REPORT
2021.11.15
「アイドルマスター SideM」のライブイベント“THE IDOLM@STER SideM 6thLIVE TOUR ~NEXT DESTIN@TION!~ Side KOBE”DAY2が2021年11月7日、神戸ワールド記念ホールにて開催された。
DAY2にはAltessimoより神楽麗役の永野由祐、都築圭役の土岐隼一、Wより蒼井享介役の山谷祥生、蒼井悠介役の菊池勇成、FRAMEより握野英雄役の熊谷健太郎、木村龍役の濱健人、信玄誠司役の増元拓也、彩より華村翔真役のバレッタ裕、清澄九郎役の中田祐矢、Café Paradeより神谷幸広役の狩野翔、卯月巻緒役の児玉卓也、水嶋咲役の小林大紀、Legendersより葛之葉雨彦役の笠間淳、北村想楽役の汐谷文康、古論クリス役の駒田航が出演した。
開演前には出演キャストによる協賛企業名読み上げと、315プロダクション事務員・山村賢による前説&諸注意が行なわれた。山村の「ずっとずっとその先へ、成長を続けるアイドルたちの新しいステージを見届けてください!」と「DRIVE A LIVE」の一節を思わせる言葉が印象的だ。そして原点から最新に至るまでのアイドルたちの“成長”もライブのテーマの1つになりそうだ。
幻想的なovertureが流れるとともに、客席に緑を中心とした無数のペンライトが灯り、この公演が有観客で行なわれていることを改めて教えてくれる。レーザーで描かれた無数の星が1つに集まって「SideM」のロゴを形作ると、オープニング映像がスタート。出演アイドル紹介ではDAY2からフルメンバーで参加のFRAMEや、DAY2で3人が揃ったLegendersが目を引いた。
暗転したステージで、眩しいフットライトが逆光の中にアイドルたちのシルエットを浮かび上がらせる。OPナンバーは「NEXT STAGE!」、衣装は新衣装のディライトディレクションだ。「ようこそ、SideM 6thLIVE TOUR神戸公演2日目。今日も一日楽しんでいきましょう!」と曲頭挨拶を担当したのは永野由祐で、DAY2はAltessimoが座長的立場になるようだ。印象的な“気が付けば背中が頼もしくって”のフレーズで背中を見せるパートでは狩野翔が映像に大写しになったが、ここ兵庫は神谷幸広の出身地。カメラに向き直った狩野はきらめき感のあるSEとともにウィンクをキメてみせた。
全員がアイドルとして、演者としてそれぞれ一言ずつ挨拶すると、永野由祐と土岐隼一が高らかに開幕煽りをしてライブはスタート。
ユニットのトップを飾る切り込み隊長はWの山谷祥生、菊池勇成による「YELL OF DELIGHT」だ。歌い出しが“開幕のSound 勇ましくススメ前へ”で始まるこの曲ほどトップバッターにふさわしい曲もなく、菊池もMCで「出だしが“開幕のSound”だからね!」と強調していた。スクリーン演出が様々なスポーツをモチーフにしていたのも印象的で、国際的にスポーツが盛り上がった年のライブの一コマとして記憶に残りそうだ。2人からは(昨日よりも)もっともっと盛り上がる、もっともっと成長できるといった言葉が聞かれたが、デビュー以来ひたむきに頑張ってきた成長を体現している彼らだからこその説得力があった。
FRAMEの熊谷健太郎、濱健人、増元拓也は「勇敢なるキミへ」を披露。3人は「YELL OF DELIGHT」のアウトロにダンサーとして合流すると、そのまま「勇敢なるキミへ」に突入。冒頭の敬礼はFRAMEとWが一緒に行なうスペシャルバージョンだ。増元が「行くぞ、神戸ワールド記念ホール!」と雄々しく号令をかけると、力強い低音をホール全体に響かせていく。ピンク目の髪色が印象的な濱健人は“ニカッ”と効果音がしそうな満面の笑顔がヒーローらしい。熊谷健太郎は瞳をかっと開いて表情豊かに会場を見渡す様子や、重心の低いダンスの安定感と躍動がいい。“キミはBraver!”のフレーズを聴いて、なるほど「YELL OF DELIGHT」からの流れは誰もが“ブレイバー”である繋がりかと納得した。足回りのダンスも表情豊かで体力を要する楽曲だと思うが、間奏の殺陣めいたダンスや、増元と熊谷の旋風脚(回転蹴り)は惚れ惚れするほど鮮やかで、ヒーローとはタフでなければ務まらないのだなと感じた。
