの動きがシンクロ。このワンアクションがにくいほどに決まって場をさらってしまうのがずるいなぁという感じだ。  

そんな戸田の存在感の強さから大関とのデュエットの「Melody in scape」がどうなるかに注目していたのだが、歌声のキャラクター性と物語性が強い大関がより朗々と情感豊かに歌い、そして戸田が強さを残しながらも時には寄り添うような表現を見せた結果、想像以上にぴたりとハマっていたのだった。

 

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●最上静香役・田所あずさ

14人という最大人数が参加し、初日と2日目でメンバーが一部入れ替わる大阪公演はもっとも多様性に富んだ会場だ。だがその中でも、初日と2日目で別の曲(自分以外の誰かのデュエット曲)をあらたにマスターしたのは田所だけだ。初日の「Persona Voice」では野村をボーカルで引っ張りながら決めどころでは最高点を突き抜けてみせ、2日目の「秘密のメモリー」では末柄の高く澄んだ歌声にぴったりと寄り添っていった。こと歌に関しては田所あずさと書いてなんでもできると読む、それぐらいのユーティリティ性の高さを見せた。献身的にサポート役を務めるのは、1stライブでの彼女の体調不良を全力でカバーしてくれた仲間たちへの恩返しでもあるだろう。  

だがそのユーティリティ性を認めたうえで、やはり田所あずさと最上静香の真骨頂はソロ曲にあると思う。前編でMachicoのパフォーマンスを「ダンサーの全力のパフォーマンスすらも世界に取りこんでしまう」と評したが、田所の初日「Precious Grain」にはダンサーはなし。むしろ、おそらくダンサーをつけてもそちらには全く眼が行かなかったのではないかと思う。初日のコントコーナーでは、仲間が挙げる田所の良い所は「歌がうまい」にまつわるところばかり……というネタがあった。彼女のパラメータの中でボーカル力が突出しているのは確かだが、それは歌声ひとつでホリプロタレントスカウトキャラバンのグランプリを射止めた最強の剣。振付は力強くもシンプルに。全ては歌のためにあり、その一点で声優としてのライブパフォーマンスの限界を突破してくるのが田所あずさだ。なのだが、そんなシリアスなライブパフォーマンスの最中でも時折、歌が好きで、大観衆を前にしたステージが楽しくて、つい微笑みがこぼれてしまうような人間味もあるのが彼女の魅力だろう。  

2日目の「Catch my dream」で感じたのは、楽曲の中にひとつの物語を描くようなメリハリがあること。わかりやすいポイントとして決め所の「次のステージへ」に注目してみると、1回目は「次のーステージへ──」と決然としたキレの良さを感じるし、2回目は「次のぉステージへーーー!」と広がりのあるのびやかな響き。そしてラストのクライマックスは「っ次のーステージぇぇぇぇぇぇぇッッ…」ぐらいの感じで、倍音的なふくらみがある美しい声で高らかに歌い上げる。サビ頭の「Catch my dream」の溜め方やテンション感からすでにニュアンスが全く違っているので、本当に聴き応えがあって楽しい。2日目の終盤は末柄の「bitter sweet」、田所の「Catch my dream、愛美の「流星群」と起承転結のメリハリが効いた楽曲が続き、本当に分厚いセットリストだった。

 

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●望月杏奈役・夏川椎菜

今回の夏川といえば、やはり久しぶりの「Happy Darling」が印象に残った。デビュー直後はかなり頻繁に歌っていた楽曲だが、最近は1st、2ndの節目ライブで披露したのみ。リーダーを務めた仙台でもセットから外れたため、大阪公演初日で満を持しての披露となった。大人気の「応援ください!」「応援するよ!」の定番コール&レスポンスを含む楽曲でもあり、客席の期待も高い。  

杏奈といえば普段はおとなしく物静かなのに、ステージでは明るく積極的な理想のアイドル人格に豹変するキャラクター。夏川自身の明るさや温かみもあって、リアルのステージでも陽性の杏奈を見せるのが常だった。今回もお日様のような「だーいすきだよー!」にうんうんと頷いていたのだが、そのあとのブロックはちょっとしっとりとした空気。そこに来た台詞が「それでもいつか、あいにいきたい……です!」という感じで、これは完全に日常テンションの杏奈が、せいいっぱいの想いを絞り出したような台詞。それはもう、そのあとの「応援ください!」「応援するよ!」に会場も力が入るというものである。  

