リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2025.03.05

TVアニメ『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』OPテーマでデビュー!歌い手・310(サトウ)に初インタビュー!

TVアニメ『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』OPテーマでデビュー!歌い手・310(サトウ)に初インタビュー!

2021年に行なわれたミュージックレインのボーカルオーディション「ウタカツ!3」で見出され、『Fate/Grand Order』のイベント「激走!川中島24時 ぐだぐだ超五稜郭 殺しのサインはM51」のCM曲となったスパイラルラダー「七星神威 (feat. 310)」にもゲストボーカルとして参加して話題となっていた歌い手/ボーカリスト・310(サトウ)。彼女が3月5日にデビューシングル「パーフェクトデイ」でいよいよメジャーデビューを果たした。
このシングルには、現在放送中のTVアニメ『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』のOPテーマとなった表題曲を筆頭に、彼女の様々な歌の魅力が詰まった全3曲を収録。それぞれにタイプの異なる楽曲を通して、ボーカリストとしての豊かな表現力が伝わってくるような作品に仕上がっている。初めてのアニメタイアップとなった今回の楽曲や、音楽活動にかける思いなどについて、本人に聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 杉山 仁

気軽に始めた活動が大きなものに。歌い手・310ができるまで

――310さんが音楽を始めたきっかけはどんなものだったんですか?

310 コロナで家にいる時間がすごく増えたのが最初のきっかけでした。私は元々歌やギターは好きだったものの、趣味はあまりないタイプだったんですけど、その頃ちょうどTikTokでも歌ってみたが流行っていて、「昔から興味もあったしやってみよう!」と、友達に見せるような軽い気持ちで始めました。「録音ってどうやってするんだろう?」というところから始まって、スマホに元々入っているボイスメモのアプリで録音して、iPhoneの純正のイヤホンマイクを使って、スマホ1台で初めてみたんです。

――そうして初めてみたところ、面白さを感じて続けることになった、と。

310 そうですね。すごく小さな界隈で投稿をしていたんですけど、投稿した楽曲を見つけてくださって、「310ちゃんの歌が好き」とか「声がかっこいい!」とか、嬉しい言葉をいただくことが増えて。そうすると「え、嬉しい!もっとやっちゃおう!!」って、またやりたくなっていきました(笑)。歌ってみたの活動を通じて出会った友達に「この間の動画良かったよ」と言ってもらえるのも嬉しかったので、「次はもっと違う曲にチャレンジしてみよう!」と活動を続けていった感じです。私は元々飽き性で、趣味がコロコロ変わりがちだったんです。でも、歌ってみたは初めてからもう4~5年経っているので、ここまで長くハマっているものはこれまでなかったと思います。

――何が良かったんでしょうね?

310 んー、なんだろう……でもやっぱり、人に褒めてもらえるのは嬉しいことですし、私って勉強も運動もそんなに得意ではなかったですけど、音楽や歌は他に比べて「いいね!」と言ってもらえることが多かったんです。今は(活動を始めたのは)運命だと思っています。

――昔から音楽は好きだったんですか?

310 好きではありましたけど、小さい頃からピアノや楽器を習っていたとか、歌やダンスを習っていたということではなかったです。ただ、小学生の音楽の授業で大きな声で歌をうたったりするのは好きでしたし、友達同士でカラオケに行ったら恥ずかしがらないで歌えるような感じではありました。

――人前で歌うことは苦じゃなかったんですね。

310 そうですね。褒めてもらえるので(笑)。

――リスナーとしてはどんな音楽を聴いてきたんでしょう?

310 何か特定のアーティストさんが好きで追いかけるというより、様々なジャンルの流行っている音楽や友達にお薦めしてもらった音楽を何でも聴くタイプでした。洋楽も聴きますし、K-POPもJ-POPも聴くし、もちろんアニソンも聴きますし。本当に何でも聴くような感じだと思います。

――今思いつくものでいいんですが、なかでも好きなアーティストはいますか?

