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INTERVIEW

2026.03.18

OLIVIA、アニメ『NANA』の名曲「Wish」セルフカバーで14年ぶりに音楽活動再開!今新たな音楽を届けたい理由、作品とレイラへの想いを語る

OLIVIA、アニメ『NANA』の名曲「Wish」セルフカバーで14年ぶりに音楽活動再開!今新たな音楽を届けたい理由、作品とレイラへの想いを語る

大崎ナナと小松奈々、2人の“ナナ”の出会いから始まる矢沢あい原作の人気コミック『NANA』。昨年に連載25周年、今年TVアニメの放送から20周年を迎えるなか、世界中の『NANA』ファンに向けて嬉しいサプライズが届けられた。アニメ版『NANA』で劇中に登場するバンド・TRAPNESTの楽曲の歌唱を担当したOLIVIAが、14年ぶりに音楽活動を再開。同アニメの2ndオープニングテーマ「Wish」を新たに解釈した「Wish Reimagined」を、3月18日に配信リリースしたのだ。アレンジを手掛けたのは、OLIVIAと共に原曲を制作したrui (fade)。『NANA』との出会いによって人生が大きく変わったという2人が、今回の楽曲制作に込めた思い、そしてOLIVIAが今改めて新しい歌を届ける理由について、話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

生まれ変わった「Wish」から始まるOLIVIAの新しい音楽ライフ

――個人的に、OLIVIAさんの楽曲はD&D時代から聴いていたので、取材できて光栄ですし、ちょっと緊張しています。

OLIVIA ワーオ!ありがとうございます!でも、私も日本語のインタビューは十数年ぶりなので、緊張しています(笑)。

――リラックスしてお話しいただければと思います!さて、まずは音楽活動から離れていた時期について伺いたいのですが、OLIVIAさんはこの十数年、どのような時間を過ごされていたのでしょうか?

OLIVIA アメリカに拠点を移しました。まずはロサンゼルスに引っ越して、そこで旦那さんと結婚し、子供を授かりました。今はサンフランシスコに近いサンノゼという街に住んでいます。子供はもう12歳になりました。実は、音楽は細々とずっと作り続けていたんです。主人はミュージシャンで、CalArts(カリフォルニア芸術大学)でミュージック・テクノロジーの教授をしているので、音楽的な知識がすごく豊富なんです。彼と一緒に、家でたくさんの曲を作ってきました。でも、それを「今すぐ世の中に出そう」という気持ちにはならなかった。母親としてのライフスタイルがすごく忙しかったですし、何より幸せだったから(笑)。「やらなきゃいけない」という強迫観念のようなものはなくて、ただ「いつか戻りたいと思う時が来るだろうな」とは思っていました。

――その「いつか」が、今だったわけですね。

OLIVIA はい。2年ほど前から、世界中が少し暗い時期に入ってしまった感覚があって。その時に、自分の中にあった音楽への情熱に再び火が灯ったんです。再び音楽の道が、はっきりと見えるようになった。その大きなきっかけは、ファンの皆さんからのメッセージと、今日一緒にいるruiの存在でした。「いつ戻ってくるの?」「あなたの曲に救われた」というたくさんの声が、ずっと私の心の中に積み重なっていて、みんなが待ってくれているという実感が、大きなパワーになりました。今、私が作っている音楽には、間違いなくファンの皆さんのメッセージがエコー(反響)として入っています。

――ruiさんとは、音楽活動から離れている間も連絡を取り合っていたのですか?

OLIVIA そうなんです。1ヵ月に1回ぐらいは話しているよね。

rui そうだね。僕はずっと「また音楽をやったほうがいいよ」と言い続けていたけれど、彼女には結婚や子育てという優先すべき大切なことがあったので、なかなか音楽に集中することができなくて。でも、改めて話していた時に、彼女が「また曲を書いていて、それをリリースしたいんだよね」と言い出したんです。それでせっかく戻るのなら、まずは『NANA』時代の楽曲をリアレンジして出すのがいいんじゃないかと提案しました。

――それはなぜですか?

rui 今の時代、Spotifyとかのサブスクリプションサービスでは1日に10万曲くらいがアップロードされているなかで、いきなり新曲をただポーンと出すだけでは、本当に届けたい人に届かない可能性がある。でも、OLIVIAには『NANA』という、今も世界中で愛されている作品との結びつきがあります。今回セルフカバーした「Wish」は、実は元々、僕とOLIVIAが遊びで書いていた曲だったんですよ。そうしたらOLIVIAから「あの曲、アニメで使いたいっていう話があるんだけど、いい?」って連絡が来て、それが『NANA』という作品だった。当時、OLIVIAも僕も、正直『NANA』のことはよく知らなくて。

