新たな一面、新たな魅力を見せていくための冒険の一歩。「THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!」大阪公演二日目レポート

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『アイドルマスター』の9周年ライブツアー“THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!”大阪公演二日目が8月3日、インテックス大阪で行なわれ、今井麻美(如月千早役)、釘宮理恵(水瀬伊織役)、滝田樹里(音無小鳥役)、下田麻美(双海亜美・真美役)、浅倉杏美(萩原雪歩役)、沼倉愛美(我那覇 響役)が出演した。

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開幕を告げる曲は、昨日に続き「THE IDOLM@STER」。まず最初に確認したのは6人が揃ってそこにいることだ。前日発熱による体調不良が心配された釘宮だったが、二日目は少し顔色が良くなり、客席とのやりとりを楽しんでいるように見えた。多忙なスケジュールのなかレッスンを重ねた出演者たちが、全員揃って笑顔でステージに立っている。そのことは決して当たり前のことではなく、本当に幸せなことなのだと改めて認識した。

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ラジオなどで「6公演すべてセットリストが違う」と告知されていた今回のライブツアー。ソロコーナー→カバーコーナー→ソロコーナーという大きな構成をベースに、前後を全員曲とトリオ曲で挟んでいくセットリストだ。1人3曲(+カバー1曲)のソロのうち1曲が前日とは別曲になっていたので、二日目は変更曲を中心に紹介していく。

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下田は「微笑んだから、気づいたんだ。」を披露。前日は真美の「ジェミー」なら、今度は亜美の番というわけだ。“いつも元気で明るいトラブルメーカー”というイメージが強い亜美が、いつも笑顔でいることの強さと尊さをうたった歌だ。しっとりと、しかし力強く歌い上げる下田の表情は、包み込むように優しい。歌詞に登場する「僕」と「君」は亜美と真美であり、プロデューサーと亜美であり、そして下田麻美から見た双海亜美との関係性なのかもしれないと思った。10年前、鳥取から夜行バスで収録に通った女子高生が、こんなにも優しく包み込むような表現力を身につけた時の流れを感じた。

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浅倉のステージで最初の曲のイントロが流れ始めたとき、自分と周囲の鼓動が聴こえたような気がした。雪歩に思い入れがあるプロデューサーならきっととても聴きたくて、そして聴いてはいけないような複雑な気持ちを持っていたであろう楽曲「Kosmos,Cosmos」だ。浅倉は4年前の5周年ライブで、前任者の長谷優里奈の想いと一緒に「萩原雪歩」役を受け継いだ。ファンの中にある雪歩のイメージを守りながら、自分の表現を探していくのは本当に難しく葛藤も多い作業だったと思う。「Kosmos,Cosmos」は雪歩にとって特別な楽曲であるとともに、長谷のウィスパーがかった歌唱の魅力がいちばんに出ていた楽曲でもある。

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だが今回のライブは、9周年。気がつけば、もうすぐ浅倉が雪歩と過ごした時間がアイマスの歴史の半分に近づきつつある。そしてきっとこの曲を歌うことで、また新しい一歩が踏み出せる。そんな気がした。浅倉の「Kosmos,Cosmos」は優しいがしなやかで、少し芯の強さを感じさせる、今の「萩原雪歩」そのものだった。歌い終えた浅倉は「フルサイズではレコーディングもしたことがない曲で、うれしかったけど、開演前には新幹線に乗って逃げ出したくなるぐらい緊張しました」と心境を吐露。「これからも歌っていく曲だと思います」との言葉に何か大切なピースが埋まったような気がした。

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滝田は二日目は「光」を披露。「空」→「光」と、yuraが作詞を手がけた“音無小鳥四部作”を続けて歌うのはおそらく初めてのことだ。MCでは滝田は小鳥の過去に隠された設定があることや、事務員という一歩離れた立場でありながらライブに出ることにいろいろと悩みや葛藤があったことに言及。しかしそんな彼女が「私は歌うときは14人目のアイドルとして、小鳥ちゃんとして歌をお届けしたいと思っています」とはっきり口にしたのは、ほかのアイドルたちとまったく同じ構成のセットリストで一緒にライブを作り上げたことが言わせた言葉だったのかもしれない。

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沼倉に関しては、実は前日ひとつ勘違いをしていた。「YES♪」はてっきり釘宮が歌うセットをカバーするために沼倉がダブルヘッダーを買って出たと思っていたのだが、どうやら元々沼倉はカバー2曲を担当する構成だったようだ。考えてみると、765プロのアイドルは13人。亜美真美を別枠として小鳥を加えた場合、「今日この会場にいないアイドルの曲をステージでカバーする」ためには7曲が必要となる。そこで2曲を担当するのは沼倉のパフォーマンスへの信頼の現れだろう。だがもうひとつ、この編成には意味があった気がする。

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前から思っていたことだが、沼倉愛美は踊れすぎる。そして、ダンス系のパフォーマンスがかっこよすぎる。作り手ならば誰しも沼倉に「Next Life」や「Rebellion」を歌い踊らせて、そのパフォーマンスを限界まで観たいのは人情だろう。しかしそんなクール系だけが響の魅力かといえば、765プロの響はむしろ、ダンスを中心に優れたスペックを持っているが、少しお調子者で隙があり、寂しがりやでかわいい。そんな愛すべき女の子としての一面が強いように思う。「Brand New Day!」はまさにそんな響に光を当てたアプローチだが、カバーの“2周目”に「YES♪」を中心に持ってきたのも、そんなかわいい響を少しでも見せる狙いがあったように思う。そして、そんな響と沼倉のキュートさが爆発したのが二日目の「しあわせのレシピ」だ。『ぷちます!』曲は初めて聴くプロデューサーもいたと思うが、自宅で大切な人を想って料理を作る響を歌ったステージは、たとえ初見でも問答無用で伝わるかわいさがある。曲中、沼倉はバンドメンバーに近づいて、楽曲に合わせてキーボードを鳴らしたり、おたまで調子っぱずれにドラムセットを叩いてみせたり。新しい一面を表現する沼倉自身もとても楽しそうなのが印象的だった。

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