雷鳴轟き、風雨にさらされる古びた洋館のドアが軋んだ音を立てるSEが想像力をかきたてる。Café Paradeより狩野翔、児玉卓也、小林大紀による「Reversed Masquerade」の時間だ。謎めいた響きの歌い出しからカメラが狩野に寄ると、そこには表情を隠すミステリアスな仮面が。雰囲気たっぷりに仮面を外して、ぴんっと弾くように後ろに投げ捨てる仕草がとても絵になる。仮面を外しながらいたずらっぽく笑う小林、不敵さの中にも優雅さを忘れない児玉と、それぞれのらしさ、ニュアンスがある。マスクを投げ捨てた3人は、客席に向けて襲いかかってみせるような獰猛な動き。児玉の動きがとてもダイナミックなことに目を引かれる。はしゃいだフレーズではとても楽しそうに(狩野のノリノリの腰つき!)、間奏のゾンビダンスでは怪しくおどろおどろしくやりきる、落差とメリハリが楽しいパフォーマンスだった。
Altessimoの永野由祐と土岐隼一は「The 1st Movement ~未来のための二重奏~」を披露。スクリーンにAltessimoのロゴが映し出されると、それを背にして2人が並び立つ。永野は胸元に手を当てて、土岐は適度に脱力して客席を見つめ、イントロの弦が走り出すとともに舞うようにダイナミックなダンスを見せる。光の粒子に包まれながら舞い歌う2人の姿は神々しさすら感じさせるほどだが、歌いながら永野と視線を合わせた土岐の信頼に満ちた楽しげな笑みが演者の体温を伝えてくる。2人のパフォーマンス全体を通して、動きや身体のさばき方はよりダイナミックに、しかし表情は柔らかく。客席のプロデューサーたちと心のコミュニケーションをしているように感じた。アウトロで背中を向けた永野が、オーケストラの音楽を掌握するような力強い手つきが記憶に残った。
彩よりバレッタ裕と中田祐矢は「装 -So Beautiful-」を披露。琴を中心にした和楽器が雅な音を紡ぐと、バレッタと中田の張りつめたむきだしの歌声がそれに続く。スクリーンの中の劇場の幕が開くと、その奥から和のテイストの花々を艶やかにあしらった後幕が登場。ひとときステージが和の舞台に表情を変えた。今回のステージではキリオと山下大輝という華やかなアクセントがないことで、しっとりとした歌声を丁寧に聴かせるニュアンスが強くなったように感じる。落ちサビでバレッタが気持ちの入ったソロを響かせている間、中田が胸元に手を当ててほう、と吐息をもらすような仕草を見せる。その姿が本当に繊細でつややかで、動きや表現の一つ一つを雅で品あるものにする意識が伝わってきた。
Wの山谷祥生と菊池勇成の2曲目は「Pleasure Forever…」。イントロで2人が頭上で高くクラップをする仕草と軽快なSEのシンクロ具合が気持ちいい。大きく手を振って、大きく踊って、楽しさと気持ちをめいっぱい届けようとしているようだ。階段を飛ぶように駆け下りた菊池が全力ダッシュで反対側のカメラにアピールしにいく楽しそうな様子がいたずら小僧のようで、見ている側まで笑顔になってしまった。落ち着いた足取りで楽しさをにじませる山谷との対比がいい。ちょっと面白かったのが2人の足元のスニーカーをアップにするカメラワークが何度か出てきたことで、Wのダンスの足回りの動きの激しさや、色違いの靴紐がおしゃれだな、とか、そりゃこのダンスはスニーカーじゃなきゃ踊れないよね、とか、わりと伝わってくる情報が多かった。無数のシャボン玉が舞う中、楽しくハッピーな時間が永遠に続けばいいのにと感じるパフォーマンスだった。
