【撮りおろし対談】May’n、配信シングル「蒼の鼓動」で草野華余子と初タッグ!お互いへの想いや野球愛を語り合ったスペシャル対談が実現!

2022年、立浪和義が帰ってきた。現役時代、打席では小柄ながらも大きく足を上げ、守備では颯爽と舞い続け、表情には出さずとも秘めた闘志全開だったミスタードラゴンズ。コーチ兼任だった最晩年を除けば、選手時代以来初めての現場復帰であり、ドラゴンズファンが待ち望んだこの事態を受け、テレビ愛知「10チャンベースボール」はテーマソング制作を決定、ドラゴンズやファンを奮い立たせようと後押しする。そして白羽の矢を立てたのが、アニソン界を席巻するMay’nと草野華余子。地元愛溢れる名古屋人と熱烈な野球ファンという2人は初めてのタッグながら、アライバこと荒木雅博&井端弘和、川上憲伸・谷繁元信、あるいは落合博満監督・森 繁和ヘッドコーチを思わせる名コンビぶりを魅せる。野球界を熱くする「蒼の鼓動」に耳を傾けろ!

May’nとドラゴンズにおける親和性の高さから投げ出されたど真ん中直球

――今回のタッグ前、お互いにどんな印象をもっていましたか?

May’n LiSAちゃんから色々聞いてはいたんですけど、私はとにかく「シルシ」が好きで。メロディセンスが素晴らしい方だと思っていました。でも、(草野)華余子さんは書く歌詞もかっこいいし、ご自身のアルバムではロックな魅力に溢れているし、多彩な方という印象がありました。

草野華余子 嬉しいです。とにかくMay’nちゃんの、歌い出した瞬間に引き込まれる空気の作り方や、その演技力の高さが好きなんですよね。May’nちゃん自身も魅力的で、一度会ったら誰でも「ワーッ!」て明るい人だとわかる方なんですけど、曲を表現するという点では作家やプロデューサーが出したものを上手く打ち返してくれる印象がありますね。レフトにカーンと引っ張っていくような。流し打ちじゃなくて(笑)。

May’n 野球に絡めてきましたね(笑)。

草野 でも私は元々、自分のバンド時代からずっとMay’nちゃんをフォローしていて、「新曲出たんだ」「『シンジテミル』かっこいい」って(陰に隠れる真似をしながら)木陰から見守る身だったので。実は10年くらい前に1~2曲書いているんです、May’nちゃんをイメージした曲を。オタクだからすぐにそういうことをやるんですよ。

May’n 最初にお会いしたとき、「May’nちゃんのことを思って書いた曲あります」と言われました。

草野 こーわっ(笑)。

May’n 今回は、華余子さんからの熱烈なラブコールをいただいて、というところもあって。

草野 「May’nちゃんどうですか?」「歌ってくれますか?」ってずっと言っていたんですよ。テレビ愛知の方から楽曲をお願いしていただいたときに、名古屋出身で誰か希望の方がいるか聞かれたんですけど、「あの人しかいねーじゃねーか!」って感じでした(笑)。アニソンというカテゴリーの中では1、2を争うくらいにMay’nちゃんの楽曲を聴いてきたし、LiSAちゃんからは「(私の曲は)May’nちゃんにも合いそうだ」と言われたことがあるんですよ。なので今回は全然悩まなかったですし、完全書き下ろしですね。

――まずは、ドラゴンズの応援歌としてはどのような面を意識されましたか?

