INTERVIEW
2023.10.21
ミュージックレイン発の、新たな音楽マネジメントチーム「MiCLOVER」が始動!2024年1月7日には初のライブイベント“LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024”の開催も決定している。この連載ではMiCLOVERのアーティストたちが続々と登場し、音楽プロデューサー兼音楽評論家の冨田明宏がその魅力に迫っていく。連載第1回はメンバーの中でも一番の先輩であるCHiCOが登場。長らくCHiCO with HoneyWorksとして活動していた彼女は、今年ソロとしてデビューして新たな境地を切り開いている。10年に及ぶ活動の歩みやソロアーティストとしての進化、そして“MiCLOVER FES.”への想いを聞いた。
INTERVIEW BY 冨田明宏
TEXT BY 金子光晴
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
冨田明宏 ちょうど10年前の夏、「ウタカツ!」のオーディションでグランプリを受賞されて、翌年にデビューでしたよね。どうでしたか、この10年間は?
CHiCO 全体を通して、常に何かが動いている10年間でしたね。コロナ禍で一時的にお休みが発生したことはあったんですけど、その間も「THE FIRST TAKE」があったり、オンラインライブがあったり、初の配信があったりして、「今年はまったりした年だったね」という時期はなかった気がします。
冨田 CHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)のときもライブの本数、ツアーの本数はミュージックレインでも桁違いだったと思うんですよ。
CHiCO デビューから4年までは年間10本とか。「夏と言えばライブの季節」という感じで目まぐるしく動いていましたね。
冨田 体感としてはあっという間でしたか?それともすごく長く感じましたか?
CHiCO あっという間ですね。しかもコロナ禍に入ってからはもっと早かったです。6周年のときもツアーは回るはずだったんですが、公演が中止になってしまい……1公演だけライブビューイングでやりましたけど、ライブができなかった期間がぽっかり空いて、会えない寂しさもあったけれど、数年ぶりの夏休みを満喫している自分もいました。そんなこともありながらついこの間5周年を祝ってもらったと思ったら、もう9周年という感じですね。
冨田 もちろん、作品との出会いがあって、『アオハライド』から始まって『まじっく快斗1412』、『銀魂』もあって、『ハイキュー!! TO THE TOP』に『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』、そして『彼女、お借りします』などありました。音楽制作もあり、間を縫ってツアーもあるので、本当に休みなく動いてる印象です。
CHiCO 本当にずっと動いていましたね。逆に、コロナ禍じゃなかったらまったりしてたのかもしれない。例えば、コロナ禍で発信できないタイミングだからこそ、「THE FIRST TAKE」が盛り上がって、そこからオンラインライブという流れがあったので。
冨田 コロナ禍だからこそ様々な工夫をして発信していったことが、結果としてこのような活動の流れになったわけですね。「THE FIRST TAKE」ではお顔を出したのも話題になって、とてつもない反響がありましたね。
CHiCO そうですね。改めて海外にも届いているのが実感できました。
冨田 コメント欄、様々な言語で書き込みがすごいことになってましたよね。
CHiCO OMG、OMGっていうのが今でも印象的で、「こんなにオーマイガッって言われるんだ!」って(笑)。「THE FIRST TAKE」をきっかけに以前よりSNS、YouTubeも含めて海外からも観てくださる方がどっと増えましたね。でも、「THE FIRST TAKE」で一番面白かったのが、YouTubeって一番再生されたところがキラキラするじゃないですか?その部分は私の顔がどアップのところかと思いきや、(ピアノの)宇都圭輝さんのソロのところで、圭輝さんに全部持っていかれてるんです(笑)。
冨田 ライブでしかお顔を出してなかったのが、今はアーティスト写真やMVでもお顔が出ているという状況の変化も大きかったと思うんですが、そこはいかがですか?
CHiCO ソロのCHiCOだからできるようになったことがたくさんあって、自分自身を公開して何かを発信するというのは、実は自分が歌手になるにあたってやってみたかったことの1つだったんです。チコハニのときも自分のネイルをSNSに投稿してみたり、発信はしていたんですけど、ソロが始動してからライブの衣装やメイクをCHiCOの味として発信できるのがすごく楽しいですね。
冨田 やはり活動の中で一番大きな転換点は今年ソロになられたことだと思うんですが、CHiCOさんの中で一回リセットする、という感覚はあったんですか?
CHiCO リセットというか、チコハニでは見えなかったものが見えるようになった感覚ですね。チコハニではどちらかというと自分から新しい何かを発信するというよりは、CHiCO with HoneyWorksというビジュアルとか世界観を歌でどう表現するか、という部分に重きを置いていたんです。いざソロになったら自分のビジュアルを含め、楽曲の世界観とか方向性とか、歌い方もソロだからできる歌い方もあるし、考えなきゃいけないところがすごく増えました。でも、何が正解かわからないからこそ、色々とスタッフさんとコミュニケーションをとりながら悩んでいる時間もすごく楽しいですね。
冨田 もうすぐメジャーデビュー10周年を迎えるタイミングで、もう一度デビュー1年目のような悩みを今改めて考えるときが来ているというか。ひょっとしたら贅沢といえば贅沢かもしれないですね。
CHiCO そうですね。私はほかのソロアーティストの方と比べてそういったところを考えるという点で歩みが少し遅いけれど、そのぶん違うところで培ってきたものは誰よりも多いから、素材は揃っていると思うんです。でも、素材はあっても料理の仕方は知らないから、そこはどう料理すればいいのかスタッフと話し合っています。「強くてニューゲーム」みたいな感じはありますね。
冨田 正直な話、あれだけ賑やかなメンバーと一緒に長く活動してきたので、少し寂しさみたいなものを感じたりはしますか?
CHiCO ライブではMCをメンバーに助けてもらえなくなってしまうので、、そこは私で世界観を作って完結していかなければいけない不安はありますけど、逆にソロで広々した空間をどうやって使おうかな、みたいな気持ちはあります。“MiCLOVER FES.”で実際にステージに立って「あ、寂しいんだ」って感じるかもしれないけれど(笑)、今はイメージを膨らませている段階なので、楽しさ、ワクワクが勝っていますね。
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