REPORT
2025.05.31
そしてASCAは黄色い衣装のロング丈の部分を取り外して、よりシンプルで身軽なショート丈の白いトップス姿になると、ここから「Maze」「紫苑の花束を」「Stellar」の3曲をメドレー形式で披露。いずれもエレクトロニックな要素の強いナンバーで、ささやくようなアプローチが印象的な「Maze」、リズミカルかつソウルフルな歌声を聴かせた「紫苑の花束を」、アンセミックなEDMサウンドと共に自らもジャンプしながらブチ上げた「Stellar」を次々と畳みかけ、会場のボルテージをさらに引き上げていく。
かと思えば間髪入れず「regain」でロックモードに急旋回し、長い髪を振り乱しながらアグレッシブに迫ると、その勢いを削ぐことなく、毎回盛大なヘドバンが巻き起こるキラーチューン「NO FAKE」に突入。この2曲はいずれもASCAが敬愛するシンガーソングライターの阿部真央が提供したもので、ASCAのライブのワイルドサイドを象徴する楽曲に育っている。この日も特に後者でのタガが外れたような暴れっぷりが凄まじく、ASCAは歌い終えた後、「HP、もぎ取られてます!」と息を整える。
だが「今日はアンパンマンみたいな気持ちで、私の持っているパワーを全部持っていけ、この野郎!という気持ちで歌っています」とのことで、ラストスパートも容赦なく攻めまくる。まずはグッズタオルを手にすると、「逆境スペクトル」を自らもタオルをブンブン振り回しながら歌唱。そしてイントロのピアノフレーズが奏でられた瞬間に歓声が沸いた「CHAIN」。クラップや掛け声のみならず、サビではフロアが一体になって首を振って盛り上がる。そしてピアノの華麗な前奏から始まった「セルフロンティア」で弾丸のように真っ直ぐ突き刺さってくる歌を放つと、「ラスト、思い切り叫んでいきましょう!」と呼び掛けて彼女のライブには欠かせない「Howling」を投下。声がうわずることも厭わない全身全霊の歌声が、オーディエンスの心に更なる火を付け、この日一番の熱狂を生み出す。
そしてライブはついにラストナンバーに。ここでASCAは、2023年6月に開催した、喉の手術からの復帰後、初めてのワンマンライブ「ASCA LIVE 2023 “No Voice, No Live”」のことを振り返る。その頃の彼女は自分の思うように歌をうたうことができず、ステージに立つことに怖さを感じ、「とにかく暗闇の中にいた」ことを明かす。だが、その経験が誰かの力になれるのではないか、今の自分にしか書けない言葉があるのではないか、と考え、ワンマンライブのために楽曲を制作したという。
「当時は怖かったけど、諦めずに続ければ、未来はきっと明るいだろうなって、明るいに違いないって、自分を鼓舞しながら、泣きながら歌詞を書いていました」「あの時、諦めなくて良かったなって、今日のライブを通して、みんなの輝いた表情を見ながら思っていました」「私がステージに立ち続けることで、あなたの力になると信じて。最後に聴いてください」。
そう語ると、彼女は自ら作詞・作曲した楽曲「No Voice, No Live」を歌い始める(作曲は重永亮介との共作)。冒頭の“もう辞めよう もう辞めよう ここが限界です”というフレーズは、先ほどのMCを踏まえると、当時の彼女自身の赤裸々な想いを綴ったものだということがはっきりと伝わる。だが、楽曲の中で彼女の心は徐々に上向きになっていく。それは応援してくれる“あなたの声”があったから。そんな人たちへの心からの感謝の気持ちと、歌い続けていくという決意を込めて、ASCAは温かな声音で“私の声を何度でもこれからも いつまでも響かせていく”と伝える。彼女にとって“あなたの声”と“私の声”は、生きていくうえでかけがえのないもの。「No Voice, No Live」というタイトルに込めた想いを歌で直接みんなに届けて、ライブ本編を締め括った。
