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REPORT

2026.07.06

10年前と同じ場所での“祝祭”を彩ったのは、“今の大橋彩香”だからこそできた挑戦!“Ayaka Ohashi Oneman Live『Fiesta』”ライブレポート

10年前と同じ場所での“祝祭”を彩ったのは、“今の大橋彩香”だからこそできた挑戦!“Ayaka Ohashi Oneman Live『Fiesta』”ライブレポート

6月5日、Zepp DiverCity(TOKYO)にて“Ayaka Ohashi Oneman Live『Fiesta』”が開催。2016年6月5日に1stワンマンライブ“Start Up!”を開催してから丸10年となるこの日に、同じ会場で開催されたのがこのライブ。しかし内容面では、そんなエモさだけに頼ることなく、事前に“MCなしのノンストップライブ”であることを公言するなど非常にチャレンジングなものに。それに挑戦することを意義とするのではなく、その挑戦を通じて“今の大橋彩香”のもつパワーやスキルを生き生きと示すことで、この10年の自らの歩みや成長を感じさせるという様々な意味で“熱い”ライブとなった。

PHOTOGRAPHY BY 松永光希
TEXT BY 須永兼次

自身初のメドレーにも挑戦!そして幕開けは意外な“あの曲”から……?

開演前にはまず、DJ和がOPアクトを担当。「ソロの曲はこのあと歌うから……」と、「S(mile)ING!」や「今よ!ファンタジスタドール」をはじめとする過去に大橋が担当したキャラクターの楽曲や、「なぜ?謎?!ANSWER」(TVアニメ『名探偵プリキュア!』ED主題歌)など出演作の主題歌を次々プレイし場内を温め、大橋へとバトンを渡した。

そして暗転とともにオープニングSEが流れ、バンドメンバーが登場。プロジェクションマッピング風の演出の中で演奏を始めると、2階ステージに大橋が登場。逆光に包まれるなか流れてきたのは、なんと「ワガママ MIRROR HEART」のイントロ!ライブ終盤にクライマックスを飾ることの多い曲からの幕開けという意外すぎる構成に、オーディエンスからは大歓声が上がる。それを浴びながら大橋は冒頭から伸びやかに歌声を響かせていくと、両サイドから登場したダンサー2人と共に軽快なダンスも披露。笑顔を振りまきつつ、しかし実に力強い歌声をもって観客の心を一気にライブに引き込んでしまう。早くも1サビで場内に轟いていた大きなコールが、何よりの証拠だろう。もちろんその熱量から得た勢いだけではなく、落ちサビでの切なさのまぶし加減や大サビでの爆発力など、この日も歌唱面での魅力を炸裂させていった。そしてかき回し中には「楽しいお祭りにしましょうねー!」と呼びかけると、そのままお立ち台に上って「Be My Friend!!!」へ。サビやラップ部分ではそのお立ち台に足をかけてフロアに視線を落としながら歌唱し、指差しでさーっとさらったり、サビでは拳を振り上げ観客を跳ばせるなど、早くも場内を掌握。2サビ明けの間奏ではギターソロを煽り、笑顔で背合わせしながら拳を振り上げ盛り上げたかと思えば、Dメロに入るやいなや表情をキリッと切り替え最後までパワフルに力強く歌い上げると、ドラムのソロプレイから始まるinterludeを挟んで「変革Delight」へ。仁王立ちのままライトを浴びた大橋は、「いくぞ!DiverCity!」と勝ちどきをあげてオーディエンスを先導。その佇まいには強者感を、そしてボーカルには猛々しさを伴わせて歌唱していけば、2コーラス目のラップ部分ではキックも繰り出すなど、パフォーマンスも含めた攻撃性満載なステージングを展開。大サビは転調してキーが上がったにもかかわらず苦しさは感じさせず、むしろ歌声には伸びやかさが増していく。その一方で落ちサビ入りの歌声には清涼感をもたせ、その大サビへ向かうまでのクレッシェンドの匙加減も含めて単なる力押しではない、アグレッシブに“聴かせる”ボーカルを披露してみせた。そしてそのままもう1曲ロックなナンバー「MASK」を投入。ここでもAメロは力を込めすぎずにBメロから徐々に歌声に重みを乗せ、開放感あるサビで思い切り全力を解き放つという巧みなボーカルワークを披露。単なる勢い任せにはせずに意味をもたせた歌唱表現をみせ、またもお立ち台に足をかけてフロアを覗き込みながらの歌唱で、さらにぐいぐい惹き込んでいった。曲明け、クラブチューンのようなinterludeに乗せ頭上でクラップを要求すると、今度はステージ中央でスタンドマイクを用いての「NOT YET」の歌唱へ。ここでは一転してボーカルに注力し、切ない心情を歌声に乗せて、場内いっぱいに広げていく。自然と表情にもその切なさがにじみ、様々な面からの彼女の表現力を堪能させる1曲としてみせた。

