――そして5曲目は「secret MAZE」。重いリフと重いメロディ。ハードなプログレっぽさもあり、これこそカオスを体現した1曲だと思いました。
KISHOW そう、難しいんだよね、歌うのも。今でもBメロに入るタイミングがよくわからない(笑)。
e-ZUKA 変拍子っていうほどでもないんですけどね(苦笑)。ちょっとヘビーな曲は入れたかったんですよ。「ナミダバナ」のようなメロスピ(メロディック・スピード・メタル)っぽい速い曲もあったほうがいいのかな?と思いつつ、なんかしっくりこなくて、リフを繰り返してサビはメロディックに、という曲になりました。シンプルなんですけど、演奏だけは小難しいです(笑)。
――歌詞のほうは?
KISHOW だからもう、曲そのものから受けたイメージでしたね。デモがやってきた時、まぁプログレっぽい難しい曲だなと聴いていったら、サビの最後のメロディが正真正銘、紛うこと無きe-ZUKA節そのものなわけ。
e-ZUKA 僕は気づいてないんですけどね(苦笑)。
KISHOW Aメロ、Bメロで、なんか違うな、どこか違うなと思わせておくのが、まさにメイズ=迷路で、サビに入ってその迷路の最後にe-ZUKAさんが立っていて、なんなら手を振ってるくらい(笑)。それでこっちは、「おおっ、あそこが出口だったんだ!」とわかるんですよ。そのイメージをずっと僕は心に秘めているので、今回もシークレット。本当にこの曲には翻弄されたし、e-ZUKAメソッドが強すぎる。でもそこが良いんだよ(笑)。
e-ZUKA 良いんだ(笑)。
KISHOW だからもう、歌詞も難解なままでいいやと思ったし、僕の作詞史上、おそらく一番、救いがないかもしれない。そんなエピソードも含めて、相当印象深い1曲になりました。
――続く6曲目は「ありふれたバラッド」。難解でダークな「secret MAZE」から一転、非常にシンプルでクラシカル、美しいロッカバラードですね。イントロからシブいギターが印象的です。
e-ZUKA いわゆる3連のロッカバラードというと、GRANRODEOだと「月に猫」があったんですが、あれはマイナーコードの曲だったので、今度はメジャーとマイナーの中間くらいの感じですね。イントロのギターは、ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)風でもあるんですけど、昨今のネオソウルのテクニカル系ギタリストで、ブラジル出身のマテウス・アサトという、抜群のセンスの人がいまして。ブルーノ・マーズのサポートや、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」の音楽も担当されているんですが、彼をちょっと意識しました。
――歌詞がKISHOWさんには珍しく、シンプルに君に会いたい、君にずっと側にいてほしいと願う歌。ラブソングでもありますが、ファンの皆さんに向けた歌にも思えました。
KISHOW うん、本当に珍しいですよ。普段、思っていても歌詞には書かないから(苦笑)。e-ZUKAさんの曲が非常に正攻法だったんで、ひねくれず、本気でいこうと。自分の中でも、どこまでやり遂げようかという言葉のせめぎ合いはあったけど、こういう曲で“(笑)”が付くような表現は、むしろかっこ悪いですからね。
e-ZUKA シンプルに気持ちを伝えている感じ、すごく洋楽っぽい歌詞ですよね。
KISHOW そうそう。ボン・ジョヴィなら、これくらいのことは言うよね(笑)。
――そして7曲目の「Future Updates」は、e-ZUKAさんの軽やかなギターインストゥルメンタルナンバーです。
e-ZUKA インストが1曲欲しいという、プロデューサーからの要望に応えました(笑)。ちょっと短めなワンコーラス、往年のシティポップ感のあるダンサブルな曲にしたくて。ギター以外は打ち込みなんですけど、ドラムの音も80年代風を意識しましたし、シンセベースがうねっている感じも、ちょっと懐かしいですよね。ちょうど、アルバム発売の時期は、東名阪での僕のソロツアー(“e-ZUKA Live Tour 2026 「ギター弾こうぜ! GtHZ!」”)中なんですけど、そこでも一足先に弾いています。
――タイトルの「Future Updates」とは?