OLIVIA そうだったね。

rui でも、実際にその楽曲がリリースされたら、ものすごい反響があった。作品のファンの方たちも、未だにOLIVIAの当時の曲が好きと言ってくれたり、僕にもコメントを届けてくれるくらい、たくさんの人に愛され続けている。なので、まずは、その思い出を大切にしてくれているファンの方々へ恩返しをすることから始めるのが、一番いい流れなんじゃないかと考えたんです。

OLIVIA そう。私は最初、新しい曲を発表したい気持ちが強かったけど、ruiが「まずはファンにギフトを贈ろう」と言ってくれて。すごくいいアイデアだと思ったんですよね。で、私は重苦しい世界の中でみんなを活気づけられるような音楽を届けたかったから、ruiと一緒に作った『NANA』の曲の中でも、アップテンポでエネルギッシュな「Wish」を選びました。タイトルを“Renewal(リニューアル)”ではなく“Reimagined(リイマジンド)”としたのも、ただの焼き直しではなく、新しいエネルギー、新しい始まりを象徴したかったからです。

rui 僕自身も、こうやって音楽で生活できるようになったのは『NANA』のおかげだったんですよ。当時は自分のバンドをやっていたけど、OLIVIAと出会って『NANA』の曲を作ったのが、初めてのメジャーでの大きな仕事で、そこから僕の作曲や裏方のキャリアが始まった。今、よく一緒に曲を作っているReoNaちゃんとの出会いも、元を辿れば僕が『NANA』の楽曲を手掛けていたことが縁で紹介してもらって、「ピルグリム」(神崎エルザ starring ReoNa)の頃から関わらせてもらうようになったんです。だから「Wish」は僕にとってもすごく大事な曲だし、どの曲をカバーするとなった時に、自然と「Wish」に決まりましたね。

――「Wish」は歌詞のメッセージ的にも新しい世界に飛び立つような感覚があるので、ぴったりだと思います。今回、アレンジは一新しつつ、あくまでも原曲のイメージを踏襲した音作りになっていますが、制作はどのように進めたのでしょうか。

OLIVIA ここは、ruiと結構戦いました(笑)。原曲はすごくロックな印象が強いじゃないですか。私はもっとポップで、シンセサイザーの音を前に出した、ギター控えめのサウンドにしたかったんです。でも、ruiは「Wish」が持つ魔法をなくしたくないから、ギターの音を大切にしたい。ruiは「ロック!ロック!」、私は「ポップ!ポップ!」って感じで(笑)、その絶妙なバランスを探るのが大変でしたね。

rui 彼女は昔からロックだけでなくエレクトロニカ系の曲も好きで、確かにそこがOLIVIAの強みだとは思うんですけど、ただ今回の「Wish Reimagined」に関しては、ファンがこの曲を聴いた時に、当時の記憶を呼び起こすような、ノスタルジックな気分になってほしかったんです。だから原曲から印象がガラッと変わることはないようにしました。テンポを1、2個だけ上げたり、イントロのフレーズを変えて、あえてストレートなエイトビートのシンセサウンドから始めることで今っぽさを出しつつ、間奏以降はより原曲へのリスペクトが感じられるサウンドにしていて。アウトロのキメなんかは原曲と全く同じにしています。

――OLIVIAさんの歌声も、ブランク知らずの力強さと気品があって、エンジェリックボイスの健在ぶりを感じました。1番Aメロの重層的なコーラスなど、歌の面でも当時とは違う工夫が加えられていますよね。

OLIVIA ああ、気づいてくれましたか!ありがとうございます!コーラスは私が自分で入れたんですけど、当時はやらなかったようなハーモニーをたくさん重ねました。そういう部分で、今の私のカラーを出せたかなと思います。ただ、正直、歌うのはかなり大変でした(笑)。私は今46歳。やっぱり昔に比べると、高い声を出すのにウォーミングアップが必要なんです。昔は何も考えずにすぐ出せていたものが、今はしっかり準備しないと出てこない。1日レコーディングすると、次の日はもう声がカサカサになってしまいます。でも、だからこそ今の私の力強さが出せたとも思っています。

次ページ:OLIVIAとレイラ、似た者同士の2人だからこそ生まれた音楽と縁

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