11月30日、声優・アーティストのMachicoが豊洲PITにて“Machico Live 2024 -Cheer Up!-”を開催。今年5月に故郷・呉で開催した凱旋ライブに続き、関東では約2年半ぶりのワンマンとなった今回のライブは、“応援”をテーマにした楽曲を揃えたコンセプチュアルなものに。時にエネルギッシュに、時にキュートに、彼女がステージ上で躍動した一夜の模様をお届けする。
TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 中原 幸
まず OPENING SEが流れるなか、バンドメンバーがステージに登場。リズムに合わせた頭上クラップで場内の期待感を高めていくと、彼らの演奏とMachicoの「みんなをたくさん応援しますよー!」の言葉と共に、ステージ上のライブロゴのパネルがゆっくり上昇する。そこからMachicoが登場し、「永久味方宣言」から笑顔全開・エネルギッシュなパフォーマンスをスタート。サビ終盤の高音が印象的な曲に対し、持ち前のハイトーンボイスを突き抜けさせる。1曲目から会場を席巻し、「次は、クラップいっぱい聴かせてくださーい!」と「Happy Magic」へ。クラップを通じてイントロからさらなる一体感を作っていくと、引き続き笑顔をパアッと咲かせながら、まさに“Cheer Up!”なステージを展開。ハイトーンなフレーズ以外でも、ノビを効かせたAメロなどでは歌声から懐の深さも感じずにはいられなかった。
そんな盛り上がりを受けて喜びをあらわにしたMachicoは、続けて「みんなと一緒にタオルを回しながら、“有頂天”になりたい!」との前フリから新曲「有頂天」へ。イントロからフロアでタオルが回りまくる光景を目にして嬉しそうな表情をのぞかせつつ、自身も間奏で観客に手を振るなどコミュニケーションを取り、さらにこの瞬間を楽しんでいく。不意に高音に飛んだりと難しさもあるこの曲だが、それを軽快かつパワフルに乗りこなすそのボーカルワークに、改めて舌を巻いた。
そしてここからは『りゅうおうのおしごと!』関連曲2曲を披露。まず「ソノサキヘ」で伸びやかかつ爽やかな歌声を響かせていくと、彼女の振り上げる腕に合わせて客席の“電気棒(=ペンライト)”が揺れる。続く「コレカラ」では歌唱しながらもステージ両端まで移動し、観客を近距離から“Cheer Up!”。ここでもタイトルやコンセプトにピッタリなエールソングを高クオリティな歌声で彩っていった。歌唱後には、ステージ中央に据えられたカメラで撮影したVR映像の中から後日数曲が配信されることをアナウンス。ライブ後の楽しみを提示すると、今回のコンセプトを「みんなを応援するよという想いを込めて作ったライブ」と説明し、「ここからは、かわいいゾーンに!」と続ける。そして、イントロが流れると歓声が上がる。披露したのは人気曲「きっとショコラ」。そこから“かわいいゾーン”に突入し、歌声を一気に甘く振る。直前の言葉に偽りのない滑り出しをみせると、サビではキュートな振付も交え、本楽曲が描き出すいじらしいヒロインを視覚面からも表現してみせる。
そこに続いたのは、新曲「好き嫌いニュービート」。サビのハイトーン部分もファルセットを用いつつ、一方でか細くなりすぎないバランス感を実現し、かわいげのあるヒロイン像を描写する。Aメロをはじめとした中音域に丸みをもたせ、巧みなボーカルワークで、楽曲にピッタリと寄り添った。事前に振付動画をUPしていた甲斐もあってか、間奏部分の振付では場内には一体感が生まれる。その一体感をさらに高めたのが、「ぐるぐるコンティニュー」。サビで腕をぐるぐる回す振付や、2サビ明けの間奏での上手から下手に向かう観客の“ぐるぐるのウェーブ”などで、場内は1つに。そして「ピンクトルマリン」のイントロで、またも客席からは歓声が。ピンクに染まった場内で、キャッチーかつダンサブルなラブポップを、キュートな歌声とダンスでエネルギッシュに披露していき、ラストはポーズ、表情をバッチリキメてこのブロックを締め括った。
曲明け、「あまりのかわいさに、みんな思考が停止していることでしょう!」と得意気な表情をみせ、曲ごとに「かわいい」との呼びかけをもらえ、満足そうな様子のMachico。「“かわいい”という側面も、いっぱい聴き直してもらえたら」とのメッセージを伝えたところで、ライブがそろそろ中間地点であると明かす。そして「お腹も空いてきてるんじゃないかな?」とのフリ。好きすぎるあまり応援生放送を勝手に行ない、歌まで作ったことをきっかけにコラボへと発展した“スパゲッティーのパンチョ”の話題から、このライブの直前に自身のYouTubeチャンネルにUPしたパンチョ大王公認・非公式応援ソング「パンチョ」を初披露!冒頭のウェストミンスターの鐘のオマージュのようなフレーズを、キーボードと向き合って音と息を合わせて歌い出すと、本格的に楽曲が始まってからはパンチョ愛を込めて笑顔いっぱいに歌唱。イントロや間奏のコール部分も大合唱となり、一気に会場の空気が加熱されたところで、“ニチアサソングメドレー”と称したメドレーを「レッツゴー!!ライダーキック~Exercise Version~」からスタート。早速元気に“食後のエクササイズ”を行ない、ポーズを決めてこの曲を締め括ると、『王様戦隊キングオージャー』に登場する国・イシャバーナのテーマソング「World Is Mine!」へ。老若男女関係なく刺さる彼女の歌声を、明るく疾走感のあるナンバーに乗せて晴れやかに響かせ、さらに観客のハートをぐいっと掴んでみせる。
そして華やかなイントロから幕を開ける「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」を皮切りに“プリキュア主題歌メドレー”に突入。Machicoの歌声のもつ晴れやかさはさらに増していき、ポジティブなエネルギーがどんどん発信されていく。続く「Viva! Spark! トロピカル~ジュ!プリキュア」で冬間近の豊洲PITに常夏の風がもたらされると、観客もコールなどを交えてさらに大盛り上がりをみせ、最後に彼女が初めて担当したプリキュアシリーズの主題歌「ミラクルっと♥Link Ring!」へ。「ピンクトルマリン」などにも通ずるキュートさ成分強めのダンスポップに乗せて笑顔とキュートさを振りまき、メドレーを終結させたのだった。
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