REPORT
2026.06.04
5月24日に、ZeppDiverCity(TOKYO)にて“『前橋ウィッチーズ』ライブ STRAIGHT! REACH!! CHEER!!!”の東京公演が開催。TVアニメ『前橋ウィッチーズ』のメインキャストを務める、春日さくら(赤城ユイナ役)・咲川ひなの(新里アズ役)・本村玲奈(北原キョウカ役)・三波春香(三俣チョコ役)・百瀬帆南(上泉マイ役)の5人からなるグループ・前橋ウィッチーズが、3rdアルバム『ストレリチア』を引っ提げる形で東京・大阪の2ヵ所で開催した今回のライブ。前半では現在再放送中のTVアニメの物語をなぞりつつ、後半は前述した3rdアルバム収録の新曲やソロ曲を披露し、今の5人が持つ魅力を提示。彼女たちを好きになった時期がいつであろうと、“ガチ市民(=前橋市在住の前橋ウィッチーズファン)”や“市民見習い(=前橋市在住以外の前橋ウィッチーズファン)”を誰も置いていかない、会場一体となって盛り上がり、さらに前へと一歩進んでいくかのような公演となった。本稿では、そのうち東京公演・夜の部の模様をお届けする。
TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 曽我美芽
会場中、スクリーンに5つの芽が土から顔を出すアニメーションが映し出されるなか、開演直前には5人によるボイスドラマが影ナレでスタート。冒頭から腕立て伏せをするチョコなどライブへの気合いやワクワクも感じさせるやり取りをくり広げ、最後はライブに向けて声を揃えて“開店”を宣言。場内に「FLOWER SUPER POWER」が流れ出すと、前述の5つの芽が土から飛び出し踊り始める。観客もコールを入れて会場も準備万端な状態となり、楽曲が終わるとオープニング映像の上映がスタートした。
1人ずつメンバーが紹介されると、その順にステージ奥に据えられたメンバーカラーの“それぞれのドア”から登場してポージング。メインステージで5人並んで“ウィッチーズポーズ”を決めたところで、まずは「スゴすぎ前橋ウィッチーズ!」からライブスタート。背負ったアニメのOP映像と共に、観客のボルテージを一気に上げにかかる。
様々なライブやフェスを通じて、これまで最も披露する機会が多かったであろうこの曲。その経験を通じて磨かれたパフォーマンス力をもって、笑顔を咲かせながらフォーメーションワークもスムーズに展開。それぞれが個性を滲ませながらも、一致団結したエネルギッシュなダンスとボーカルで確実に場内の空気を熱し、改めてパフォーマンスの充実ぶりを感じさせてくれる。また大サビの後半、転調後に5人が背合わせで小さな円を作り細かく動いていくセクションも、息をしっかり合わせて1人ずつ順にフィーチャーするなどテクニカルさもみせ、続く「推せる想いをぶつけちゃお?☆」ではヒップホップ調のリズムを捉えた歌とダンスで会場の空気を縦ノリに。1-A’メロでは前方に飛び出してきた百瀬が前方の観客への指さしをバッチリ決めれば、直後のラップ部では三波が跳ねて「チョコちゃんカッター!」を決めたりと先ほどとはまた違ったアングルから沸かせていき、2サビ明けの間奏では頭上クラップで場内に一体感が。その一方で落ちサビ直前には全員ポーズをピタリと決め、メリハリあるパフォーマンスもみせてくれた。
2曲を歌ってのMCパートでは、ユニット名の名乗りと共に再び全員が“ウィッチーズポーズ”を決めると、各々の自己紹介を経て春日が「来たぞー!Zeppー!」と意気を上げつつ、現在アニメが再放送中であることに触れ「アニメでもライブでも、皆さんの心のお花を咲かせていきますよ!」と意気を上げ、「シャボン・テンション!」から再び楽曲披露へ。直前MCで触れられたようにアニメの再放送中ということもあり、ここからは作中のライブシーンの映像も背負いながら、各キャラクターや担当するメンバーをフィーチャーする楽曲が続いていく。
まずこの曲で主軸になる咲川は、冒頭のソロから晴れやかかつまっすぐに歌声を響かせ楽曲世界の幕を開けると、1-Bメロでセンターに立った際も抜群の切れ味あるダンスをみせ、自然と視線を引きつけるパフォーマンスに。また、落ちサビでは再び咲川がセンターでソロをとると、続いてメンバー4人と順に笑顔で視線を交わす。アズがフィーチャーされたこの曲において、互いの絆が見える一幕が盛り込まれるというのも、またぐっとくるポイントだったのではないだろうか。そして続いたのは、曲の最後にセンターに立った百瀬演じるマイがフィーチャーされる「You Are My World」。リズムに合わせてポンポン跳ねながらのパフォーマンスと共に、ときおりパワーさえ感じさせる百瀬のストレートな歌声がこの曲の随所において映える。落ちサビではそこにマイの抱えた切なさもプラスして心を捉えていく。またそれに加え、2-Bメロでは本村も歌声に切なさを込め、Dメロ冒頭では伸びやかさも発揮していたのが印象的だった。
