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REPORT

2026.01.19

立花日菜が初ワンマンでみせた、病みつきになるほどの愛らしさ――“Tachibana Hina 1st concert 「LIVE IN HOLIC」”レポート

立花日菜が初ワンマンでみせた、病みつきになるほどの愛らしさ――“Tachibana Hina 1st concert 「LIVE IN HOLIC」”レポート

2025年12月28日に、なかのZERO 大ホールにて“Tachibana Hina 1st concert 「LIVE IN HOLIC」”が開催。声優アーティスト・立花日菜の自身初となるワンマンライブとなった本公演は、これまでリリースしてきた持ち歌全曲と、事前に募集したカバー曲からなる全18曲を披露。キュートさ溢れる歌声とステージパフォーマンスをベースに、ダークさや美しさなど多彩な表現を堪能できる、生で観るべき公演を作り上げてみせた。

TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY YOSHIHITO KOBA

気が付けば虜に!立花日菜の生パフォーマンスが持つ引力

開演前、立花自身による選曲の客入れBGMが観客の期待をじわじわ高めていき、開演時間を迎えると場内は暗転。オルゴールがメインのドリーミーなSEに乗せてステージ上のオブジェがライトに照らされると、ステージ両側からダンサーが登場。最後に2階ステージに立花が現れ、SE同様オルゴールの音色から始まる「ラミラミ♡」で、記念すべき初のソロワンマンの幕開けを飾る。

イントロのダンスから楽曲のカラーにマッチするラブリーさを際立たせていけば、歌声はとにかくキュートに振り切り、甘い甘い世界を構築。2コーラス目になるとメインステージへと降り、ダンサーとのコンビネーションも交えつつ観客を魅了していく。ちょっぴりノドに引っ掛けながら出すような落ちサビの歌声も、音源以上のいじらしさが滲み、いきなり観客は歌詞どおり“メロメロ”に。そして続く「Pink Twinkle Wink」も、1stアルバム『HOLIC』のリード曲らしく、ライブロゴにも通ずるかわいらしさと小悪魔さの両方を込めて披露。その愛らしいパフォーマンスで、さらに心を巻き込んでいく。サビではダンサーと同一のダンスをしっかりこなしながら、目配せやウインクも交えてハートを捉えると、立花はその他の箇所でも表情での表現や、やや甘めのクセ付けをしたボーカルワークを通じて次々心を撃ち抜き、大サビ前ではサウンドに合わせてウインクもバッチリ決めてラストまで隙なく見せきっていった。

こうして挨拶がわりに2曲を披露した立花は、笑顔でMCをスタート。序盤の2曲を「きゅるきゅるきゅんな2曲」と評し、「一度きりの1stライブ、私も精一杯楽しんでいきますので、皆さんも思う存分楽しんでいただけたら嬉しいです!」と意気込みを語ったところで、「コントロールキー・コンジャンクション」から次のブロックへ。ここでも冒頭の歌入りの力加減や、いじらしさを感じさせるような歌唱表現の塩梅は絶妙。ただこの曲ではキュートさに加え、ややラフめに歌ったBメロが、曲中の、そしてライブ全体のなかで良好なコントラストとなっていた。それが観客にさらなる高まりをもたらしたか、サビでは“しーぶい!”などのコールが大きく返る。また、サビラストの“chu chuchu”のフレーズは思い切り甘く歌い、観客からの大歓声を浴びていた。続く「恋のハイテンション」は、チアリーダーのポンポンを持ち、エールを送るようなダンサーを従えながらの披露。ここでは歌いながらステージの端へと移動して前方から奥まで手を振り観客とコミュニケーションを取りながら、サビやイントロではダンスを交え、さらに大サビでは上手側・下手側・センターの三方へとハートマークを描いて飛ばすなどしてきっちり見せてもいく。楽曲自体はバンドサウンドで構成された爽やかなナンバーだが、そこに独特の丸みを帯びた愛嬌ある歌声をマッチさせ、変わらず観客の心を捉えていく。そして「最強?最高!Brave My Heart」はイントロ中に「まだまだ盛り上がっていきましょー!」と直接言葉でも煽り、ライブの勢いを加速させるナンバーに。ブルーに染まった客席に向かって、テンポも速くキーも高めな楽曲に乗せ、笑顔や身振りと共に希望を感じさせる歌声を響かせていく立花。その歌声のパワーを大サビでは幾分か増して、最後まで力いっぱい歌い切ってみせると、ステージがオレンジの光に包まれ「TOKIMEKI」へ。「お手て振ってくださーい!」の立花の呼びかけに応じて、客席のペンライトが彼女の腕降りの動きに合わせて左右に揺れると、Bメロのコール部も相まって場内にはさらなる一体感が。それを前に立花は、そのコール部やサビラストでのポーズなどの魅せどころで決めつつ、落ちサビをやや抜き気味に入り徐々に歌声にぎゅっと力を込めて大サビへ突入するというボーカルワークの押し引きで聴かせていく。そうして様々な側面から観客を楽しませると、自身も後奏では楽しげに跳ねつつ、再び腕振りを先導して曲を締めた。

