【ライブレポート】革命の結実、そして新たな革命の幕開け。“DIALOGUE+LIVE TOUR 2021「DIALOGUE+1」”東京ファイナル公演レポート

11月28日にTOKYO DOME CITY HALLにて、“DIALOGUE+LIVE TOUR 2021「DIALOGUE+1」”東京ファイナル公演が開催。本公演は、内山悠里菜・稗田寧々・守屋亨香・緒方佑奈・鷹村彩花・宮原颯希・飯塚麻結・村上まなつの8人からなる声優アーティストユニット・DIALOGUE+が開催した初のツアーのファイナルを飾ったライブだ。生バンドを背負ってクオリティの高い堂々たるパフォーマンスを見せ、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)を熱狂の渦に巻き込んでいった。

激しさ、綺麗さ、かわいらしさ――次々移り変わる、8色が織り成す美しいグラデーション

コロナ禍のなか、リモートで楽曲を制作・完成させるなど、既存の発想にとらわれない試みを次々と行なってきたDIALOGUE+。この公演でも、開演前からバンマスを務める堀崎 翔(g)がオープニングアクトとしてソロプレイを披露したり、元々招待を受けていた“自称・9人目のDIALOGUE+(白担当)”の声優・篠原 侑が、サプライズで諸注意の影ナレを担当したりと飽きさせない要素てんこ盛り。これはコロナ禍における時差入場のために長時間開演を待つログっ子を飽きさせないための……というよりも、「場内にいる間はログっ子を楽しませ続ける」という意識の徹底を感じ、本編への期待が俄然高まった。一方ログっ子もその姿勢に応えてか、高まらざるを得ない瞬間が次々訪れても声を上げない。合間の時間も記者席には雑談の声は聴こえてこず、「ツアーを成功させたい」という想いからくる一体感が、すでに生まれていたようでもあった。

そんな空気のなか、まずOP映像として星空が映し出されると、続いて目覚まし時計のピクトグラムが浮かび上がり、アラームが鳴り響くと朝日も顔を出し、「1」の数字が付与。それから朝食までのモーニングルーティーンを表したピクトグラムが登場し、数字も8まで順にゆっくりと登場。「はじめてのかくめい!」の序盤の歌詞と繋がるような映像演出に、ニヤリとしたログっ子も多かったのではないだろうか。さらにその数字に、いつもの並び順で各メンバーのイメージカラーがそれぞれ与えられたところで、ライブロゴが映し出されライブスタート。

「かいかいせんげん!」のイントロに乗せて2人ずつ順にステージへと飛び出してくるDIALOGUE+。8人横一線に並んでからのコールをしながらのダンスは、滑らかさもありつつ全員の動きがピタリとハマるもので、のっけからクオリティ激高。この日バージョンのセリフとともに会場の空気をさらに温めると、続く「夏の花火と君と青」は和の雰囲気を取り入れた振付を流れるような美しさをもって披露。生ハモも交えて歌声でも綺麗さを出していく。1サビやラストでは曲になぞらえて吹き出し花火の演出がステージを彩る。その一方で、落ちサビでの鷹村の歌声は、切ない表情も相まって非常にキュンとくるもの。爽やかな恋心を描いたこの曲の魅力を、さらに増幅させたワンシーンだったように思う。

2曲歌ったあとのこの日の初MCは、内山が進行。「“ぼくたちの現在地[再]”以来、TOKYO DOME CITY HALLに戻ってきました!」と口にすると、拍手のなかメンバーそれぞれがログっ子へ「ただいま!」と声をかけ、各々名乗ったところで「ドラマティックピース!!」へ」。イントロからサーフミュージック調の楽曲に乗せて、クラップを通じてログっ子と盛り上がり、2-Aでソロを歌うメンバーが入れ替わり立ち替わり前に出てくるというきゃいきゃい感も。2サビ明けのダンスタイム後には、振付を利用して鷹村がクラップ時に客席へと身を乗り出して、ログっ子をさらに巻き込んでいく。

それに続いて早くも飛び出した鉄板ナンバー「シュガーロケット」で、場内はいっそう盛り上がる。非常にテンポも速く運動量も多い曲にも関わらず、2-Aメロの生ハモや強く突き抜けていく稗田・飯塚の歌声などボーカル面でも隙がない。さらに楽譜に直せば♯や♭だらけであろう難解すぎる2-Bメロもしっかり歌いこなすなど、激しい曲ゆえダンスに注目が集まりがちだが、実は歌声にも要注目な曲であることがわかる。そして後奏のかき回しからそのままスタートした緒方・飯塚のセンターボーカル曲「I my me mind」は、メインスクリーンの映像に歌詞が表示され、生リリックビデオのようなシーンも。ログっ子もこのディスコチューンに乗って一緒に踊り、ステージを見れば1サビで飯塚が大きく広がる歌声を響かせるなか、オフマイクでも宮原が歌詞を口ずさんでいたりとメンバーも楽しそうな表情を覗かせる。また、2-Aメロのソロで緒方が歌詞に沿ってあたふたした感情を歌声と佇まい双方に乗せていた点も、楽曲中盤のアクセントとして非常に効果的だった。