310 聴く音楽はその時々で変わるので難しいですけど……例えば最近だと、ちゃんみなさんの曲にすごくハマっていて、ずっと曲を聴きながらお皿を洗ったりしています(笑)。ちゃんみなさんの曲は1曲の中で声色が変わったり、色んなキャラクターが出てきたりしますが、でもちゃんみなさんはちゃんみなさんとして一本筋が通っているというか。そういうところがすごく好きです。音楽自体もかっこ良くてノレますし、歌をうたう1人の人間としてもワンフレーズごとに歌い方や声の出し方が全然違っていたりして、尊敬します。さっきまで女の子らしい声だったのに、急にドスの効いた声になったりして、聴いている人を飽きさせないところもすごく勉強になります。他には、去年からめちゃくちゃハマっている韓国の(G)I-DLEさん。今までハマってファンクラブに入ったりしたことはなかったんですけど、TikTokを開いていたら出会ってしまって、すぐに「かわいすぎる!ライブに行きたい!ファンクラブに入ろう!」というふうになりました。

――ファンクラブにまで入るとは、本当に好きなんですね。

310 アイドルの方やモデルさんみたいなかっこ良くてかわいい女の人を見るのが好きで、TikTokもほとんどそういう動画を見ているんですけど、(G)I-DLEはたくさんあるK-POPのアイドルグループの中でも、曲が女性に寄り添ったものが多いように感じました。「私たち最強」という曲もあれば、「私はこんなところはダメだけど頑張る」という曲もあったりして、女の子に寄り添う曲がとても多くて。年齢的にも私より年上のメンバーが多いこともあって、憧れのお姉さんのような感覚です。

――メンバーの中でもYUQIさんが特に好きだそうですね。

310 YUQIちゃんはベビーフェイスですけど、声はすごくハスキーで、まずはそのギャップに惹かれました。しかも、低音でゴリゴリのラップをしたりもするので、あのきゅるっきゅるのお顔で、かっこいいラップをして、ダンスもすごく上手いという。ちょうど私が好きになった時に「FREAK」という曲も入ったソロミニアルバム『YUQ1』を出していて、その曲も全部好きになりました。アイドルでキラキラしていて、しかも(時には作曲を担当するなど)アーティストとしての面も持っていて、憧れや尊敬がとまらない存在です。

――色んなジャンルを聴くということなので、洋楽やボカロPさんはどうでしょう?

310 洋楽は自分でよく聴くかというとそういうわけでもないんですけど、レッスンで(マライア・キャリーの)「恋人たちのクリスマス」を練習したりして。イントロのフェイクをできるようになろうと何度も聴いているうちに、「なんでこんなに歌が上手いんだろう?」と考えたりもしました。ボカロPさんだと、それこそ何でも聴くのですが、最近は「ラプラスショコラ」や「さよならプリンセス」を作られているKaiさんが好きです。曲がどれも一貫してすごくかわいいに振り切れていて、でもリズムが今風というか、ピコピコ系の曲で。私、GigaさんとかTeddyLoidさんもそうですけど、機械っぽい、シンセっぽいピコピコ系の曲が好きなんです。

――ダンスミュージックの要素がある楽曲ですね。

310 Kaiさんの曲は「かわいい」に加えてその要素もあって、好きと好きが合わさったような感覚でめちゃくちゃ聴いています。

――今お話を聞いていても、明るく朗らかでみんなに好かれる愛されキャラのような印象を受けるのですが、310さん自身は自分ではどんな性格だと思っていますか?

310 結構、知らないものや知らない人にも怖がらないで挑戦していけるタイプなのかな、と思っています。昔からあまり人見知りするタイプではなくて、授業中に手を挙げて前に出て発表したりするのも好きなタイプでした。今の活動でも、ここまで等身大でやってこれているというか、いい意味で飾らない感じでやってこれているのかなと思いますね。

――活動を始めてから数年の間にも、オーディション「ウタカツ!3」の合格や『Fate/Grand Order』の期間限定イベント「激走!川中島24時 ぐだぐだ超五稜郭 殺しのサインはM51」のCM曲となったスパイラルラダー「七星神威 (feat. 310)」でのゲストボーカル参加など様々なことが起こっています。その中でも特に印象的だったことはありますか?

