7月5日、声優アーティスト・大橋彩香がZepp Haneda (TOKYO)にて“大橋彩香10th Anniversary Live「彩-irodori-」”の東京公演を開催。10年間積み上げてきたパフォーマンス力を存分に発揮して、シングル表題曲を全て披露したこのライブは、まさに声優アーティストとしてのデビュー10周年イヤーを締めくくるに相応しい“ベストライブ”だった。
TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 小川 遼
この日のライブは、オールスタンディングでの開催。1階フロアをファンがぎっしり埋め尽くすなか、開演時間直前に流れてきたこの日の影ナレは、大橋とも親交の深い声優・芹澤 優が担当。入場特典として配布されたルミカライト大閃光の使いどころをそれとなく歌って指定しつつ、諸注意や観客への煽りを行なっていた。
そして暗転ののち、大橋の楽曲をリミックスし繋げたオープニングSEが流れ場内の空気を高めると、2階ステージに大橋が登場。「行くぞ羽田ー!」の力強いシャウトとともに、アーティストデビュー10周年記念楽曲「変革Delight」で幕開けを飾る。イントロでは拳を振り上げファンを煽れば、序盤から攻撃的な歌声を響かせていき、2-Bメロのラップ中にはリリックに合わせてキックも繰り出しさらにファンを沸かせる。その歌声とパフォーマンスのパワフルさ、加えてそれを難なくこなす姿にのっけから改めて驚かされると、ポンポンを手にしての「NOISY LOVE POWER☆」では「皆さんの声、たくさん聞かせてくださいね!」と呼びかけ、フロアからの大きなコールを引き出す。ここではダンサー2人と共に、とにかくハッピーにステージを盛り上げていく大橋。ハイトーンなナンバーに力強いエールを乗せて、ラストのコールまで満開の笑顔で場内を高めてみせた。続く「ユー&アイ」では冒頭クラップで盛り上げてから、後ろから光を浴びながらの独唱で沸かせてスタートする……というライブならではのアレンジで幕開け。ダンサーとのコンビネーションも絡めたパフォーマンスも盛り込みつつ、ラストのフレーズまで高らかに歌い上げるなど、安定のクオリティで魅せ・聴かせる1曲としていた。
この日最初のMCでは、まず「オルスタの熱気がすごい!」と笑顔をみせる大橋。生バンドを背負ってのライブへの意気込みを「パワフルな演奏に負けないぐらい、一生懸命歌います!」と発し、「10周年ならではのスペシャルな、“ベストライブ”っていう感じのセットリストになってます!」と予告すると、続いてのブロックは「おしえてブルースカイ」からスタート。この曲ではスクリーンにMVを流し、MV中に登場するものを模した傘をさしながら、ステージを歩きながら歌唱。リリースから約10年を経た3rdシングルを、今まで培ってきた歌唱力をもって、まるで青空を吹き抜ける風のようにスケール大きく爽やかに歌っていく。また、2サビでは大橋の腕に合わせてフロアを埋め尽くすブルーのペンライトも左右に揺れ、場内には一体感も生まれていた。そして後奏中には2階ステージに上ってステップを踏み、10年前の自分とともにステージを彩ると、大橋の愛猫「ふーたそ」と「みら」を模したぬいぐるみを持ったダンサーが登場し、“1人と2匹”での「にゃんだーわんだーデイズ」へ。ここではダンサブルな楽曲に乗せて、さらにポップにキュートにみせていく大橋。サビではまたも腕振りで一体感を生み、後半のコール部では大きな大きな声も上がるなどフロアの高まりも感じられる1曲となった。それに続いた「Please, please!」でも大橋は、フロアの盛り上がりを先導しつつ笑顔で、高音部分も地声で押し切ったりとパワフルな歌声を響かせてゆく。また、サビ冒頭の高音にファルセットを用いることでこのハイテンポなナンバーの中に切なさを盛り込み、ただの“盛り上げ”のみに終わらせない豊かな表現を行なってみせた。
