REPORT
2022.10.15
一瞬の静寂を挟み、荘厳なイントロが流れてきた。これはangelaがJAM Project 20周年記念に提供した「HERE WE GO!」だ。登場した遠藤正明を高らかに紹介するatsukoはセルフカバーの形でデュエットする。お馴染みの男臭さ抜群の太い声が加わり、オープニングを見事なハモリで聴かせ、量感溢れるサウンドでじっくりと伝えていく。遠藤とともに客席に煽りを入れ、キックを繰り出し荒っぽいシャウトを繰り出すatsukoのパフォーマンスは普段とはまた違った一面だ。元々はJAM向けに作られただけあって、拳を振り上げて盛り上がるパートが多数あり、それに応じるかのように2人は体を折って熱唱していった。MCでは自己紹介から息の合ったやり取りを交わし、ぢぇらっ子たちを爆笑させる。この後、披露する「Battle & Message」でのデュエット依頼も、いきなり遠藤のLINEにatsukoが「爆竜戦隊アバレンジャー」のカラオケを歌う動画を送るという大胆な手法だったことが遠藤の口から明かされた。
「atsukoと歌うって大変なんですよ。クセが強いんで。でも意外とクセvsクセがいい具合になった」(遠藤)
「クセの相乗効果」(atsuko)
と、このデュエットの聴きどころを教えてくれた。遠藤はカバーアルバム『ENSON』でangelaの「明日へのbrilliant road」をカバーしており、歌手としてatsukoへのリスペクトも口にし、ツインボーカル曲「Battle & Message」へ。atsukoはデュエットの部分では歌詞の内容に合わせて問い詰めるような仕草で分厚いサウンドとのギャップを見せたり、遠藤の向こうを張る開放感のある声を響かせたりと存分に見せ場を作る。そしてサビでの2人のボーカルはもはや咆哮のような迫力だ。負けじとKATSUもギターで暴れまわり、この日、最も大きな音量はこの曲で記録されたとみられる。最後は2人の大ハーモニーとクラップで締め、「angela最高!」とシャウトしステージをあとにした。
興奮冷めやらぬなか、アルバム新曲「連撃Victory」ではハイスピードでダンサンブルな楽曲で攻めていく。攻撃的なシンセにatsukoのロングトーンが冴えわたり、大きな動きで力強く歌い上げた。続いてシリアスな雰囲気を纏いながら歌われたのは2007年のシングル「gravitation」のカップリング曲「虚無の嵐」。13年前に一度、メドレーの中で歌われたレアトラックで、ヘビーで太いサウンドに載せながら存分に聴かせる楽曲だ。なぜこの曲が選ばれたのかは直後のMCで明かされた。
「あの頃は病んでいて、心身ともに状態が悪くて」「多分不安とかプレッシャーから来ていたと思う」(atsuko)
レギュラーのラジオ番組を休んだりライブ活動も行っていないなど、今の彼女からは信じられないような状況を振り返る。その時期の気分がダイレクトに反映されたのがこの楽曲だったという。当時は周りの人の支えがあって回復し、「もう嫌だと思っていた時期に書いた曲を15年後に良い曲だなと思いながら歌えるとは……」と話したところでようやく、ぢぇらっ子から温かい拍手が送られた。「すごく私は幸せだなと思ってて、それもangelaを途中で辞めなくて頑張った私のお陰です!」と笑いに変えた。KATSUは「みんなもストレスや不安を抱えているけれども解決をしてくれるいろんな方法があると思う。楽しいと思えることは必ず来ます。そしてangelaと一緒にいたら必ずみんなを楽しませます!」そしてatsukoは改めて「本当に辛い時期は皆さんにもきっとあると思う。でも、angelaは絶対にぢぇらっ子を裏切りません!」と宣言し、この日一番のアツい拍手を浴びていた。
明るい気分を作り直し、こちらもまだまだ歌う機会が少なかった新曲の部類の「アンダンテに恋をして!」。ぢぇらっ子は再びカスタネットを使用しジャンプしながらメロディアスな楽曲を堪能する。ハイテンションでキレの良い展開で舞踏会のゾーンになるとステージ両脇から4人ずつのダンサーが登場し視覚的にも賑やかになる。atsukoは振付やステップも見事にこなし、多彩な声を次々に聴かせていく。シアトリカルで難度の高い楽曲をライブで見せるエンターテイナーぶりを見事に発揮していた。続いてクールなシンセサウンドのイントロが響きわたると、フロアからはどよめきの声が。ここで、TWO-MIXのトリビュートアルバムに提供した「JUST COMMUNICATION」が投下された。オリジナルの流麗な歌いまわしに加えてatsukoの深みを増したボーカルやアタックの強いリズム隊が迫り、楽曲の良さを改めて引き立てていった。
