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INTERVIEW

2023.03.06

【連載】テクノロイド 徹底解剖! ~MUSIC LABO~ 第8回目:TVアニメ『テクノロイド オーバーマインド』RUCCA×菊田大介 対談

【連載】テクノロイド 徹底解剖! ~MUSIC LABO~ 第8回目:TVアニメ『テクノロイド オーバーマインド』RUCCA×菊田大介 対談

上松範康×RUCCA×Elements Gardenが贈る、新世代メディアミックスプロジェクト『テクノロイド』。上松といえば、大人気コンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズや『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ、最近では『ヴィジュアルプリズン』の生みの親でもある気鋭のクリエイター。そしてKAT-TUNや嵐、King&Princeの楽曲をはじめ、下野 紘や蒼井翔太らの曲の作詞でも知られるRUCCA、さらに上松率いるElements Gardenとでタッグを組んで生み出した新たなコンテンツは、切なくも美しい、アンドロイドたちの物語を描くものに。近未来サウンドともいえる楽曲にアンドロイドたちの歌が重なり、心惹かれるユーザー続出中の『テクノロイド』は、現在『テクノロイド オーバーマインド』として絶賛放送中。

このコンテンツの魅力を届ける連載第8回目は、アニメ放送後にTwitterのスペースで副音声+裏話を披露中のRUCCAとElements Garden・菊田大介による「出張 #テクマイ副音声」!

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

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【連載】テクノロイド 徹底解剖! ~MUSIC LABO~

第1話放送では緊張したというRUCCAと菊田大介。その理由は……。

——現在、アニメ『テクノロイド オーバーマインド』の放送直後にアニメ制作側から見た番組の感想や制作秘話を、Twitter上のスペースで配信されているRUCCAさんと菊田さんですが、まずはアニメ放送が進んできた現在のご心境をお聞かせください。

RUCCA 放送が始まる前は、何とも形容しがたい緊張感がすごかったんです。放送されることはわかっているものの、主題歌や挿入歌の作詞のみを担当した作品が放送されるのとは全然心境が違っていました。放送が終わって少し経ったときに、Elements Gardenさんとも「クリエイターだからできる、アクションを考えよう」という話になり、スペースをやることになったのですが、それにはすごく意味があったなと思います。『テクノロイド』を知ってくれる人を増やしたいということもありますし、スペースの副音声的なトークを聴いてもう一度配信で見ようと思ってくれる人も増えるかな、という気持ちもありました。とはいえ例えばストーリーの中でその先に繋がる伏線になっているようなことも色々とあるので、副音声の中でそういったデリケートなことに対してどう触れるかについて、よく(イムガヒ監督や菊田くんとも)話しています。

RUCCA

RUCCA

菊田大介 僕もゲーム(『テクノロイド ユニゾンハート』)の頃から、音楽のプロデュース的なところを中心にがっつりと楽曲を作ってきていますし、RUCCAくんと同様で、音楽を根幹から大きな意味でまとめているところがあるので、放送前から皆さんの反応がとても気になっていました。自分的にもこういった関わり方の作品は今までなかったので、ドキドキするというか、緊張感がありましたね。副音声についていうと、実況ツイートは割と役者さんがやっているイメージがあるんですよね。だとすれば、同じようにツイートで実況するよりも、僕らが別のアプローチでファンの皆さんに楽しんでもらったり、訴求するものがあれば楽しいかもと思ってスペースをやりたかったんです。昨今、コンテンツ提供側の方がスペースをやって裏話をすることもありますし、自分がファンだったらそれって楽しいだろうなと思って。自分たちにできることは何かと考えたときに、サブスクでアニメを再生してもらうことにも繋がりますし、役者さんではやりにくいことでも、僕らならやれそうだということで始めてみました。

