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2023.01.19

ライブBD発売が待ちきれない!「ワルキューレ LIVE 2022 〜Walküre Reborn!〜 at 幕張メッセ」極上ステージを追体験した先行上映会レポート

ライブBD発売が待ちきれない!「ワルキューレ LIVE 2022 〜Walküre Reborn!〜 at 幕張メッセ」極上ステージを追体験した先行上映会レポート

TVアニメ『マクロスΔ』から誕生した戦術音楽ユニット“ワルキューレ”の活躍は、作品内にとどまらず現実世界で行われるライブにおいても力強いパフォーマンスを発揮し、放送開始から6年以上が経過した現在でもなお多くのファンを獲得している。そんなワルキューレの最新ライブを収録した映像作品が「ワルキューレ LIVE 2022 〜Walküre Reborn!〜 at 幕張メッセ」だ。2023年1月25日のBlu-ray&DVD発売に先がけ、1月7日にはライブ本編映像のディレクターズカット版先行上映会が全国の映画館で開催された。TOHOシネマズ 上野では、上映後の舞台挨拶に美雲・ギンヌメールの歌を担当するJUNNAとフレイア・ヴィオン役の鈴木みのりも新年らしく晴れ着で登壇。ライブ当日を振り返っての思いや、5月に開催されるファイナルライブツアーへの意気込みを語ってくれた。

TEXT BY 仲上佳克
PHOTOGRAPHY BY 増田 慶

『Walküre Reborn!』を引っさげ、Yami_Q_rayも現れた最高のライブが蘇る

2021年10月に『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』が公開され、物語が1つの区切りを迎えた『マクロスΔ』。翌年2022年4月9日・10日に開催されたのが、このたび映像化された「ワルキューレ LIVE 2022 ~Walküre Reborn!~」だ。大規模なライブの映像を劇場の大画面で、しかも5.1chの音響で鑑賞できるというのはまたとない機会(5.1ch上映はTOHOシネマズ 上野のみ。Blu-ray&DVDは5.1ch & 2chを搭載)。本稿では、ライブの内容を追体験してのインプレッションを改めて詳細にレポートすることにした。

Blu-ray&DVD『ワルキューレ LIVE 2022 〜Walküre Reborn!〜 at 幕張メッセ』

上映が始まると、まず画面に映し出されたのはバンドメンバーが5本の花道を歩いてセンターステージへと向かう様子。通常のライブ会場とは異なる、幕張メッセの3つの展示ホールをつないだ場内では360度すべての座席に着いたファンに楽しんでもらえるように五角形のセンターステージが設置されていた。会場では自分の席からの眺めしか見ることができなかったが、どの角度からの景色も堪能することができるのがライブ映像作品ならではの楽しみだ。

それだけでなく、ライブの幕開けとなる「Glow in the dark」は闇雲ΔJUNNAがYami_Q_ray(ヤミキューレ)の“闇雲”として歌う姿がセンターステージを覆う巨大な筒状のLEDスクリーンに映し出されていたが、ライブ会場では見ることのできなかったスクリーン内部で熱唱する闇雲ΔJUNNAの姿も映像には収録。その模様とスクリーンに映る画像が代わる代わる映し出される目まぐるしさにいつしか見ているこちらの脳もかき乱されるという、まさに不穏なライブの幕開けが映像で蘇った。

「唇の凍傷」からは、いよいよワルキューレのメンバー5人が勢揃い。五角形のステージの5つの辺に5人がそれぞれ降臨し、立ち位置を移動しながらぐるぐると回るフォーメーションが美しい。続く「つらみ現在進行形」でライブ会場のテンションはブチ上がり、観ているだけですっかり体が熱くなってくる。3rdアルバム『Walküre Reborn!』を引っさげたライブでもあり、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』の物語に沿った構成にもなっていたこのライブ。最初のMCをはさんだ次のブロックからはメンバーそれぞれをフィーチャーした楽曲が続き、さらに会場の温度を上げていく。

