REPORT
2025.09.02
8月29日、さいたまスーパーアリーナにて「Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”」(以下、アニサマ)のDAY1が開催。毎年夏恒例の世界最大級のアニソンフェスは、今回で20周年の節目を迎えることもあり初日から見どころ・聴きどころだらけ!トリを務めてもおかしくないクラスのアーティストが勢揃いし、息もつかせぬ勢いで必殺ナンバーを次々畳みかけ、大観衆の心を熱し揺さぶり続けていった。
TEXT BY 須永兼次
今年も開演前のステージを、オープニングアクトが飾る。この日はVSingerに特化した音楽プロダクション事業会社・RK Music所属のアーティスト2人が出演。まずNEUN(ノイン)は「Divas Eid」を歌唱。少々ダークめな雰囲気も漂わせたナンバーを、少女性のある澄んだ歌声で儚さをもたせつつ、サビではハイトーンボイスを魅力的に響かせ観客を聴き入らせていく。そして続くヨノは、自ら作曲したデビュー曲「拝啓、はじまりの色」を歌唱。歌唱前の柔らかな喋りからガラリと雰囲気を変えた、ソウルフルさも感じる歌声でミドルバラードを情感豊かに表現。こちらも観客の心を、ライブへとぐっと引き込んでみせた。
そして、これまでのロゴやライブ映像が“展示”されたミュージアムになぞらえたOP映像を通じてアニサマの歴史をなぞり、アーティスト紹介を通じて“今”へと繋がっていくと、スクリーンに映し出されたのは6枚のカード。先に開いた5枚にはRoseliaが、そして残り1枚にはなんと奥井雅美が!アニサマの立ち上げに大きく関わった彼女が、節目のアニサマのトップバッターをスペシャルコラボで飾る。しかも楽曲は、今年25周年を迎えたアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』のOPテーマ「Shuffle」。同じくカードゲームを題材にしたアニメ『カードファイト!!ヴァンガード』シリーズの主題歌を歌唱したこともあるRoseliaとのコラボというのも、ここでしか観られないドリームタッグ感があってアツい。もちろんそのアツさは、“情報”上のもののみならず実際のステージも同様。序盤から奥井雅美がパワフルな歌声を響かせれば、湊友希那役・相羽あいな(Vo.)も力強い歌声で打ち返し、終盤ではフェイクによるボーカルバトルも展開。他のRoseliaメンバーもハードな演奏をみせ、一気に大観衆をとりこにする。間奏では今井リサ役・中島由貴(Ba.)が奥井と背合わせでソロを披露したりと、両者が渾然一体となったパフォーマンスで見事に好発進を決めると、Roselia単体のステージはアニサマ2025のテーマソングと同じ名を持つ「ONENESS」からスタート。
紫に染まった客席を前に、ハイスピードなナンバーをパワフルかつ繊細なプレイと歌声でみせていけば、「BLACK SHOUT」ではスクリーンにアニメーションのRoseliaも映し出され、動きもリンクしながらの披露に。単純な演奏技術にもうひとつテクニカルな要素をプラスしながらの圧倒的なパフォーマンスが観客の心を熱くし、最後に「FIRE BIRD」で会場を紅と橙の輝きに染め上げる。そのパワフルな歌声を、相羽がステージの端から端まで歩いて客席中に浴びせに行けば、Dメロでは凛としながらもメンバー各々の個性にじむ歌声でソロパートをリレー。Roseliaの絆も感じさせる、様々な意味での“アツい”ステージをみせた。
その熱さとダークさを引き継いで出番を始めたのが、i☆Ris。魔法陣によってセンターステージに“召喚”された彼女たちは「Re:Call」に乗せて、力強くも切れ味鋭いダンスパフォーマンスを展開。緻密にハモも交えながら歌声にも力をぐっと込め、まずはカッコよさで大観衆を惹きつける。その雰囲気を一転させたのが、「バラライカ」のカバー。冒頭から曲に合わせたすさまじいコールが響き渡り、SSAをここまでとは違ったアングルから盛り上げてみせる。もちろんパフォーマンス自体にも、寸分たりとも隙はない。表情豊かなボーカルに美しく揃えたステップ、そのいずれもたまらなく魅力的だ。