――ここからは、TVアニメ『バンドリ! ゆめ∞みた』についてお話をお聞かせください。豊田さんは最終話までご覧になってどんな感想を抱きましたか?
豊田 毎クール色んなアニメを観ていますけど、『バンドリ! ゆめ∞みた』に関しては、バンド活動を始めた頃から応援していたゆめみたがアニメになるということで、親心に近い気持ちで観ていました(笑)。初回もドキドキしながら放送開始を迎えたんですけど、ストーリーがすごく面白くて、毎週「どうなるんだろう?」と入り込んで楽しむことができました。『バンドリ!』シリーズのアニメは、「どうバンドになっていくか」が軸にあると思うのですが、最初はりっちゃんを除く4人でみゅーたいぷとして始まったことも衝撃でしたし、あられちゃんの過去や想像以上にヘビーな展開があって。その一方で、笑ったり思わずツッコんでしまうような小ネタもいっぱいで、第12話の都子さんとビオラのシーンを観て「これがきっかけで『限界現実サバイブ天使』が生まれたのかな」とか思ったり(笑)。アニメと今目の前にいるみんなとは少し違うところもありますけど、ゆめみたに対する解像度がすごく上がった印象です。シンプルにゆめみたのことがさらに好きになった時間でしたね。
ゆめみた一同 ありがとうございます!
豊田 自分たちが描かれているアニメを観るというのは、なかなかない経験だと思うんですけど、どんな感覚なんですか?
千石 あたしはなるべく俯瞰して観るように努めました。アフレコの時は自分と重ねてストーリーを追っていたんですけど、アニメの放送を観る時は物語として楽しもうと思って。一視聴者としてもすごく面白かったですし、生涯でこんなに細かく観たアニメは他にないと思うので、作品を読み込むという意味ですごく貴重な体験をさせてもらいました。
峰月 私もアニメを観る時はアフレコの記憶をリセットしてまっさらな気持ちで観るようにしていました。キャラクターの1人1人に感情移入しながら、泣いてしまったり声を出して笑ったり、作品として純粋にめちゃくちゃ楽しむことができたんですけど、特に最終話のライブシーンの「愛は衝動」は、今までの物語があったからこそ描けるシーンだなと思ってすごくお気に入りです。あとは食べ物の描写とか……すぐ食べ物の話になっちゃうんですけど(笑)、他にも街並みや小物までリアルに描かれていて、楽しめるポイントがたくさんあるアニメなので何周も観たいです。
豊田 私もラーメンが超美味しそうで、めっちゃ食べたくなりました(笑)。
仲町 ぼくたちはアフレコ現場の時から観てきたはずなのに、作品の力なのかいつでも新鮮な気持ちで観ることができるんですよね。りっちゃんも言っていたけど、やっぱりライブシーンは何度観ても泣かずにはいられなくて(笑)。音楽をやっていてよかったな、音楽が好きだなと、改めて思えました。
豊田 素敵。終わってしまうのが寂しいですよね。あっという間に過ぎ去ってしまった感じがします。
――ゆめみたの皆さんは、アニメが終わった今だから語れる、「ここは自分自身やゆめみたらしかったな」というポイントはありますか?
峰月 律は驚くほどの食いしん坊キャラクターなんですけど(笑)、私自身がすごく食べるのが好きで、普段から食べる系の配信をやっていたので、アニメのスタッフさんがそれを見てくださって反映されたのかなと思っています。配信でのちょっとポンコツっぽいところも取り入れてくださったのかなと思いますし、メイド服を着てご飯を食べる配信をしたことがあるので、第5話でクレマチス(※律のこと)がメイド服を着ていたのはそこからなのかなと勝手に思っていました。
豊田 すごく暗い表情でチェキを撮られていましたよね(笑)。
峰月 そうなんです。「えっ!メイド服を着てる!」と思って嬉しかったです(笑)。
――アニメの律はとんでもないサイズの食べ物を持ち歩いていたりしていましたが、実際の律さんもたくさん食べるタイプなんですか?