ここで日常杏奈が顔を出したのが演出か、それとも夏川本人の判断かはわからないが、夏川と杏奈がずっと一緒に歩いてきたことで、普段の杏奈も少しずつ強くなれたのかな……? と感慨深かった。翌日の「VIVIDイマジネーション」も心なしか表情が優しく柔らかかったり、「I won’t…」からのささやきかけるような表現の深みが増していたような気もする。きっと杏奈が理想とするアイドル像も少しずつ変わっていくのだろうし、それをステージでビビッと受信できる夏川もすごいのだろう。  

細かいところでは「PRETTY DREAMER」の初日は渡部優衣のボーカルの個性が飛び出さないように、夏川がファルセット気味に合わせて全体のバランスを取っていた。2日目は上田のかわりに小笠原が入って飛び道具が二丁になると、夏川は少し地声に寄せつつ、より躍動感を出す感じになっていたように思う。周りと揃えたほうがいいところはやっぱりハイトーンで……と、若いのになんでこんなにバランサーとして優秀なのかと驚いてしまうのだが、きっとそれだけ視野が広いのだろう。  

 

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●佐竹美奈子役・大関英里  

存在そのもののアイドル性が高いというか、美奈子と重なる印象が強い大関。2日目の企画コーナーの新喜劇では「東京の佐竹食堂から、舞台の松田食堂をのっとりに……いや手伝いに来ている」という設定を好演。誰よりもキャラクターらしかったように思う。そのアイドル感をなんとなく感じたのが「MEGARE!」で、屈伸するように両膝を開くようなコミカルな振付のときに、上田と藤井はがばっとダイナミックに行くのに対して、大関はちょっと女の子曲げというか、かわいいの一線はキープする感じがなんかズルくて良いなと思ったのだった。

ソロ曲では初日は「スマイルいちばん」を披露。曲名通り、ここ一番でカメラをじっと見つめての笑顔の威力が素晴らしい。2日目の「SUPER SIZE LOVE!!」も「大阪いくよー!盛り上がってるー?」と盛り上げて盛り上げて、会場が「おかわりー!」の熱狂に包まれるなか、ポーズを決めてのウィンクがニクいぐらいにキマる。決めどころで絶対に外さない感じがある。  

ソロ2曲が「美奈子らしさ」の表現に特化しているので見逃されがちだが、大関自身のボーカル的には、「ドリームトラベラー」のような物語感のある楽曲は非常にピッタリくる。まるで舞台かミュージカルかのような表現力と空気感だ。近い意味で圧巻だったのが、初日と2日目でパートナーを変えた「Melody in scape」で、女性的で叙情的な駒形、パワフルで力強い戸田のどちらと組んでも輝きを変えない、芯のあるボーカルの輝きは特筆すべきものがある。個人的には初日の、クライマックスでお互いのソロを追いかけ合いながらテンションを高めあっていく歌声の響きあいが印象に残った。

 

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●野々原 茜役・小笠原早紀  

名古屋公演と仙台公演のように、別会場での公演同士はメンバーを大きく入れ替えることで全く別の内容に仕上げることができるのに対し、大阪公演の初日と2日目は14人中10人が共通メンバーなこともあり、初日のみ、2日目のみ参加の各4人がライブの味わいの変化要因の大きな割合を占めることになる。だからこそ、2日目に特に強い個性として投入されたのが小笠原、そして村川だった気がする。

小笠原はこのライブの2週間前、「LTD05」リリースイベントで初ミリオンイベントのステージを踏み、今回のライブが初ライブ…と、フレッシュさで言えばナンバーワンだ。にも関わらず、前半戦の早いタイミングで村川ソロという強烈な個性の直後は酷なのでは……と思った。だが続いてステージに登場したのは小笠原というより完全に「茜ちゃん」であり、茜ちゃんがステージに出やすい出にくいを心配するなど無粋でしかないのだった。「プリティ~~~ッ→ニャンニャンッ!」という楽曲の強さもあり、プリプリプリティーでおしりをキュートに振れば、「にゃんにゃん、うーにゃんにゃん」と耳に手を当て客席の声に耳を傾ける。お立ち台を飛び降りて4人のダンサーと軽やかに舞い踊れば、ステージは茜ちゃんオンステージだ。  