本編ラストは「みんな心のなかで、カスタネットで叫んで!」(atsuko)と、「叫べ」を歌う。ツーバスのドラムと太いベース音が大音量で響くなか、憂いの声からサビになると一気に弾け体を2つに折り、まさに叫ぶように歌う。間奏のメタリックなギターソロがかき鳴らされ、フロアはカスタネットで返して、落ちサビから高らかにキメ、最後のサビの絶叫リフレインからは不思議な陶酔感を覚えた。
この日のアンコールはもちろんカスタネットでリクエスト。ツアーTシャツでさらにアロハな服装でレイまでかけられているメンバーが登場。お知らせは「まだ言えるタイミングではない」というが、2023年は盛りだくさんで、すでに24年の仕事にも取りかかっているとのことで『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』にも参加が決定しているので、安心して続報を待ちたい。
angelaのライブでは欠かせない「Shangri-La」がアンコール曲として歌われ久々のタオル回しをしたことで、ようやく日常が戻りつつあると安堵する気持ちが半分と、いよいよ終演が近づく実感を覚える寂しさが半分といったところだろうか。この日のライブを象徴するアイテムとなったカスタネットはこの曲でも大活躍し、落ちサビ部分やリアクションでお馴染みの曲にも普段とは違ったアクセントを与える。オーラスの「シドニア」では冒頭のマーチ部分にもカスタネットの硬音が響き、サビの「ナイツ・オブ・シドニア」のコーラスにも当ててくる。ラストのシャウトも繰り返し、最後まで格好良くキメてステージを終えた。
atsukoはMCで繰り返し「無事に」と口にしていた。それは自身が新型コロナに感染し声の不調を体験したことだけでなく、台風シーズンにメンバー・スタッフ、そして会場に足を運ぶぢぇらっ子たちが無事でライブを最後まで観ることができたことへの安堵だったのだろう。KATSUは「3回では足りないですよね。コロナが落ち着いて本当に平和な世の中が戻ってくるといいなと強く思いすぎる今回のツアーでした」と話し、「メンバー1人欠けてもだめだし、みんなも近くにいる方を大事にしてください。今年色々あったんですけど、会いたい人には会っておいてください」と、失ってわかる想いをぢぇらっ子に対して実感を込めて伝え、「来年はangelaの20周年。一緒に過ごしましょう」と期待を持たせて終えた。atsukoは1stツアーの頃を振り返り、緊張を繰り返し強くなっていったことを述べ、「これからも皆と一緒に面白いことを、面白いステージを、面白い未来を目指してangela 突き進んで行きたいと思います!」と締め括った。
TEXT BY日詰明嘉
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな(SHERPA+)
<セットリスト>
01. 乙女のルートはひとつじゃない!
02. DEAD OR ALIVE
03. I’ll be…
04. 愛を謳う
05. THE BEYOND
06. クライシス
07. KINGS
08. Alone
09. あなたがくれたヒカリ
10. アロハTraveling
11. 全力☆Summer!
12. HERE WE GO!
13. Battle & Message
14. 連撃Victory
15. 虚無の嵐
16. アンダンテに恋をして!
17. JUST COMMUNICATION
18. 叫べ
―ENCORE―
EN1. Shangri-La
EN2. シドニア
●リリース情報
デジタルシングル
「アロハTraveling」
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
配信中
配信リンクはこちら
デジタルシングル2ヵ月連続リリース第一弾
「Alone」
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
配信中
配信リンクはこちら
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https://www.youtube.com/user/angelaOfficialCh
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