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INTERVIEW

2023.03.06

【連載】テクノロイド 徹底解剖! ~MUSIC LABO~ 第8回目:TVアニメ『テクノロイド オーバーマインド』RUCCA×菊田大介 対談

【連載】テクノロイド 徹底解剖! ~MUSIC LABO~ 第8回目:TVアニメ『テクノロイド オーバーマインド』RUCCA×菊田大介 対談

ここからの『テクノロイド オーバーマインド』

——そんなアニメは後半に入ってきて、怒涛の展開になってきました。

RUCCA 最初は和気あいあいとしていたけれど、急に「こんなに深い話だったの⁉」って思ってしまうようなドラマってありますが、その感覚に近いかもしれないですね。軽い気持ちで見ていたのに、実はすごく面白いかもってなるというか。テクノロイドもそういった感覚を狙っていて、第7話でのバイオレンスなシーンはその流れでもあります。正直「うわ!」と目を覆いたくもなるけれど、そこにはKNoCCにとって、すごく意味のある「怒り」の感情を学ぶ、というストーリーがあったので。

菊田 うんうん。

RUCCA 暴力を振るわれたとして、1話のときのコバルトたちには「怒り」という感情が芽生える素地はなかったと思うんですね。色んな感情の外郭が埋まってきて、まだ何か足りないというときに「怒り」のピースがハマったのがあのタイミングだった。アンドロイドにこんなことが起きるはずはないのに、とボーラも驚くんですよね。でもカイトはもっと驚く。なんで心がないはずのアンドロイドが怒りを感じているのかって。

菊田 毎話、毎話、感情を学んでいく、という構成ではあって、彼らがまだ子供であるという認識で考えると、感情を得る、捉える現象は原始的な手法が多いよね。5話で、猫のノラが亡くなるときもそうだけど。悲しいということを最初に感じるのはきっとああいった場面だと思うんだよね。飼っていた猫が死んでしまったとか、学校で飼育していた動物が亡くなったとか。大人になると様々な形での悲しみがあるんだけど、今回の怒りもすごくシンプルですよね。これこそが本当の喜怒哀楽だなって思うんです。

RUCCA たしかにすごく直球だよね。

菊田 考え方や表現がシンプルで、原始的。だから大人が見ると「わぁ」ってなってしまう。

RUCCA 本来そういったものを持っていたけれど、今は持っていないなっていう感覚ってあるよね。

菊田 だから7話の激しいシーンも、すごく子供的な感覚の表現なんだろうなって思います。子供の世界ではケンカもあるからそれほどでもないかもしれないけど、大人になると暴力は野蛮なことという刷り込みもあるから、そういう意味で刺さるんだよね。

RUCCA ちょっとドキっとするよね。例えばボーラにとってKNoCCはイレギュラーな存在なんですよね。本来アンドロイドはこうあるべき、という気持ちが強い。規範から外れたものに対して、それは整えなくてはいけないとルールに従って動いていると思うので。でもKNoCCはイレギュラーの塊。

菊田 ボーラは一般的な正論をズバズバ言う。彼は視聴者の「大人視点」なんですよね。子供(KNoCC)がやっていることが理解できない。イレギュラーなことばかりやったり、常識的にはそうじゃないだろうという感覚でKNoCCを見ているところが大人の視点だなと感じるし。

RUCCA たしかに。生産性のないことを嫌う、というのはロボット的だし、効率的なものを求めている。1つ、大人の象徴的な存在でもありますよね。

菊田 そこが面白いです。

——『テクノロイド』、現在のアニメ『オーバーマインド』、そしてアプリゲームの『ユニゾンハート』の間にある10年という時間。そこでのエソラが作曲家として始まっていく様子を見られることも本コンテンツの魅力だと思いますが、実際に楽曲を作っている菊田さんはどのような想いがありますか?

菊田 僕らも気づかされることが多いなと感じます。深い話が多いですし、KNoCCの4人が知っていくkokoro、感情に紐づいてエソラの楽曲もだんだん色々なことが出来るようになっていきますし。

RUCCA 歌詞の目線でいくと、エソラが曲と歌詞もセットにして書いている設定で、感情を学んだあとに歌うんですよね。アニメの中でも印象的な、瞳の奥が光って、ロボットとしてはミスマッチな(ドックンという)心音が鳴る描写はkokoroシステムが起動したということなのですが、その経験をもって「この感情を知ったのだから、こういうフレーズが歌えるだろう」というエソラ目線での歌詞なんです。エソラも子供ではありますが、こういうことをコバルトたちに学んでほしいという願望が織り込まれているんじゃないかな、と思いながら歌詞を書いています。

