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2025.05.31

今までの自分と決別をし、ASCAが生まれ変わる!真っ直ぐに自らの想いをぶつけたライブツアー“ASCA LIVE TOUR 2025 – 28 -”ファイナル公演をレポート!

今までの自分と決別をし、ASCAが生まれ変わる!真っ直ぐに自らの想いをぶつけたライブツアー“ASCA LIVE TOUR 2025 – 28 -”ファイナル公演をレポート!

ASCAのライブツアー“ASCA LIVE TOUR 2025 – 28 -”のファイナル公演が、5月17日、東京・Veats Shibuyaにて開催された。大阪、愛知、東京の3都市を巡った今回のツアータイトルに冠された“28”とは、ASCAの今の年齢から名付けられたもの。彼女にとっての28歳は、その数字以上に大きな意味を持つ、ある種の人生の転機と言うべき1年になっているようだ。ライブを通して今の自分の想いをストレートにさらけ出すことで、その意味を示したASCAが本公演に込めた想いに迫る。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY草刈雅之

“ありのままの私”をぶつける渾身のパフォーマンス

始まる前から熱気に満ちたオールスタンディングのフロアを、一気に制した1曲目は「RESISTER」。黄色いワンピース型の服にタイトなジーンズと白い厚底のハイヒールを合わせた、いつもよりもカジュアルめな衣装を纏ったASCAは、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』OPテーマとして自身の歌声を広く知らしめた楽曲を、いきなりフルスロットルで放つ。Dメロの“君がいるから 歌い続けるよ”というフレーズでの気持ちをぶつけるようなアプローチからも、気迫の程が伝わってくる。続く「凛」での全体的に太さを増したミックスボイス、「進化論」のまさに“命がけの生存競争”そのものと言える観客との歌とコールの応酬。冒頭3曲から加減を知らぬ白熱ぶりだ。

今回のツアーには、半田彬倫(key/バンドマスター)と杉村謙心(g)がサポートで参加。2人とも2024年に、「SAO未来会議」(オンラインライブ)、「FACELESS ライブバージョンMV」でのバンドメンバーとしてASCAとはともにステージに立っていたが、ワンマンライブのサポートを務めるのはこれが初めて。その意味では未知数の部分も大きかったわけだが、いざライブが始まると、エネルギッシュな演奏はASCAおよびその楽曲との相性抜群で、なおかつ心からライブを楽しんでいることが、その音や表情からもわかる。

「すでに熱いですね、東京」とフロアの熱狂ぶりを喜ぶASCAは、「今日はありのままの私を全部置いていこうと思います」と力強く宣言。そして、今回のツアーを開催するにあたって、これまで発表してきたすべての楽曲の歌詞を見返し、28歳の今、自分が何を伝えたいかを基準にセトリを組んだことを明かす。この年になり、臆病な自分を作ってしまうのは、自分自身だということに気付けるようになったと語るASCA。そんな想いを重ねられる楽曲として、fox capture planとのコラボレーションにより生まれた2018年の楽曲「グラヴィティ」を届ける。ファルセットを交えた軽やかな歌い口、陽光が射すようなライト演出、優雅なピアノの調べが、臆病という名の重力に支配された心を解放して、聴き手をまばゆい場所へと連れていく。

続いてマイクスタンドを準備したASCAは、「次の曲も私にとってはすごく大事な気付きだった」と語る。別れはつらく悲しいものだが、そう感じるほど大事な人に出会えたことにこそ、意味や価値がある。そんな気付きを経て生まれた楽曲「Gift of Life」を、彼女は「別れの最中にいるあなたの側に入れる曲であれたら嬉しいです」と告げて歌い始める。どこかメランコリーな響きを伴いながら、粛々と歌うASCA。終わりのない悲しみをも受け止めて、上を向いて進もうとする姿が胸を打つ。彼女は最後に少し微笑みを見せて楽曲を締め括った。

その感傷的なステージから一転、スナネコのようにギラついたパフォーマンスで会場を扇動したのが「Real Dawn」。この楽曲はアフターコロナという意味合いでの“夜明け”をイメージして作られたものだが、「Gift of Life」からの流れで聴くと“別れ”の悲しみを乗り越えた“夜明け”という捉え方もできて面白い。そこからさらにギラギラと生命力に満ちた「VIVID WORLD」に雪崩れ込み、カラフルな照明が世界をビビッドに彩っていくなか、会場中が大合唱とクラップでASCAの声に応える。その場にいる誰もが、彼我を忘れて1つになった瞬間だ

歌い終えて「28歳、楽しいです。ありがとうございます!」と、この日のオーディエンスを褒め称えるASCA。その後はクールダウンを兼ねてバンドメンバーとの和気あいあいとしたトークをゆっくり楽しむと、ここで現在放送中のTVアニメ『ばいばい、アース』第2クールのEDテーマとなるニューシングル表題曲「MOONWORK」を、6月4日のリリースに先駆けていち早く披露する。暗くなったステージにて、ライトで浮かび上がったASCAが、しっとりした声で歌い始めると、会場は瞬く間に楽曲のドラマチックでシリアスな世界に塗り替えられる。この楽曲の歌詞にも“別れ”の経験が滲むが、それでも“あなたが居てくれて良かった”と深い愛を示す切なくも朗々とした歌声が、彼女のシンガーとしてだけでなく人間としての大きな成長も感じさせる、素晴らしいステージングだった。

そこから壮大なオーケストラサウンドを全面に敷いたゲーム「鳴潮」ver1.3主題歌「Never Let It Go」に繋げ、パワフルな熱唱で圧倒的な景色をライブハウスに描き出すと、続けて『ばいばい、アース』第1クールのOPテーマ「FACELESS」へ。何者でもない“のっぺらぼう”の自分が“生きていく意味”と“死んでいく意味”を求めてひたむきに世界と向き合う、ひりつくほど熱く激しい生命讃歌を、剥き出しのパフォーマンスで表現するASCA。まるで自らの生き様を示すような、逞しくも美しいハイトーンが、会場にいる者たちを力強く鼓舞する。あまりにも圧倒的な生命力に満ち溢れている。これが今のASCAの“声”の力だ。

 

次のページ:暗闇を乗り越え、28歳の今の想いを形にした新曲「28」

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