それに続いた「Meteor Shower」ではフロアはグリーンとイエロー=、つまりはキョウカとチョコのイメージカラーに染まる。サウンドとしてはダンサブルなミドルナンバーではあるものの、ダンスは弾むような要素よりもしなやかかつ連動性の高いもので、1拍ずつずらしながら展開する部分に代表されるように、チームワークが垣間見えるもの。そのなかにおいて本村は引き続き美しく、そして三波は甘く瑞々しく各々のボーカルが魅力を発揮。大サビラストも芯を持って歌い上げ、単なるかわいげにとどまらない魅力も提示してくれた。そして「夢よ、咲け!」では、序盤からこの曲の主軸を担う春日のソロの歌声が、ハードめなサウンドに実に良くマッチするグッと力のこもったものに。サビでは前方への蹴りも交えたりと、楽曲の持つメッセージ性をダンスと歌声の両面から力強く発信していく。その一方で、メンバー全員切れ味のある足運びをきっちり揃えて魅せていき、ときにしなやかさも織り交ぜるなどメリハリをつけたステージングで観客の心を巻き込んでいった。
ここで5人は一旦降壇。アニメ終盤のエピソードのダイジェストがエモーショナルな空気をもたらせば、それに続く形で再登場し、本編同様の流れで「今は小さな蕾でも」の歌唱へ。横一列に並んだ5人は、それぞれが自身のパートを大切に美しく歌い繋いでいき、それがBメロやサビのユニゾンでまた一束にまとまっていく。サビ明けには5人の先導に合わせて左右に振られたペンライトの輝きが光の海を形作り、感動的な光景を生み出していく。それを前に歌う5人はそのまま微笑みもたたえながら、優しくも心に届く歌声を響かせて、さらにオーディエンスの胸を熱くさせてくれた。
そんなこの曲に、この流れで続けられるのはもちろん「ユメミ誇レ!ユメ咲キ踊レ!」しかないだろう。曲が流れるやいなや5人はスイッチをカチッと切り替え、晴れやかな表情でフレッシュかつ力いっぱいのパフォーマンスを再び展開。大サビ前の肩組みや、大サビ途中での円陣のようなフォーメーションなどを笑顔でエネルギッシュにやりきっていくことで、物語のクライマックスを飾ったこの曲の披露にさらなる感動を生んでいた。またこの曲は、とりわけ春日のパフォーマンスが幾度も視線を自然と奪うものに。サビでは“ドーナツの真ん中立って”の歌詞どおり他の4人が腕で作ったサークルの中心で、ユイナらしい天真爛漫さを発揮したキュートでちょっぴりファニーな歌声を響かせゆけば、サビ序盤のポージングポイントでもピタッと止まりつつかわいげもバッチリ発揮。他の曲にも通ずるものだが、歌のみならず彼女の視覚面での引力の強さを特に痛感したのがこの曲だったように思う。
ラストに各々が“それぞれのドア”の向こうへ歩み出すと、ここからは3rdアルバム『ストレリチア』収録のソロ曲を順に披露していくブロックのスタート。まずはアズのソロ曲「モノクローム⊂ヴァイオレット」では、凛とした表情で咲川が登場。サイドステップを踏みながら、この曲にマッチするピンと張り詰めた歌声を、紫一色に染まったフロアに突き刺していくかのように放っていく。サビでは若干屈んで前方の観客と視線も交わしたりしつつ、間奏中にステップを踏む際の表情も一貫して凛としたままで、2サビ明けの間奏のダンスではパワフルさとキレを両立。前述した歌声の鋭さも相まって、“アズがこの曲を歌う姿を表現する”ゾーンに没入しきった、爆発力のある見ごたえ満載なパフォーマンスを展開してみせた。
それに続いた百瀬による「邁進↓↘→Step by Step」は、跳ねるようなリズムに乗せて、そのリズムをしっかり捉えたダンスと共に笑顔で歌唱。サビの後半部分では振付を活用して観客を指差すといったコミュニケーションを織り込んだり、間奏部分でリズムに合わせた腕振りを巻き起こしたりと観客を乗せ、自身も楽しみながらのステージングを展開。彼女ならではの芯を持った歌声も相まって、観客にエネルギーを届け自然とポジティブさも与えていく。
そして三波が歌うバラード「フワフワの約束」は、イントロからグロッケンの音色に合わせたしとやかな振付も交えつつ、じっくりボーカルで聴かせていく曲に。歌声にはチョコらしいあどけなさはにじませながら、しかし“知代子(チョコの本名)”として心の内をそっと乗せて優しく広げていく。終盤には感情の盛り上がりもにわかに感じさせるよう歌い上げるなど、視覚面のパフォーマンスというよりも繊細な歌唱表現を重視した、まさに観客が“観たい”形で表現して届けてくれた。
そこから空気をガラリと変えてみせたのが、「湿原の騎士」で勢いよく飛び出してきた本村。冒頭からパフォーマンスに乗ったキョウカらしいスタイリッシュさは、情熱的な楽曲との相性も抜群。サビや間奏部分を中心とした、ラテンのリズムに合わせたステップも華麗に乗りこなしていけば、サビのラストでは“¡Vamos!”のフレーズに合わせて足を踏み鳴らしてビシッとキメていく。さらにサビ中のダンスにスピンを交えるなどして、透明感ある高音部での歌声も含め、こちらもまたキョウカならではの麗しさもポイントとして魅せ/聴かせれば、曲が進むにつれてダンスの中にいっそうの迫力も生じるパフォーマンスを展開。観客を虜にしたところで、ソロコーナーのラストを飾る春日による「ぐんぐん、進もっ!?」へ。ここでも登場と共に笑顔満開の春日、歌声にはキュートさを込め、ダンスパフォーマンスにはわくわくドキドキをストレートに表すかのようなダイナミックさが発露。サビでは歌声における表情変化もみせながら元気を溢れさせて歌唱し、間奏部分では振付の一手一手を大きく見せるダンスを披露するといった、たまらなくユイナらしいパフォーマンスで会場を巻き込んでいった。
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