Legendersの笠間淳、汐谷文康、駒田航は「FOCUS ON YOUR LIFE」を披露。DAY2は駒田を加えたフルメンバーだ。鋭角のレーザーの乱舞でLegendersの登場を予感させ、ドラムがジャーンとシンバルを打ち鳴らすのに合わせて3人がスポットライトの中に出現。駒田の情感豊かな歌い出しや、3人の歌声が重なり合った分厚さを聴くと、やっぱりこれ(この声)がないと!という気分になる。面白いのはDAY1で汐谷のハイトーンの芯の強さ、ほかの2人とはベクトルの違う存在感を意識していると、3人での歌唱時にもその光をキャッチしやすく感じたこと。これも見る側の意識も含めてのライブ感だろうか。印象に残ったのが“認めるのも”“拒むことも”“その想いが”のソロ3連で3人が単眼鏡を外してフォーカスをずらすような動きを見せるくだりで、ちょっとナルシスティックなケレン味を感じさせる駒田、獲物を見据えるように鋭いまなざしの笠間、サイドに視点をずらしながらもキラキラの瞳を決してカメラ(プロデューサーさん)から逸らさない汐谷……とあまりにも個性豊かだった。
FRAMEの熊谷健太郎、濱健人、増元拓也は2曲目として「スリーブレス」を披露。映像には体育座りの膝に顔をうずめていた濱の姿が大写しとなり、ふっと息を吐いて立ち上がる3人の姿が順に映し出される。少しロボットダンスめいた余韻を残す動きでそれぞれの呼吸と鼓動を表現。それぞれのソロパートで、熊谷と濱が優しくおだやかな笑みで聴く者を力づけたと思えば、増元は力強く生気に満ちた歌声で背中を押すような表現。「勇敢なるキミへ」がピンチの時には必ず駆けつけるヒーローの歌だとすれば、「スリーブレス」は日常の中にある何気ないつらさに寄り添い、支えてくれるような歌声だ。柔らかい表現の中で、歌詞に合わせて笑顔や動きのニュアンスを変えてくる濱の繊細さが印象に残った。
Altessimoの永野由祐、土岐隼一は2曲目に「Attacca Scenery」を披露。おだやかなピアノの調べとともに、光の粒子が五線譜となって音符とともに踊り、ふたりの吐息のような美しいハイトーンがこぼれだす。永野の繊細なビブラートと土岐の包みこむようなニュアンス。“次の楽章で君の表情は きっと変わってるだろう”という印象的なフレーズがあるが、これまでAltessimoがライブを重ねてきた中での一番の変化は、壮大な楽曲の中でも柔らかさとしなやかさを失わない表情なのではないかと思う。スクリーンには美しい夜景と大きな満月、光の五線譜が映し出され、会場を満たすペンライトたちとともに夢のように幻想的な光景を創り上げていた。感動の連弾はふたりで奏でるものであり、客席のプロデューサーたちと一緒に作りあげるものでもあるのだろう。
彩よりバレッタ裕、中田祐矢の2曲目は「桜彩」。薄闇から姿を現したバレッタがすっと視線を上げると、スクリーンに満開の桜とそれを見下ろす春月が映し出される。リフターにより高い位置に立つふたりは舞い散る花びらに包まれているよう。その空気に陶酔したような表情から舞踊のような舞を見せると、美しくも力強い歌唱がスタートした。ステージの両端に立っていた2人が、間奏でゆっくりゆっくり歩み寄り、また離れる足取りは彩ならではのテンポ感だ。彩の楽曲の中でももっとも静かに聴かせる楽曲だけに、2人のしっとりした表現の繊細さをじっくりと味わうことができた。
Café Paradeより狩野翔、児玉卓也、小林大紀の2曲目は「Delicious Delivery」を初披露。この曲で良かったのが入り方で、「桜彩」のしっとりした余韻を潰さないように、おしゃれでジャジーなロングイントロ部を“聴く”時間を数瞬はさみ、見る側がカフェパレモードに気持ちが切り替わる、ちょうどいいタイミングでハッピーなカフェパレの世界に突入していた。そこから3人がキレのいいダンスで魅せるのだが、小林の肩や首の使い方に意識的にアレンジが入っていてキュートで楽しい。歌い出しは上手側からスタートすると、“距離や時間なんて超えるって”のフレーズで大きく手を振りながらセンターへ。間奏の“Delicious Delivery”のフレーズに合わせて下手側へと、