この曲が終わったところでメンバーは一旦降壇。と同時に、暗転のなかスポットライトに当たった二村 学(b)が聴き覚えのあるリフをソロプレイすると、バンドメンバーがセッションのように次々音を重ね、それに合わせて8人が拳を突き上げながらステージへと戻る。そして宮原のタイトルコールを合図に始まったのが、「アイガッテ♡ランテ」だ。楽曲同様に、パフォーマンスもとにかく要素てんこ盛りなのがこの楽曲。タイトルを織り交ぜたイントロやサビ明け間奏部のコーラスはキュートに難解なハーモニーを重ねつつ、歌い出しでは内山や村上がやや肩の力を抜いてファニー寄りなボーカルワークをみせたり、2コーラス目の序盤では宮原が稗田とともにスタイリッシュにラップを決めたりと、歌声だけでも挙げきれないほど詰め込まれている。またダンスの面でも非常にテクニックを要求する曲であり、とりわけ難解なのがDメロ明けの間奏。曲のリズムに合わせて紙相撲のように細かく跳ねつつ随所に個々の見せ場も入れ込み、最後には横一線へと戻る。視覚面・聴覚面でも要素盛り盛りだったこの曲は、間違いなく前半戦のハイライトと言っても過言ではなかったはずだ。

そんなとんでもない曲に続いた「あやふわアスタリスク」も、冒頭を飾る稗田のソロに息切れを感じさせないところから、まず驚かされる。その後もダンスパフォーマンスとともに、生ハモも随所に織り交ぜながら美しい歌声で楽曲を彩っていく。サビでの横一列になってのパフォーマンスも滑らかかつ美しいものであり、1サビ明けにリズムが細かくなってからのセクションでは、飯塚のステップの細かさや切れ味の良さを強く感じた。また、ファルセットを織り交ぜた緒方のソロから始まるDメロは、続く村上や内山が歌声にピュアさを前面に出し、守屋がそこにほんのりかわいげをプラスしキュンとくる部分に。さらに終盤は宮原の力強いラップで力強いエールも送って、曲を閉じる。そして再び後奏が演奏され始め、8人が降壇するとバンドタイムに。

その間に白い衣装に着替えた8人がパラソルを手に再登場すると、そのまま内山・宮原がセンターボーカルを務める「謎解きはキスのあとで」がスタート。一転して明るくポップなナンバーに、キュートな歌声とダンスを乗せて、魅せ、聴かせていく。2-Aメロや大サビ前に散りばめられたセリフやセリフ調のフレーズも、さらに曲の持つキュートさを際立たせていく。また、前述したパラソルを用いたパフォーマンスも、この曲ならではの見どころの1つ。特にサビの“キスの後にしよう”のフレーズと同時に内山・宮原がパラソルを重ね合わせて上半身が隠れた瞬間、歌詞になぞらえて2人が顔を突き出すような振付は、思わずドキリとさせられるズルいポイントだった。

曲明けには再び短めのMC。ここでは守屋が進行を務めてチェンジした衣装に触れると、ライブ後半に向けて「(ツアーを通じて)より成長した私たちをお見せできるように全力でぶつかっていきます!」と意気込みを語ったところで、メロウなシティポップ「プライベイト」からライブ再開。ミラーボールの光の中でレトロな雰囲気のMVを思わせる、1サビでシャボン玉が舞う演出が印象的なポイント。そのリズムに合わせて体を揺らすような部分も多かったが、2サビ明けにはそのテンポ感の割に細かく跳ねる部分もあり、ゆったりとした曲であっても振付レベルでメリハリを感じさせる魅せ方に。曲が終わるとノイズ混じりのinterludeが流れ、フォーメーションチェンジを経たところで鷹村が「新曲やります」と宣言!拍手でログっ子が歓喜を表すなか、その鷹村と稗田・宮原がフィーチャーされた新曲「ガガピーガガ」をサプライズ初披露だ。サビでは明るく開けていく爽やかさもあるロッキンなナンバーには、この3人が強めにアプローチした歌声が非常にマッチ。後奏のマリオネットを思わせる振付など、機械仕掛けのようなダンスも相まって楽曲のコンセプトを明確にしつつ、サプライズでログっ子を楽しませてくれた。

そして一旦鈴木浩之(ds)によるソロプレイを挟んでからは、守屋と村上がセンターボーカルを務める超高速ナンバー「20xxMUEの光」。センターボーカル曲とはいえ、サビではほかのメンバーもリズムに合わせて小刻みに跳ねて左右に移動するなどチームワークで魅せてもくれたが、センターボーカルの2人はそれを遥かに凌駕する全力の遊びっぷりをみせる。それがより色濃く出たのは、特に2コーラス目に入ってからだろうか。まずは守屋が、Aメロの村上ソロパートの裏でのセリフで、続いて自身のソロの終盤で音源以上に表情をつけたのをきっかけに、Bメロではリアルタイムでの切磋琢磨を感じる遊び合いが繰り広げられる。さらに2サビ明けの間奏では、今度は村上が満面の笑みでログっ子への指鉄砲まで決めてみせるなど、ステージ上でも2人がこの曲を思い切り楽しんでいたことがうかがえた。

そんな激しい曲をバシッと決めたあと、その村上によるイノセントさを乗せたソロから始まるのが「おもいでしりとり」。ここも直前まで騒ぎまくっていたのが嘘のように、きっちり切り替え切なさを込めて歌って幕開けを飾ると、守屋も1サビ前のソロでキュンとさせる歌声を披露する。また、2-Aメロでは“意地っ張りだ”のフレーズを歌う鷹村が、小石を蹴るような振付も相まっていじらしさを生んだ点も印象深かった。ダンスの面では楽曲にリンクし、再び美しいものへとスイッチ。同じ動きを一拍ずつずらして追っかけのように続くカノンダンスが織り込まれていたり、サビの最後に4対4に分かれて対称の動きを取ったりと、テクニカルな要素も含めて美しさをフィーチャーしていった。

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