そんな熱量そのままに披露したのは、彼女たちがアニサマで初めて歌ったナンバー「§Rainbow」。そのとき・12年前には悔しい思いもしたこの曲だが、今では美しいハーモニーやグルーヴィーなフェイクも響かせる5人に向けて、大きな大きなコールが響き渡っていく。そしてそのままスタートした「アルティメット☆MAGIC」で、エネルギーあふれるパフォーマンスを展開。昨年のDAY1トリでの気迫に満ちたステージも魅力的ではあったが、一方でこの日の終盤のようにオーディエンスと笑顔で思いっきり楽しみ尽くす姿も、またこの5人には似合う。ハッピーに、それでいて最後までテクに抜かりなく、また多くの人を確実にとりこにしていった。
続いて2年ぶりの出演となる三森すずこは、客席奥からトロッコに乗って登場。別のトロッコに乗ったオーイシマサヨシとともに、彼から提供を受けた「チャンス!」を披露。清涼感と芯とを持ち合わせる三森の歌声、そしてオーイシのハイトーンボイスが、この2人ならではのブチ上げをもたらして一気に観客の心を掴むと、ソロとしての1曲目「ドキドキトキドキトキメキス♡」ではダンサーを従えハイテンポでキャッチーなナンバーにキュートさを乗せていき、映像エフェクトに合わせた投げキッスやセリフ合わせのウィンクなど演出と完璧にハマったパフォーマンスも絡めて魅了していく。そして「エガオノキミヘ」では清涼感はそのままに、温かみも少々付加した歌声をまっすぐに前を見据えながら響かせ、大観衆と心を繋いでいく。2サビ明けの間奏でステージ上や客席をぐるりと、幸せそうな笑顔を浮かべて見やる姿には、ステージに立っていることの幸せあふれる、偽らざる心情が表れていたようでもあった。
そして2階ステージにリフトアップで登場し、「流星」からステージをスタートさせたのが藍井エイル。会場に響き渡るパワフルで伸びやかな歌声とともに、場内の空気をあっという間に支配する。間奏中には両腕を広げて歓声を受け止めたかと思えば、客席を端から順に指さして心を繋げてみせると、歌い出しと同時にすさまじい大歓声が響いたのが「IGNITE」。その声のもとへ、今度はステージを端から端まで駆けながら歌唱し歌声を浴びせていく。Dメロのハイトーン部分も気持ちよく突き抜けさせたりと、変わらぬパワフルなパフォーマンスと歌声を存分に発揮してみせた。
続いては、ゴシックホラー調の映像を導入に氷川きよし+KIINA.が登場。その雰囲気とリンクする最新ナンバー「Party of Monsters」を、ホラーの要素を盛り込んだダンスも交えつつ笑みもにじませながら披露していく。その笑顔は、直後のMCで語られた「6年前に初めて出演したアニサマで、人生がガラッと変わった」こと、そんなこの場にまた立てた喜びから来たものだろうか。そんな想いを改めて伝えたMCを経て一旦暗転とともに降壇すると、しばし挟んだバンドの演奏ののち、シャウトを響き渡らせながらロックスタイルの衣装に早替えした氷川がセンターステージに登場!アニサマと交わるきっかけとなった大事な曲「限界突破×サバイバー」を歌唱し、SSAを熱く巻き込んでいく。さらに2サビ明けには高らかにフェイクも披露し、MCで語ったように「今度は自分が勇気を与える」ような歌声を見事に響かせたのだった。
その雰囲気をガラリと変えてみせたのが、TRUE。バラード「ユーレカ」に伸びやかにたおやかに愛の歌声を乗せ、青くきらめくペンライトの宇宙に向けてスケール大きく響かせゆけば、サビではそこにぐっと力が込められさらなる壮大さを生んでいく。そして歌唱後には、彼女にとっての“三種の神器”と呼ばれる3曲をノンストップで歌唱することを宣言し、“TRUE”としてのキャリアの始まりを飾った「UNISONIA」をスタート。ステージ上を闊歩しながらパワフルな歌声を叩きつけ、自身が“大好物”と語った大閃光の光の海を生み出してみせると、少々ダークさの加わった「飛竜の騎士」でもDメロでのロングトーンを力いっぱい振り絞ったりと、エネルギー全開の歌唱で大閃光を“焚きつけ”てみせる。そこからシームレスに歌い始めたのが、「Divine Spell」。ここでは歌声に少々荒っぽさも付加され、2コーラス目に入ると跳ねたりかがんだりしながら歌うなど、TRUE自身の高まりもうかがえる1曲に。中盤ではセンターステージへと駆け出して、ぐるり囲んだ観客全てにエネルギーに満ち溢れた歌声を浴びせるなど、最後まで気持ちよさそうに熱さMAXのステージを展開してみせた。