美雲ΔJUNNAメインの「無限大DRIVE」では5人がセンターステージから花道へと飛び出し、5つのサブステージへと散っていく。会場が広ければ広いほど、サブステージに分かれると物理的な距離は遠く離れるが、それでも息がぴったりに見えたのはさすがといったところか。再びセンターステージに集合して、カナメΔ安野希世乃がメインで歌うのは昭和歌謡テイストの「キキワケナイ!」。通常のワルキューレ楽曲とはまた趣の違ったシンプルなダンスも、シンプルだからこそより美しさが際立っていた。マキナΔ西田望見とレイナΔ東山奈央は新開発の新型マルチドローン ver.22(=トロッコ)に乗って会場中をぐるりと回る、マキナの“きゃわわ~”な可愛さがたっぷり詰まった「マダマニア」、レイナのホームグラウンドともいうべき電脳空間をイメージさせる「キズナ→スパイラル」と、キャラクターの魅力がふんだんに発揮される楽曲のレパートリーもワルキューレのライブの楽しみの1つだ。

このパートでのトリを飾るのはフレイアΔ鈴木みのり。壮絶な運命を歌った「風は予告なく吹く~Freyja Solo~」、そして切ないラブソング「愛してる」と立て続けに歌って、これまでの会場の空気を一変させていく。いい意味で普段の元気なフレイアのイメージとはギャップのある情感のこもった歌唱は、特に『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』を見た人には心にグッとくるものがあるだろう。そんな感傷に浸っている心に追い打ちをかけるのが、「愛してる」の最後に鈴木が少しだけ見せた笑顔。ここで一気に涙腺が崩壊した人も少なくないはずだ。ここの笑顔の場面での裏話は、後ほどの舞台挨拶で明かされることになる。

バンドメンバーによる「りんごのうた」のインスト演奏を経て、ライブは後半戦に突入。と同時に劇場版の物語も進行し、ワルキューレに対抗するミステリアスなキャラクターとして話題をさらったYami_Q_rayのお出ましだ。Yami_Q_rayに扮した5人はトロッコで登場し、そのまま会場内を縦横無尽に駆け巡る。ワルキューレのときとはまったく違う不敵な笑みを浮かべ、妖艶に振る舞う5人の姿は心なしかいつも以上にノリノリに見えたような気がした。ともあれ、Yami_Q_rayの楽曲にはワルキューレとはまた異なる魅力があり、持ち曲がこのブロックで歌った「Diva in Abyss」「綺麗な花には毒がある」、そしてライブ冒頭で歌った「Glow in the dark」の3曲のみというのが惜しいほど。Yami_Q_rayのライブもいつか機会があればまた見てみたいという、わずかな時間ながらもそんな気持ちにさせてくれる最高のパフォーマンスだった。

センターステージには再びワルキューレが姿を現し、「未来はオンナのためにある」を披露。さらに劇場版本編の映像から続けて「絶対LIVE!!!!!!メドレー」(僕らの戦場〜いけないボーダーライン〜絶対零度θノヴァティック〜God Bless You〜ワルキューレはあきらめない)が始まり、ライブはクライマックスへと突入する。ここからはもう、一瞬たりともスクリーンから目を話すことができなかった。渾身のメドレーで命を燃やしたフレイアが、「ALIVE~祈りの唄~」でついに力尽きてしまう……。「宇宙(そら)のかけら」ではフレイアを失った4人が彼女のもとへ届けるように歌を繋いでいき、そんな4人の目の前に再び現れたフレイアと共に心と歌をひとつにする。ここまで徹底して劇場版の物語とリンクしたライブの演出に、初見ならもちろん、一度ライブを観ている人も胸がギュッと締めつけられたことだろう。ここでの喪失感だけは、何度ライブ映像を繰り返し観ても慣れることができそうにない。

そんな感動のライブ本編を締めくくるのは、劇場版のエンディングテーマとして流れた「ルンに花咲く恋もある」。ここはもうエンディングということで思いきり明るく楽しく弾けまくって、会場全体を巻き込んで笑顔でフィナーレを迎えた。幕張のライブではこの後にアンコールが存在するのだが、ディレクターズカット版の上映はこれにて終了。続きはまた、Blu-ray&DVDで観るのを楽しみに取っておきたい。

次ページ:振袖姿で登場したワルキューレの2人。ラストライブへの意気込みも

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