REPORT
2026.02.27
敗けたって次はある。新しい“みんなで叶える物語”『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』は、インターネット高校「Love学院高等学校」、通称L高に集まった10人の高校生が紡ぐスクールアイドルプロジェクトとして、2025年5月12日に始動。同年7月30日にいきづらい部!としての1stシングル「What is my LIFE?」をリリースし、その後、メンバー各自のソロシングルを順次発表。キャストによるリアルな活動としては、“リスアニ!LIVE 2025 ナツヤスミ”での初パフォーマンスを皮切りに、フェスやイベントへの参加、全国各地で行われたソロでのリリースイベントなど、ライブ経験を着実に積んでいっていた。
また、YouTube生配信やラジオといったネット上での活動、さらにSNSでのユーザー参加企画といった試みも含めて、短い期間でL高生との絆もしっかりと深めてきた彼女たちが、記念すべき1stライブ“いきづらい部! 1st LIVE ~ What is my L ? ~”を2月14日と15日、千葉・幕張メッセイベントホールで行った。
出演したキャストは、綾咲穂音(高橋ポルカ役)、遠藤璃菜(麻布麻衣役)、宮野 芹(五桐 玲役)、藤野こころ(駒形花火役)、坂野愛羽(金澤奇跡役)、瀬古梨愛(調布のりこ役)、奥村優季(春宮ゆくり役)、天沢朱音(此花輝夜役)、小戸森穂花(山田真緑役)、涼ノ瀬葵音(佐々木翔音役)の10人。DAY1は、YouTubeで全編無料生配信され、その堂々としたパフォーマンスを世界に見せつけたが ここでは、そのワンマンライブのDAY2の模様をレポートする。
TEXT BY 塚越淳一
PHOTOGRAPHY BY 鈴木健太(KENTA Inc.)/ウチダアキヤ/村山泰紀/山元良仁
いきづらい部!の記念すべき1stライブDAY1の模様は、YouTubeで全編無料生配信され、世界中が彼女たちのキラキラ輝く勇姿を目撃していた。サンシャイン広場でのフリーイベントから、1人ずつ日本全国に散らばり、それぞれのソロ曲を披露するというリリースイベントを経て、着実に成長してきた彼女たちのパフォーマンスは頼もしくもあったし、このライブのために、どれだけ努力をしてきたのかも伝わってきた。そんな素晴らしいDAY1を終えてのDAY2。彼女たちはなおも輝きを増し、目線はさらにその先を見据えていた。最高のパフォーマンスを見せてくれたライブを振り返っていきたい。
開演時間になりオープニングムービーが流れると大きな歓声を送るオーディエンス。満杯となった会場がメンバー紹介に合わせて、メンバーカラー一色に染まる景色は壮観だった。青い鳥がメインステージの上にある巨大なスクリーンを横切ると、ステージに登場した10人の姿が映し出される。1曲目に披露したのは、デビュー曲「What is my LIFE?」。この日までに何度も10人で歌ってきたであろう始まりの曲だ。より洗練されたダンスと晴れやかな表情、大歓声を自分たちの力に変え、自信すら感じるような堂々たるパフォーマンスに会場が熱狂に包まれる。いきづらい部!のメンバーは、それぞれが違う夢を追いかけているのだが、そんな彼女たちが、それぞれの個性を尊重しながらひとつになってパフォーマンスしている姿が尊かったし、最後に全員でユニゾンするロングトーンの美しさに、彼女たちの結束力を感じた。
自己紹介で、10人が担当するメンバーのセリフとライブへの意気込みを語ると、続いてはソロコーナーへ。いきづらい部!のメンバーは、全国にサテライト校を持つインターネット高校、Love学院高等学校、略してL高に通っている。今回のワンマンライブでは、前半のソロシングル表題曲コーナーの合間にサテライトごとのユニット曲がフル尺初公開&初披露された。それぞれのメンバーがどこに通っているのかを先に明記しておくと、高橋ポルカ、麻布麻衣、五桐 玲、駒形花火が浅草サテライト、金澤奇跡、調布のりこが福井サテライト、春宮ゆくり、此花輝夜、山田真緑が梅田サテライト、佐々木翔音が仙台サテライトとなる。
