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2026.07.07

これがゆめみたの進化と生存の証!“夢限大みゅーたいぷ 47都道府県制覇の旅「スーパーポジション ~スピンアップ編~」東京公演”ロングレポート

これがゆめみたの進化と生存の証!“夢限大みゅーたいぷ 47都道府県制覇の旅「スーパーポジション ~スピンアップ編~」東京公演”ロングレポート

次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』発の夢(バーチャル)と現実(リアル)を飛び越える運命共同体(バンド)、夢限大みゅーたいぷ。彼女たちが昨年11月より敢行している全国行脚ツアー“夢限大みゅーたいぷ 47都道府県制覇の旅”のうち、単独公演“スピンアップ編”の千秋楽となる東京公演が、6月21日、東京・SGC HALL ARIAKEにて開催された。47都道府県を巡るツアーの46か所目にあたる本公演は、バンドにとって過去最大規模の会場でのワンマンであり、ここまでの武者修行の成果が問われる最大の山場でもある。そんな集大成と言うべきライブで、メンバー5人は、まさに運命共同体であることを実感させてくれる、素晴らしいステージを届けてくれた。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 福岡諒祠(GEKKO)、アンザイミキ

47都道府県制覇の旅が育んだ成長と絆、この5人だからこそ奏でられる音楽

会場のSGC HALL ARIAKEは今年3月にオープンしたばかりの大型多目的ホール。6月18日にはRAISE A SUILEN、同月19日・20日にはAve Mujicaが単独ライブを開催し、この日が『バンドリ!』関連バンドによる同会場での4DAYSライブの最終日にあたる。そんな本公演のオープニングアクトを務めたのは、新作モバイルゲーム『BanG Dream! Our Notes(アワーノーツ)』に登場する新バンド、millsage(ミルサージュ)と一家Dumb Rock!(いっかだんらん)の2組だ。まずはmillsageの汐見 蛍(CV:薬師寺李有)がステージに登場。“楽壇の天使”という異名も納得の白いワンピース衣装で凛とした佇まいの彼女が放ったのは「起死開戦」。ツインギター編成のサポートバンドが奏でるポストロック的なアンサンブルと複雑なメロディを舞うように歌う蛍の華麗にして苛烈なボーカルが劇的なインパクトを与える。続く一家Dumb Rock!は『バンドリ!』初のツインボーカル編成のバンドで、勢いよく登壇した須賀蕾叶(CV:橘 めい)と馬橋心玖(CV:涼泉 桜花)の2人はラップ的なフレーズを交えたファンキー&グルーヴィーなミクスチャーロック「ホーミー・タイッ!!」を披露。とびきり元気に観客を巻き込んでいく蕾叶と伸びやかな美声で引き締める心玖のコンビネーションも抜群で、会場を熱く盛り上げて嵐のように去っていった。両バンドとも今までの『バンドリ!』にはなかったタイプの音楽性で、今後どんな展開が待っているのか楽しみになるステージだった。


ステージ転換の時間を挟み、ついに夢限大みゅーたいぷの出番。まずはメンバーの峰月律が編集・制作したオープニングムービーがスクリーンに流れる。そこに映るのは47都道府県の旅の様子。ライブやバックステージの場面ばかりでなく、メンバーみんなで神社に訪れて絵馬を描いたり、砂浜でたわむれたりと、各地での日常の風景も収められている。ゆめみたズ(夢限大みゅーたいぷメンバーの通称/ズは本来半角表記)がこのツアーで過ごしたかけがえのない日々が、今この瞬間のライブに繋がっているのだ。

キリッとした面持ちでステージに上がった、仲町あられ(Vo.)、宮永ののか(Gt.)、峰月律(Gt.)、藤都子(Key.)、千石ユノ(DJ&Mp.)の5人が、オープニングに選んだのは「チューニング」。昨年9月の4th LIVE“アンロック・ザ・フューチャー”でゆめみた初のアニメーションMVと共に初披露された、メンバーの仲町と千石が作詞・作曲で参加した楽曲だ。本公演ではメインステージから客席側にせり出す形でセンターステージが設けられており、仲町はスクリーンに映るMVの姿と同じように前方へと駆け出して、周囲を観客に囲まれた場所で晴れやかに歌う。そして2番サビ後のメンバー5人がハーモニーを重ねるパートでは、再びメインステージに戻って5人揃って歌唱。きっとツアーという名のチューニングを経てお互いの音や気持ちがさらに重なるようになったのだろう、それぞれの音が混ざり合って音楽を奏でることの喜びが確かに伝わってくる。この1曲目から、今のゆめみたはバンドとして過去最高の状態を迎えていることを確信した。

その晴れ晴れしい立ち上がりから一転、続く「新人類は仮想世界の夢を見るか?」ではゆめみたらしい賑やかでカオティックなステージに急旋回。2番頭の宮永のソロパートでレゲエっぽくなったかと思えば、そこから一気に加速して他のメンバーは早口でまくしたてたり、千石はキューティーな振り付けでも盛り上げたりと、各々の個性を発揮しながら“ライフ・イズ・ビューティフル”と高らかに宣言する。その後のMCで改めて挨拶すると、マイクスタンドを取り出した仲町は「みんなと一緒にしたい振り付けがありまして」と動きをレクチャーして次曲「どんがらがっしゃん」へ。シャッフルリズムの心浮き立つサウンドのみならず、ブリッジで宮永が「はーい!ののちゃんです!」と切り込んで早口言葉でコール&レスポンスを行うパートでは、ののちゃん、ユノちゃん、まるくん(藤都子が常に持ち歩いているパペット)、りっちゃん、仲町の順番で早口言葉を披露。ユノちゃんの「のちのちゆのちのちのちゆのち」、まるくんの「ふわふわもここふわもここ」、食べるのが大好きなりっちゃんらしい「炙りカルビ炙りカルビ」といった独自のフレーズも飛び出した。

fhánaの佐藤純一が楽曲提供した爽快感たっぷりのナンバー「Dream Voyage」では、仲町のキラキラ成分を多く含んだ伸びやかな高音、演奏陣の躍動感溢れるプレイがワクドキ感を増強。ゆめみたとの楽しい夢の世界を描き出す。鋭いギターとビートがハイテンポに迫る「Hi-Vision」でのハイテンションぶりも凄まじく、ただ速いだけでなく要所で溜めを効かせるなど、キメポイントを効果的に作ることでメリハリを付ける見せ方は、メンバーの息が合っているからこそ可能なもの。1曲1曲に成長を感じさせるライブに思わず感心してしまう。