菊田 エソラは少年だけど大学生だしね。頭が良いし、少年とは思えない包容力を持っているんだよね。

RUCCA しかも優しすぎるよね。年齢からしても、だいぶ大人な部分があると思う。

菊田 すごいなって思っちゃう。

RUCCA みんなの面倒をみていますしね。

菊田 自ら手伝っちゃうようなところもあるし。できた子だなぁ。

RUCCA もちろんお父さんが亡くなって寂しかったんだろうっていうのもあるけど。

——でも家族との絆みたいなものは、KNoCCの4人といることでエソラも学んでいますよね。

RUCCA お父さんとはそれを築くことができなかったと序盤で言っていますし、人と一緒に暮らすことの価値を見出すことは成長の一部に入っていますよね。

菊田 第6話で、エソラがネオンの描いた絵を「消さないでください」って言うのは良いよねって思いました。あれは人間じゃないとだめだし、エソラじゃないとダメだなって思うかわいらしさだったよね。

RUCCA 許しちゃうよね。

菊田 言われたおじさんも「なんとかするよ」って言っちゃう。そういう不思議な力があるのもエソラですね。

——ここからストーリーの展開が速くなっていきます。ここからの物語について予告をしていただきたいです。

RUCCA 第7話くらいから急にギアが入っていきます。

菊田 そうですね。7話はポイントです。

RUCCA きっとまだまだ先が読めないと思います。

菊田 STAND-ALONEのライブも見られますしね。

RUCCA やっとね。お客さん目線で言うと、ようやく続きが聴けた!というところだったと思います。

菊田 王者感もすごくあったし。

RUCCA 『テクノロイド』の面白さというか、1つの定石があって。すごく良い話だったなってまとまるけれど、最後のシーンはいつも不穏なものが見えるんですよね。またなにか裏で動いているのか……と思わせる。それがこの物語の特徴かなと思います。

菊田 毎回「ああ、良い終わり方」という起承転結の結の部分があるんだけど、やっぱり最後は不穏で。

RUCCA 今までは、ほんわかしていた本編+最後の匂わせ、という形でしたが、7話からそのセオリーは崩されていきますね。

——音楽的にはどんなことを楽しみにしてもらいたいですか?

菊田 彼らの成長に合わせた楽曲が出てきますし、結局はそこを描いているので、最後に向けてどんどんエモーショナルになっていきます。より人間的に、曲の作り方やアレンジについてもそのイメージを持って臨みました。

RUCCA 第7話で怒りをモチーフにしていましたが、第8話ではロボットと一緒に音楽を奏でるという、音楽そのものってそもそも楽しいものだし、ロボットも歌えば感情が芽生えるんじゃないかって部分に落とし込んでいます。kokoroが育ったことで歌の表現が広がっていくからこそ、歌える楽曲が出てくるので期待してもらいたいです。

——今後、楽しみにしてもらいたいことを教えてください。

RUCCA アニメで描かれるように、ゲームの時間軸の10年前も事件だらけだったのですが、ゲームの世界線でも色々な伏線を回収していきます。ただ、アニメとゲームの両方を見ても「まだわかってない謎があるじゃん」って要素もあるので、アニメ終了後も考察を楽しんでもらいたいです。最初は声優さんの存在があって『テクノロイド』に入ってきた方も多いと思いますが、どんな入口でもストーリーを気に入ってもらいたいですし、そのうえで裏切らないストーリー展開になっています。

——本日はお二人のスペースの出張版でもありますので、今後のスペースの活用方法を教えてください。

菊田 見方はそれぞれあると思いますし、スペースは毎回アーカイブも残していますから、それぞれのタイミングで楽しんでもらいたいです。まずはなんの知識もなくアニメを見て、それからスペースを聞いていただいて、なにかわからないことや知りたいことがあれば質問を送ってください。とにかく一緒にアニメを楽しむ、という感覚で気軽に楽しんでもらいたいです。

RUCCA 使い勝手よく気軽に聞いてもらえることが一番です。ハッシュタグもありますので、質問も好きなタイミングで投げてもらえると、拾えるものは僕らもお答えします。僕たちの狙いとしては、まずは初見でアニメを楽しんで、それからスペースで解説を聞いて「あれってこういうことだったのかな」とか発見があったうえでまた配信で見てもらうのが一番だと思うので、まずは純粋に楽しんでもらいたいです。自由に、物語を楽しむヒントやツールとして使ってください。

菊田 アーカイブでは30分くらい飛ばしてもらえれば、そこから解説に入りますから。

RUCCA 解説でもあるし、雑談でもありますが(笑)。毎回の放送が約1時間で、そのうちの半分はアニメを一緒に見る副音声的な実況で、裏話はそのあとの30分です。1時間聞くのはカロリーが高いという人は、後半30分だけでも大歓迎です。

菊田 気軽に、人それぞれに楽しんでくださいね。


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●作品情報
TVアニメ『テクノロイド オーバーマインド』
2023年1月よりテレビ東京ほかにて放送開始

【スタッフ】
原案:上松範康×RUCCA×Elements Garden
原作:芝浦アンドロイド研究室
監督:イムガヒ
スーパーバイザー:吉村 愛
シリーズ構成:関根アユミ
キャラクター原案:LAM
キャラクターデザイン:﨑口さおり
音楽:Elements Garden×RUCCA
音響監督:長崎行男
タイトル&ロゴ制作:雷雷公社
CG制作:LOGIC&MAGIC
アニメーション制作:動画工房