草野 私は大阪出身なので野球は身近な存在なんですよね。大学を出たあともオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)のファンクラブで電話の受付やその対応のバイトをしたり。あと、父親が阪神タイガースファンというのもあって、家族揃って野球好きなんですよ。特にセ・リーグの知識はあるので「書けるんじゃないか」とは思っていました。今回の曲についての会議でテレビ愛知の方から、今季のドラゴンズのスローガンが「All for Victory」と聞いたときも、立浪監督が「落合チルドレン」ということもあって落合監督が掲げた「ROAD TO VICTORY」にちなんでいるんだと思いました。それで、歌い出しの2行は落合監督と立浪監督に加えて星野(仙一)監督のスローガンもぶち込んで、ドラゴンズブルーを表す「蒼天」を入れて、聴けばドラゴンズの曲だとすぐ伝わる歌詞にしました。それ以外にも、中日の歴代監督や選手たちの名言を歌詞に散りばめたので、竜党(=中日ドラゴンズのファン)の方なら読み取ってくれるんじゃないですかね。でも、ドラゴンズの曲であり、草野華余子が書いた曲であるけれども、May’nちゃんのライブで中心になる曲にしたいという思いは絶対に守りたかったですね。ただの、TV番組から生まれた応援歌では、May’nちゃんを応援してきた人がライブで喜ぶ曲にはならないので。May’nちゃんが歌っていても納得できる言葉、かつみんなで歌える歌詞であり、コーラス&レスポンスの場所も作りたかったというのは先にありました。

May’n 歌っていて、100パーセントドラゴンズの歌でありながら100パーセントMay’nのライブナンバーであるとは感じます。

草野 ただ、May’nちゃんが今まで歌ってきた内容と違わず、奇をてらった単語を入れなくても「書ける」という思いはありました。真ん中高めにストレートをズドンと投げれば。指をあまりひっかけずに。

May’n 野球の話じゃないですよね?(笑)。

草野 すぐに絡めたくなっちゃう(笑)。今回、ドラゴンズの曲を書くにあたって過去20年くらいの名試合も見たんですけど、1点をいかに取るか、それを守り切るかにこだわる野球をするチームだと再確認したんですよね。それは落合監督時代からの血肉だとは思うんですけど。選手にしても愚直さや真面目さのある人が多くて。May’nちゃんの真面目さとドラゴンズのチームカラーの親和性が高いとは感じていました。

May’n 私自身も、立浪監督や立浪監督率いる今のドラゴンズを調べるうちに「共感するところが多すぎる!」とは思いました。先ほど話した、勝ちへの執念というものは私の人生のモットーというか、「ナンバーワン!」という楽曲でも「勝たなきゃ戦いに意味なんてない」という歌詞を書くくらいなので。だから、「10チャンベースボール」をきっかけにドラゴンズと出会えたという意味は想像以上に大きかったですね。

草野 最初に会議で話したとき、May’nちゃんから出た、今までどうやって戦ってきたか、弱い自分を認めることで今の自分がいる、という言葉を全部メモしたんですよ。そことドラゴンズの選手たちのリンク地点、それから私とのリンク地点を探って歌詞を書くという作業でしたね。その作業スタイルはすべてのコンテンツでやっていますし、歌詞に織り込んだ監督たちの言葉にしても、May’nちゃんの言葉とリンクするものだけを引っ張ってきてはいますけど、今回は特に混ざりやすかったと思います。

May’n やっぱり、頑張ってきた自分自身を信じられるからこそ「まだまだいける」というパワーが生まれる、戦いに挑むことができる、という思いで音楽活動を続けてきたので。それを話したら華余子さんに「それは立浪監督と一緒」と言ってもらえました。

草野 あと、May’nちゃんの言葉で感動したのは、全部大文字で書いた「BLUE」って私にとってはすごく大事な言葉なんです、と言ってくれたことで。それはすごく「書いて良かった」と感じました。そこはご本人から聞いていただければ。

May’n (笑)。私が初めて作詞作曲したのが「BLUE」なんですね。デビューしたけど何もかも上手くいかないでレコード会社との契約も切れてしまって、「これからどうすればいいんだろう」という気持ちを表現した楽曲だったんですね。なので、当時の自分を思い出しながら歌うこともできました。“Stand hard with BLUE”の箇所はスローガン(谷繁監督時代の2015年の「強竜再燃 stand hard」)ともかけられていて、グッとくる言葉になりましたね。

