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2021.09.03

【ライブレポート】2年ぶりのカラフルなお祭り、待望の開幕! “Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”DAY1 レポート

【ライブレポート】2年ぶりのカラフルなお祭り、待望の開幕! “Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”DAY1 レポート

2021年8月27日から29日の3日間、さいたまスーパーアリーナにて“Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”が開催。昨年から延期となり、2年ぶりの開催となったアニソンの祭典・“アニサマ”。本稿ではそのうちDAY1の模様をお届け。観客の協力を得ながら行なった感染症対策など“特別なアニサマ”として、精一杯のパフォーマンスが繰り広げられていった。

幕開けを飾ったのは、レジェンドによるあの名曲!

開演直前の客入れBGMは、「We Will Rock You」から「Vertigo」と従来の“アニサマ”通り。声出しNGのため観客からのコールはないものの、クラップとサイリウムによって場内のボルテージは高まっていく。
従来との最大の違いは、やはりスタジアムモードの会場に五千人しか入場できていないという点だろう。前後左右1席は空けての座席指定のため、通常通りであれば1万人を収容できる設営。だがそれでもアリーナの後方半分や200レベルの大半、それ以上の階層を使用しないとこんなにがらんとしているものかと、改めて驚く。だが同時に、大きな通路やアリーナへのスペシャルステージの設置などの“仕掛け”が、期待も持たせてくれた。

まずOP映像はテーマソング「なんてカラフルな世界!」を用いて、五十音順でアーティストが紹介。1組ずつ、曲中の「オマエナニサマ!?オレアニサマ!」の歌唱に続いて画像が登場し紹介されていくという形だ。

それを経て、トップバッターとしてステージに立ったのは高橋洋子。2階ステージ上でスポットライトを浴びながら、「魂のルフラン」の頭サビをたっぷりかつ堂々と歌唱する。白の衣装や手にしたロンギヌスの槍もあいまって、このうえなく神々しい姿だ。MCでは「来られない方の想いも一手に引き受けて、私たちはパフォーマンスさせていただきます」と挨拶すると、不朽の名曲「残酷な天使のテーゼ」の歌唱に。赤が大部分を占めていた客席のサイリウムは、一部がイントロ中に紫に変化。サビ中には階段のLEDに「EVA」の文字が一瞬浮かんだりと観客含めた演出が盛り立てるなか、最初に会場を1つに束ねる大事な役割を果たしてくれた。

続いては「D4DJ」のユニットが立て続けに登場。まずはPhoton Maidenが「Photon Melodies」でスペーシーな雰囲気に会場を塗り替えつつ、サビ明けのダンスパートでも魅せて観客を惹き込むと、そこにPeaky P-keyが加わって一緒に「電乱★カウントダウン」を披露。歌声の力と徐々に迫りくるようなビートをもって胸を高鳴らせ、Happy Around!のターンへ。DJ台に各務華梨(明石真秀役)が、残り三人はスペシャルステージに登場し、「ぐるぐるDJ TURN!!」を歌唱しながらトロッコでメインステージを目指す。人と人とを繋げる引力を持つ愛本りんく(演:西尾夕香)擁するハピアラが、トロッコには最適任だったのではないだろうか。

 

  

また、Bメロでは愛美(山手響子役)や紡木吏佐(出雲咲姫役)も歌唱に参加し、TVアニメ『D4DJ First Mix』OPの再現に。そして最後は、サプライズでMOTSUが登場して3ユニットとともに「CYBER CYBER」。ゲームアプリ『D4DJ Groovy Mix』でこの曲をカバーしているPeaky P-keyのメンバーとの、ラップの掛け合いも見ものだった。

続く富田美憂は、『無能なナナ』のアニメ映像に続いて同作のOP「Broken Sky」を歌唱。キー高めのデジタルロックを、楽曲の雰囲気通りシリアスに歌いきる。表情もキリッとしつつ、大サビ前のブレイク中に眼前の光の海にニヤリとし、一番の全開な歌声で終盤を歌い上げて締め括る……と、そこに「エモーい!」のシャウトとともに大橋彩香が登場!共演歴も多い二人が、イベントタイトルにちなんでかFLOWの「COLORS」でコラボする。直前からどんどんノッてきていた富田はもちろん、大橋の歌声ものっけから絶好調だ。

 

