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INTERVIEW

2025.08.30

安田レイ、TVアニメ『瑠璃の宝石』OPテーマを収めたニューシングル「光のすみか」リリース!今だからこそ生まれた新曲の制作秘話に迫る

安田レイ、TVアニメ『瑠璃の宝石』OPテーマを収めたニューシングル「光のすみか」リリース!今だからこそ生まれた新曲の制作秘話に迫る

シンガーソングライターの安田レイが、約1年半ぶりとなる両A面シングル「光のすみか / BROKEN GLASS」を2025年8月27日にリリース。表題曲「光のすみか」は、現在放送中のTVアニメ『瑠璃の宝石』OPテーマ。悠久の時を経て生まれる宝石をモチーフにした力強いメッセージソングとなっている。もう一方の表題曲「BROKEN GLASS」は、ドラマチックかつ尖ったサウンドが印象的で、「光のすみか」と対をなすように見えて、光と闇が入り混じっているという共通点がある。様々な経験を経て辿り着いた今だからこそ生まれた、光と闇が溶け合う“結晶”のようなシングルについて、本人に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ

宝石の物語と、瑠璃ちゃんの物語を重ね合わせたダブルミーニング

──シングルとしては約1年半ぶりとなりますが、この期間を振り返ってみるといかがですか?

安田レイ リリースは1年半ぶりではあるんですけど、曲作りはずっと続けていましたし、常に動いていたので「足を止めた」という感覚はあまりなくて。それと、インプットの時間も大切にしていました。常に持ち歩いているメモに心が動いた瞬間や印象に残ったことを書き留めていましたね。どんな小さな気づきや何気ないことでも、必ずいつか活かせる瞬間が来ると思っていて。特に私は忘れやすいので(笑)、写真やメモを見返すことで、その瞬間の感情を思い出して、それを制作に活かしています。今回の制作でも、過去のメモからヒントを得た部分がありました。

──そうした時間を経て作られた今回のシングルは、3曲ともジャンルは異なりますが、互いに響き合っている印象がありました。

安田 嬉しいです。

──制作にあたって、安田さんの中ではどのようなコンセプトや気持ちがありましたか。

安田 MV撮影の時にスタイリストさんから「レイちゃんといえば光と闇だよね~」と言われて、「あれ?」と改めてハッとしたんです。今回の3曲すべてに、光と闇が共存していることにそこで気づきました。全然意識していない形でこうなったので、私は光と闇を常に表現していたいんだろうなって。

──なぜ光と闇というテーマに惹かれるんだと思いますか?

安田 20代の頃は、闇の部分にはあまり触れたくなくて、光の部分だけを見せたいという意識が強かったんです。歌詞もきれいにまとめたり、少しかっこつけてしまったり。でも今は力みが取れて、「自分は50%光で50%闇でできている人間だから、そのまんま、素直に歌詞に書いていいんじゃないかな」と思えるようになりました。

──「光のすみか」も優しく美しい曲のようでいて、どこかに影もしっかり感じるんですよね。

安田 はい。タイトルだけ見るとキラキラした美しい曲に思えるかもしれませんが、それだけではなくて。お話の中にもありますが、宝石は一瞬で生まれるわけではなく、何百年、何千年という長い時間の中で、雨や嵐、晴れの日を繰り返しながら、山の上から川を下って、美しい石へと姿を変えていきます。瑠璃ちゃんもまた、時間をかけて成長し、乗り越えてきたからこそ輝ける。その姿を重ねて、宝石の物語と、瑠璃ちゃんの物語を重ね合わせたダブルミーニングで書きました。

──「自分に足りないもの」や「生きている証」を、時間をかけてでも見つけ出し、たどり着きたいという強い意志を“宝石”にたとえて、歌詞を書かれたともコメントをされていましたが、原作からは他にどのようなインスピレーションを受けましたか?

安田 瑠璃ちゃんを見ていて、好奇心をすごく大切にしている子だなと思ったんです。最初はどこか退屈な日々を過ごしていた彼女が、宝石との出会いをきっかけに、仲間が増えていき、冒険へとつながっていく。そんな姿に強く惹かれました。私自身も好奇心をとても大事にしているんです。歌の世界に入ったきっかけも「どうしたら素敵な歌がうたえるんだろう」という好奇心からでしたし。瑠璃ちゃんとは、その原点で重なる部分が多いように思います。

──歌っている時も、そういう気持ちを改めて感じながら臨まれたのでしょうか。

安田 はい。好奇心もそうですし、大地のイメージや自然の中で生きている感覚も意識しながらレコーディングに挑みました。作中には「砂一粒にも物語がある」という描写がありますが、私たち人間にとっては小さな砂粒も、それぞれ異なる歴史や背景を持っていて。そして、地球というスケールで見れば人間もとても小さい存在ですが、1人1人がまったく違うストーリーを持っている……そのリンクがなんてエモいんだろう!って。

──そういう視点で周囲を見渡すと、自分が知らないだけで、あらゆるものにドラマがあることに気づきますよね。

安田 そうなんです。考え方が変わりました。「ああ、君は何年前からここにいるんだろう」と、1つ1つの存在に話しかけたくなるような感覚になります。

──しかも、安田さんは普段から天然石を身につけていらっしゃるとか。

安田 元々大好きで少しずつ集めています。今身につけているのはオニキスで、これはヴィンテージのアクセサリーなんです。それと誕生石であるモルガナイトの指輪もつけていて。これは誕生日にマネージャーさんからいただいたもので、ライブのときも必ず身につけているんです。今回『瑠璃の宝石』に触れて、石1つ1つにも物語があると知ってからは、これまで「パワーを感じるから」「きれいだから」と身につけていた天然石が、さらに、さらに大切な存在になりました。

──安田さんは天然石だけでなく、お花や陶器もお好きですよね。Instagramに載せられていて、とてもかわいいなと思っていました。

安田 大好きです。お花があると空間が華やぎますし、気持ちも明るくなります。花瓶も本当に大好きで、ヴィンテージのものを集めていて。石と比べたらまだ新しいものですが、60~70年代の花瓶や家具など、物語のあるものが好きなんです。

──私もそこまで詳しいわけではないのですが、ヴィンテージの花瓶が大好きで。誰かの自宅で大切にされてたんだよなと思いながら眺めていると、不思議な気持ちになります。

安田 ああ、わかります!しかもガラスや陶器ってすごく壊れやすいもので、何十年も形を保ってきたということは、ずっと大切にされてきた証拠で。それを受け継ぐことは、バトンを渡されたような気持ちになるし、自分も次の誰かに受け渡していきたいなって思います。

──そういう意識を持った安田さんが本作に携わっているというのはなんだか運命的というか……。

安田 誰かが大切に使ってきたものや、その歴史が宿っているものに魅力を感じるんです。今回『瑠璃の宝石』に関われたことは本当に嬉しくて。鉱石や鉱物といったテーマには、どうしてもロマンを感じてしまいます。むしろロマンを感じすぎて大変です(笑)。

──先ほどお話しいただいた価値観や美学は、安田さんのものづくりや音楽観にも反映されているように感じます。トレンドだけではなく、自分のスタイルを大切にされながら作った音楽が、誰かの手に渡っていって、長年に渡り愛されて……っていう。

安田 ああ、なるほど。確かに……私の音楽は今この瞬間に生まれるもので歴史という意味では浅いかもしれませんが、誕生した曲を長く歌い続けていきたいという思いはあります。そして、受け取ってくれた人が、自分の人生の中で新しいエネルギーに変えてくれたら嬉しいなと。ライブでドイツに行っていて昨日帰ってきたのですが、現地で「仕事が大変でやってられないときも、レイちゃんの音楽を聴くと明日も頑張ろうと思える」という言葉をもらったばかりだったんです。それがすごく嬉しくて。私の音楽が誰かの人生の大切な瞬間に寄り添い、力になれていたらと思いながら日々活動をしています。

──良いお話です。ところで、「光のすみか」ってすごく良いタイトルですよね。どのようにして生まれた言葉なのでしょう?

安田 石たちを比喩できる言葉を探していたときに、あえて直接的な言葉ではない、別の表現にしたいなと思ったんです。その時に「光のすみか」という言葉を思いついて。石たちはぱっと見では見えない場所に隠れていることが多いと思うんです。深い場所や、大きな石の裏側など、自ら動いて探しに行かないと出会えない。光が住んでいる場所に自ら見つけに行く、その動きが見えるようなタイトルにしました。

傷を肯定する「BROKEN GLASS」

──カップリング「BROKEN GLASS」は「光のすみか」と比べると、少し刺々しいといいますか(笑)。成分的には闇の要素が強めの印象です。

安田 そうですね(笑)。本当に同じ人が書いたのかっていう。この曲はテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』のために書き下ろしたもので、その時点で上がっていた台本の内容をもとに歌詞を書いていったんです。結果的にかなり尖った楽曲になったと思います。頭の歌詞も、なんだかすごいですよね。“笑っちゃうよね 全部壊れて希望も絶望も砕けて これが運命ならもう手遅れ Don’t cry over broken glass”っていう。

──先ほど花瓶を大切にしていきたいという話をされていたのに(笑)。

安田 あははは、確かに!(笑)。今回は真逆で「壊れたい・壊したい」という衝動がテーマです。作品自体が刺激的なラブストーリーで、さらにタイムリープ要素もあって、なかなか混ざり合わない内容が重なったドラマなんです。物語のインパクトに負けない歌詞とサウンドにしなければと思いました。それと時間というテーマも意識して、“Keeps on ticking keeps on ticking”という時計の針を示すようなフレーズを入れて、割れたガラスは本来元に戻らないけれど、もし戻ったら……というニュアンスを歌詞に込めました。私の場合、歌詞を書く時はまず映像が浮かんで、それを言葉にしていく作業になることが多いんです。そのせいか、今回はかなりぶっ飛んだ、変な夢まで見てしまって(笑)。でも、それも今までにない経験で、新鮮でしたね。

──そしてもう1曲、「NOW」についても教えてください。今回は初の全編英語詞に挑戦されています。バイリンガルの安田さんならではの美しい表現が並んでいて。

安田 ありがたいことに海外公演が増えてきたので、グローバルに楽しめる楽曲にしたいと思っていて。海外ライブでみんなとシンガロングできる全編英語詞の曲を作りたい、というところからスタートして、テーマは特に決めずにAメロから書き始めたのですが、結果的に自分の傷や葛藤や決意を正直に描く歌詞になりました。活動12年の中で、自分の居場所ややるべきことを探し続けてきましたが、まだ答えは出ていなくて。それでも、これまでに蒔いた種は見えないところで根を張っていて、すぐに光は見つからなくても、時間をかけて育てることで咲く瞬間が訪れていくんだろうなと。それは『瑠璃の宝石』の物語とも重なる部分があります。

──”Scars shining like true gold” という言葉も心に残りました。

安田 傷が光り輝く様子を表現しています。過去に経験した痛みや傷が、今の自分の力に変わっていることを私自身も感じていて。苦しい瞬間は「なんでこんなことが起きるんだろう」「真面目に生きているのに」と思うこともありますけども、振り返ればそれらすべてが生きていくヒントになっているなと。だからこそ、その傷を肯定したいなと思ったんです。

次のページ:「やさしい気持ち」のカバーは包み込むような優しさを込めて

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