峰月 本当に食べますね。子供の頃に近所の大食い大会があって、おばあちゃんが大人部門、私が子供部門で2人とも優勝したことがあります(笑)。実は遺伝の胃袋になっております。
豊田 遺伝の胃袋(笑)。秘伝のタレみたい。
千石 律の食べる要素みたいに、メンバーそれぞれの特徴や個性をリサーチして取り入れてくださった部分も多いんですけど、「そんなことまではしゃべっていないのに」という部分まで描かれていてギョッとすることもありました(笑)。あたしで言うと、確かに自分はメンヘラっぽいみたいなことを話した記憶はあるんですけど、そういう表面上の言葉から深掘りした解釈が鮮明すぎて、「あたしだったらこうしてしまうだろうな」という行動がそのまま描かれていたりするんですよね。
豊田 あら。じゃあサブアカで「ばいばい」と書き込むのも……。
千石 はい(笑)。結構思い当たる節があって、自分でアニメを観ながら「やめてー!あとから恥ずかしくなるからやめてー!」って思いました(笑)。
宮永 わたしは逆にアニメのののかみたいに子供の頃に億バズした経験がないので、その部分では人間性を理解するのが難しくて、少し自分と乖離を感じていたんです。でも、「みんなが喜ぶからギターを弾く」とか、みんなが求めるから大きくなっても「うさイーター」のままでいるところは、わたしもみんなが明るい気持ちになってくれるから行動するところがあるので、そこは似ているなと思っていて。びっくりしたのは、ののかが第11話で「みんなが喜ぶと思ってやってたのに!ののちゃんも自分勝手にやります!」ってなって覚醒するところがあるじゃないですか。あれは、「みんなを喜ばせたい」というのは自分のエゴで、そこからののかの中で自分の行動原理が一段階深くなってさらに最強になったタイミングだと思うんですけど、わたしはアニメのアフレコを収録し終わってしばらく経ってからその段階に到達したんです。
豊田 えっ、それはどういうことですか?
宮永 それまでのわたしは、人からどう思われるか、人から何を求められているかをすごく気にしながら振る舞っていたんですけど、“47都道府県制覇の旅”の中で、「あ、でもそうやってやりたいのは自分なんだ」と気づいた瞬間があって。そこで「あ、アニメののかのほうが先を行ってた!」と思ってビックリしました(笑)。アニメのののかが導いてくれた感じもありますし、見抜かれていたのかもしれないです。
豊田 へえ~!すごく面白い経験ですね。
藤 私はアニメのゆめみたでも、みんなが同じ方向を向こうとはならないところが、一番ゆめみたらしいのかなと思いました。それぞれが共存できるけれど違う方向を向いているというのは、リアルのバンドもアニメも同じだなと。
宮永 わかる!
仲町 それこそ第12話でも、ライブが決定した時の喜び方の方向性がそれぞれ違っていて。大事にしたいものややりたいことが全員バラバラなのに、どこか波長が合っているところは、ゆめみたっぽいよね。
宮永 人間って1人1人が違っていて、地球には違う人たちが大量に存在しているなかで、5人全員バラバラなゆめみたが集まって1つの音楽を真剣にやっていることが、地球には色んな人が存在することの肯定に繋がるんじゃないかなと思っていて。だからゆめみたがバラバラなままで一緒にバンドをやることにはすごく意義があると思う。
豊田 めっちゃいいお話。私も価値観が同じすぎる人といても「じゃあ自分自身でいいじゃん」と思ってしまうところがあって。違うからこそ面白いですよね。
仲町 実際、メンバーに対して「価値観が似すぎてる」と感じたことはないかも(笑)。
峰月 みんな本当に今まで出会ったことのない人たちばかりで、個性的で1人1人から学べることが多いから、一緒にいて楽しいよね。
千石 自分と似た価値観で周りを固めてしまうと、どんどん別の価値観を受け入れられなくなってしまうかもしれないけど、色んな価値観に触れることで、「そういう価値観もあるんだ」と知ることができて知識の範囲や世界が広がるし、人に優しくなれる。みんなといると人間としての器の大きさが鍛えられている感じがします。
豊田 めっちゃいいチームじゃないですか。ゆめみたは5人でおしゃべりしているのを見ているだけでも楽しいですからね。
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