──そしてここからキュートな楽曲が続きます。清 竜人さん提供の「名前を呼んでくれたなら…♡」ですね。堀江さんと清さんとのタッグは長いですが、普段からオーダーはお任せが多いんですか?
堀江 そうです。清さんは天才なので、「こういう感じで」ってオーダーしても、天才すぎて違う感じの曲が来たりすると思うんですよ(笑)。だから逆に指定とかはしないで、清さんが、今私が歌うべきと思う曲を作っていただいたほうがいいと思って。
──そうしたなかで今回清さんからあがってきたのが、ガーリーなサウンドとなったと。
堀江 そうですね。清さんが作ってくださる楽曲って、間違いないものだなって思うんですよね。そのなかでも今回はとりわけストレートにかわいらしい曲が来ました。もちろん歌ったら難しいところもあるんですけど、まずはストレートにかわいい曲でよかったっていうのが第一印象で。
──たしかにキュートな仕上がりで、また今回もタイトルや歌詞にハートマークがたっぷりついていて。
堀江 実は、最初にいただいた歌詞では全ワードの後ろに「♡」が入っていたんですよ。さすがに私と担当ディレクターさんとで「これ全部は多くないですか?」となって、清さんに「ちょっと多いです」ってお戻ししたんです。そうしたら今度は「♡」が全部消えてしまったので、「もしかして怒っちゃったかしら?」って思って、「ちょっとだったら♡、あってもいいですよ」ってまたお戻しして……という「♡」のラリーみたいなものがあって(笑)、最終的にこのかたちになりました。
──さすがです(笑)。さて、続く6曲目は「Dance Meets Girls」。こちらは堀江さんのライブでのダンサーに向けた楽曲だそうで。
堀江 このシリーズの”文学少女倶楽部”というライブで”踊りっ娘倶楽部”というダンサーさんが4人いるんですけど、その踊りっ娘倶楽部の曲を1曲作りたいなと思って。普段の自分だったらもうあんまり歌わないタイプの曲なんですけど、この曲を聴いたときに踊りっ娘倶楽部が踊っている姿が浮かんでしまって。なので歌詞的にも曲的にも、普段あんまり歌わないような曲だったんですけど、今回歌わせていただきました。
──たしかにボーカルのアプローチもライブをイメージさせるようで、また途中のラップも新鮮ですね。
堀江 ラップというほどのものではないんですけど、やっぱり普段やらなすぎてめちゃくちゃ恥ずかしくて。そこは私が歌っているというよりは、踊りっ娘倶楽部が言っているみたいなイメージで歌わせていただいて、恥ずかしさを乗り越えました(笑)。
──続いては「秘密の庭のふたり」ですね。先行リリースされた曲ですが、このアルバムのこの位置に組み込まれるとまた違った聴こえ方がするというか、以降のまた落ち着いた展開に向けてのブリッジにもなっているような。
堀江 そうですね。シングル曲でTVアニメ(『最近雇ったメイドが怪しい』)のED主題歌だったこともあって、改めて聴くと自分が想像していたよりだいぶ華やかだったんですよね。キラキラしていて、思ったよりテンポも速くて。恋愛を見守る、恋愛好きの女の子のイメージの楽曲だったから印象としてはほのぼのしていたんですけど、曲としては結構強くて。最初はアルバムでの置きどころも迷った楽曲だったんです。
──なるほど。
堀江 だけど、たしかにこの先の展開を変える役割をしてくれているので、逆に言うとここしか置きどころがない曲だった気がします。それぐらい華やかな曲だったなと。
──そんな「秘密の庭のふたり」からアルバムも終盤に、時間帯も夜になっていくような展開になります。そのなかで8曲目の「Starry night」がまた美しい仕上がりで。
堀江 今までも、「スピカ」とか「星空に願いを」、あと「ほしぞらとパジャマ」とか、星をテーマにした楽曲は結構あったんです。なので、そのまま作るとこれまでと似た感じになっちゃうかも、というので迷ったんですけど、今回のコンセプトに「夜」や「夜明け」というものがあったので、歌わせていただくことにしました。
──たしかに、ここで描かれる夜の風景というのがアルバム終盤とシンクロしていて。
堀江 そうなんですよね。壮大で星空っぽい感じがあってもいいかなって。
──続いての「遠雷」は、シンフォニックで疾走感のある仕上がりですね。
堀江 楽曲が出来たのはアルバム制作でも後半のほうですね。この曲はキングレコードの偉い人、三嶋(章夫)さんにプロデュースをお願いした曲です。自分だけが選曲をしていると自分の好きな系統ばかりで似通ってきちゃうので、三嶋さんには毎回1曲くらいずつお願いしているんですね。そうしてこの曲が出来上がってきて、歌詞はどうしようかなと思ったときに、あさのますみさんにも歌詞を毎回お願いしていたので、スケジュールもあまりないなかだったんですけども引き受けていただいて。
──あさのさんとは歌詞についてはどんなやりとりをされたんですか?
