アニメ音楽に特化した媒体「リスアニ!」と大阪のラジオ局・FM802のラジオ番組「802 Palette(ハチパレ)」による新たな音楽メディア「リスパレ!」が、今聴いてほしいアーティストを独自の視点で選出のうえプッシュするレコメンド企画「リスパレ!チョイス」。その第4弾選出アーティストより、今回はシンガーソングライターのなるみやをピックアップ!
作詞・作曲のみならず編曲まで自ら手がける音楽性の高さに加え、甘さと儚さを兼ね備えた特徴的な歌声と“不憫”な感情に寄り添うメッセージ性の高い楽曲が、若い世代を中心に共感を呼んでいる彼女。その音楽的源泉とパーソナルを紐解くインタビューをお届けする。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
――インタビューを受けるのは今回が初めてと伺いました。今の心境はいかがですか?
なるみや 正直、何を聞かれるか見当もつかないです(笑)。
――変なことは聞かないので大丈夫です(笑)。まずは「リスパレ!チョイス」に選ばれた感想をお聞かせください。
なるみや 動画の投稿を始めてから4年間、ラジオやテレビを含めて、これまで何かの媒体に出る機会が一度もなかったので、最初は楽しみ半分、不安半分という感じでした。ジャンル的には“ネットミュージック”になるので「どうして私が選ばれたんだろう?」と思って。
――リスパレ!ではそういったジャンルの音楽も積極的に紹介していますので!ちなみにラジオやアニメに普段触れる機会はありますか?
なるみや ラジオはあまり聞く機会がなかったんですが、中学生の時に地元の北海道で大きい地震があって。テレビもニュースしかやっていないような時に初めてラジオを聞いて、元気づけられた記憶があります。アニメは結構観ますね。
――どういうアニメが好きですか?
なるみや 少年ジャンプ作品とかのバトル系が好きです。『ヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)』が特に好きで。あとは『リコリス・リコイル』。女の子が戦うというのが自分にとっては新鮮で、結構記憶に残っています。アクションとかが大好きです。自分の曲調のイメージとはあまり合わないんですけど(笑)。
――確かに。声もかわいらしいので、勝手にかわいいアニメが好きなのかなと思っていました(笑)。アニメソングも聴いたりしますか?
なるみや 作品の主役の声優さんが歌われている曲とかは、面白いなと思ってよく聴いたりします。私、水瀬いのりさんが好きなので、水瀬さんが歌っているアニソンは結構聴きますね。「アイマイモコ」とか。
――おおっ!「アイマイモコ」は『徒然チルドレン』のOPテーマでしたね。水瀬さんのどんなところに惹かれますか?
なるみや 最初はアニメを観て圧倒的に声が素敵だなと思っていたんですけど、何かで歌を聴いた時に、透明感そのままの声質なんですけど、歌は結構力強さを感じて。そのギャップが素敵だなと思いました。
――なるみやさんのライブ配信のアーカイブを拝見したのですが、かつて声優を目指していた時期もあったそうですね。
なるみや お恥ずかしい(笑)。目指してた時期ありましたね。私は元々、劇団で舞台演技をやっていたんですけど、そこから「やっぱり人前に出たくない」となってしまって。人前に出なくても演技する方法として、声優さんという職業に惹かれました。
――なるみやさんの声は聞いていてすごく心地良いですし、声優にも向いているんじゃないかなと思うのですが、まだやりたい気持ちはあったりしますか?