――2019年の与田(剛)監督が掲げたスローガンも「昇竜復活! WITH BLUE」と大文字でしたし。

草野 “BLUE”という言葉は何度も登場するんですけど、“Heartbeat of BLUE”をサビの頭にもってきてほしいと言ってくれたのもMay’nちゃんでした。その前はもっと後ろだったんですよね。そこまでの思いがあるなら、ということでタイトル(「蒼の鼓動」)にしました。そういう部分も含めて、ディスカッションしながらどんどんと良くなっていった楽曲でしたね。すべての現場で同じことができるわけではないので。発注してくださったテレビ愛知の皆さんも、May’nちゃんのチームの方々も、私の制作に関わる人たちも、皆が納得して進んでいけたのはとても良かったと思います。

May’n ただ、そのときの私はまだまだ野球に詳しくなくて。

草野 いや、でも、私が今伝えたいのは、「May’nちゃん、野球にハマりすぎて怖い」というところで。「貯金を全額つぎ込んで、休みも取って、ドラゴンズに時間を捧げたい」みたいなことを言い出しているんですよ。午後が休みのときにバンテリンドーム ナゴヤで試合を見て、翌朝の始発で戻ってくるとか。

May’n 始発ではなかったです(笑)。でも、この日は広島に行けるかな?みたいな計画を立てるようになりましたね。

草野 しかも最初、行く試合、行く試合で勝ってたんですよね。この間は負けたけど。「勝利の女神やな」って思いました。それで球場の写真を送ってきて、「ヤバいね。こんなに野球って面白いんだね」って書いてくるんですよ。ドアラの写真とか。ちなみにLiSAちゃんからも送られてくるんですけどね。ホンマ、東海地方の女は(笑)。

――そこまでハマった理由はなんだったのでしょう?

May’n 初めて生で観戦したのが巨人との開幕3連戦の3試合目で。

――立浪監督初勝利の日ですね。

May’n はい。しかも、1-5の劣勢から8、9回に2点ずつ返して追いつき、延長10回にさらに2点入れて勝つ、という流れだったので、もう一瞬たりとも見逃せなくて。しかも、その日のヒーローインタビューで(勝ち越し打の)溝脇(隼人)選手が、「チーム一丸となって最後まで戦うっていう姿勢が結果に繋がったと思います」「みんな、勝ちたいという気持ちで繋いで繋いで」「監督もそうなんですけど、チームやファンの方全員が勝ちというものが欲しかったと思います」とおっしゃっていたんですよ。それを聞いてすごく感動しました。色々なインタビューで立浪監督が、「負けに慣れてしまっているチームから勝ちへの執念を見せるチームに変えたい」と熱く語っていたんですけど、その結果があの逆転劇だと思えたし、溝脇選手にしても調べてみたら苦労しながら努力し続けた結果があれだったと知って、もう(涙が流れるしぐさをしながら)「ワァーッ!」ってなりました。そこからハマって、なるべくドラゴンズを応援したいという思いで、ドラゴンズにお金を落とすにはどうすればいいんだろうと思って、グッズを買ったりホーム(=バンテリンドーム)に行ったり。

草野 私は小さい頃から球場に連れて行ってもらっていて、南海ホークスメモリアルギャラリーのあるなんばパークスが家の近くだったからよく遊んで、という私からすると羨ましいですね。ビールの売り子さんがスタンドにいて、野次が飛んでて、外野席はラッパの音がうるさくて何も聞こえなくて……という感動を今、May’nちゃんが味わっているかと思うと……!大人になってから新しい刺激に出会えてるのっていいな、みたいな。こんなに野球にハマったMay’nちゃんを見て、感動しています(涙目)。

次ページ:May’n史上最速のレコーディングで生まれた両ファンを納得させる楽曲

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人