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INTERVIEW

2022.10.01

【スペシャル対談】初タッグとなるall at once×大野雄大(Da-iCE)、 『名探偵コナン』EDテーマを担当! お互いの印象や国民的アニメタイアップを経た想いを語る――。

【スペシャル対談】初タッグとなるall at once×大野雄大(Da-iCE)、 『名探偵コナン』EDテーマを担当! お互いの印象や国民的アニメタイアップを経た想いを語る――。

理論派のITSUKIと感覚派のNARITOによる2人組ボーカルデュオ・all at once。2020年にTVアニメ『名探偵コナン』のOPテーマ&EDテーマを同時に担当し、新人ユニットながらその名を多くの人に知らしめた。国民的アニメと名高い作品とのコラボレーションが彼らに与えた影響とは――。

そして、あれから2年。再び『名探偵コナン』と巡り合うこととなった彼らは、憧れのボーカリスト・Da-iCEの大野雄大をフィーチャリングして新曲「プレイメーカー」を完成させた。アニメの放送でファン激震となったこの1曲で出会ったお互いのこと、楽曲との向き合い方やレコーディングでの思い出を聞くために3人の元に行くと、そこにはとても仲の良い先輩、後輩、といった様子の彼らがいた。そんな和やかな空気も含めたインタビューをお送りする。

デビューから2年の今、思うこと。そしてDa-iCEのデビュー2年目とは?

――all at onceのお二人は、デビューされてから2年が経ちましたね。

ITSUKI スタートラインに立って2年経っているんですけど、今正直に思うのは自分たちの力が足りていないなっていうことですね……。タイアップなどをたくさん担当させていただいているなかで、なかなかまだ世間の方に知られてないですし、自分たちの努力や実力含め、足りないところがたくさんあるなと感じているので、新曲「プレイメーカー」は本当に勝負の曲だと思っています。

NARITO この2年間は誰もが経験したことのないコロナ禍というなかでの活動だったので、僕たちも含めてスタッフさんもどう動いていいか正解がわからない状況下でみんなで試行錯誤している時間でした。でもそれはそれですごく良い経験になりましたし、どんなに躓いても続けることが大事なんだっていうことを改めて感じた時間でもありましたね。音楽に対する向き合い方みたいなものを改めて考える時間がすごく多かったです。

――大野さんはDa-iCEを2年ほど活動された頃はどんな時間を過ごされていましたか?

大野雄大 デビュー2年目かぁ……当時の僕は何も考えてなかったですね。ただただがむしゃらでした。僕ら、「あ、伸びたな」という感覚は「CITRUS」(2020年)のときに初めて感じたんです。ずーっと、ゆっくり右肩へ上がっているのを感じていました。とはいえ気持ちはずっと変わってないというか、目の前のことを全力でやるという姿勢は今も変わらないです。僕たち、明確な目標を掲げてこなかったんですよ。日本武道館のときもそうですし、アリーナ規模のステージのときもそうでした。例えば今「ドームをやりたい、2年後くらいに絶対ドームに立ちたい」っていう夢を掲げていることは、あの頃から考えればすごく変わった部分だなってイメージで。やっぱり何年後かにどうなっていたいというよりも、僕たちの場合は「目の前のことを全力でできないんだったら、何年後かにこうなっていたいなんて無理だ」とも思っているんです。とにかく目の前のことを全力で一生懸命やろうっていうスタンスでずっとやってきているので。

――all at onceは2020年のデビュー以降、この2年間でドラマやアニメなどのタイアップが11曲。Da-iCEもたくさんタイアップの楽曲もやられていますが、タイアップ曲はテーマがあっての制作や歌唱となると思います。テーマのある楽曲とそうではない楽曲の制作の違いや面白さを教えてください。

ITSUKI タイアップ曲に関しては聴いてくださる層というか、年齢はもちろんタイプも違うと思うので、そういった人たちにどう聴いてもらえるかを意識して歌っていますね。

NARITO 実は「これはこの作品の曲です」と事前に作っていた楽曲が今までそんなにないんです。元々は、それこそ「こんな楽曲作りたいねー」っていうのが積み重なってて出来た楽曲がすごく多くて。だからタイアップに向けてというよりは、純粋に自分たちの感情で、難しく考えずにありのままの等身大の姿を楽曲に落とし込んでいることもあって、意外と区別はしていないかもしれないですね。

――大野さんはいかがですか?

大野 「こんな曲を自分で書きたいな」と思っているときはめちゃめちゃ悩みますね。ゼロイチの1番を完成させるまでがすごく時間かかるんですよ。なおかつ裸なイメージで、自分自身の引き出しから全部選んで書いたりするのですごく大変なんですけど、タイアップのときはある程度ワードや「こんなストーリーにしてほしい」っていうリクエストをいただけるので、逆にそれに沿った自分の中での引き出しを肉付けしていく制作になるんです。それはすごく楽しく余裕を持ちながら書けるイメージがありますね。でも一番楽しいときは、自分のソロの楽曲でふざけた曲を書こうと思うときですね。「エロい曲書いてやろう」とか。タイトルもふざけちゃったりとかします(笑)。

――お二組とも、「国民的アニメ」と呼ばれるもののお仕事をされています。先ほどおっしゃっていたように、どの年齢層が多く聴くのかも大きく響いてくるかと思いますが、『名探偵コナン』の楽曲を担当される手ごたえや反応はいかがでしたか?