3曲歌った大橋は、今度は事前にファンから寄せられたカバー曲リクエストの中から、FLOWの「ブレイブルー」を歌うことを発表。この曲は自身が初めて声優としてのオーディションに合格し、初レギュラーを務めた『エウレカセブンAO』のOPテーマだ。それを受けてまたも青く染まったフロアを前に大橋は、序盤からパワフルかつ伸びの良いボーカルをもって歌唱。普段よりも歌声の成分をやや太めにアプローチし、サビでは歌声に開放感も伴わせるなど楽曲に抜群のマッチングをみせ、大橋ならではの「ブレイブルー」を味わわせてくれた。そしてメロウなエレピのソロに続いて始まったのは、「美味しいセレナーデ」。温かなナンバーに合わせてスイッチをカチッと切り替えた大橋は、歌声に柔らかさをもたせて、微笑みとともに歌唱していく。サビなどでの歌声の広がり感も含め、この日は単なる温かさというよりも、ファンを包み込むようなテイストが強かったようにも思う。
歌唱後、暗転のなかスタンドマイクをセットすると、スポットライトに照らされながらアカペラでサビを歌唱して「明日の風よ」をスタート。バンドの演奏が始まると、頭上クラップでフロアのクラップを呼び起こしてから、10周年の今の想いを歌声に乗せて会場中へと発信していく。その歌声は、力強く1人立つ“声優アーティスト・大橋彩香”の姿を感じさせるもの。デビュー当時の想いが込められた1stシングルのカップリング曲に堂々と今の想いを込めて歌う姿こそ、激しさはなくとも真に“かっこいい”ものなのではないだろうか。
そんな姿を見せたところで、大橋は一旦降壇。バンドセッションやダンサー紹介が行なわれると、最後には「ボーカル&ドラム、大橋彩香!」の声に乗せて、なんとドラムセットとともに大橋が登場!まずは力強く激しいドラムソロを30秒あまり披露すれば、そのまま青山英樹(Dr.)とのセッションに。時折バトルのような様相も呈しながら、一拍置いて力強く叩くタイミングなどでは息もピッタリ。2分弱にもおよぶセッションで、ここまでとはまた違うアングルから魅せてくれた。
セッション後は2階ステージに上がり、「Be My Friend!!!」のイントロが流れるやいなや「後半も盛り上がっていくぞー!」と勝鬨をあげる大橋。鋭く力強い歌声でハートを燃やし、ラップもスタイリッシュに決めていけば、サビではジャンプしてフロアの盛り上がりを先導。タフでパワフルなステージを通じて大きなコールを呼び起こし、場内の熱をさらに上げてみせると、そのままキラーチューン「ワガママMIRROR HEART」へ。序盤は伸びやかかつ清涼感のある歌声を響かせると、サビではそこにパワフルさを上乗せし、コールも響き渡り盛り上がりに盛り上がるフロアを見事に牽引。2サビではスクリーンに表示された「大閃光ON!」の合図とともに場内がオレンジの輝きに包まれると、サビ明けにはダンスパフォーマンスで自身もひときわ輝く姿をみせていく大橋。大サビでは自らも大閃光を手にしながら歌唱し、ラストのジャンプポイントに至るまで、場内を大爆上げしてくれた。
あまりにアツすぎる2曲を経て、「始まったときよりもだいぶ温度が上がってきて」と熱気の高まりに言及する大橋。そんななか続いては、こちらも事前募集したファンからのカップリング曲リクエストで選ばれた楽曲の披露へ。1位の曲はセットリスト入りしていたため2位の曲を披露することとなったが、その曲を「個人的にはまさかの曲」と明かす。それはなんと、ワンマンライブでのフル尺歌唱が“大橋彩香 Special Live 2018 ~ PROGRESS ~”以来約7年ぶりとなる「イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん」だ。歌唱前には「コール、覚えてます?」と不安そうな様子ものぞかせるが、曲が始まればその心配もなんのその、大きなコールが上がりに上がり、場内はさらに爆発的に盛り上がる。大橋もコミカルな振付もみせつつ、歌い回しにも他の曲以上に表情をつけてボーカルワークでも楽しませていく。終盤の早口パートもしっかり乗りこなして、1曲の中にエンタメをぎゅっと詰め込んでみせた。
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