堀江 曲のイメージについては直接連絡を取り合いました。楽曲自体は壮大なんですけど、壮大な曲に、例えば「世界を救う」みたいな歌詞が付くと、『文学少女』という日常の世界から別世界に行っちゃうかもという懸念があったので、あくまでも「日常生活のなかでの戦い」を描いていただけたらいいなと。
──あくまで『文学少女』のなかでの世界観にしようと。
堀江 そうして、色んな意味に捉えられる歌詞に仕上げてもらいました。あさのさんのイメージには「ちょっと無理めな学校を受験する友達と、それを応援して見守ってる女の子のやりとり」がベースにあって。そういう戦いにも捉えられるし、受験というと夏休みも重要な時期じゃないですか。
──なるほど、それが「遠雷」になるわけですね。
堀江 そうなんです。たしかに受験って学生さんからしたらメンタルの戦いだよなあ、とも思いますし。
──そういったテーマだからこそ、壮大な楽曲でもアルバムの温度感を保った堀江さんのボーカルが聴ける曲になりましたよね。
堀江 テーマが身近になってくれたおかげで私も歌いやすくなって。レコーディングのディレクションを担当してくださった方も、「堀江さんの落ち着いたテンション感でも、ちゃんとこの曲に合うと思います」と言ってくださって、安心して録れました。
──そして10曲目、アルバムもクライマックスとなる「夜明けのバス停」ですね。アルバムのサブタイトルにもなっているこの楽曲で見える風景が、まさに本作で提示したかったものなのかなと。
堀江 この曲も序盤から選ばれていた曲で、「水色と8月」とこの曲をアルバムの象徴にさせたいなと思っていたんです。
──なるほど。
堀江 最初のデモは森の妖精みたいな感じの、もうちょっとふわっとした楽曲だったんですけど、そこを現代寄りにしてもらって。歌詞も、夜明けまで頑張って文化祭の準備をしてた子たちの、朝になって「やりきったよ」みたいな高揚感とか、その景色に繋がるといいなと思いながら作らせていただいた楽曲です。タイトルはなかなか決まらなかったんですけど、この歌の1行目の”夜明けのバス停でベンチに座る。”という歌詞から「夜明けのバス停」というタイトルが候補に上がって、さらにそれを曲のタイトルから、アルバムのサブタイトルにも使わせていただいたという流れになっています。
──そうした風景のなかで堀江さんのボーカルも、空間的ではあるけど幻想的にはならない、どこか地に足のついた実在感がある素晴らしい仕上がりだなと。
堀江 嬉しい、ありがとうございます。ミックスのときに、ふわっとしていたものにもうちょっと芯を持たせたり、コーラスもちょっと削ったり調整をして、最終的に夜明けの不思議さ、楽曲の良さを残しつつも、ちょっと現代寄りに微調整したんですよね。
──そうした『文学少女』が見せる素朴でありつつ感動的な風景のあと、最後に「Good morning」というシンプルな小曲で締め括るのもまた素敵だなと。
堀江 いいですよね。「夜明け」からの「Good morning」で、「おっ、繋がった」という。これまでもアルバムの最初か最後に短めの曲を入れるというのはやってきたので、今回も何か入れようと思いつつ、なかなか決まらなかったんですけど。一番最後に決まったこの曲を聴いたときに、エンディング感もあって、夜明けのあとの爽やかな朝、ちょっと未来に向かうみたいなイメージも含めて、この感じがいいなと思って締めの曲に決めました。
──この曲があることで、『文学少女』という世界観と、また聴いている人たちの生活にもリンクするような聴こえ方もするというか。
堀江 ありがとうございます。私も気に入っています。
──そんな素晴らしいアルバムをリリースしたあとは、年末から年始にかけてのツアーが予定されています。今回もまた、過去に行われた『文学少女』を伴うライブ”文学少女倶楽部”を踏襲するかたちになりそうですか?