FRAMEの熊谷健太郎、濱健人、増元拓也は3曲目として「リビングアイズヒーロー」を披露。ユニット曲3曲目というのも参加者含めてバラエティに富んだ今回のツアーならではかもしれない。ここからは新ユニット衣装に着替えての登場だが、ジャケットや熊谷の衣装のレーシングフラッグ風の飾りがダンスのキレの良さをさらに強調して見せてくれるようだ。全体を通して、ニチアサというよりは劇場版を思わせる壮大な熱さ。パフォーマンスが最高潮に高まったのが“飛び立てよ”のフレーズで、階段の二段目に構えた3人が、歌いながら一斉に大ジャンプ!拳を掲げながら跳ぶ躍動感が最高に気持ちよかった。アウトロの鮮やかなヒーローポーズから敬礼、キメにいたるまで、尻尾までヒーローが詰まったステージだった。
彩よりバレッタ裕と中田祐矢の3曲目は「喝彩!~花鳥風月~」。大活躍だった彩の2日間のユニット曲の締めに、原点の楽曲を持ってくるのが心憎い。紫の扇子を片手に登場した2人はユニット衣装で登場。袴を着てくるっと回る歩法が様になってるなと思いきや、“ワッショイ! ワッショ意気揚々!”でやんちゃに足を上げてみせる。衣装の力、衣装と楽曲のマッチングの力という意味では今回は彩がナンバーワンだったのではないかと個人的に思う。バレッタの動きの雄大さも引き立てられていて、“華をさかせてみましょう!”の見栄切りもまさに大輪の華やかさだ。そして2人でこの曲を歌うということは、合いの手のフレーズは基本的に1人で担当する。中田の声を張った「ソイヤッサー!」にも片鱗があったが、彼がキリオの「ニャーッ!」を拳を挙げながら決める姿はあまりにも新鮮で、ツアーならではの思い出になった。あとは細かいポイントになるが、“色彩!彩!彩!の本流”での見事な片足ジャンプにはベストバランス賞を贈りたい。
Wの山谷祥生、菊池勇成の3曲目は「VICTORY BELIEVER」をユニット衣装で披露。実は前曲のラストに登場し、“ワッショ意気揚々!”の特徴的な振付にも参加していた。……ということは、「VICTORY BELIEVER」の冒頭に彩も参加するということ。バレッタと中田が和装のままで、Wと並んで見事なシュートを見せたのは本ツアー屈指の名シーンだろう。
そしてここにきて、Wの原点である「VICTORY BELIEVER」だ。山谷の歌いだしに合わせて菊池が見事なソロダンスを見せるのだが、そのステップから楽しさが伝わってくる。ハイレベルなダンスを通して感情を伝えるのはWならではの境地かもしれない。その気持ちがボーカルにそのまま乗ってくるのだから強いに決まっている。ライブ中盤に歌ったDAY1に比べると、2日間を戦い抜いた上でのDAY2はより伝わってくるものがあるような気がした。また、DAY1は共通衣装で、DAY2はユニット衣装で同じ曲を歌うというのも贅沢かつレアな経験だろう。山谷のソロの“追いつこう、追い越してやる そんな想いで”のフレーズ、カメラをじっと見つめていた山谷が一瞬菊池に視線を送るのが、兄弟だけど最高のライバルでもあるニュアンスが込められているようで、胸に迫る感じがした。
Legendersの笠間淳、汐谷文康、駒田航の2曲目は「Make New Legend」を披露。壮大に広がる海上を疾走するようなスピード感のあるオープニングには、やはり古論クリスたる駒田の存在は不可欠だ。そしてLegendersという世界観を持ったユニットには、そのコンセプトを象った衣装が必要なのだとも思う。それほどLegendersらしい演出のスクリーン映像と衣装を着た3人、そして楽曲のマッチングは素晴らしい。個性にあふれたソロパートは歌終わりの余韻にも味わいの違いがあって何度聴いても飽きないのだが、3つの歌声がサビで合わさると、海を空を未来を切り開くLegendersという1つの個性になる。その瞬間の、パッと視界が広がるような爽快感。そして、最大のキメどころとなるのが“Make New Legend”のフレーズでの、視線を落としながら斜め上を指すオリジナルなキメポーズ。言語化しづらいのだが、特にセンターの汐谷の全身で弓を描くような弧の作り方のバランスが素晴らしく、自分を、いや北村想楽を見せる天才だなと感じた。そこからの浮遊感のあるダンスパートとポジションチェンジのMVのような作りこみが本当に素晴らしく、実に良いものを見せてもらった。