こちらも初出場の声優ユニットDIALOGUE+は、マーチのようなinterludeで入場。内山悠里菜の「かくめい、はじめます!」の言葉をきっかけに、デビュー曲「はじめてのかくめい!」でエネルギッシュかつキレあるパフォーマンスをみせ、そのまま「人生イージー?」でも精度の高いパフォーマンスやフレッシュな歌声・ダンスを通じて、会場全体へエールを届けていく。さらにMCなしでもう1曲続けた「おもいでしりとり」は、勢いある曲以外でのユニットの魅力も感じられるナンバー。連動するような動きからチームワークの良さを感じさせたりと引き続きダンスでも魅せつつ、より感情豊かに歌うことで要所要所で心を掴む、濃いステージになっていたように思う。

その「おもいでしりとり」がOPを飾った『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』のED 「Plastic Smile」から、石原夏織のステージはスタート。ピアノ伴奏を佐藤純一(fhána)が担当するスペシャルバージョンで、切ない恋心を込めたナンバーと石原のキュンとくる歌声の相性は抜群だ。さらにもう1曲続けた「Against.」は、ステージを照らす色が赤と青で半々に。MVやOPを飾った『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』を彷彿とさせる配色だ。そんななか石原は、MV通りにダンサーを従えて切れ味鋭いダンスも織り交ぜつつ、歌声でもスタイリッシュさを発揮。アニメ本編のテーマ性を強く織り込んだ楽曲にも、よくハマっていた。

続いてはスピラ・スピカの出番。2階ステージに幹葉(vo)が登場して「リライズ」の頭サビをアカペラで歌い上げると、力強く澄んだ歌声が活きるロックナンバーで会場を自分たちのライブの空気に塗り替える。また、この日も息継ぎがわからないレベルに切れ目のないMCも健在で、そのまま振付講座を挟み「ピラミッド大逆転」へ。1・2番ともAメロで三人ともステージ端まで駆け出して可能な限り観客の近くで披露するが、にもかかわらず直前までしゃべりっぱなしだった幹葉の息が切れていないことは、評価されて然るべきだろう。また大サビでは、直前まで視線を交わしてプレイしていた寺西裕二(g)とますだ(b)も楽器を外して全力ダンス。歌の力で掴んでからハッピーで会場を巻き込む、スピスピらしさ溢れる2曲だった。

その空気をまたもガラリと変えたのはASCA。スリリングでハイスピードなナンバー「RESISTER」ではシャープな歌声で大会場の空気を切り裂き一気にシリアスなムードをもたらし、直前とはまったく違う色のアプローチで観客を虜にしていく。さらに「Howling」は、彼女も頭サビをアカペラで歌唱してのスタート。2サビ明けには「心で一緒に声響かせましょう!」と呼びかけ、さらに激しい疾走感のあるナンバーに芯ある強く太い歌声を乗せ、会場中に響かせていった。

“アニサマ”初出場となるスキマスイッチは、インタールードや常田真太郎(Pf.)がピアノで奏でる「ゴールデンタイムラバー」イントロのリフを通じて自分たちの色を会場にじわじわ染み込ませてからのスタート。特にBメロからサビにかけての、爽やかながらもソウルフルで独特の伸びのある大橋卓弥(vo)の歌声も活きる。続く名バラード「ボクノート」は、スピード感あるナンバー続きだった中盤戦での良いアクセントに。客席の青い輝きの海がアニソンファンからの歓迎の証であること、二人には伝わっていただろうか。そしてクラップ&レスポンスで場内を一体にまとめたところで、名曲「全力少年」を披露。アーティストと“アニサマ”の色が、この3曲を通じて対等に混ざり合っていった。

その余韻残るなか『アイドルマスター』第20話の予告映像が流れ、ピアニート公爵の演奏とともに今井麻美が――いや、如月千早がステージに立つ。会場が拍手とともに青く染まるなか彼女は美しく「約束」を独唱していき、大サビ前にはほかの765プロオールスターズのメンバーがゆっくり登場。後奏ではコーラスを合唱する光景、往年の“プロデューサー”にはたまらなさすぎるものだったはずだ。こうして2年前の“アニサマ”での「蒼い鳥」から続くSTORYを回収したところで、続いては爆上がり必至の神曲「キラメキラリ」!二手に分かれてトロッコに乗車した七人のアイドルは、色とりどりの光の海の中から会場中にハッピーを届けていく。

そのまま中村繪里子(天海春香役)が「とーってもカラフルな曲!」と紹介して始まった「Colorful Days (M@STER VERSION 12 Colors)」でも再び距離の近いファンにエールを届けると、前半戦ラスト曲にふさわしい大団円感のあるナンバー「M@STERPIECE」へ。アニメ映像と実際の観客のサイリウムの輝きがリンクすることで、現実と作品が地続きになる。そのなかでアイドルたちは全員、美しく煌めき続けていた。

次ページ:楽しさから胸に秘めた想いまで、最後まで続く色とりどりのステージ

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