REPORT
2025.12.03
まずは「JUNGLE FIRE」のイントロと共にステージ奥のLED装飾が開き、先陣を切る形で芹澤が登場。さらにその後ろにはバンドメンバーの姿も! 10周年ライブ“i☆Ris 10th Anniversary Live ~a Live~”を彷彿とさせるサプライズを炸裂させると、その迫力ある生音をバックに堂々たるステージを展開。頭サビからイントロにかけてダンスを決めたら、その後は振りも織り交ぜつつ花道を練り歩きながら歌唱。単にパワフルなだけでなく要所に艷やかさも漂わせたパフォーマンスで場内の雰囲気を一変させ、鮮烈にその姿を刻み込んでみせた。
そしてドラムによるかき回し中に若井が登場し、ステージ中央のグランドピアノを激しく鳴らして鮮烈に登場を飾れば、そこからしばしピアノソロを披露。客席の色を完全に赤に塗り替えてから、友希名義でリリースしたソロ曲「遺言」へ。ピアノを演奏するだけでも難易度の高いナンバーを立ちながら弾き語る。感情のうねりをそのまま乗せた歌声と演奏には、この曲に相応しい迫力と痛切さがあった。それを記念すべき13周年ライブに、リリックビデオを背負って叩きつけるところも含め、様々な意味での“戦い”の1曲だった。曲明け、「Stereo Sunset」のイントロと共に一旦LEDが閉まり、ステージが夕暮れ色に染まったところで茜屋が歌声と共に登場。歌唱途中でステージ中央のブランコに腰掛けると、それがゆっくり上昇。椅子に腰掛けて穏やかに歌うMVでの姿も連想させながら、パープルに染まった客席に心地よく清涼感ある歌声を降り注がせる演出で、ファンを曲の生み出す世界にたゆたわせた。
そんな個性あふれる3曲でのバトルは、こちらもDRAW判定……。だが、その映像には続きが。なんと1戦目の2人「TEAMみどりのわんわんおーこく」と、2戦目の3人「TEAMくさかんむり!」に分かれてのバトルに発展!5人が戦いの場に選んだのは、爆上がりナンバー「あっぱれ!馬鹿騒ぎ」だ。曲に沿ったコミカルさや艷やかさも見せながら、エネルギーに溢れたステージングでまたも場内のボルテージを上げていくと、2サビ明けの間奏では客席を半分に分けてのコール合戦がスタート。ほぼ互角の勝負を繰り広げられたところで、久保田から“ガチ恋口上”風に「言いたいことがあるんだよ! やっぱり人数おかしいよ!」と2対3の対戦への不満が表明されると、2人はダンサーを召喚。すると「TEAMくさかんむり!」もバンドを味方につけ、改めてコーレス勝負を展開。すさまじい声量のコールが再度場内に轟くと、最後にはお互いの健闘を讃え合い和解。会場一体となって盛り上がり、若井の「全員優勝!」の言葉でこの5人でのバトルは幕切れとなった。
ここで前半戦が終了し、i☆Risが活動初期に定期ライブなどを開催していた縁深い会場・TwinBox AKIHABARAを訪問する映像を上映。インタビューを通じて思い出話に花を咲かせたり、ステージに上がって「Color」を踊ったりしながら当時の記憶を噛み締めると、暗転のなかステージに再登場した5人はデビュー曲「Color」から後半戦を始める。TwinBox AKIHABARAのロゴとステージをモチーフにした映像をスクリーンに背負いながら、清涼感あふれる歌声で14年目の「Color」を届けていくi☆Ris。ステージ壁面のLEDの色が歌唱中のメンバーのイメージカラーに変わり、加えてメンバーカラーがコールされる大サビ前には、場内を照らすライトがコールに合わせてイエローにも変わるという演出もまた、たまらないもの。それに続いたのは「Color」のカップリング曲「らむねサンセット」。頭サビの歌唱後に、山北と久保田がにわかに顔を見合わせて微笑み合う姿は、ここまで歩んできた互いを讃えるように見えてぐっとくるもの。この曲ではその2人と「TEAMくさかんむり!」の二手に分かれ「あっぱれ!馬鹿騒ぎ」とは逆側の花道をゆっくりと歩き、センターステージへ向かいながら温かく優しい歌声を響かせていった。
ここで、この日最初のMCパートを始めるi☆Ris。そのなかでセンターステージの幅がTwinBoxとほぼ同じであることを紹介しつつ、「今日は、本当にすごいたくさんの人が来てくれました!(山北)」と大会場への感慨と感謝を込める。他4人もこの光景に感動しながら、同様の想いを伝える。そんなトークを繰り広げながら全員がメインステージに移ると、山北から順に改めてここまでの足跡を振り返り、この場にいるファンへの感謝を込めたメッセージを発信する。若井がBGM的にピアノを演奏し始めると、不意に山北の胸に熱いものがこみ上げ、思わず声を詰まらせる。そして涙をこぼしながらも「前回は5年前に無観客で歌いましたけど、今日はこんなにたくさんの素敵な人に囲まれて、5人で、ゆうきちゃんにピアノを弾いてもらって歌おうと思います。私たちとみんなとの絆を歌った曲です」と想いを届け、i☆Risにとって大事なタイミングで歌われてきた「ayatsunagi」の歌唱へ。MCではぐっときていた山北も、曲が始まればソロパートや下ハモなどをしっかり全うする。1サビ以降は若井がピアノを離れて5人が並び、磨き上げてきた美しいハーモニーで会場中のファンの心にこの歌を染み渡らせていく。それはまるで、歌声を通じてこの場にいる全ての人間をきゅっと繋ぐかのような美しい光景だった。尊い時間がゆっくり流れた。