e-ZUKA 僕らの未来に向けて日々アップデートしていこう、伸びしろしかないよね、という気持ちと、パソコンのWindowsOSの更新機能の1つに「Windows Feature Update」というのがあって、それをちょっと掛けてます。
――そして9曲目には、現在放送中のTVアニメ『拷問バイトくんの日常』のOP主題歌「GO GO PARADISE!!」も収録されています。お二人が演じられたMVもそうですが、コミカルなアニメに寄り添った賑やかなロックンロールですね。
e-ZUKA 基本はお任せいただいたんですけど、作品側の要望として、サビが明るいやさぐれたロックというのがありまして。作品が面白い感じだから、曲もちょっとふざけていいのかな?と思って、ギターリフはAC/DCと、ビースティ・ボーイズのちょっと人を小馬鹿にしたような感じを意識して書きましたね。あとGRANRODEOでは珍しく、全編ギターのボトルネック奏法をフィーチャーして、ちょっと泥臭さを演出しました。
――KISHOWさんも、かなり歌詞で遊んでいますね。
KISHOW そうですね、キラキラした曲の感じも好きだし、楽しく書けたなぁ。作品にまつわるワードも盛り込んだしね。アニメの舞台になっている拷問する会社がスピリタスっていう名前だから、それをお酒と掛けたり、“三角形木馬”とか“鉄の処女”とか拷問道具を入れてみたり。
――2番の“I can kill you で待っちょってね”は宇部弁ですし、ラストのサビの“天から地まで輝きの倍数へ”の“輝きの倍数”は、GRANRODEOの「SUPERNOVA」の一節ですし。
KISHOW そうそう、MVが公開されて“輝きの倍数”に反応してくれた人も結構いたな。作品に“拷問界のスーパーノヴァ”という二つ名のキャラクターがいて、てらしー(寺島拓篤)が演じてるんだけど。そこを拾わせてもらって。あえてTVサイズじゃなく、フルサイズでしか聴けない最後の最後に忍ばせたのが、僕なりのわきまえ方ですね(笑)。去年の11月、ぴあアリーナMMでの20周年記念ライブ(“GRANRODEO 20th Anniversary LIVE 2025 G20 ROCK☆SHOW LOVE&FIRE ~愛と情炎のGRANRODEO~”)でも先駆けて歌ったんだけど、この曲、すごく楽しくてね。早くツアーで歌いたいですね。
――そしてこのアルバムを締め括るのが、優しさを称えた雄大なゴスペル調のロックナンバー「ASH」です。
e-ZUKA これも、実は「STAR’S ROCK」と同じで、歩きながら浮かんできた曲ですね。まずサビが生まれたんですけど、これはみんなで歌う感じだなと思って、ゴスペルっぽくしました。サウンドも最初はギター、ベース、ドラムと、アコースティックギターをダビングしただけで全然良かったんですが、もう少し壮大な感じが欲しくて。オルガンをMaoくんに頼もうと思っていた最中に、オーガニックなサウンドもいいけど、やっぱりヒップホップ以降のサウンドも盛り込んだら面白そうだなと思い浮かんじゃったんですよ。いわゆるターンテーブルのスクラッチやブラスを入れたら面白いテイストになりそうだったので、サンプリング音源を盛り込んでいます。だから、弦やティンパニが入ってちょっとオーケストラっぽいところがあったり、ラップのサンプリングが入っていたり、ヒップホップ的な面白い曲になりましたね。自分でも、良い曲だなと思いますよ。リピートして聴いちゃいます。
KISHOW そう、曲自体、素晴らしいんだよね。だからこそ、素晴らしいコレにどんな歌詞をつけようかとは思った。特にサビで同じ音程を繰り返す辺りね。結果、“Woh oh oh oh/我のdarling 誰のだ/俺のdarling のみ”といった感じで、音ハメ優先のファジーな歌詞にしたんだけど、あそこ、実はお気に入りだったりするんですよ(笑)。ゴスペルってこともあって、グレイな世界の中でも前を向ける歌詞として、今言いたいことも、ちゃんと言えたような気がしますね。この曲でアルバムを締め括れるっていうのは、非常に良いんじゃないかなと思います。ぜひ聴いてもらいたいですね。
――そして、そんな感動的に締め括られた『ChaosBlue』を引っ提げての全国ツアー、“GRANRODEO LIVE TOUR 2026 「Chaos in Paradise」”が、4月4日、大阪 ・NHK大阪ホールからスタートします。大坂・東京・愛知・福岡・宮城、そして5月23日には早くも埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールでの追加公演も決定しています。どんなツアーにしたいですか?