「Eternal Fantasia」は「SideM 3rd ANNIVERSARY DISC 01」に収録された楽曲で、原曲ユニットのAltessimo&Cafe Parade&Legendersより永野由祐、土岐隼一、狩野翔、児玉卓也、小林大紀、笠間淳、汐谷文康、駒田航が歌唱を担当した。「Make New Legend」のラストにステージ上段に現れて並び立っていた5人が、それぞれの足取りで悠然とLegendersの3人の間に入っていく。それぞれが違ったユニット衣装を着ていることで、アニメのエンディングの群像劇を見ているような華やかさがある。前曲からのシームレスな流れの中で、優しく柔らかいモードに空気ごと変わっているLegendersの対応力が見事。それぞれに全く色の違う“壮大さ”をもった3組だけに、曲のそこかしこで新鮮で華やかな組み合わせが生まれる。これもユニット横断曲ならではの楽しさだ。スクリーンには色とりどりの花火が美しく咲き誇り、素晴らしいライブの終わりを惜しんでいるようだった。
前曲のラストにすっとステージ上段に移動していたのがAltessimoの永野由祐と土岐隼一。DAY2の座長的な立ち位置として、ユニットの最後を締めくくる楽曲は「Tone’s Destiny」だ。壮麗な機械じかけの鍵盤楽器のような映像を背景に、壮大な歌声が羽根を広げていく。光の中スモークが広がる光景はまるで天上の音楽会のようだったが、そこにまさかの火柱が上がる演出には驚いた。だが時に向かい合って歌声をぶつけあう2人の歌唱は美しく端正なだけでなく、強い感情と喜びが込められていて、その熱さには炎がよく合っているようにも感じた。ラストはお互いがうながして、客席に向けて貴族のように優雅な一礼。火柱越しの流麗さが不思議と絵になるアンバランスなバランスが、「アイドルマスターSideM」だな、と感じた。
本編のラストナンバーは、はじまりの楽曲「DRIVE A LIVE」。FRAMEやLegendersといった重厚な組み合わせの奥から、ぱぴっとした歌声が微かに突き抜けてくるバランスが楽しい。センターユニットと呼ばれることが多いユニットたちが不在の中、WやAltessimoが引っ張り、一丸となって素晴らしいライブを作り上げた経験は、「SideM」というコンテンツにとっても大きな財産となる気がした。
アンコールでは、315プロダクション代表取締役社長・齋藤孝司がスクリーンに登場して、ライブを支えたプロデューサーたちの苦労をねぎらった。今後の展開の中では、「超常学園~覚醒スル切札~」の続編「超常事変」のコンセプトムービーが上映された。2022年冬に1章始動予定とのことだが、ムービーナレーションにナチュラルに立木文彦さんを起用できるのはズルい(素晴らしい)。変わった施策としては、「SideM6th神戸・東京公演バトンタッチ上映会」の開催が告知された。その名の通り神戸公演から東京公演をつなぐ内容になるようで、詳細は後日発表だ。
リアルイベント関連では、“THE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING 315 BEST OF PASSION FESTIVAL!!!”の開催が告知された。日時は2022年3月12日~13日で、会場は武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナ+有料生配信にて行なわれる。また、新規属性曲制作も発表され、会場から熱い拍手を浴びていた。
発表後には「アイドルマスターSideM」の歴代ライブを振り返るメモリーフィルムが上映された。幻となった“THE IDOLM@STER SideM 5th STAGE ~M@KE YOU PROUD”にかわり上映されたのは、同ライブの開催が告知された“THE IDOLM@STER SideM 5th Anniversary Because of You!!!!! ~in 市原~”において、プライドフルブルー衣装を身にまとったアイドルたちが歌い踊る姿だった。