まずトップバッターとして、会場を盛り上げたのは綾咲穂音(高橋ポルカ役)。イントロのセリフで観客の心を掴むと、飛び切りの笑顔で楽しそうに「浅草Guilty Girlの歌」を歌っていく。お祭り感満載の和風ポップスだが、L高生も“よいしょ”などの合いの手を入れて盛り上がる。テンションが上がって、歌にアドリブを入れてしまうのも、嬉しくなると足が勝手に踊りだしてしまうポルカのような姿に見える。続いて登場したのは、遠藤璃菜(麻布麻衣役)。澄ました表情でスピーディーなデジタルポップ「Public Style」を歌い、会場を熱くさせる。笑顔をあまり見せないパフォーマンスで、クールビューティーさが際立っていたが、歌の最後“ビーアンビシャス!”のあとに、一瞬だけアイドルらしく満面の笑顔を見せていたのがかわいらしかったし、ニュアンスを細かく入れた歌唱も聴きどころだった。
スタンドマイクで、高らかに「いつか碧」を歌い上げた宮野 芹(五桐 玲役)。ストレートなロックサウンドに乗せて、指先や視線をしっかり意識しながら、会場の隅々まで届くように真っ直ぐな歌を響かせていた。アスリートの玲なので、伸びやかでキレのあるダンスも美しい。ソロ楽曲がリリースされた時から、ライブでぶち上がることが容易に想像できた「HIBANA―火花―」。ステージで何度も火花が上がるなか、藤野こころ(駒形花火役)が熱く舞い歌う。エレクトリックなフレーズとメタリックなドラムのビートに、観客は拳を振り上げ、声を上げる。特に“序”“破”“急”のL高生の叫びは圧巻だった。
個性的なソロ曲を披露した浅草サテライトに通う4人が、ユニット・CHAKI!として歌うのは「凸凹Quartet」。この曲はトロッコに乗り、後方のファンの近くまで行ってのパフォーマンス。個性はバラバラだけど、4人がいれば何だってできる!と力強く歌う曲で、和楽器を取り入れたアレンジや和風のメロディに浅草っぽさを感じた。綾咲以外の3人も、ソロ楽曲とは違う、元気で明るい表情を見せていて、4人でいるときの楽しそうな雰囲気が伝わってくるパフォーマンスだった。
続いては、梅田サテライトの3人が順に登場。ゴシックなイントロが鳴り響き、奥村優季(春宮ゆくり役)が、シリアスな表情で「Pray for love」を披露する。ミュージカル好きのゆくりらしく、曲の世界観に入り込み、主人公を演じ歌うようなパフォーマンス。スタンドマイクを使いながら、歌詞を表現していくダンスでは、間奏に、幼少期からバレエを習っていたゆくりのルーツでもあるバレエのターンを挟み、盛り上げる。続いて登場した天沢朱音(此花輝夜役)は、「キミは夜のポラリス」を、歌詞に登場する大阪の名所を笑顔で闊歩しているように、踊りながらステージを横断していく。“出会えただけで奇跡”や“いつもここから love&peace”というストレートで明るい言葉を、心の底から発しているのがわかる歌声に会場中が明るくハッピーになったし、キュート過ぎるパフォーマンスに釘付けになっていた。L高生の声が凄まじかったのは、小戸森穂花(山田真緑役)の「Little Green委員会」だ。特に“目指せカーボンニュートラル!”の大合唱はすごかったし、大衆を巻き込んでいくのが彼女のスタイルなのかもしれない。環境問題に危機感を抱き、環境保護活動をする真緑だが、その想いを歌からしっかりと受け取っていた観客。会場では、真緑の環境保護活動の一環としてケミカルライトの回収が実施されていたのだが、ライブ後は、多くのケミカルライトが回収されたことだろう。