そんなこの曲が終わると、ダンスチューン風のトラックに乗せてメドレーの開始を宣言。バンドメンバーが降壇し入れ替わりにDJ和が再登場すると、彼のプレイにとともに「ハッピーメリーゴーランド!」がメドレーコーナーの幕開けを飾ると、続く「Doing Now!」では「一緒にクラップしてください!」と呼びかけ、タオルを使った腕振りやジャンプなどで一体感を生んでいく。さらにポップなナンバー「Super dreaming days」は落ちサビを大事に歌うと、大サビでは腕振りしながら笑顔とともに歌声を明るく響かせフロアを踊らせてみせた。そして「ネコメドレーいくよー!」の宣言とともに、ダンサー2人が大橋の愛猫・ふーたそ(フレア)とミラを模した人形を抱え再登場。DJ和たっての希望で、次々にシャッフルされての歌唱となった「にゃんダフルらぶ」「にゃんダフルらいふ」「にゃんだーわんだーデイズ」の3曲を、“愛猫たち”との掛け合いも交えながら披露していく。時折お立ち台に片足をかけて力強く歌ったかと思えば、「にゃんだーわんだーデイズ」ではキュートなダンスも交えてステージを彩ってみせた。そこから「ロンリーサンシャイン」ではパワフルかつ切実な歌唱をもって場内の雰囲気をガラリと変えれば、「Break My Jail」ではポエトリー部には葛藤を乗せつつ、凛とした表情でさらにぐっと力を込めて歌い上げる。そして「ユー&アイ」ではダンスも交えながら伸びやかな歌声を響かせ、指で描いた大きなハートと共に心を捉えると、メドレーを締め括ったのはなんと「ダイスキ。」だ。引き続きダンサブルなこの曲、キュートさだけではなくAメロ部分のボーカルをやや引き気味にすることで切なさも感じさせ、思い切り押し出すサビとの緩急も含めて聴かせてもいく。ダンスの映える間奏部分も見せ場として盛り込み、魅せる・聴かせる1曲で、およそ13分にもわたるメドレーを締めくくったのだった。

ここで大橋は一旦降壇。荒野を吹きすさぶ風を想起させるSEが流れるなかバンドメンバーが再登場し、「Winding Road」でバンドを、「LITTLE・LOVE・GHOST」でダンサーをフィーチャー。後者の間奏では大橋による影ナレの先導によりコーラスパートのシンガロングも響き渡り、「後半戦もいっぱい盛り上がって、お祭り騒ぎしましょう!」の言葉とともにバンドタイムは終了。ステージにカフェのようなテーブルと椅子が据えられると、衣装チェンジを終えた大橋がしとやかに腰掛け、微笑みながらの柔らかな歌い出しとともに後半戦を「ジャスミン」でスタート。楽曲の雰囲気にマッチする温かさをもちながら、伸びやかさはそのままにこのミドルポップを彩っていく。愛らしい大サビでの「お願い♪」のセリフもまた歓声を呼び起こすと、続く「うたたねのラブソング」ではステージの中央に立ち、歌声には優しさもプラス。間奏部分では微笑みつつ場内を見回したりもしながら、オーディエンスの心にそっと届く歌声を響かせていく。そして「Four Leaves」では序盤から歌声が前の2曲に比べてややアタック強めのものとなり、内に抱えた想いの膨らみも感じさせる表現に。柔らかさのあるミドルナンバーといった雰囲気こそ共通しながらも、それぞれの特色も感じさせるボーカルワークを通じて、改めて大橋のシンガーとしての充実ぶりを感じさせてくれたように思う。

