峰月の「食べ物の話がしたい!」というたっての希望により、47都道府県ツアー中で一番美味しかった食べ物の話に花を咲かせたMCを経て(峰月は宮城の牛タン、宮永は北陸の優しい味付けと海鮮、藤は鹿児島のしろくま、千石は熊本の馬刺し、仲町は香川のうどんを挙げていた)、ライブの後半戦は「みんな回る準備はできてますかー!」(仲町)との呼びかけから「みゅーたんとミュータント」で幕開け。2ステップ風の跳ねるリズムとエレクトロニックなサウンド、ド派手なレーザー演出が未来的かつダンサブルな空間を作り上げる。ゆめみたのバーチャル面がより強く出たステージングと言えるかもしれない。
そして宮永が台に片足を乗せてディストーションギターをかき鳴らすと「コハク」に突入。この楽曲もまた仲町のモチーフ曲であり、彼女自身が最初に作詞した楽曲でもある(作曲・編曲は堀江晶太)。緊迫感とスケール感の両方を湛えた爆発力のあるロックナンバーで、仲町を支えるように寄り添う千石のコーラスも、2人の声が合わさってこそ楽曲の完成形と言えるほどの存在感があって実にいい。続く「真夜中遊園地」では仲町が勢い余って早めに歌い出してしまうミスもありつつ、「間違えた~」と笑ってそのままスッと本来の進行に戻るところに、多少のことでは動じないバンドの経験値と信頼関係が伝わってくる。同楽曲の一体になって迫りくるような迫力あるパフォーマンスを含め、改めて本当に良いバンドになったなあと感じた瞬間だった。
その後のMCで、本公演の開演前、仲町がウォーミングアップのために声出し専用の部屋に行く際にメンバー全員がついていって狭い部屋で5人で声出ししたという仲良しエピソードが披露されると、その流れで客席もアリーナから4階席まで声出しを行って、いよいよラストスパートに突入。ゆめみたの持ち曲のなかでもとりわけアグレッシブな「コミュ着火Fire!」では宮永と峰月がセンターステージに躍り出て盛り上げるなか、仲町も巻き舌気味の歌唱や拡声器を使った「伝われバカヤロー!」という叫びで会場のテンションをどこまでも上げていき、心の内のイライラも欝々もすべてを燃やし尽くしていく。さらに千石のモチーフ曲「Calling」では、この日はずっと後方にいた千石がついにセンターステージに降臨。ソリッドな速射砲ラップでクールビューティぶりを発揮し、仲町とのコンビネーションでも魅せて会場を熱狂の渦に叩き込む。そして仲町が「次が最後の曲だぞー!」と宣言して最新Singleの表題曲「超惑星Xへの旅」へ。スクリーンにはMVの映像が流れ、この日一番と思えるほど煌びやかなレーザー演出が飛び交うなか、今までで一番強気でバキバキなEDM調のナンバーが会場を“超惑星X”へと誘っていく。どこまでも未知数で、次にどんな一手を繰り出してくるのか全く読めない、無限大の可能性を秘めたゆめみたらしいステージングでライブ本編を締め括った。
アンコール、アレンジしたツアーTシャツに着替えたメンバー5人は「アイの夢限」を披露。力強くもどこか哀切感の滲む曲調、誰かに語り掛けるようでも自問自答するようでもある歌詞など、いろんな受け取り方のできる楽曲であり、Dメロで千石がラップで吐き出す葛藤のようなフレーズを含め、おそらく会場にいる人それぞれのいろんな思いに共鳴したのではないだろうか。ちなみに本楽曲は昨年12月にリリースされたゆめみたの1st Album『プログレス サイン』のリードトラック。この曲をもって同Albumに収録の15曲すべてが本公演で演奏されたことになる。今回のライブは同作収録曲の進化(プログレス)を示す公演という側面もあったのかもしれない。
その後、メンバーから一人ずつ挨拶する時間が設けられ、今回のツアーを経て自分に自信がついたこと、新しい自分を発見できたこと、いろんな場所でいろんな人たちの生活や価値観に触れて心が広くなったことなどが口々に語られる。常々「伝説になりたい」「教科書に載りたい」と語っている宮永は「本気なんですけど!」「本当に宇宙制覇する気あるかー!」とアピール。そんななか仲町は、ゆめみたが始動した当初、バンドの顔役となるボーカルであることにプレッシャーを感じることが多かったが、このツアーで過ごしたみんなとの時間が楽しくて、「音楽以外にもこんなに楽しいことがあるんだって本気で思って」「自分自身で自分がボーカルで良かったなと思える日が増えました」と素直な気持ちを告白する。「これからもこの旅で見つけた大切な気持ちと一緒にもっと音楽を楽しみたいです!」と呼びかけ、会場は万雷の拍手で応えた。きっと47都道府県を巡る旅は、バンドとしてだけでなく、メンバー一人ひとりのプログレスをも促すような経験になったのではないだろうか。