なるみや 表舞台に出るお仕事は、どの業界もごく一部の人たちしか活躍できないというのを学生の頃から思っていて。であれば、そういう職業に全部チャレンジしてみようという気持ちで、当時はとにかく色んなことをやっていたんです。オーディションもたくさん受けながら、自分で作った曲もネットにあげていたら、そっちがバズったので、音楽の道を選んだという感じで。でも、もし機会があれば声優もぜひやってみたいです。
――実現を期待しています!音楽活動を始めたきっかけについてもお聞きしたいのですが、プロフィールによると幼稚園の頃からピアノを習っていて、小学6年生で打ち込みを始めたらしいですね。
なるみや ピアノは、雑誌に載っていた女の人とピアノが映っている写真を見て、親に「こうなりたい」って言ったら「じゃあピアノを習おう」となって。学芸発表会で劇の主役をやった時も「演技が楽しい」って話したら「じゃあ劇団に入れば」みたいな感じでやらせてくれたし、親がそういうのに寛容なタイプだったんです。それで小学6年生の時に「音楽を作りたい」と言ったら、誕生日とクリスマスプレゼントを合わせてDTMセットを買ってくれました。
――理解のあるご両親だったんですね。小学6年生の時点で「自分で音楽を作りたい」と思ったきっかけは何だったんですか?
なるみや 小学生の時、初音ミクさんとかボカロが結構盛り上がっていて。そのタイミングでボカロPという存在を知って、「あ、全部自分で作れるんだ」って思ったんです。その方法としてDTMがあるというのを知って、「じゃあ私もやりたい」と思って。
――当時はどんなボカロ曲を聴いていましたか?
なるみや じん(自然の敵P)さんの『カゲプロ(カゲロウプロジェクト)』がすごく盛り上がっていた時期だったので、私も『カゲプロ』の曲をよく聴いてましたね。
――ということは当時ボカロソフトも買ってもらった?
なるみや ボカロソフトまではお金を出してもらえなくて(笑)。だから中学校の3年間は、学校や部活の合間に趣味でインスト楽曲を作っていました。でも、作っても作っても思い通りにならないことが多かったです。元々ロックが大好きなんですけど、ギターも持ってないのに打ち込みだけでロック音楽を作ろうとしていたので。今なら「それは無理だろうな」というのはわかるんですけど、当時はどれだけやってもうまくいかないなと思いながら、色んなジャンルの曲を作っていました。
――DTMは完全に独学ですか?
なるみや 音楽系の習い事はピアノだけだったので、あとは全部独学というか、勘みたいな感じで手探りでやってました。小さい時から、流れてきた音楽を鍵盤でマネして弾くみたいなことはよくやっていましたけど。
――ロックが好きというお話が出ましたが、影響を受けたジャンルやアーティストはいますか?
なるみや ロックが大好きだった時期は、親の影響でずっとB’zさんを聴いていたので、メロディや歌詞のテーマはそこがルーツになっていたなと思います。ボカロ文化にハマり始めてからは、まふまふさんの曲をよく聴いていたので、そこからはロックはロックでもネットっぽいロックに流れていった感覚があります。
――今のなるみやさんの作る音楽は、ロック色はそこまで強くない印象ですが、そこはご自身の声質に合わせた結果でしょうか。
なるみや そうですね。最初は結構尖った曲を自分で打ち込んで、何となく歌を乗せてみたんですけど、初めて録音した自分の声を聴いた時に、思っていた100倍ぐらい声が高くて、「あれ?全然想像と違う」ってなったんです(笑)。そこで、自分の声は世間一般的に言う“柔らかい声”や“かわいい声”の方に分類されると知って、自分の声に合う音楽を考え始めた時に少しずつ変わっていきました。
――今の楽曲にはメルヘンチックな要素やかわいらしい音色が使われている印象があります。これは何か参考にされたりしたのでしょうか?
なるみや ベルの入れ方とかで言うと、『メリー・ポピンズ』の挿入歌の「チム・チム・チェリー」とか。ああいうディズニー音楽やミュージカルの中で使われていそうな音、情景が浮かぶような音楽は、聴いていてすごくワクワクするので、普段生活している中でもよく流したりしています。曲の後ろに大きな物語が見えるような音楽が好きなので、それを表現する上でミュージカルの劇伴とかは参考になるなあと思いながら聴いたりしますね。
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