310 やっぱり、オーディションに受かったメールを見た時は本当に嬉しかったです。バスの中でメールを見ていたのですが、最終審査が終わって「結果はメールでお伝えします」と言われてから、普段は全然見ない受信箱を「まだこないなぁ……!」と毎日チェックしていて(笑)。「オーディション結果のお知らせ」という文字が見えた時は、「うわぁ!」と思わず叫んでしまいました。エントリーシートを送った時は、「音楽で食べていくぞ!」というよりも「ちょっとチャレンジしてみよう」という気持ちでしたけど、オーディションをやっていくなかで「将来こういう仕事につけたらいいな」と思うようになっていたので、本当に嬉しかったですし、とても大きい出来事でした。

――それが「七星神威 (スパイラル・ラダー feat.310)」でのゲストボーカルに繋がっていったのですね。

310 そうです。ある日「310さんにこういうお話が来ているよ」とマネージャーさんから教えてもらって、「あのFGO?!」と本当に驚きました。「七星神威 (スパイラル・ラダーfeat.310)」の時は、レコーディングもそうですし、ライブ(『Fate/Grand Order カルデア・サテライトステーション 2023-2024』)もそうですし、起こる出来事が私にとっては本当に初めてのことばかりで、色々な経験をさせていただきました。

――人前でライブをすること自体が初めてだったそうですね。

310 そうなんです。最初のステージはさすがに緊張しました。始まる前に、舞台袖で(緊張で呼吸が早くなっている様子を再現して)「ハァ……ハァ……!」って。でも、実際にライブが始まってみると本当に楽しくて、「自分はステージに立つのが好きなんだな」とそこで気づけた気がします。楽しくて、歌っている間もずっと「終わってほしくない!」と思っていました。「七星神威 (スパイラル・ラダー feat.310)」のおかげで色々経験をさせていただいて、ラジオ番組(『Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局 Plus』)に呼んでいただいたり、ライブに出させていただいたり、ずっと憧れて夢見ていたことをたくさんやらせていただいて、とてもいい経験をさせていただきました。

――『FGO』のCMはTVでもよく見かけますし、感動もひとしおだったでしょうね。

310 実際に流れているのを見たときは、ちょっと泣きそうでした。

『ギルます』OPテーマ「パーフェクトデイ」に込めたもの

――そして今回、デビューシングル「パーフェクトデイ」がリリースされましたが、この楽曲はTVアニメ『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』のOPテーマです。最初にお話が来た時のことは覚えていますか?

310 マネージャーさんから電話で教えてもらったのですが、事前に内容は全然聞いていなくて、「アニメのOPテーマに決まりました!」と知らされ、最初はまったく信じられずに「えっ!?!?!?!?」とびっくりしてしまいました。実は私、その年に神社で絵馬に「アニメのOPテーマを歌いたい!」と書いていたので、「もう叶ってしまうの!?」と本当にびっくりしました。

――これは気合いも入ったんじゃないでしょうか。

310 そうですね。でも、大きな役目をいただいたということで、プレッシャーも感じました。

――プレッシャーに強そうな310さんでもさすがに……。

310 はい(笑)。「気合いを入れ直さなければいかん!」と気を引き締めました。

――作品や楽曲については、最初はどんな印象を受けましたか?

310 まずは原作を読ませていただいたのですが、すごく面白くて作品のファンになりました。「早くアニメが観たいなぁ!」「オープニングはどんな曲になるんだろう?」と思っていたら、本当にイントロから「THEアニメソング」と思えるような、ずっとやってみたかったテイストの楽曲がやってきて、嬉しくてウッキウキで練習しました。

――管楽器が入っているイントロも含めて、異世界アニメのオープニングらしい雰囲気が詰まった楽曲になっていますね。

310 イントロの部分から「これから冒険が始まるぞ!」という雰囲気があって、「これが私の最初の曲なんだ」って、すごく嬉しくなりました。楽曲を担当していただいたのもElements Gardenの藤永龍太郎さんですし、私にとっては全部が「どういうこと!?」という気持ちでした。そこからレコーディングまで自分なりに歌い方や解釈をして練習をしていきました。事前にイメージを準備してレコーディングに向かったので「パーフェクトデイ」は、割と悩んだりすることなく、いつもの私らしい、自分らしい歌い方でレコーディングができたと思います。

――「パーフェクトデイ」で310さんが特に意識したのはどんなことだったんでしょう?