ITSUKI 最初はEDテーマの「星合」でしたが、アニメで放送される前にはとにかく不安でした。誰も知らないアーティストが、急に国民的アニメのエンディングを歌うので。僕たち自身もすごく不安だったんですけど、でもいざ曲が出たときには「良い楽曲だ」って言ってくださる方が多く、MVもたくさんの人に観ていただけているので、感触は良かったのかなと思いますね。「JUST BELIEVE YOU」に関しても倉木麻衣さんのお力添えあってだったので、倉木さんのファンの方にも良い楽曲だと言っていただけることが多くて……どちらの曲の反応についても僕たちには嬉しいものでしたし、これからも大切に歌っていかないといけない曲だなと思っています。

――可能性が広がった実感はありました?

ITSUKI はい。この2曲で色んな方に知ってもらったと思うので。「スタート切るぞ」という想いはすごくありましたね。

――NARITOさんはいかがですか?

NARITO コナンの曲をやって衝撃的だったのが、10代、20代だけじゃなく、老若男女、幅広い世代の方が応援してくださっていたことでした。それってやっぱり『名探偵コナン』っていうアニメが培ってきたものなんだなっていうのを、テーマソングを担当したことによってすごく肌で感じて。改めて偉大な作品だなとも思いましたし、それに恥じない歌をこれからも届けていきたいなっていうのはすごく感じていましたね。

――Da-iCEといえば『ONE PIECE』という国民的アニメのOPテーマ「DREAMIN’ ON」を担当されました。

大野 日本が世界に誇りを持って紹介できるカルチャーって、アニメだと思うんです。明らかに今までと違うなと思ったのが、YouTubeなどで公開されたときの動画のコメントが、日本語ではないコメントがすごく多かったこと。海外の『ONE PIECE』ファンの方がたくさんいらっしゃるなかで、その楽曲を聴いて、Da-iCEっていうグループは知らないけどこの楽曲は知ってるよっていう方が、たくさん観にきてくれて。コメントまでしてくれるなんて、とその熱をすごく感じましたね。「あ、すごいタイアップなんだな」と。

――プレッシャーはありましたか?

大野 僕たちとしては楽曲が「これは間違いない」と思っていても、例えば『ONE PIECE』ファンの方に、ワノ国で使われる「DREAMIN’ ON」っていう楽曲に対して「ちょっと違うよね」って思われたら怖いなっていう部分はあったんですけど、嬉しいお言葉もたくさんもらっていて。「久しぶりのヒットきた!」とか、「めちゃめちゃ合う」と言ってもらえて、ホッとしたじゃないですけど、そんな気持ちはありましたね。

――アニメのオープニング、エンディングとなると、やはり作品との親和性を、歌いながら意識されるところはありましたか?

NARITO 「星合」と「JUST BELIEVE YOU」はありましたね。それこそコナンくんだったり蘭姉ちゃんだったり、特定の登場人物を頭の中に作り出して、「きっとこういう物語が展開されていくんだろうな」っていうイメージを持ちながらのレコーディングでした。

ITSUKI コロナの時期ということもあって、どちらの曲もメッセージ性としては「なかなか会えてない2人」を描いていたので。そこで歌に対してすごく気持ちが入っていました。あと「星合」については新一と蘭の2人の関係が、自分たちで見ていてもわかりやすく歌詞に描かれていたので、歌っているときも意識しましたね。

――今回そんなお二組でフィーチャリングして制作された「プレイメーカー」。そもそものお二組の出会いを教えてください。

ITSUKI 出会いは、僕たちのスタッフさんでDa-iCEさんともお仕事をされているスタッフさんがいらして。そのスタッフさんからたくさんDa-iCEさんのアーティストとしての姿勢や歌唱に対しての向き合い方を教えてもらい、勉強させていただいていたんです。そんなときにライブを拝見する機会をいただいて。そのあとにスタッフさんと、3年目だし新たなトライをしたいね、という話になったときに、大野さんと一緒にやりたいです、とダメ元で伝えました。

――出会う前、外から見ていたDa-iCEはどのような印象でしたか?

NARITO それこそ「CITRUS」でレコード大賞を獲られて、同じ歌手として活動している身ですけどまだまだ遠い存在だなっていうのを感じていたので、コラボさせていただけるとなったときには純粋に「まじかよ!」って思いましたし、「本当にいいんですか?」とも思いました。決まった以上は僕たち自身もやれることを全力でやるしかないので、今の自分に何ができるか改めて考えましたね。

――all at onceの印象はいかがでしたか?

大野 初めて会ったのは……レコーディングだったっけ?

ITSUKI ですね。あのときが最初ですね。

大野 そのあとに焼肉か。

ITSUKI そうです。

――コラボレーションのお話がきて、お二人を意識された感じでしたか?

大野 そうですね。それで資料を拝見したんですけど、今どき逆にないタイプなのかな、って印象でした。例えば2人組ユニットが流行った時代もありましたけど、最近逆に2人組で歌っていて、歌唱に徹して活動されている方って僕の中ではあまり印象がなかったので、「良いな」と思いました。僕が元々歌手を目指していたときは、最初はやっぱり何人かで歌だけを歌っている世界を想像していたので、まさか自分が踊るなんて想像してもなかったし、歌唱だけをやっている姿を「良いなー」って羨ましく思いましたね。

次ページ:普段とは違う“3人”の声。オス味の滲むall at onceの歌

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