e-ZUKA 今回はせっかくのホールツアーなので、ライブハウスとは違う演出も楽しんでほしいですね。耳の肥えたお客さんのために、アレンジする曲もあるかもしれないですし。なんなら客席を練り歩いて、僕らの首におひねりを掛けてもらうとか!
KISHOW そうなの!?(笑)。
e-ZUKA 冗談です(笑)。サウンド的にも、ホールだとアンサンブルをじっくり聴いてもらえる利点もありますし、ハードな曲で汗だくになって帰りたいというご要望にももちろんお応えしますので、音楽的にも面白いことができたらいいなと思います。
KISHOW 追加公演入れて全部で10本。あっという間に終わっちゃいそうなので、ありきたりではあるけど、1本1本丁寧にやっていきたい。 府中の森芸術劇場とか大宮ソニックシティとか、初めてやる会場も東京近郊はあるので、それも楽しみ。ライブハウスもいいけど、『ChaosBlue』ツアーはホールで観て良かったと思ってもらえるように、アルバム曲はしっかり丁寧に届けたい。ぜひ遊びに来てもらえたら嬉しいです。
●リリース情報
GRANRODEO 10thアルバム
『ChaosBlue』
2月18日リリース
【初回生産限定盤(CD+BD、オリジナルグッズ、豪華装丁仕様)】

品番:ERK-3016
価格:¥7,700(税込)
【通常盤(CDのみ)】

品番:ERK-3017
価格:¥3,300(税込)
購入こちら
https://laglean.lnk.to/ChaosBlue
●ライブ情報
GRANRODEO LIVE TOUR 2026 「Chaos in Paradise」開催決定!
全国5都市を巡るホールツアー9公演!
日程:2026年4月4日(土)
会場:大阪 NHK大阪ホール
時刻:17:30開場/18:30開演
日程:2026年4月5日(日)
会場:大阪 NHK大阪ホール
時刻:15:00開場/16:00開演
日程:2026年4月18日(土)
会場:東京 府中の森芸術劇場 どりーむホール
時刻:17:30開場/18:30開演
日程:2026年4月19日(日)
会場:東京 府中の森芸術劇場 どりーむホール
時刻:15:30開場/16:30開演
日程:2026年5月2日(土)
会場:名古屋 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
時刻:17:30開場/18:30開演
日程:2026年5月3日(日)
会場:名古屋 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
時刻:15:30開場/16:30開演
日程:2026年5月5日(火・祝)
会場:福岡 福岡国際会議場 メインホール
時刻:17:45開場/18:30開演
日程:2026年5月9日(土)
会場:仙台 電力ホール
時刻:17:45開場/18:30開演
日程:2026年5月10日(日)
会場:仙台 電力ホール
時刻:15:15開場/16:00開演
※追加公演
日程:5月23日(土)
会場:埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
詳しくはこちら
https://granrodeo.net/contents/1003320
GRANRODEO オフィシャルサイト
http://www.granrodeo.net
SHARE