かと思えば、音楽だけでない部分もしっかりと作り込んでくるのが、ゆめみたの楽しいところ。ここでメンバーが一旦降壇し、日曜夕方のお茶の間に欠かせない某演芸番組のオープニングのような音楽と映像が流れ出すと、謎の番組『夢遊点(みゅうてん)』が唐突にスタート。法被を羽織って扇子を持ったメンバーたちが登場する。このコーナーではメンバーたちが大喜利を行い、司会進行役の藤都子が独断と偏見でおもしろいか否かをジャッジして、ゆめみたぬいを与えたり剥奪するという画期的な内容だ。しかも大喜利のお題は本公演のグッズ紹介を兼ねたものに。なかでもメンバーのトレーディングブロマイドを巨大化した顔ハメパネルを使った「メンバーになりきってひと言」というお題では、峰月が「赤ちゃん言葉で話す千石」で彼女のバブみを表現するも千石の逆鱗に触れてぬいぐるみを没収されるなど、メンバーから見た各メンバーの姿や関係性が垣間見られて、とても面白くてためになる時間だった。

最後はUFOデザインの東京公演キーホルダーにあやかって、会場の座席にあらかじめ置かれていたUFOのイラストを用いた客席のウェーブをメンバーがたっぷりと堪能して『夢遊点』はお開きになると、今度は藤が一人でステージに現われて、4人をまとめるのは大変なのでもっとパワーが必要だとぼやき始める。そして「『夢遊点』をもっと面白くするためにはトレーニングを積まなくてはいけないんだ!」「スタッフ!あれ持ってこい!」と指示すると、ドでかいショルダーキーボードがやってくる。それを手にすると「ぽまえらもトレーニングをしなさーい!」と強引に事を進めて、藤をモチーフにした楽曲「LET’Sあちあちトレーニング!」へ。仲町と共にセンターステージまで乗り出して掛け合いで歌うと、東京といえば「都子も大好きなお寿司」ということで、スクワットの要領でひじを曲げながらシャリを握る寿司職人のポーズを会場中に強要して、SGC HALL ARIAKEをトレーニングルームに変貌させる。ストイックかつ漫画家で“笑い”を大切にしている藤らしい楽曲だ。ひとりだけやる気のない千石はスマホをいじり始めて、その様子を動画撮影していたので、ぜひ彼女のSNSで会場が一体になってトレーニングしている姿をチェックしてほしい。

そんなカオスな光景から一転、峰月のモチーフ曲「TRASH LIFE」では、ピンと張りつめた空気の中、彼女と仲町がセンターステージに進み出てくる。峰月が仲町の髪に触れてお互い笑顔を浮かべると、背中合わせになって、峰月の弾くアコースティックギターを合図に楽曲がスタート。仲町の感傷や焦燥を滲ませた歌声、峰月の心の叫びにも似た台詞、どこまでもエモーショナルに高まっていくサビでの2人の歌声。宮永の情熱的なエレキギターや藤のピアノ、千石の峰月に歌いかけるようなコーラスも合わさって、彼女たちだけの“居場所”が形成されていく。終盤、お互い向かい合いながら歌う仲町と峰月の姿、歌い終えた後の満面の笑みを浮かべて見つめ合う2人が感動を誘う一幕だった。

峰月に代わって宮永がセンターステージにやってくると、今度は宮永のモチーフ曲「テレパシー」へ。ゆめみた楽曲にしては珍しく穏やかな雰囲気とテンポ感で、切なくも温かなトーンが印象的なこの楽曲は、あるいはいつも明るくて賑やかな宮永の心の中がそのまま投影されているのかもしれない。オレンジのライトがステージを柔らかく照らし出すなか、2人はあたかもテレパシーで通じ合っているかのように、呼吸を合わせて歌い演奏する。宮永の紡ぐ“私よりも私をわかっていたみたい”という言葉、肩を寄せ合って歌う2人の表情にもグッとくる。他の誰にも代わりを務めることのできないメンバーモチーフ曲があるのも、ゆめみたというバンドの強みだ。

そしてセンターステージに仲町がひとり残り、彼女自身が堀江晶太との共作で作詞・作曲した自身のモチーフ曲「グラディエント」を歌唱。冒頭、スポットライトを浴びながらアカペラで歌い始めると、会場は彼女のメンバーカラーである黄色のペンライトで染まる。自分のリズムとテンポ感で、節回しにもアレンジを加えつつ万感の想いを込めて歌を紡ぐその姿に惹き込まれる。バンドの演奏が加わってからの、それぞれの世界が混ざり合ってひとつのグラデーションが描き出されていく流れも素晴らしく、分かり合えることばかりではないこの世界で、それでも“一人じゃない”と信じることの大切さ・美しさを、5人で身をもって体現するような名演だった。

次ページ:TVアニメと宇宙制覇に向けて!ゆめみたが描き出す果てしない夢

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