客席からの盛大な「ASCA」コールを受け、グッズTシャツに着替えてステージに戻ってきたASCAは、改めて今回のツアータイトルについて説明する。先ほどのMCで語っていたように、喉の手術を経て、近年は歌うことに対して臆病になっていたという彼女。だが、28歳になった頃から、自分の気持ちに素直になるように心掛け、自分自身を愛せるようになったことで、歌っている時に「生まれてこれて良かったな」と思える瞬間が増え、歌が好きで歌手を志した14歳の頃の感覚を取り戻してきたのだという。歌うことの幸せを噛み締めている今の28歳の気持ちを伝えたくて、名付けられたのが、今回のツアータイトル“28”。そして「“自分を愛すること=みんなを愛すること”になると信じて、生涯をかけて自分を愛していこうと決めました」という彼女は、それらの気持ちを形にした新曲「28」を届ける。曲調としては、どこかブルージーな雰囲気のミディアムナンバー。サビは英語詞で綴られており、エモーショナルなギターサウンドも合わさって、90年代オルタナロックのような趣きもある。ズシリと重みの乗った歌声が刻印するのは、自分自身の心をおろそかにしていたかつての自分との決別。歌い終えて晴れやかな表情を見せたASCAは、人間としてまた一回り大きくなったように感じられた。
そして照明が深紅に染まると、情熱的なバイオリンも印象的な「アインソフオウル」の世界へと移行。疾走感溢れるビートに身を揺らしながら感情たっぷりに歌うASCAの声には、まだ見ぬ未来に向けて我が道を進まんとする覚悟と気概が感じられる。そして「最後の曲はこれって決めてました」「みんなと一緒に歌って、みんなと一緒に輝いて終わりたいなと思いました」「これからもステージの上で、みんな1人じゃないということを届け続けていきたいと思います」と語ると、ラストナンバー「光芒」を届ける。冒頭の“ずっとためらい続けた心が 踏み出す背中をそっと押してくれた”というフレーズは、まさしく今の彼女の気持ちに寄り添うものなのかもしれない。ラスサビの冒頭に置かれた同様のフレーズを、ASCAの代わりにフロアが合唱で歌い継いだのも感動的で、サビ終わりの“必ず君を一人にはさせないから”という言葉がさらに強く沁みわたる。ASCAは最後に「私は1人じゃない。みんなは1人じゃない。教えてくれてありがとうございました!」とメッセージを伝えて、28歳のツアーを完走した。
その後、ニューアルバム『28』を制作中であること、そして今秋に自身初のアジアツアーを開催することを告知。9月27日のソウルを皮切りに、上海、北京、台北、香港、東京の6公演が発表されている。ASCAは9月5日生まれなので、アジアツアーが始まる頃には29歳になっているわけだが、彼女にとって大切な年となった28歳の残り数ヵ月も、きっと充実した活動を送ることだろう。『28』がそのメモリアルな作品になることを期待して、続報を待ちたい。
●ライブ情報
ASCA ASIA TOUR 2025
9 月27日 ソウル
10月 5 日 上海
10月 7 日 北京
10月18日 台北
10月25日 香港
11月24日 東京
※東京公演以外の各エリアの詳細は後日発表となります。
▼東京公演概要
「ASCA ASIA TOUR 2025 in Tokyo」
日程:2025年11月24日(月祝)
会場:東京・Spotify O-WEST
時間:open 17:00 / start 18:00
問合せ:DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/
東京公演は、最速受付となるファンコミュニティ「AME」一次先行受付が5/17よりスタート!
お申込みはこちら
https://asca-me.com/
受付期間:5/17(土)22:00~6/1(日)23:59
【チケット価格】
オールスタンディング・整理番号付:¥7,000(税込)
※ドリンク代別途 ※未就学児童入場不可
【チケット一般発売日】
2025年8月16日(土)10:00
●イベント情報
CDリリース記念イベント開催決定
5月31日(土)北海道:HMV札幌ステラプレイス
6月4日(水)東京都:animate hall BLACK(アニメイト池袋本店 北館9F)
6月5日(木)神奈川県:タワーレコード川崎店
6月6日(金)東京都:タワーレコード錦糸町パルコ店
6月7日(土)愛知県:HMV栄
6月8日(日)東京都:タワーレコード町田店
その他、特典などのCD情報はこちら
https://www.asca-official.com/info/archive/?572671
ASCA オフィシャルサイト
https://www.asca-official.com/
ASCA X
https://x.com/ASCA_and_staff
ASCA 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCKSpe0bX39VZQtRcaQcJ9RQ
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