「PRETTY DREAMER」で渡部優衣の向こうを張ってツートップの存在感を示し、企画コーナーの新喜劇のクライマックスで“全部持っていく”姿は、出演者の中でもっともフレッシュなメンバーとは信じられないほど。そして個人的に気になったのが、麻倉もも×小笠原早紀という、かわいいものとタイプの違うかわいいものを組み合わせた「Smiling Crescent」がどうなるか。結果、すごくかわいくなった。麻倉の場合はどんなタイプと組んでも鮮やかなコントラストが生まれるのだが、この曲でかわいい業界の中でのすみ分けが必要になった結果、麻倉は優しく包みこむような、はかなさすらあるかわいさに、小笠原は元気で前向きな主人公っぽいかわいさに色分けされた感じだ。そのまま音楽劇にしたいぐらいであった。 

最後のMCで小笠原は「みんなのことを元気にしようと歌っていたのに、プロちゃんたち茜ちゃんを乗せるのうまいから、こっちが元気をもらっちゃいました!」と挨拶。やはり100%の「茜ちゃん」は大勢のプロちゃんたちに包まれたライブでこそ生きるのではないかと感じた。

 

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●松田亜利沙役・村川梨衣  

大阪2日目オンリー組のうち、唯一の他会場(仙台)経験者から呼ばれたのが村川。それだけ彼女単体で全体のカラーに与える影響が大きいと信頼されているのだろう。大阪公演のリーダーたちとの関係を見ても、村川はファーストライブから藤井になつきまくっていたし、村川と渡部のデュオによる「夜に輝く星座のように」はこのツアーでも最も印象的な、力のあるパフォーマンスのひとつだ。初日に上田と渡部の組み合わせで見せた「夜に輝く星座のように」もとても良かったが、改めて村川と渡部、オリジナルメンバーでのステージを見ると、この曲の「こんな妖艶で、かっこよくて、挑発的な2人は見たこと無い!」という印象のかなりの部分を村川が担っていることを改めて実感する。  

「夜に輝く星座のように」のステージで、ボーカル力が高くてダンスもキレる華奢な美少女(村川)が、時に不敵で挑発的な、時に妖艶な表情を浮かべる姿を見ていると、何故トークではああなってしまうのか、と思わずにはいられない。765プロカバーコーナーの「またね」は釘宮理恵もかくやというしっとりしたパフォーマンスを見せた。逆にそうしたパフォーマンスが新鮮であるほど、MCでの自由さのキレも増して感じられるもので、身長差で引率の先生のように見える藤井が、村川のことがが小さすぎて見えないそぶりを見せた時の「バカバカバカ!いるでしょうがー!ギリ視界に入るだろが!」のマシンガンのようなツッコミが完全にボケとして成立しているのは彼女ならではだし、2日目企画コーナーの新喜劇も“りえしょんがりえしょんらしく”してれば何もかもばっちりの役どころで、脚本にも愛情を感じるのだった。

 

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●春日未来役・山崎はるか  

最近前髪を作らない大人めな髪型が多い山崎、大阪公演は思うところあってか未来風の前髪セッティング。印象的だったのは、初日と2日目でソロ曲のテイストを完全に変えてきたことだ。初日の「未来飛行」は「今日はみんな揃っていくからね〜!」と宣言してスタート、2日目の「素敵なキセキ」は「今日はみんなに一緒に歌ってもらうからね~!」と言葉が変わった。初日の時点で山崎がテイストを変えていくことを意識していたことがわかる。  

実際の違いはといえば、初日の「未来飛行」は要所に未来らしいハネ感を入れながらも、歌全体としてはフラットに、きっちりと押さえるところを押さえて歌いきった感じ。一方2日目の「素敵なキセキ」は歌声を未来に強く寄せ、客席を煽りに煽り、客席にマイクを向けて歌わせたりと、とても自由で、楽しさの盛り上げに全振りした感じだった。  