■#テクマイ 1話を見ながら振り返り
https://twitter.com/i/spaces/1mrGmkbbLbMxy

——アニメになってようやくバベルでのライブの様子もわかるようにもなりましたし、音楽もよりリアルに届くようになりましたね。

菊田 こうなっていたのか!ってね。

RUCCA 最初の試写会のときに、彼らが動いていることをお客さんもすごく喜んでくださったみたいですね。

菊田 ライブシーンがこれまではなかったから、単純にどうやってパフォーマンスしているんだろうっていうことが伝わったのは大きいですね。もちろんゲームをしながらも、CDを聴きながらも「ライブをやっているんだ」ということはわかっていたけれど、こんな感じなのかって。3Dで動いているのを見られて僕らも感動しました。

菊田大介

菊田大介

——スペースの放送でもお二人の新鮮な感動や取って出しの感想も織り交ぜられていますよね。

RUCCA 特に最初の方は、アニメが放送された感慨深さが出ていたと思います。

菊田 自分たちが作った曲をダンスと共にパフォーマンスしているのを見られることはあまりないですし、さらっと表現されているけれどそこでの表現技術はすごいものがありますから。感動しますよね。

RUCCA 普通に作詞をオーダーされるのとは、また違いますよね。あとはわかりやすいところで「kokoroの成長」を謳っているじゃないですか。エソラくんが初めて作曲をする話もありますが、そこはエレガチームともだんだん成熟していく感じを出そうと話していましたし、歌録りにも反映していったところはあります。

菊田 成長物語としての部分はかなり色濃く描いていますね。彼らがアニメの中で成長していくという表現+音楽もそれに合わせられるような作り方をしているところはあります。エソラくんが曲を作るようになったけれど、初期は難しすぎない曲になっていますよね。決して手を抜いているということではなく、初めて作った感をあえて出す作り方をしています。初めて音楽を作った人は複雑な構成の曲は作れないでしょうし。

RUCCA それもあって第3話の「願いのチカラ」はストレートな楽曲でしたよね。

菊田 お話に合わせて作るっていうのはもちろんあるんだけど、そのエソラの成長も楽曲を通じて表現できるように意識をしましたね。

RUCCA KNoCCと一緒にエソラも育っていく、というところもありますね。話数が進めば進むほどゲームで明かされていなかった人間関係もだんだんわかってくるんですよね。だから10年後はこうなっていたのか、ということがわかってくると思います。

——まだゲームをされていないアニメの視聴者の皆さんにはぜひアプリゲームの『テクノロイド ユニゾンハート』にも手を伸ばしていただきたいですね。

菊田 そうですね。

RUCCA 多くのお客さんはゲームから入ってくださった方が多いと思います。もちろん、その経緯だからこその楽しみ方も用意されていますが、それぞれの捉え方としては全然違う物語にも見えるというのは、とても面白いと思います。

「#テクマイ副音声」ってどんな番組?

——そのスペースですが、第1回の放送から聞いていると、だんだんお二人が放送に慣れていく様子も伺えました。回を重ねてこられた今、スペースについてはどのように感じていますか?

RUCCA 実はスペースについては、人のものを聞いたこともなかったんですよ。

菊田 自分も何回かやったことがあるくらいだったんだけど、ちゃんとしゃべるのって大変なんだなって思いました。

RUCCA 先ほども少し言いましたが、『テクノロイド』って言っちゃいけないデリケートなことが結構多いんですよね。それにいかに触れないように話すか。しかも始まる時間が時間なので(スペースは毎週水曜日24時27分頃から。ABEMAでのWEB最速放送に合わせている)、呑んで帰ってきてからしゃべっていることが多くて(笑)。あとから思い出して「あれは大丈夫だったかなぁ」ってことがすごく多いんです。

菊田 アーカイブも残しているしね。

RUCCA やっちゃったなってことでいくつか覚えているのが、ソフトクリームを落としたエソラを「5歳くらい」ってスペースで言っちゃったんですが、シリーズ構成の関根アユミさんから「3歳想定ですよ」って教えていただいたことが1つと、エソラが着ている耐熱服(ケープ)は何種類もあって、よく着替えているし第5話と第6話では違うものを着ていたから「まだまだある」ってツイートしちゃったんです。そうしたら、僕が新しいと思っていたデザインは既出で……(笑)。そういうところでたまに墓穴を掘っちゃいます。

菊田 そういうのはあるよね。

RUCCA 本当に設定が細かいもので。最近改めて『テクノロイド』の設定を確認する年表を見直していました。誰が何歳のときに何が起きたか、とか。さすがに全部を把握出来ていなかったり、初期設定から最新のバージョンで刷新されているものを初期の設定のまま覚えていることもあって。そこを踏まえてしゃべるのって結構大変なんです。

——スペースではお互いに違う場所から繋いでお話をされていますが、だからこその面白さはありますか?