そしてInterludeを挟み、「Shooting Star」のイントロとともにKOTOKOが登場。同時にメインスクリーンには、この曲がOPを飾ったアニメ『おねがい☆ティーチャー』の舞台・木崎湖を彷彿とさせる映像が。自身初めてのアニメタイアップの曲に変わらぬクリアな歌声を乗せて引き込んでくれると、続く「Light My Fire」では一転してパワフルで鋭い歌声がSSA中のハートを燃やし、客席のペンライトの色を一気に青から赤へと染め変える。
そしてここから、ビッグサプライズが炸裂。場内に流れ始めたのは、黒崎真音の「メモリーズ・ラスト」のインスト。メインスクリーンに「君の声が今もまだ そこにあるから」の文字が映し出され、続いてアニサマでの黒崎のステージが時系列順に流れ、出番直前のバックステージショットで映像が締めくくられると、明転したステージにはKOTOKOとfripSideの上杉真央と阿部寿世の3人が立ち、その黒崎の「楽園の翼」を歌唱スタート!“黒崎真音&ALTIMAメドレー”と題した、スペシャルコラボの幕開けだ。赤が大多数を占めたペンライトの輝きの中に、黒崎のイメージカラー・紫が点在していたことが、観客の喜びと歓迎を何より雄弁に物語る。
ソロでは個性も感じさせつつハモも交えて美しく力強く歌いきると、「X-encounter」では大きな「レイヴンズ!」のコールも巻き起こす。さらにここで、黒崎がボーカルを務めたユニット・ALTIMAのロゴが浮かび上がり、「PLASMIC FIRE」とともにステージにはSAT(八木沼悟志)が、そしてラップ担当・MOTSUまでもが登場!KOTOKOと上杉がメインボーカルを担い、上杉はシャープにKOTOKOはパワフルにと歌声の魅力を発揮してみせれば、「I’ll believe」では黒崎が歌唱する姿を映しながら上杉が歌唱。引き続きこの楽曲とも相性抜群なシャープなボーカルを響かせると、1サビでは映像も今歌唱する上杉のものへとリレーされ、「ALTIMA楽曲が歌い継がれている」ということも表現していく。
そしてメインボーカルが阿部に交代すると、ド鉄板ナンバー「CYBER CYBER」で場内はこの日の盛り上がりの最高値を更新。阿部もBメロ部分のハイトーンをまっすぐ綺麗に響かせ、自身のボーカルの特性を存分に生かしてALTIMAゾーンを締めると、MOTSUとKOTOKOが入れ替わって再び黒崎ソロ曲ゾーンへ。ハードなナンバー「Gravitation」に乗せて高いボーカル力をぶつけ合うと、最後は上杉も合流しての「メモリーズ・ラスト」。サビではfripSideの2人が美しくハモも重ねるなど、ただ歌をなぞるだけではなくこの組み合わせで歌う意義も盛り込んでいく。最後はKOTOKOがジャンプエンドで曲を締めくくり、ステージを終えた黒崎のオフショットとともにスペシャルコラボは幕を下ろした。
そしてfripSideのステージは、「Red Liberation」からスタート。昨年も披露したこの曲を通じて、シャープさやクールさという持ち味にさらなるパワフル感が上乗せされた上杉に、ハイトーンまで含めて全体的に歌声の力強さがさらに確固たるものになった阿部と、それぞれさらなるレベルアップを感じさせたところで、「only my railgun -version 2024-」へ。これもまた、2人がfripSideのボーカリストとして確固たる存在となったからこその披露であろう。その力強い歌声・頼もしいステージングが観客のさらなる熱狂を引き出していく。そしてラストまで歌いきったところで、改めて2サビ明けの間奏をリフレイン。二度目の落ちサビではメインスクリーンに歌詞を表示し観客を大合唱させ。MCでの八木沼の「一緒に歌ってくれますか?」の呼びかけを有言実行して前半を締めくくった。
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