そして「(アンコールが)1曲だけじゃダメだよな?もっと届けたいよな!」(仲町)と会場の期待を煽ると、「やっぱりね、あの曲、一緒に楽しんでないし」と告げて、ゆめみた最初のオリジナル曲でもある「夢現妄想世界」をパフォーマンス。スタートラインを切ってから約2年半、ものすごい勢いで進化してきたゆめみたの成長の証が最も如実に表れるのがこの曲と言えるだろう。フロアのテンションもマックスまで高まり、アリーナ席のファンはジャンプして熱狂。メンバーたちの「これしかないんだ!」という強い言葉と共に銀テープが射出されてラスサビへ。最後は仲町が「みんなとぼくたち全員で夢限大みゅーたいぷだー!」と叫んで締め括った。
だが、この日のライブにはまだ続きがあった。「やっぱりぼく、夢限大みゅーたいぷって名前が大好きです。これから人生って苦しいことも楽しいこともあると思うんだけど、ここ夢限大みゅーたいぷが、また新しいスタートラインを切れる、自由に新しく楽しめる場所でありたいと思っています。ぼくたちとこれからも、またここから、新しい道を歩んで行こう!」。仲町はそう語ると、その場にいるファンの誰もが聞き覚えのない楽曲タイトルをコールする。その楽曲とは「これはぼくたちの生存のあらすじ」。この日のライブで初公開された、この夏より放送されるTVアニメ『バンドリ! ゆめ∞みた』のOPテーマだ。作詞・作曲を担当したのはUNISON SQUARE GARDENの田淵智也。全編キャッチーでぐいぐい攻める多段式ロケットのような楽曲展開、サビのヒロイックなメロディや“アニメじゃない実存でもない”という洒落の効いたフレーズなど、田淵節をたっぷりと感じさせる牽引力に満ちたナンバーで、まさしくゆめみたの新しい一歩を感じさせる。特にクライマックス、仲町の世界の中心で生存証明を叫ぶような力強い歌声とメンバー陣によるコーラスが作り上げる高揚感は圧巻のひと言。最後は新曲で次の未来を提示して、ライブは大団円でフィナーレを迎えた。
「これはぼくたちの生存のあらすじ」のサビにある“どこにだって行ける 行けるから その足を止めるな”というフレーズは、47都道府県を巡り成長したゆめみたズから我々へのメッセージであり、この先に広がるゆめみたとの無限大の未来を象徴する言葉でもある。本公演をもってスピンアップは完了した。いよいよアニメが始まり、夢(バーチャル)と現実(リアル)を飛び越えて新しい世界に飛び出す彼女たちの宇宙制覇の旅を、引き続き共に楽しもうではないか。


夢限大みゅーたいぷ 47都道府県制覇の旅「スーパーポジション ~スピンアップ編~」東京公演
2026.06.21@東京・SGC HALL ARIAKE
オープニングアクト
millsage
M1 起死開戦
一家Dumb Rock!
M2 ホーミー・タイッ!!
夢限大みゅーたいぷ
M3 チューニング
M4 新人類は仮想世界の夢を見るか?
M5 どんがらがっしゃん
M6 Dream Voyage
M7 Hi-Vision
M8 LET’Sあちあちトレーニング!
M9 TRASH LIFE
M10 テレパシー
M11 グラディエント
M12 みゅーたんとミュータント
M13 コハク
M14 真夜中遊園地
M15 コミュ着火Fire!
M16 Calling
M17 超惑星Xへの旅
EN1 アイの夢限
EN2 夢現妄想世界
EN3 これはぼくたちの生存のあらすじ
夢限大みゅーたいぷ
オフィシャルサイト
https://bang-dream.com/yumemita
オフィシャルX
https://x.com/BDP_yumemita
オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@BDP_yumemita
オフィシャルTikTok
https://www.tiktok.com/@mugendai_mewtype
TVアニメ『バンドリ! ゆめ∞みた』オフィシャルサイト
https://anime.bang-dream.com/yumemita/
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