歌唱後、拍手に続いて暗転のまま場内に静寂が流れると、ライトが当たると当時に、そこから伸びる一筋の光のように歌声を響かせ始めたのは「Flash Summit!!」。冒頭のアカペラをたっぷりと歌い、タイトルコールとともに歓声を巻き起こせば、4カウントとともに場内のボルテージは再び急上昇!そのなかにおいて大橋は、2コーラス目には歌詞に沿わせたライブならではの荒っぽいアプローチや、直後の非常に高らかなフェイクなど、スピードの速いナンバーにおいても様々なポイントでこの曲ならではの“欲しい”表現を詰め込んでいく。さらに2サビ明け間奏では「歌えー!」とシャウトしこの日一番の大きさのシンガロングを場内にこだまさせれば、大橋自身はそれを先導するかのように歌声を突き抜けさせていく。加えて大サビでは“目を逸らしちゃダメだ ダメだよ”のフレーズに合わせてフロアを覗き込むなど、“誰も置いていかない”ステージを構築。楽曲披露に至るまでの流れも相まって、場内には大団円感さえ漂っていたかのようでもあった。

しかしライブは、この“祝祭”はまだまだ終わらない。熱気と余韻が残るなかダンスチューン風のinterludeが流れると、会場を左右に2分割してのコーレスタイムを経て、「自分の持ってるもの全部出しきって、楽しんでくれー!」との荒々しいシャウトに続いて「HOWL」からラストスパートがスタートする。ここでもまずお立ち台に足脚かけて、拳を振り上げながらコールを煽っていくと、ハイスピードな鋭いロックチューンにおいて歌声には確固たる攻撃性を乗せ、場内の温度を物理的にも上げていく。そうしてさらに熱を帯びた会場をいっそう盛り上げゆくのが、「NOISY LOVE POWER☆」。ここで世界は一気に明るく転換。大橋はイントロ中にポンポンを手にし、再び笑顔を振りまきながら、キュートな中に時折ファニーさも感じさせる歌声をダンスしながら響かせ、華やかなステージを構築していく。2サビ直前にはまたもフロアからの「NOISY LOVE POWER☆」のコールが場内に大きく響き渡って場内のボルテージが天井知らずにUPしていくと、後奏中にブレザー風の衣装の上着を脱いだところで「シンガロン進化論」がスタート。楽曲の展開に合わせた、愛嬌溢れる表情豊かな歌声を響かせながら、サビではそこに場内いっぱいに広がるパワフルさも伴わせていく。最後にまたもシンガロングで一体感をもたらすと、今度は星型のタンバリンを手にしてライブ定番曲「流星タンバリン」へ。頭サビ後の大橋の「いくよ!」の声を合図に始まったシンガロングや、曲中幾度も繰り広げられたコールを通じた掛け合いなどでさらに熱気が高まると、それを浴びた大橋はさらに笑顔をきらめかせ、会場中と視線を交わしながら歌唱。大サビ冒頭ではお立ち台から飛び降りたりして自身の高まりも示し、その姿がさらに場内のボルテージを高めていった。

そして曲明けのinterlude中、SEとともに2階ステージ上の星型オブジェが照らされると、始まったのはデビュー曲「YES!!」。イントロ中には本編ラストナンバーであることを告げ「ピースいっぱい作りましょー!」と呼びかけると、Bメロではそれに呼応した観客から無数のピースが“YES!!”の声とともに掲げられる。その部分も含め、リリースから10年以上を経ても変わらぬみずみずしさをもった歌声を、きらめく笑顔や見せどころをバッチリ決めるダンスとともに響かせていく大橋。時折ナチュラルなかわいげも感じさせつつ、彼女が会場中のオーディエンスを次々に魅了しきっていく光景は、10年前のこの日と同じようでまったく違う、大きく進化した姿だったように思う。最後の“Say YES!!”を笑顔で腕を振り上げながらシャウト調に歌った大橋は、達成感の滲む表情でのジャンプエンドと、続いて掲げたピースとともに、本編を締めくくった。

次ページ:「これからも“ギブアンドテイク”してください!」

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