菊田 お互いの見解にそれほど相違がないですし、僕はああいうものをやるときにはRUCCAくん頼みの部分が大きいから、話を聞くのも楽しいですよ。

RUCCA 役割がそれぞれにありますしね。音楽の話は主に菊田くん、ストーリーや設定は主に僕が。そういった前提があってやりやすさはありますね。

菊田 俺が視聴者目線で「これってどうなの?」って聞いて、RUCCAくんが答える、みたいなところもありますし。2人でしゃべってしまうとバランスが悪いかなと思って、僕はそういう感じのスタンスでやっています。

RUCCA スタッフが菊田くんについて「聞くのが上手い」って言っていましたよ。

菊田 そういう役割でやっているから、っていう部分もあるかな。

RUCCA だからバランスが取れているって言っていました。

菊田 こうやって中にいるスタッフの目線での話が聞ける機会はなかなかないと思うんだよね。僕らはプロデュースをする立場としても色々な場所で話をする機会もあるから、こうやって実際に放送に乗せて話すこともできるけれど、裏で支えているほかのスタッフの人たちも色んな想いを持っているから、もっとそういった人たちの想いを届けられたらいいなと思っています。

RUCCA ゲストみたいな?

菊田 なかなか難しいけどね?

RUCCA 時間も遅いし、全体の尺として決めている時間もあるしね。

菊田 しゃべるのが得意な人もいれば、そうではない人もいるし。

RUCCA 僕らで答えられない質問があったりしても、個人的に連絡は取れるから翌週までに聞いておくことはできるかもしれない。仕事っぽくない感じで、公式だけど堅苦しさがないというスペースは良い場所かなと思います。

菊田 質問もくるんですよ。結構、真面目に答えたりもしています。

RUCCA ゲームもアニメも知っていて、そのうえで「こういうことを知りたい」と核心を突いてくる質問には困ってしまうことがあります。頭が良い人っているんだなぁって。本当にギクッとするような質問がきたときにはすごく困ります(笑)。

菊田 たまにそれに気づかずに、拾っちゃったこともあった(笑)。

RUCCA それもまたスペースの面白みかもしれないです。打ち合わせはほとんどしていなくて、告知のタイミングを菊田くんにお願いしていて、それを受けて「今回、こういうお話をしよう」と考えることはありますし、「今回はサントラのお話を入れましょう」とテーマが浮かぶときには伝えますが、基本的にはライブ感のままにやっていますから。決めすぎても、つまらなくなってしまうかもしれないですし。あとはほかにもエレガチームから『テクノロイド』の制作に入ってくれているメンバーがいるのですが、2月22日に実施した「#テクマイ 特別編」では岩橋星実(Elements Garden)くんにもゲストにきていただきましたね。

■#テクマイ 特別編🤖 #テクマイ副音声
https://twitter.com/i/spaces/1vAxRAgXVwRJl

RUCCA アニメの振り返りスペース配信もやりたいですね。

菊田 それも良いですね。音楽を中心に振り返りをするのは良い企画だと思っています。ライブシーンの曲で「こういうふうにやっています」という話を落ち着いてできる機会はなかなか少ないからこそ、作りたいなと。

RUCCA せっかくやっているので、良いタイミングで振り返りをして、もっと色んな人に『テクノロイド』に興味を持ってもらいたいですね。

菊田 このスペースは、作品への理解を深める意味もありますから。

ここからの『テクノロイド オーバーマインド』

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