ここから現実のステージに、プライドフルブルーをまとったアイドルたちが登場して「PRIDE STAR」を歌うのはDAY1と同じ流れ。違うメンバーで、1人でも多くのアイドルと一緒に“あの日”を取り戻す。上段のトップステージには、神戸公演を先頭に立って引っ張った4人の姿があった。
ラストの挨拶の締めを担当したAltessimoの2人からは、裏方の人々への感謝、いろいろな状況に耐えながらアイドルたちを支えてくれたプロデューサー(ファン)への感謝が語られた。土岐は「やっとまたここで、一歩ずつ歩み始めた『アイドルマスターSideM』とこのチームを改めてよろしくお願いします」と語ると、これからの公演でさらに進化した姿を見せることを誓った。永野は今日のライブの楽しさを噛みしめるように振り返ると、「まだまだやりたいです。ライブまたやりたいです。どうかこれからもプロデュース、よろしくお願いします」と想いを込めて告げていた。
315の2日間を締めくくるラストナンバーは「Beyond The Dream」。想いと絆のバトンは、年明けの東京公演に託された。
Text by 中里キリ
「THE IDOLM@STER SideM 6thLIVE TOUR ~NEXT DESTIN@TION!~ Side KOBE」DAY2
2021.11.07 神戸ワールド記念ホール セットリスト
M01:NEXT STAGE!(全員)
M02:YELL OF DELIGHT(W/山谷祥生、菊池勇成)
M03:勇敢なるキミへ(FRAME/熊谷健太郎、濱健人、増元拓也)
M04:Reversed Masquerade(Café Parade/狩野翔、児玉卓也、小林大紀)
M05:The 1st Movement ~未来のための二重奏~(Altessimo/永野由祐、土岐隼一)
M06:装 -So Beautiful-(彩/バレッタ裕、中田祐矢)M07:Pleasure Forever…(W/山谷祥生、菊池勇成)
M08:FOCUS ON YOUR LIFE(Legenders/笠間淳、汐谷文康、駒田航)
M09:スリーブレス(FRAME/熊谷健太郎、濱健人、増元拓也)
M10:Attacca Scenery(Altessimo/永野由祐、土岐隼一)
M11:桜彩(彩/バレッタ裕、中田祐矢)
M12:Delicious Delivery(Café Parade/狩野翔、児玉卓也、小林大紀)
M13:リビングアイズヒーロー(FRAME/熊谷健太郎、濱健人、増元拓也)
M14:喝彩!~花鳥風月~(彩/バレッタ裕、中田祐矢)
M15:VICTORY BELIEVER(W/山谷祥生、菊池勇成)
M16:Make New Legend(Legenders/笠間淳、汐谷文康、駒田航)
M17:Eternal Fantasia(Altessimo&Café Parade&Legenders/永野由祐、土岐隼一、狩野翔、児玉卓也、小林大紀、笠間淳、汐谷文康、駒田航)
M18:Tone’s Destiny(Altessimo/永野由祐、土岐隼一)
M19:DRIVE A LIVE(全員)
-encore-
EC1:PRIDE STAR(全員)
EC2:Beyond The Dream(全員)
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
アイドルマスターSideM Lantisページ
http://www.lantis.jp/sidem/
アイドルマスターSideM公式サイト
http://side-m.idolmaster.jp/
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