曲明けにこぼした「あちー!」「汗が目に入るんだぁ、しみるんだぁ」との言葉から、全力でライブにぶつかっていることを感じさせると、ここまでのライブを「今日の公演用にたくさん振付をつけていただきました。歌うのがより大変になった曲もあったけど、見応えのあるものになったんじゃないかな?」と振り返り、「Honey Bee」から始まるチルなゾーンへ。ここからはウィスパー寄りの歌声で序盤とはまた違った愛らしさを発揮。ラップ部分も身振りを含めてかわいくこなすと、2サビ明けの間奏でのゆるっとしたセリフはパフォーマンスの脱力感も相まってよりかわいらしく響く。その一方で1サビ明けではリズムに合わせたキュートなストップモーションを盛り込んだりと、視覚面からも余念なく心を捉えていく。それに続いた「START!IN MY ROOM」では、笑顔で客席へと手を振ったり指を差したりしてコミュニケーションも交えながら、引き続きゆるっと歌唱。適度に肩の力も抜きながら、2-Aメロでは音源以上に歌声に起伏をつけてこの日ならではのかわい気を醸成するなど、単なる“チル”では終わらせない。また楽曲中盤からステージ上の階段に座って歌ったかと思えば、2サビの直前では跳ね上がって前方へと飛び出して“私の物語”のはじまりを感じさせ、さらに大サビラストのフレーズはフェイク風に歌唱。この場でしか感じられない表現を詰め込んだ1曲を見せきったところで立花は一旦降壇。ダンサーによるダンスタイムを挟み、衣装チェンジを終えた立花が再び2階ステージに登場。ライトに照らされ歌い始めた「Unbalance Addiction」から後半戦がスタートする。

この曲ではBメロのラップ部分などをはじめ、鋭く攻撃的なボーカルワークを披露。前半とは全く異なる表情を通じて、違うアングルからドキリとさせてくれる。歌唱中の表情は時折小悪魔さも感じさせつつ、凛々しさをベースにしたもの。そこから放つ2サビ最後のロングトーンに代表される力強い歌声もまた、この曲ならではのドンピシャな表現だ。その力強さを引き継ぎつつ、また別のメッセージ性を乗せて披露したのが「わたしクエスト」。イントロから声を上げて盛り上がる観客に向け、等身大の想いを込めた歌声を響かせると、力いっぱいに“今”を表現していく。特にサビでの歌声はより力がこもったもので、楽曲に自身を重ねて思い切りその想いを乗せていたことが伺えた。

そしてここからは開催前にリクエストを募ったカバーコーナーへ。立花自身も「私もドキドキしてる」と心境を明かしてからまず披露したのは、レーベルメイト・鬼頭明里の「Magie×Magie」。キュートなダンスポップであるこの曲は、立花の表現と相性抜群。持ち前の歌声のあどけなさはこの曲ならではの愛らしさと絶妙にマッチし、その魅力を細かく表情をつけた歌唱表現がさらに増幅させていく。パフォーマンス面でも大サビ冒頭の“キミに”のフレーズで客席へ手を伸ばすなど細部まで隙なく見せていくと、少しの静寂を経て「せーのっ!」と歌い出す立花。すさまじい歓声を生んだその曲は、『化物語』10話オープニングテーマ「恋愛サーキュレーション」。序盤のラップ部分から表情豊かに表現し、時折ちょっぴり拗ねたような歌い回しも織り交ぜながら、意識的に甘く振り切らせた愛らしさ溢れる歌唱を披露。Dメロのウィスパー気味の歌声なども含めた立花日菜ならではの表現は実に魅力的なものだった。ちなみにこの「恋愛サーキュレーション」は直後のMCにてカバーリクエスト数がダントツだったことも明かされていた。

そんなMCを挟んでのカバーコーナー後半は、ライブ当日に公式YouTubeにカバー動画をアップしたばかりの「初恋サイダー」からスタート。冒頭のフレーズ後にはぴょんと跳ねたりしながら、再び場内のボルテージを上げにかかる。歌声に愛らしさを保ちつつ、ここまでのカバー2曲よりも力を込めて、バンドサウンドがメインな楽曲にも映える爽やかなアプローチを展開。落ちサビではもう一段歌声に感情を乗せ、迫りくるように響かせて駆け抜けると、勢いそのままに「Reach For The World!」へ。立花の出演作である次世代声優育成ゲーム『CUE!』に登場したチーム・AiRBLUE Moonの楽曲で、彼女自身もメンバー丸山利恵役として歌った楽曲ということもあってか、客席からは大きな歓声が沸き起こる。そしてイントロでは疾走感あるサウンドへとコールが、Aメロではクラップが響き渡っていく。それを前に立花自身歌声の力感を増していき、力強い身振りと共に歌い上げていく。そこで感じさせたパワフルさは「Unbalance Addiction」での鋭さやダークさとはまた違ったものであり、アーティスト・立花日菜のさらなる可能性を感じさせる1曲となっていた。

「夢見た景色」へ言葉と歌で届けた“これから”への想い

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