その後奏からピアノ音で繋がる形で「希望の花を」がスタート。絆を結んだ5人がここからさらに団結して、広がる世界に力強い歌声とパフォーマンスを轟かせていく。1サビのソロでは、芹澤の歌声は普段以上の感情の高ぶりを感じるものに。「ayatsunagi」でややぐっときていたように見えた彼女、その気持ちをここにも引き継いでいたのだろうか。その「ayatsunagi」からの流れだからこそ、2サビで円を作って向き合いながら力いっぱい歌声を響かせる姿や、大サビ直前に久保田が普段より荒っぽく歌った“間違いじゃない”のフレーズなどが、ファンの心を熱くする。
そのまま続いた「キセキ-ノ-フィラメント」では、冒頭で観客のコールを引き出した山北のパフォーマンスが特に目を引くものに。彼女の力強くて楽曲をどっしり支える歌声は、このハードなロックにおいてとりわけ映えるものに。その後も楽曲全体を通じてコールが交わされ、ファンのボルテージが高まりに高まったところで、最新シングル収録の「Romantic Showdown」初披露の時を迎える。まず冒頭で芹澤が、荒い呼吸とともに力強く歌唱することで、この曲のカラーが“狂気”であることを明確に提示。そこからステージ前方に炎が飛び交うなか、5人は力強くも統率の取れたパフォーマンスを繰り出していく。しかもそれはただ単に力強さや荒さを出すのではない。2-Aメロで芹澤が久保田の頬に手を添えたりと、ゾクリとさせる要素も散りばめることでさらにその狂気を引き立たせていた。そして終盤、大サビではがなり混じりの歌声で荒々しさを表現した芹澤は、後奏で“バトルロイヤル”を制し、強者感と狂気を兼ね備えた高笑いを披露。この曲を1つのショーとして完成させる重要な役割を果たしてみせた。
曲明け、初披露についての振り返りに続いてライブがラストスパートに入ることを宣言。次歌う曲は芹澤が選曲した「ありがとう」を伝える曲だという紹介に続いて、久々の披露となる「HERO」がスタート。この曲ではまずステージ端まで移動して、リング上の移動だけでは近づけないファンのすぐそばでパフォーマンス。爽やかな曲にフレッシュな歌声を乗せていく。そして途中から花道を歩き、カメラの間近でわちゃわちゃしつつファンともコミュニケーションを取りながらセンターステージへ。大サビではぐるり囲んだファン全体にダンスでも見せ、そのまま「ツリアイ」へ。イントロで芹澤の「まだまだ愛を交換し合おうぜー!」の呼びかけ通り、センターステージをいっぱいに使って物理的な距離が縮まったファンと愛を交換していく。サビで円形のフォーメーションを取り、外側を向いてパフォーマンスする姿もまた、センターステージから全方位に見せるにはピッタリだ。2サビ明けには記念写真を撮って、この瞬間を永遠のものとして刻み込むと、「Happy New World☆」のイントロに乗せて「まだまだ、みんなのもとへ行ってしまいますわよー!」とシャウトする山北。その言葉通り5人が花道に散らばり、再び高々とリフトアップ。これによりサビ部分の指差しのフリを3・4階席のファンとも交わせるようになるという、まさにこの曲でやる意義のある演出だ。さらに大サビでは茜屋と久保田が先にメインステージに戻って前方のファンもカバー。場内をくまなくハッピーで満たし、「アルティメット☆MAGIC」へ。
イントロ中の若井の煽りや、引き続き繰り広げられるエネルギッシュなパフォーマンスが、大きなペンライトの揺れとコールを引き出し、場内にさらなるクライマックス感をもたらしていき、そこに「Memorial」がエモーショナルさを付加する。イントロでは茜屋が「最後まで全力ダッシュしていくぞー!」と力強くシャウトしたものの、歌い出しはその茜屋も、続く芹澤のソロも、どこか優しさも込められたような歌声に。アッパーなサウンドに、この曲ならではのメッセージをしっかり込めてくれていた。さらに歌詞の通りDメロでピースサインを2人並べる山北と久保田の姿は微笑ましくもグっとくるし、落ちサビでのあまりにも晴れやかな茜屋の歌声は、未来への希望をもたらしてくれるものだった。そして本編ラストを飾ったのは、“ラスボス”の異名でおなじみ「Realize!」。それを27曲目に、とにかくパワフルさ全開に披露して見せていく姿はただただ圧巻だ。そのうえで普段以上のダイナミックさをダンスから感じさせる茜屋を筆頭に、それぞれの高まりを感じさせつつ個性も発揮するという魅力的なステージを最後まで繰り広げてくれた。
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