これは以前のイメージからすると楽曲の役割が逆だ。「素敵なキセキ」は山崎がデビューから数限りなく歌い込み、安定して自信を持って歌える曲。一方、その高めた完成度のイメージがあるからこそ、山崎は当初「未来飛行」のライブクオリティになかなか納得がいかず、イベントでの初披露では客席の合唱やコールに助けてもらいながらの歌唱のあと、涙を流す場面もあった。去年の2周年ライブでのクライマックス、最高の「未来飛行」を披露したことで、ようやく彼女の悩みと頑張りが報われるように感じたものだ。  

そこにきて、今回の3rdライブだ。コールの呼びこみや客席の助けが涙の記憶とつながっていた「未来飛行」を初日、自分の力でしっかりと歌いきり。数限りなく歌いこんできた「素敵なキセキ」を、客席と一緒に楽しむ新たな形へと昇華させる。それは今までの殻を破るために常に自分に新しい挑戦を課しているように思えた。夏川との2人での「成長Chu→LOVER!!」も、はっきりと2日目の方が良かった。これだけのステージを重ねながらも山崎は着実に成長し続けているし、毎回のステージをただがむしゃらに頑張るだけではなく、そのステージの中での自分の立ち位置と役割を意識しているように思う。リーダーのサポートという初めての立場に回った名古屋や大阪の山崎も良かったが、彼女と未来のトップテンションでのパフォーマンスはさらに高い位置にあるはずだ。ツアーでつないだ思いを受け取って、リーダーとしてセンターに立つ幕張公演での彼女の姿を見届けたい。

 

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●横山奈緒役・渡部優衣  

地元大阪でのステージ、企画コーナーは初日がユニットコント、2日目は全員参加の新喜劇と「お笑い」がテーマなこともあって、気合いが乗り切っていた渡部。やはりボケやツッコミのテンポ感では関西出身の渡部や愛美が抜群に頼りになる。初日開幕の「大阪にいるんです、私。頑張ります!私フルパワーで行くんで、皆さんもフルパワーで来てください。これは約束です!」との挨拶にはリーダーシップがみなぎっていた。  

横山奈緒といえば元気いっぱいでフランクなイメージが強いが、ファーストライブで見せた「きゅんっ!ヴァンパイアガール」のステージから始まった奈緒と渡部の小悪魔的で妖艶な路線は、「夜に輝く星座のように」でひとつの到達点に達した気がする。叙情的で表現力にあふれた上田、普段とがらりと変わった空気と突出した存在感を見せる村川、いずれと組んでも色の違う素晴らしいステージに仕上がるのは、土台となる渡部の表現にゆるぎない強度があればこそだろう。ステージで見せる小悪魔感をみがいてきた結果、定番の「Super Lover」もさらにつやが出てきた気がする。身長バランスもあって普段サイドに配置されてなお強い存在感を見せる渡部がセンターに立つと、長身からあふれだすようなエネルギーとダイナミックさは圧倒的だ。  

初日は「Super Lover」までの流れがあればこそ、初日の「ココロがかえる場所」は優しく、染み入るように響いた。藤井が感極まる様子を見せると、彼女が自分自身の力での立ち直るまでをしっかりと支えるパフォーマンスを見せていた。初日に765プロのバラード「またね」を歌い終わったあと、渡部と同じ事務所で友人でもある山口が「優衣ちゃんの声はしっとりしたバラードを破壊するね(笑)」と冗談で語っていたが、2日目の渡部のバラード曲はより優しく繊細で、より想いを込めているようで、これが奈緒の気持ちのこもったバラードだと示しているようで、山口も「ぱーっと明るくするね!」と言い直していた。  

ラストの渡部のMCでは、この会場が10年前、彼女がとある声優アーティストのライブを見て、声優への道を志した場所であること。そして、当時は声優を目指すことを反対していた両親が、会場に見に来てくれていることを語った。そうしてたどり着いたステージは、まさにツアータイトルの「BELIEVE MY DRE@M!!」を体現するものだった。大阪公演2日間を通してのラストナンバーは、もちろんこの曲だ。 「10年前、この会場で膨らんだわたしの夢。それを叶えてくれたのは『ミリオンライブ!』とメンバー、プロデューサーさんに出会えたからやと思います!(渡部)」 「いつも一緒に走ってくれてありがとう。気持ちを届けてくれてありがとう。笑顔を見せてくれてありがとう。その気持ちをこめて、歌います!(藤井)」 「「Thank you!」」

