――議題を変えて、今度はこれまでの活動を振り返って特に印象深いこと、バンドや自分にとって転機になった出来事をお伺いしたく。また「せーの」で発表しましょうか。
一同 せーの!
仲町・千石 4th LIVE!
宮永 「グラディエント」!
峰月 アニメ!
藤 1st LIVE!
――かなり分かれましたね。時間軸に沿ってお話を聞ければと思うのですが、ののかさんの「グラディエント」というのは……?
宮永 今やっている“47都道府県制覇の旅”のライブで「グラディエント」を演奏した時の話なので、多分、 わたしが一番最近だと思います。
仲町 律ちゃんのアニメはどのタイミングの話?
峰月 それも4th LIVEのタイミングになるかも。TVアニメ化が発表された時が自分にとってすごく印象深くて。なので4th LIVEにしておきます。
――では、都子さんが挙げた2024年8月開催の1st LIVE「めたもるふぉーぜ」から詳しくお話をお聞かせください。
藤 私たちは配信から活動を始めて、1st LIVEで初めて皆さんの前に立ってライブをしたのですが、私はそれまで、みんなで集まって人前で何かをする経験がまったくなかったんです。それまでずっと一人で絵を描いていて、自分は制作側の人間という意識が強い人生だったので、初めてバンドでステージに立ったことは自分の中で生まれ変わったような印象があって。きっと死に際に走馬灯として浮かぶくらい人生の転機でした。
仲町 えー!嬉しい。
――都子さんは別媒体のインタビュー記事で、1st LIVEはすごく悔しい思いをしたとお話していましたよね。
藤 そうなんです。普通、初ライブは「夢のステージ」というイメージがあると思うのですが、私の中ではすごく現実を知った経験でもあったんですよね。自分の理想と現実、やってみてわかったことがたくさんあって……きっと学校で部活動とかを通じて経験することを、1st LIVEで初めて体感したので、それも含めてすごく印象深いです。
――続いては、あられさん、律さん、ユノさんが挙げた2025年9月開催の4th LIVEについて。
峰月 私は行動力が鬼のようにあるので(笑)、自分がやりたいことは大体実現してきたんですけど、昔から妄想していた自分の理想像の中でも「大きなステージに立つ自分」は最難関だと思っていたんです。でも4th LIVEのステージでたくさんの人たちに囲まれて、私たちが夢を与える側になっていることを実感した時に、自分が憧れていた存在に今の自分はなれているんだと思って、「私が中学生の時に思い描いていた妄想の世界みたい」と思ったんですよね。
宮永 わかるー! わたしもめっちゃ思った!
峰月 ね!それこそアニメ化も昔から妄想していたことだったから、「これは夢?現実?」っていう気持ちになって。それと4th LIVEから顔を出すようになったのですが、それまでの私はインターネット大好きな引きこもり人間だったので、 顔を出すことに抵抗があって怖かったんです。でも、皆さん温かく受け入れてくださって、今は何も怖くなくなりました。自分の自信の無さがだいぶ消えて、今はすごくポジティブに変わったので、4th LIVEはいろんな意味で転機になりました。
千石 あたしは4th LIVEの前の時期、自分が結構迷走していたところがあって。特に4th LIVEで初披露した「チューニング」の作曲をさせていただいたことで、それが世に出るまでの間、「本当にこれでいいのか?」という気持ち、どこか吹っ切れない自問自答みたいな時期がずっとあったんです。でも、4th LIVEで全部が世に出て、来てくれていたみんなの顔を見た時に、期待に満ちた目で見てくれていて、すごく期待を感じたんです。それを目の当たりにした時に「これでよかったんだ」と思えたし、これからもみんなの期待にしっかり応えていこうと決心がついたのが4th LIVEでした。考え方が根底から変わった瞬間でした。
仲町 今の話を聞いて1st LIVEのことを思い出しちゃった。 ぼくも1st LIVEで自分が作詞した「コハク」を初披露する時、同じ気持ちだったなあと思って。
千石 ああ、そうだよね。
仲町 3rd LIVEでも自分で作詞・作曲した「グラディエント」を初披露してドキドキしてたん ですけど、でも、4th LIVEの「チューニング」に関しては、最初のデモを持ってきたのがユノちだったし、一人ではなかったから、逆に「この曲、いいだろ!」って自信満々だった(笑)。
――「うちのユノ、すごいだろ!」みたいな(笑)。
仲町 そうそう(笑)。4th LIVEは、それこそ2nd LIVEの頃から構想していて、より転機になるであろうことがわかっていたライブだったんですよ。それまでは夢限大みゅーたいぷのためだけに歌ってきたものが、もっと世界を広げて、ひとりのシンガーとして力を付けて、それをまたゆめみたに持ち帰って最強の船作りをしていく。4th LIVEを境に、そういう日々になるんだろうなと。今はそれが“47都道府県制覇の旅”を経てちょっとずつ出来上がってきている実感があって。4th LIVEはそれまでの自分たちの常識を切り崩して臨まなくてはいけないライブだったので、やっぱり自分の中で大きな転機でした。
――そしてののかさんは、現在進行中の“47都道府県制覇の旅”から「グラディエント」を演奏した時とのことでした。
宮永 わたしもライブごとに転機はあったんですけど、今の自分に大きく影響しているのは“47都道府県制覇の旅”の新潟公演で「グラディエント」を弾いている時のことです。メンバー一人ひとりがすごく尊い存在に感じたというか、みんながキラキラと発光して見えたんですよ。
千石 どういうこと?
宮永 この曲自体、いろんな人間が重なり合ってひとつの景色になること、その景色を作っているのはそれぞれ違うものだからこそ美しい、ということを書いていると思うんですけど、その楽曲に描かれていることとその場の現実が急にリンクして、「すごい!」って感じたんです。ゆめみたって陰キャな部分があって、根底に人との関わりにくさみたいなものを持った人間が集まっているので、不器用ながらも一人ひとりがもがいて一生懸命頑張って生きているんだなと思ったら、 みんなのこと がすごく輝いて見えて。演奏している曲に自分の感情や考えていることが乗っかる経験ができて、音楽って最高だなと思いました。あの時、わたしは音楽を通じてみんなと真っ裸の心同士でぶつかり合えた感じがして、みんなのことをすごく愛おしく感じたんですよね。 わたしだけが勝手に思ってるのかもしれないけど(笑)。
藤 実は私も新潟で初めてやった試みがあって。私は今までライブをする時、自分のやるべきことをやるという意識が強くて、自分の魂はあまりステージに置いてなかったことに気が付いたんです。なので“47都道府県制覇の旅”が始まった頃から、自分の魂をなるべくステージに下ろす練習をしていて。そんななかで新潟では魂を下ろして自分の中でリラックスして演奏できたので、私もののちゃんが言う「グラディエント」の違いはすごく感じました。
千石 「目を合わせようね」じゃなくて自然と目が合った感じはしたよね。
峰月 確かに!自然とみんながあられちゃんを見ながら演奏している感じだった。あられちゃんを囲うじゃないけど、みんなで集まるような感覚というか。
仲町 ぼくは「グラディエント」の演奏中にののちゃんがそう思ってるんだろうなっていうのがわかったし、自分もバレたなって思った(笑)。
藤 私は二人(仲町と宮永)に挟まれて演奏していたから、二人が演奏中に何か通じ合っているんだろうなっていうのは何となくわかったよ(笑)。
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