【キャスト】
KNoCC (ノックス)
– コバルト CV:浦和希
– クロム  CV:渋谷慧
– ケイ   CV:峯田大夢
– ネオン  CV:kayto

STAND-ALONE(スタンドアローン)
– カイト CV:古川慎
– ライト CV:萩谷慧悟
– ナイト CV:梶原岳人

芝浦エソラ:田村睦心
エリザ:瀬戸麻沙美
デンタ:堀江 瞬
ボーラ:濱野大輝
ノーベル:野島健児
芝浦白秋:桐本拓哉

【ストーリー】
たとえそれがプログラムでも、
確かに感じる、
人(きみ)と同じ胸の疼き――。

異常気象による急激な気温上昇の影響で、地上の大部分が水没してしまった未来。
世界はWorld Government《世界統治機構》によって管理され、気温上昇により過酷になった労働をロボットやアンドロイドに担わせることが推奨されていた。

太陽の歓びを失った人々が見出した新たな希望……それは様々な娯楽が集約された世界最大級の遊技場、エンターテインメントタワー『バベル』。
中でも歌とダンスで頂点を目指すクライムステージは世界を熱狂の渦に巻き込んでいた。

そして――ここはある『空き家』。
人々から忘れ去れたこの場所には、持ち主のいないアンドロイド・コバルト、クロム、ケイ、ネオンの4人が暮らしていた。
何のために作られたのか、なぜここにいるのかも分からないまま、同じ毎日を繰り返す4人…。
―そんな彼らと、1人の『少年』の偶然の『出会い』。
それは後に、人も、アンドロイドも、世界をも動かす運命の始まりだった。

「大丈夫。きっとまた会えるよ。たとえどんな困難がおとずれたとしても
――運命を、手に入れるために」

胸に込み上げた名も知らぬプログラムを頼りに、
王者<STAND-ALONE>が君臨するバベルの頂点を目指す4人。
彼らはどうして生まれたのか? 彼らの胸に込み上げたものとは?
熾烈なエンターテイメントバトルの裏で、世界の秘密が今、明かされようとしている――。

©芝浦アンドロイド研究室/TECHNO-OM Project

●ゲーム情報
スマホゲーム『テクノロイド ユニゾンハート』

App Store
https://apps.apple.com/jp/app/id1599225996
Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.cyberagent.technoroiduh

【スタッフ】
原案:上松範康×RUCCA×Elements Garden
原作:芝浦アンドロイド研究室
監督:イムガヒ
スーパーバイザー:吉村 愛
シリーズ構成:関根アユミ
キャラクター原案:LAM
キャラクターデザイン:﨑口さおり
音楽:Elements Garden×RUCCA
音響監督:長崎行男
タイトル&ロゴ制作:雷雷公社
CG制作:LOGIC&MAGIC
ゲーム開発・運営:ワンダープラネット
ゲームシナリオ:九岡望

【キャスト】
KNoCC (ノックス)
– コバルト CV:浦和希
– クロム  CV:渋谷慧
– ケイ   CV:峯田大夢
– ネオン  CV:kayto

STAND-ALONE(スタンドアローン)
– カイト CV:古川慎
– ライト CV:萩谷慧悟
– ナイト CV:梶原岳人

メカニカメタリカ
– シルバ CV:榎木淳弥
– アウル CV:大塚剛央
– ラナ CV:杉林晟人
– ジン CV:仲村宗悟

フランキー♡ノット
– フラン CV:小林大紀
– ハイド CV:重松千晴
– リム CV:草野太一

D.M.A.
– ボーラ CV:濱野大輝
– キオ CV:塩口量平
– ロージー CV:小林竜之

機関紳士(からくりしんし)
– ノーベル CV:野島健児
– ルゥマ CV:土岐隼一
– アインザッツ CV:熊谷健太郎

【ストーリー】
異常気象による急激な気温上昇の影響で、地上の大部分が水没してしまった未来。

世界は World Government《世界統治機構》によって管理され、『人間』と、機械に感情を芽生させる『kokoro プログラム』を搭載した『アンドロイド』の共存する社会が築かれていた。

そして――ここはエンターテイメントタワー『バベル』。
ロボット工学の世界的権威・芝浦エソラの一番弟子である『あなた』は、なぜか機能停止したまま放置されていた4体のアンドロイドと出会う。

何のために作られたのか、なぜ眠らされているのかも分からないまま静かに時を止めている4体……。

――そんな彼らを『あなた』は偶然にも目覚めさせてしまう。
「わから、ない……」
「オレたちは……バベルに……!」

彼らの『バベル』への挑戦、そして『あなた』との出逢いが、運命を大きく動かしていく。

「音楽は人間の心だけでなく、アンドロイドの kokoro も動かすのか。――更には両者の運命さえも」

関連リンク

『テクノロイド」公式サイト
https://techno-roid.com/

アニメ公式サイト
https://techno-roid.com/anime

ゲーム公式サイト
https://techno-roid.com/game

プロジェクトTwitter
https://twitter.com/TECHNOROID_info

ゲームTwitter
https://twitter.com/technoroid_game

『テクノロイド』公式サポーターズクラブ「TECH-LOVE」
https://www.tech-love.jp/

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