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Text By 中里キリ

「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演初日
2016.03.12.オリックス劇場
<セットリスト>
M01:Dreaming!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M02:エスケープ(愛美、藤井ゆきよ)
M03:恋愛ロードランナー(上田麗奈)
M04:スマイルいちばん(大関英里)
M05:Happy Darling(夏川椎菜)
M06:Sentimental Venus(山崎はるか、Machico、野村香菜子、愛美)
M07:PRETTY DREAMER(渡部優衣、山口立花子、夏川椎菜、上田麗奈)
M08:未来飛行(山崎はるか)
M09:君想いBirthday(駒形友梨)
M10:成長Chu→LOVER!!(夏川椎菜、山崎はるか)
M11:夜に輝く星座のように(渡部優衣、上田麗奈)
M12:トキメキの音符になって(麻倉もも)
M13:アフタースクールパーリータイム(藤井ゆきよ)
M14:おとなのはじまり(夏川椎菜、麻倉もも、山崎はるか)
M15:自転車(田所あずさ、愛美、角元明日香)
M16:MEGARE!(大関英里、藤井ゆきよ、上田麗奈)
M17:風花(Machico、駒形友梨)
M18:またね(山口立花子、渡部優衣、野村香菜子)
M19:Smiling Crescent(麻倉もも、角元明日香)
M20:たしかな足跡(山口立花子、Machico)
M21:ドリームトラベラー(大関英里、角元明日香、藤井ゆきよ)
M22:Blue Symphony(麻倉もも、駒形友梨、田所あずさ)
M23:想いはCarnaval(角元明日香)
M24:恋心マスカレード(野村香菜子)
M25:Be My Boy(山口立花子)
M26:プラリネ(愛美)
M27:Persona Voice(野村香菜子、田所あずさ)
M28:Believe my change!(Machico)
M29:Precious Grain(田所あずさ)
M30:Melody in scape(大関英里、駒形友梨)
M31:Super Lover(渡部優衣)
M32:ココロがかえる場所(渡部優衣、藤井ゆきよ)
M33:Welcome!!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M34:Thank You!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)

 

「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演2日目
2016.03.13.オリックス劇場
<セットリスト>
M01:Dreaming!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M02:エスケープ(愛美、藤井ゆきよ)
M03:Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!(村川梨衣)
M04:プリティ~~~ッ→ニャンニャンッ!(小笠原早紀)
M05:VIVID イマジネーション(夏川椎菜)
M06:Sentimental Venus(山崎はるか、Machico、村川梨衣、愛美)
M07:PRETTY DREAMER(渡部優衣、山口立花子、夏川椎菜、小笠原早紀)
M08:素敵なキセキ(山崎はるか)
M09:SUPER SIZE LOVE!!(大関英里)
M10:成長Chu→LOVER!!(夏川椎菜、山崎はるか)
M11:秘密のメモリーズ(末柄里恵、田所あずさ)
M12:夢色トレイン(麻倉もも)
M13:恋のLesson初級編(Machico)
M14:ハッピー☆ラッキー☆ジェットマシーン(渡部優衣)
M15:おとなのはじまり(夏川椎菜、麻倉もも、山崎はるか)
M16:自転車(田所あずさ、愛美、戸田めぐみ)
M17:MEGARE!(大関英里、藤井ゆきよ、小笠原早紀)
M18:風花(Machico、末柄里恵)
M19:またね(山口立花子、渡部優衣、村川梨衣)
M20:Smiling Crescent(麻倉もも、小笠原早紀)
M21:夜に輝く星座のように(渡部優衣、村川梨衣)
M22:WHY?(山口立花子)
M23:ドリームトラベラー(大関英里、藤井ゆきよ、戸田めぐみ)
M24:たしかな足跡(山口立花子、Machico)
M25:Blue Symphony(麻倉もも、田所あずさ、末柄里恵)
M26:Get My Shinin’(戸田めぐみ)
M27:bitter sweet(末柄里恵)
M28:Catch my dream(田所あずさ)
M29:流星群(愛美)
M30:Melody in scape(大関英里、戸田めぐみ)
M31:フローズン・ワード(藤井ゆきよ)
M32:ココロがかえる場所(渡部優衣、藤井ゆきよ)
M33:Welcome!!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M34:Thank You!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)

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