堀江 そうですね。まだセットリストとかは何にも決めていないんですけど、せっかくなので”文学少女倶楽部Ⅲ”としてやりたいな、こういう感じにしたいなというのはうっすらあります。あと、2年前の”文学少女倶楽部Ⅱ”がコロナ禍でのライブだったのもあって、あのときはお客さんにもペンライトを駆使してもらったりしたんですけど、きっと次は生の歓声が聴けると思うので、それも含めて久しぶりにライブ感があるものになるんじゃないかと、今から楽しみにしています。
●リリース情報
堀江由衣
『文学少女の歌集Ⅲ-文学少女と夜明けのバス停-』
2024年7月3日発売
【初回限定盤】

品番:KICS-94157
価格:¥4,070(税込)
特典:外箱・別冊写真集
【通常盤】

品番:KICS-4157
価格:¥3,520(税込)
【収録内容】
1.夏は短し、恋せよ乙女
作詞・作曲・編曲:西川サスケ(もの憂げ)
2. Love me Wonder
作詞・作曲:ヨシダタクミ(saji) 編曲:ヨシダタクミ(saji)&中島生也
3. 水色と8月
作詞:清浦夏実 作曲:ひろせP(YCM)・大石捷人(YCM) 編曲:中村純一・ひろせP(YCM)
4. まじめにムリ、すきっ
作詞・作曲:Misty mint 編曲:伊藤立・Misty mint
5. 名前を呼んでくれたなら…?
作詞・作曲・編曲:清 竜人
6. Dance Meets Girls
作詞・作曲・編曲:中野領太
7. 秘密の庭のふたり(TVアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』エンディング主題歌)
作詞:松原さらり 作曲:キクイケタロウ 編曲:南田健吾(agehasprings Party)
8. Starry night
作詞・作曲・編曲:橋口祐介
9. 遠雷
作詞:あさのますみ 作曲:丸山真由子(Blue Bird’s Nest) 編曲:清水武仁,渡辺徹(Blue Bird’s Nest)
10. 夜明けのバス停
作詞:澤田 空海理 作曲・編曲:古橋勇紀
11. Good morning
作詞:万登香 作曲・編曲:宮澤樹生
●イベント&ライブ情報
堀江由衣アルバム「文学少女の歌集Ⅲ」発売記念ポスターお渡し会
【東京】2024年9月7日(土)
11:30スタート(10:45開場)<アニメイト・ゲーマーズ回>
14:30スタート(13:50開場)<アニメイト回①>
17:30スタート(16:50開場)<アニメイト回②>
場所:animate hall BLACK(アニメイト池袋本店9F)
【大阪】2024年9月8日(日)
13:30スタート(12:45開場)
16:30スタート(15:45開場)
場所:アニメイト大阪日本橋5Fイベントホール
応募締切:2024年7月15日(月・祝)
アニメイトHP:https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=111124
ゲーマーズHP:https://www.gamers.co.jp/contents/event_fair/detail.php?id=4984
ライブツアー「堀江由衣 LIVE TOUR 2024-2025 文学少女倶楽部III」開催決定!
【大阪】2024年12月28日(土)、29日(日) NHK大阪ホール
【東京】2025年1月4日(土)、5日(日) 大宮ソニックシティ 大ホール
堀江由衣アーティスト公式ホームページ
https://horie-yui.com/
堀江由衣オフィシャルファンクラブ「黒ネコ同盟」
https://www.kuroneko-union.com/
堀江由衣スタッフ公式X
https://x.com/horieyui_staff
黒ネコ同盟(堀江由衣&スタッフ)X
https://x.com/kuronekounion
堀江由衣公式Instagram
https://www.instagram.com/yuihorie_official
SHARE