梅田サテライトの3人によるユニット・Pluminaによる「Daitan Party Time」は、明るいからこそ切なさを感じるポップチューン。3人でトロッコに乗り、会場に大きなトライアングルを作り、見つめ合って歌ったり、おしゃべりをしているようにラップを口ずさむ。さらに会場の真ん中で、大きく手を左右に振り、会場をひとつにしたり、最後は奥村のミュージカル風のロングトーンで締めくくったり、3人の仲の良さとそれぞれの個性がぎゅっと詰め込まれた1曲だった。
福井サテライト&仙台サテライトのソロコーナー。まずは坂野愛羽(金澤奇跡役)が「HomeRun Queen!!」で会場を熱狂させる。ピンクのボンボンを振り回しながら、チアのような振り付けで会場を盛り上げまくっていたが、圧巻だったのは、大きなステージを全速力で駆け抜けたところだ。そのみなぎるパワーに観客も全力の歌声で応え、まさに“満塁場外HomeRun!”なステージングだった。瀬古梨愛(調布のりこ役)による「恋のワンタイムパスワード」は、歌謡曲のようなレトロな曲調と、声優を目指しているのりこらしい個性的な歌声が印象的。セリフパートのあとの“バキュン”で、会場の全員がハートを撃ち抜かれていたが、坂野とは打って変わって、歌に聴き入るようなステージング。そんなところからも対照的な2人らしさが表れていた。
涼ノ瀬葵音(佐々木翔音役)は、トロッコに乗って「イキタクナイevery day」を披露。四つ打ちのダンスナンバーで、会場にはミラーボールによる光がくるくると回る。ポップでキャッチーなメロディに心地良い歌声が会場を揺らす。クールなパフォーマンスだが、翔音のうちに秘めた大きな愛のようなものが感じられた。
福井サテライトのユニット・Mi×Nori=Teaが歌った「シンメトリー」は、遠距離恋愛をテーマにしている曲で、のりこのソロ曲の雰囲気に近い、昭和歌謡チックな懐かしさを感じるメロディが特徴的だ。別々のトロッコに乗った2人が、離れた距離と視線を意識しながら歌っていくのだが、“君のことが こんなにも「好き」”と歌い、トロッコがすれ違うところで、2人が手を繋ぎ、それが離れていく切ない演出も心に残るものだったし、対照的だけど、どこか似ていて相性も抜群、そんな2人を象徴するステージになっていた。
仙台サテライトは、涼ノ瀬葵音が仙台サテライトの1人ユニット・SH1ONとして「Silent Stella」を披露。翔音が自宅で曲のレコーディングをしているかのように椅子に座り、机にあるマイクに向かって歌う演出で、翔音のアイデンティティとも言える猫耳のヘッドフォンがかわいらしい。2コーラス目からは立ち上がり、魅惑的なダンスを見せつける。情熱的な歌声から吐息混じりの切ない歌声まで、1曲の中で歌い方や声を変えていく表現力は圧倒的。翔音の不思議な魅力に溢れたステージだった。
ソロのステージと、初パフォーマンスとなったユニット曲を終え、ライブタイトルにもある“What is my L ?”のLについて考察するメンバーの映像を挟んだあと、いきづらい部!の新たな制服に身を包んだキャストが、メンバーと同じポーズで、ひとりずつステージのあらゆるところから登場する。10人が制服姿のお披露目をすると、センターに集まり新曲「REGAIN AGAIN LLLLOVE」を初披露!サビで、人差し指を突き上げるディスコポーズを決めるキャッチーな振り付け、そしてセンターが目まぐるしく変わっていくフォーメーションダンス、間奏では、拳を振り上げ「オイ!オイ!」と叫ぶ熱さなど、ライブで思い切り盛り上がれる賑やかさと目まぐるしさを擁した楽曲。最後は、10人が人文字で「LOVE♡」を作って締めくくっていた。
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