――今回の「Wish Reimagined」は、MVも実写とイラストやアニメーションが融合した幻想的な世界観が印象的です。どのようなイメージで制作されたのですか?
OLIVIA ナナ(『NANA』の主人公・大崎ナナ)と私が歌を担当したレイラ(TRAPNESTのボーカル・芹澤レイラ)、その二人のリンクを感じさせつつも、あまり直接的になりすぎない絶妙なラインを狙いました。私がストーリーボードを書いて、メイクはオリジナルと同じ丹羽寛和さんが担当、カメラマンのwongrockさんのプロフェッショナルなライティングと、EffectManさんのエフェクトとアニメーションを融合させることで、色々なイメージが浮かぶ形にしていて。OLIVIAとレイラのバイブスが混ざり合ったようなMVになったと思います。
rui MVは彼女の中にイメージがあったので、OLIVIA中心で制作しました。EffectManさんも彼女が見つけてきたんですよ。「この人に頼みたいんだよね」っていうところから始まって。
OLIVIA そうそう。EffectManさんはInstagramで見つけたんですけど、彼は「Procreate Dreams」(2Dアニメーションアプリ)を使っていて、私も自分のイラストを動かしたいなと思って、彼の手法を学べるコースにエンロール(入学)したんですよ。結局、自分ではやらなかったんですけど(笑)。でも、彼と一緒に自分のイメージを形にできて、本当に嬉しかったです。
――MVのイラストには鳥かごや羽のモチーフなどが登場しますが、これはOLIVIAさんのアイデアですか?
OLIVIA イエス、そうです。
rui OLIVIAと僕が一緒に作った「Stars Shining Out」という曲があるんですけど、その曲のMVも似たようなモチーフの世界観で、僕の中ではそのイメージが「OLIVIA」なんですよ。何年経っても「OLIVIA節」というか、彼女のカラーは消えていないんだなと、彼女が出してくるアイデアを見て強く感じました。今回のMVでも、OLIVIAの世界観がちゃんと表現されているなと思います。
――そういったOLIVIAさん独自の世界観と、レイラのイメージ、あるいは『NANA』の世界観を重ね合わせた部分もあったのでしょうか。
OLIVIA そうですね。レイラと私自身のイメージが混ざった感じで、あんまり「レイラ」になりすぎないように、上手いバランスで。でも、私とレイラはすごく似ていると思うから、やりやすかったです。レイラは、パラレル次元のOLIVIAだと感じています。
――レイラのどんなところが自分自身と重なりますか?
OLIVIA 彼女の光と闇を併せ持った部分、寂しさと強さ、クリエイティビティ……そういう相反する世界観が、私の葛藤とすごく似ていると思うんです。アニメの中に、彼女が心から歌うシーンがあるんですけど、その時にようやく「本当のレイラ」が見えるというか。そういうシーンにはすごくコネクトできます。私も昔、日本の音楽業界にいた時に「生きる意味がわからない」って感情的になっていた時期があったんですけど、ステージの上で歌っている時だけは「これが真実だ……!」ってクリアにわかる瞬間があったんです。だから、すごく共感できるし、彼女の気持ちがよくわかるんです。
――当時、レイラの歌唱キャストのお話をいただいた時は、運命的なものを感じたのでは?
OLIVIA さっきruiも話していましたけど、最初は『NANA』のことを知らなかったんです。でも、原作を読んで「ワオ……!」と思いました。レイラは私の声に合っていると確信しましたし、原作者の矢沢あい先生も「彼女は(レイラに)すごく似ている」と言ってくださって、すごく嬉しかったんですよね。
――矢沢先生のお墨付きだったんですね!
OLIVIA 矢沢先生にお会いした時、すごくミステリアスな感じで。彼女の目が、私のすべてをわかっているっていう感じがして……なぜか繋がっている感じがしたんです。彼女が私を信頼してくれて、本当に嬉しかったです。
――先ほど「Wish」は、『NANA』とは関係なくruiさんと制作していた楽曲というお話がありましたが、作品に提供するにあたって調整などされたのでしょうか?
OLIVIA はい。昔の話なので細かいことは忘れましたけど、ギターの感じとか色んなリクエストがありました。私の所属していたレーベル(エイベックス)、『NANA』チームや制作会社……色んなところからの意見を反映したうえで通さなくてはいけなかったので、結構大変でした(笑)。
rui 時間もなかったしね。他の曲も同時進行でやらなくちゃいけなかったし。あと、1曲、矢沢先生が「この曲をOLIVIAに歌ってほしい」というリクエストがあったのを手伝ったりもして。
OLIVIA 「a little pain」?それとも「Rock you」のこと?