310 やっぱり、OPテーマとして「これから(アニメが)始まるぞ!」という雰囲気を出したかったので、聴いていて気持ちがいいような歌にしたいな、と思っていました。この曲は歌詞もすごく前向きなので、私の歌でそれを伝えられるように、歌い方や表現を考えていきました。当日のディレクションは直接藤永さんにしていただいたのですが、私が歌ったものに対して「今のいいですね。もう1回やってもらえますか?」と歌い方や解釈をゆだねてくださる方で、伸び伸びとやらせていただきました。

――アニメのOPテーマとして、作品に寄り添うために工夫したこともあれば教えてください。

310 原作を読ませていただいて、ストーリーやキャラクターの性格を私なりに解釈したりしていったんですけど、やっぱりこの曲は、(主人公の)アリナさんを中心に、色んな仲間たち―-例えば、一緒に働いている受付嬢の子たちや白銀(の剣:作中に登場する冒険者ギルド)のみんなのような、アリナさんを取り巻く、アリナさんにとってのいつもの毎日を大切にしよう、という曲なのかなと解釈して、アリナさんの気持ちも半分持っていきつつ、自分の気持ちも半分持っていきつつレコーディングに挑みました。

――『ギルます』の世界観や登場人物はすごくユニークで魅力的ですよね。

310 『ギルます』は異世界ものでファンタジーチックな作品なのに、主人公が一番倒したいと思っているのが「残業」というのがまずは面白いですよね。一番手強いのはモンスターではなく残業、という……!(笑)。それに、やっぱりキャラクターがみんな魅力的で、表情もすごく豊かですよね。アリナさんも喜怒哀楽がはっきりしているキャラクターで、さっきは泣いていたかと思えば次は怒っていたり、そうかと思えば今度はめちゃくちゃニコニコしていたりして。そういう様子も見ていてすごく楽しいな、と思いました。

――『FGO』のマシュのCVを担当していて、初めて出演したラジオ番組でも共演した高橋李依さんがアリナのCVを担当しているのもすごい偶然ですね。

310 そうなんです! すごく縁を感じました。

――そのうえで、「パーフェクトデイ」はサビの歌詞なども含めて、いよいよデビューを迎えた310さん自身の楽曲にもなっているのが印象的でした。

310 そうですね。曲の中に一貫して「今を大切に生きる」「今を全力で楽しむ」というようなメッセージが入っていて、アリナさんにももちろん通じる「今を大事に」「これからここを大事に」という要素が、私にとっても、これから何回も歌うたびに、最初にこの曲をもらって「これから頑張ろう!」と思った時の気持ちを思い出させてくれそうな気がします。

――歌うたびに積み重なっていくものがありそうな楽曲ですね。

310 3年後に歌ってもきっと今とは違うでしょうし、10年後に歌ってもまた違う「パーフェクトデイ」になっていくんだろうな、と思います。

――特に好きなパートや歌詞はありますか?

310 まずはサビ前の弦の音が「まさにアニソン!」という雰囲気で、このパートを最初に聴いたときに「よっしゃー!!」と盛り上がってしまいました。聴くたびに嬉しくなる盛り上がりポイントです。あとは、やっぱり全部の歌詞が大事だと思っていて、デビューして活動していくなかで、「今を大事にする」「今できることを全力で頑張る」という歌詞のメッセージは、「すごく大切なことだな」と思っています。OP映像がついた状態で初めて観たのは去年の先行上映会だったんですけど、映画館ですごく大きな音で「パーフェクトデイ」が流れてアニメが始まったときに、「私、本当にアニメのOPテーマを歌ったんだ」って、そこでやっと実感が湧いてきました。もちろん、そこまで来ていて違う曲が流れて「嘘でした!」となる訳はないと思うんですけど……(笑)、それでも実際に映像と一緒に流れたのを観て初めて「本当に担当できたんだ。私は本当にこれからやっていくんだ」と、実感したというか。そして、そこに至るまでに動いてくださった方や、私にこの曲を任せてくださった方々に「ありがとうございます……!」という気持ちになりました。

――リスナーさんからの反響はいかがでした?

310 YouTubeでMVを公開してから毎日のようにコメントが届くんですが、「大好きで聴いてます!」と言っていただいたり、英語や韓国語のような外国語でのコメントもたくさんいただいたりしていて、アニメのOPテーマとして、世界の色んな場所で私の歌を聴いてくれた人がこんなにいるんだと、すごく嬉しい気持ちになりました。それと同時に、私もこの曲に負けないくらい成長していかなきゃいけないな、と改めて思いました。

次のページ:「自分がどんなことを伝えたいのか、少しずつ明確にしていきたい」。今後への思い

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP