――既にリリースされた楽曲も多く収録されていますが、それらの楽曲と共に収録する新曲については、どのような曲にしようと思われましたか?最も意識したことを教えてください。
温詞 基本的には距離感が近く、愛について歌っている曲が多いなと思います。ただ「ツキアカリ」は挑戦もあるので、少し違う角度かとも思いますが、『カフネ』というタイトルになぞらえた曲を収録しています。ちなみに、アルバムのタイトルは収録する全ての楽曲が揃ってから付けたのですが、それ以前に、愛について歌うことはアルバムの大きなテーマとして見えていました。
――そんなアルバムの幕開けとなるのが「君想う夜」。シンプルながら非常に印象的な一曲ですが、これを最初の一曲とした理由をお聞かせください。
温詞 「君想う夜」はすごく昔に作った曲なんです。それこそ「結言」と同じくらいの時期ですね。過去に作った曲として象徴的で、シングル群の中でも核になっている「結言」と同じく当時の空気感をまとう曲を入れてあげたいな、と思って収録しました。前作『やさしい刃物』の1曲目の「suddenly」では、ボーカルのテイクを1文字ずつ区切って、感情の壊れた感じや継ぎはぎの感じを表現したエフェクティブな作り方をしていて。自分の感情をわざと機械的に表現していたんですが、その真逆の曲で始めたかったんです。「君想う夜」も「suddenly」と同じように1コーラスしかない短い曲で、シンプルに始まる形は継承しつつ、今回は生々しさを表現したほうがアルバムには合うと思ったので、アコースティックでビートのない感じを意識しました。
――そして、先ほどからも話に出てきている「ツキアカリ」です。ホーンも入ったピアノロックで、非常に躍動感、ライブ感もありますが、この曲が生まれた際のことを教えてください。
温詞 この曲も、元々作ったのはかなり前のことです。当時の質感としては「キヅアト」などに近い、パワー感の溢れるストレートなギターロックで、ライブでも盛り上がりを作るポジションの楽曲でした。それが新しいアレンジでお洒落に、ジャズコードみたいなものが含まれるという変化は面白かったです。ライブで歌ってみても、縦ではない横のノリを感じられて、今まで体感したことのない盛り上がりがありましたね。ピアノが持つ輪郭のはっきりした音による推進力あるロックナンバーという、新しい感覚が学べました。
――「ゆう」はハートフルで朴訥とした一曲。アルバムのリード曲にもなっていますが、こちらはどのように生まれてきたのでしょうか。
温詞 アルバムの制作にあたり、新たに書き下ろした曲が「ゆう」でした。前作とは違う切り口でアルバムを作るなかで、今作るからこそ出せる大人感や、今の僕に出せる暖かさもこの曲で体現できました。この曲にリードを任せるのも新しい一歩になるのではないか、とスタッフからも話が出たのと、新しいアルバムを代表するなら一番新しい楽曲を、と思えたからこそのリード曲です。
――昔作った楽曲も、最新の楽曲も収録されたアルバムということですね。時間軸としては8年分くらいの開きがあると思いますが、最初の曲を作っていた当時のご自身を今改めて振り返ると、どんなアーティストでしたか?
温詞 必死でしかなかったです。それは人間としても、ミュージシャンとしても。満たされないし、もっと愛されたいと思っているし、孤独でもあった。その寂しさや恐怖からくる叫びが当時の曲には強く出ているかなと思いますが、今はそれとは違う感覚が増えてきて。ミュージシャンとしても音楽家としても1つのスタイルを持てるようになった。そういう意味では違っているかなと思います。過去を乗り越えてきたからこそ、人の痛みを理解できるし、だからこそ包んであげられるような優しさを今なら表現できると思っています。
――疾走感溢れるロックンロールナンバーの新録曲「ミラーソング」はライブの姿も見える一曲ですが、こちらも制作時の話をお聞かせください。
温詞 『やさしい刃物』という前作のタイトルにも表れていますが、僕は矛盾したものを描くのが好きなんです。2つの角度から物事を見るというのが今作のテーマですが、そんななかで「結言」が収録されるのであれば、この曲も収録したいと僕から提案させていただいて。「ミラーソング」は「僕を忘れていいよ」と歌っている曲で、だからこそ「忘れないでね」と歌っている「結言」と並べることにしました。人間にはそのどちらの感情もありますから、素直になれないことも多くて、思っていたことと逆のことを言ってしまうこともある。「大嫌い」と誰かに投げかけるとして、本当に嫌いな人に対して実際にはそんなこと言わないんですよね。自分が心を許す人、大事に思う人ほど意に反して心裏腹なことを言ってしまう、というのは誰しも経験があると思うのですが。そういった心の矛盾みたいなものを今回のアルバムでは表現できているし、2曲を並べることで、「忘れてほしくない」「忘れたくない」という想いをより強く感じてもらえるのではないかなと。
――そして、新録曲「愛の証明」。全体を通しての起承転結で、一本のライブを観ているようなアルバムになりましたが、その最後を飾るこの曲に向けた想いをお聞かせください。
温詞 「愛の証明」は、僕の中の哀しみやエモーショナルな部分を全身全霊でぶつけた感覚があって。完成までにセンチミリメンタル史上最も時間がかかった曲なので、僕の中でも1つの集大成感があるというか。その曲でアルバムを閉じれば、より力強い作品になるのではないかと思ったので、この曲をラストに持ってくることにしました。
――改めて、このアルバムを通してどんなセンチミリメンタルが見えますか?
温詞 「人間」ですね。生々しく、1人の人間が肌で感じて、言葉にして歌っている感覚みたいなものを感じ取ってもらえたら嬉しいです。人間が紡いで、歌って、それを聴く。それを日常に落とし込んだり、重ねたりしていく。人と人の間に結ばれたり、繋がれたりして物語は紡がれていくのだと思いますが、その間で人を繋ぐものとしてこの作品が役に立ってくれたら嬉しいですし、アルバムを通して温もりを感じ取ってもらえたらいいなと思います。
――アルバムの初回生産限定盤には、「センチミリメンタル LIVE TOUR 2025 “ribbon”」ファイナル公演の映像も入ります。
温詞 特に「結言」とセルフカバーアルバム『for GIVEN』をフィーチャーしたライブだったので、『ギヴン』というものに向き合ってきた時間の区切りというか、一つの回答になっていると思います。今回のアルバムにはセルフカバーは入っていないですが、このライブ映像によって『for GIVEN』の世界観も『カフネ』に取り込めると思うので、ぜひセットで体験していただけたら嬉しいです。
――そんなセンチミリメンタルは今年、欧州ツアーも敢行しました。欧州でのライブの感想をお願いします。
温詞 これまでもイベントなどで行く機会はあったのですが、ワンマンライブとなると、会場の熱気、盛り上がりをより感じられました。ヨーロッパという離れた場所でもこんなに待っていてくれる人がいたんだということ、皆さんが日本語で歌ってくれることが感動的で。今回のヨーロッパ、その前に行ったアジアも含めて「“ribbon”」という形で世界を回れたことは、『ギヴン』と共に歩んできた結果だと感じられてとても幸せでした。今後の活動に向けての一歩になったと思います。
――最後に、9月に控えたライブツアーへの意気込みをお願いします。
温詞 『カフネ』を中心に置いたツアーになると思います。もちろん『ギヴン』の楽曲も収録されているので「センチミリメンタル LIVE TOUR 2025 “ribbon”」の空気も引き継ぎつつ、今できることをこのツアーで表現できたらいいなと思っています。アルバムの収録曲的にもハイカロリーで濃厚なライブになると思いますし、まだ行けていなかった場所にも楽曲を届けに行けるツアーとなっていますので、たくさんの人にセンチミリメンタルをお届けしたいと思います。
●リリース情報
『カフネ』
2025年8月6日発売
【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:ESCL-6120~6121
価格:¥7,500(税込)
【通常盤(CD)】

品番:ESCL-6122
価格:¥3,850(税込)
<CD>
01 君想う夜
02 スーパーウルトラ I LOVE YOU
03 光の中から伝えたいこと
04 正義のすみか
05 ツキアカリ
06 生きていかなくちゃ
07 死んだっていい
08 ゆう
09 ひとりごと
10 東京特許許可局
11 ミラーソング
12 結言
13 愛の証明
<Blu-ray>
センチミリメンタル LIVE TOUR 2025 “ribbon” 2025.03.02 Zepp Haneda
01 ステージから君に捧ぐ
02 生きていかなくちゃ
03 キヅアト
04 青春の演舞
05 スーパーウルトラ I LOVE YOU
06 ひとりごと
07 とって
08 東京特許許可局
09 nag
10 ストレイト
11 パレイド
12 うらがわの存在
13 冬のはなし
14 海へ
15 結言
16 星のあいだ
17 僕らだけの主題歌
ご購入はこちら
https://erj.lnk.to/lUi9p4
●ライブ情報
センチミリメンタル LIVE TOUR 2025 “カフネ”
2025年9月14日(日)
会場:愛知・ダイアモンドホール
開場:17:00 / 開演:18:00
2025年9月27日(土)
会場:宮城・Rensa
開場:16:00 / 開演:17:00
2025年10月18日(土)
会場:大阪・BIG CAT
開場:17:00 / 開演:18:00
※SOLD OUT
2025年10月25日(土)
会場:広島・セカンドクラッチ
開場:16:00 / 開演:17:00
※SOLD OUT
2025年10月26日(日)
会場:福岡・BEAT STATION
開場:16:00 / 開演:17:00
※SOLD OUT
2025年11月9日(日)
会場:神奈川・KT Zepp Yokohama
開場:16:00 / 開演:17:00
料金
スタンディング:¥6,500(税込)
2階指定席 :¥7,500(税込)※神奈川公演のみ
※未就学児童入場不可
※ドリンク代別途
センチミリメンタルオフィシャルサイト
https://www.cenmilli.com/
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