rui そうそう、「Rock you」だ。OLIVIAが歌った曲のうち8割くらいは僕が一緒にやらせてもらったんですけど、とにかく時間がなくて、元旦も仕事していたのをよく覚えています(笑)。OLIVIAからも「もっとこうしたい」っていうのが色々あって。
OLIVIA ボツになった曲もあったよね。私たちが作った曲で。
rui あったあった(笑)。
――今話題にあがった「a little pain」はアニメの1st EDテーマで、「Wish」と同様、ファンの印象に強く残っている曲です。こちらもOLIVIAさんが作詞で制作に参加していますが(川村真澄との共作)、せっかくの機会なので、当時どんなイメージで書いたのかお伺いしたいです。
OLIVIA 完全にレイラのことを考えて、そのマインドで作りました。OLIVIAという自分の存在を置いておいて、キャラクターに入り込んだ感じですね。これは今まで誰にも言ってこなかったのですが、“I’m here waiting for you”という歌詞は、誰か他の人を待っているのではなくて、レイラが自分に対して歌っているんです。自分自身を待っていて、自分を叩き起こすような感じ。レイラの葛藤や、若さゆえの自分との戦い。自分自身に対して「Wake up, Wake up!」と言っているように書きました。
rui それは僕も今、初めて聞きました。
OLIVIA これまで誰にも言ってこなかったのは、みんなに自由に想像してほしかったから。でも、私はそう思って書きました。「レイラが自分のために曲を書く」というイメージです。
――貴重なお話をありがとうございます。今回、改めて「Wish Reimagined」で音楽活動を再開されるわけですが、OLIVIAさんにとって、『NANA』という作品に関わったことは、その後の人生にどのような影響を与えましたか。
OLIVIA この経験、『NANA』ファミリーに入れたことは、自分にとって想像以上に大きなことでした。実は『NANA』に出会うまで、私はそれほどアニメを観るタイプではなかったんです。でも、『NANA』がアニメの世界への入り口にもなって、それから色んなアニメを観始めました。『攻殻機動隊』『ダンダダン』『チェンソーマン』『ワンパンマン』『僕のヒーローアカデミア』『ONE PIECE』『ソードアート・オンライン』『鬼滅の刃』『モブサイコ100』『マッシュル』『極主夫道』……。
――めちゃくちゃたくさん観てますね(笑)。
OLIVIA 観てます!I Love Anime!今はもう、ビッグ・アニメ・オタクです(笑)。子供と一緒に、家族3人でいつも観ています。
――素晴らしいですね。それに『NANA』はずっと愛されている作品なので、今でも作品をきっかけにOLIVIAさんのことを知る方も多いのでは?
OLIVIA その通りです!最近『NANA』を見て私を知ってくれたという人もたくさんいます。1、2年前にNetflixで配信が始まった時は、そこからまた新しいファンが増えて。本当に『NANA』のパワーはすごいです。去年、フランスのイベントに行った時もすごかった。
――フランスで開催されたアニメのイベントにゲストで招かれたらしいですね。
OLIVIA 私がレイラの歌声を担当していたので呼んでくださって。世界中のファンが、ナナに出てくるキャラクターみたいな格好で集まっていて、「ナナの世界に入ったみたい!」って感動しました。パンクファッション、ヴィヴィアン・ウエストウッド……あの矢沢あいの世界観は日本でも再注目されているらしいですよね。去年の12月くらいに日本にいた時、ニュースで「今、『NANA』のファッションが流行っています」ってやっていて「ワオ!」と思いました。『NANA』のファッションはタイムレスだと思います。私も今でもヴィヴィアン・ウエストウッドの靴が欲しいし(笑)。
――OLIVIAさんならかっこよく着こなせると思います!最後に、今後の音楽活動について伺わせてください。オリジナル曲も制作中とのことですが、今後の構想や予定はありますか?
OLIVIA 新曲はたくさん作っていて、今、デモ段階のものが10曲くらいあります。できれば秋くらいから、毎月コンスタントに発表していきたいなと思っています。それからライブもやりたいけど、新しい曲をもっと溜めてからやりたいなと。今年の終わりくらいに、日本でライブができたら嬉しいですね。それからヨーロッパとかも行けたらいいなと思っています。
――楽しみにしています。個人的に、2ndアルバムの『Lost Lolli』が大好きなので、ああいった尖った世界観も期待しています。
OLIVIA ありがとうございます!ただ、ああいうダークな感じも好きなんですけど、今年出すのはちょっと明るめかな。もっとエネルギッシュで、ポップな感じ。今、世界中がちょっとおかしくなっているじゃないですか。そんな中で暗い音楽を出すよりは、みんなをインスパイアしたり、ポジティブなバイブスを送りたいんです。自分をもっと好きになれるような、磨きをかけたくなるような、そういう曲をみんなに届けられたらと思います。
●リリース情報
OLIVIA New Single
「Wish Reimagined」

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OLIVIA
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